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物流とマテハン4団体が新年賀詞交歓会

「物流の2024年問題」によって注目を集めている物流・マテハン機器業界。1月末に主要4団体が都内で新年賀詞交歓会を開催した。能登半島地震の影響もあり、インフラとして物流の重要性を再認識する声が多く聞かれた。 日本ロジスティクスシステム協会 サプライチェーン全体で取り組み加速  26日に開催した(公財)日本ロジスティクスシステム協会は能登半島での地震発生を踏まえ、新年賀詞交歓会を新春の集いと改めて開催。 冒頭の挨拶に登壇した大橋徹二会長(小松製作所会長)は、「4月より時間外労働の上限規制がいよいよ物流分野にも適用される。当協会はこれまでにも持続可能なロジスティクスを目指して様々な取り組みを行ってきた。政府が掲げる政策に沿って対応を着実に実施していく」とし、「サプライチェーンに関わる全てのプレイヤーが協力して商慣行を見直し、物流を効率化し、行動変容を進めることが重要」と考えを述べた。 来賓の経済産業省商務・サービスグループ商務・サービス政策統括調整官の山陰雅良氏はまず「政府が能登半島へのプッシュ型支援を行う際、本日お集まりの方々には多大なご協力をいただいた」と感謝を述べた。「物流の2024年問題」について、「経済産業省としてはこの問題への対応だけではなく、脱炭素、DX、人的資本経営、さらにはリスキリングといった労働市場改革と組み合わせながら、あらゆる手法を活用して意識改革を図っていきたい」とし、人の能力を引き出すための積極的な設備投資への支援を行っていく考えを示した。 日本物流システム機器協会 止まらない物流基盤の底支えを (写真=下代博会長)  24日に行った(一社)日本物流システム機器協会の下代博会長(ダイフク社長)は「物流の2024年問題」に触れ、「これまでにも物流業務の省力化、自動化のニーズの高まりによって発展を続けてきた当業界に、さらにインパクトをもたらすのがこの課題」と期待を述べた。「物流業務の効率化・生産性の向上だけでなく、トラックの荷待ち時間の解消や新設される中継拠点へのソリューション提案などに力を注ぐ必要がある」との考えを示す一方で、「会員企業の多くが荷主としての立場もある。24年問題の当事者として取り組んでいただきたい」と話した。 恒例の左手を腰に当てて行う右肩上がり乾杯は能登半島地震などがあったことを受け取りやめ、大庫良一副会長(オークラ輸送機社長)は「国土強靭化のプラットフォームである物流を底支えするのが当協会の会員各社」とし、「止まらない物流基盤を作っていく当協会の大きな責任を達成するためにも、心を合わせて頑張ろう」と発声した。 日本運搬車両機器協会 時間への寛容さが事故・不正を防ぐ (写真=吉田晴一会長)  25日に開いた(一社)日本運搬車両機器協会の吉田晴一会長(ハンマーキャスター代表取締役)は、はじめに阪神淡路大震災で被災した経験を振り返り、「避難生活の様子は30年近く経っても大きくは変わっていない。現地の人たちは自分の身を守るので精一杯になってしまうので、外からの支援の輪を広げたい」と話した。 物流の2024年問題については、自動車関連企業の不正問題にふれ「納期に囚われ過ぎているのではないか」とし、「いまだに960時間以上の残業をしている運送事業者が3割ぐらいあると言われている。対策が十分でない中で4月を迎えるにあたり、重大事故や不正を起こさないためにも、皆が少しずつ寛容になる必要があるのではないか」と考えを示した。 乾杯の音頭を取った花岡徹副会長(花岡車輌社長)は「我々が知恵を絞って作った製品は必ず役に立つ。いよいよ当業界の出番の年」と力強く話した。 日本マテリアルフロー研究センター 高度物流人材育成へ新講座開設 (写真=松川弘明会長)  12日、(一社)日本マテリアルフロー研究センターは都内で賀詞交歓会を開催した。就任2年目の松川弘明会長(慶応義塾大学理工学部教授)は「1年を過ぎて業界のことや自分の役割についてわかってきたような気がする」と述べ、今年の抱負を「会員サービスの強化」と「アジア物流ネットワーク構築へ前進していくこと」とした。 会員サービスの強化は、国土交通省が進めている高度物流人材育成に倣う形で、4月から育成プログラムを立ち上げる。デジタル化データサイエンスコース、サプライチェーンサイエンスコース、先端物流技術コースの三つを用意し、デジタル化データサイエンスコースの上級から順次開講する予定。量子コンピューティングなど最新技術に対する研修も盛り込む予定で、松川会長は「いずれ我々の産業界を引っ張っていく人材を育成するのに非常に重要な研修事業になるのではないか」とし、「皆さんも期待して待っていてほしい」と述べた。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月21日

クリナップ、システムバスルームを20年ぶりに刷新

 クリナップは2月1日、20年ぶりにシステムバスルームを全面的に刷新。中高級価格帯の「SELEVIA(セレヴィア)」と普及帯の「rakuvia(ラクヴィア)」を新たに発売した。システムキッチンで展開してきた「『水まわり』はもっと自由にリビングに近づくべき」との考えをシステムバスルーム(SBR)にも展開。キッチンで培ったリビングのように家族が快適に過ごせる空間づくりを「リビングバスルーム」としてSBRにも持ち込んだ。 一方で、従来から課題とされてきた同社独自の施工方法や外寸を、業界標準であるジョイナー構造の採用や設置寸法1670?_への対応で解消。加えて、同社SBRの特長であった業界1の保温性や部材の耐久性、安全性に優れた「足ピタフロア」などはそのままに、リビングフロアと意匠性を接続しやすい加飾フロアを標準採用。従来よりも自然な姿勢を維持しやすいハイカウンターの「とってもクリーンテーブル」や、業界初となる4機能(除湿乾燥・微冷房・微暖房・換気)搭載の「乾爽!除湿ファン」(5月発売予定)などを用意し、リビングのような居心地の良い空間づくりに余念がない。 併せて、洗面化粧台も新たに2種(「ELVITA〈エルヴィータ〉」と「rakutowa〈ラクトワ〉」)追加。同社の竹内宏社長は、近年キッチンの印象が強まっていることに触れ、「以前のように水まわりのクリナップと言われるようしっかりとやっていきたい」とし、現在、87%対13%程度であるキッチンとサニタリーの売上構成比を10年前程度(81%対19%)に戻していくと意気込みを示した。 (写真=竹内宏社長は「本年は当社にとってサニタリー元年」と意気込みを見せた) (2024年2月10日号掲載)

2024年02月20日

大阪商工信用金庫、万博出展候補の中小企業の交流会実施

 大阪商工信用金庫は2月2日、「大阪・関西万博」へ出展候補企業の交流会を実施した。大阪の中小企業・スタートアップが「大阪・関西万博」への参加をめざす「リボーンチャレンジ」。普段から中小企業などの支援を行っている同信用金庫や大阪産業局などの実施主体が26の同チャレンジを通じて、万博出展を支援する。 多賀隆一同信用金庫理事長は「脱炭素をキーワードにしている。当信用金庫が脱炭素に注力している一つの理由として、私には孫がいるが小さな子どもが『夏が暑くて暑くて死にそうだ』と話していた。これは何とかしないといけないと感じたことだ」とあいさつした。 その後、レーザー核融合の商用化を目指すEX-Fusion、親水性遮熱断熱塗料でエアコン消費によるCO2排出の抑制を目指すオプティマス、半導体製造で発生する廃液から窒素資源回収を行う興徳クリーナーなど出展候補企業8社がプレゼンテーションを行った。 多賀理事長は「脱炭素に取り組むことで短期的に当信用金庫に大きなメリットがあるかと言えば難しいが、10年先、20年先を見据えれば必要な投資と考える。まだ世の中に知られていない中小企業とその技術が万博を通じて世界に広く知れわたる。注目を集めることで5倍、10倍に成長する企業も出てくる。こうした将来への投資を今行わなければ我々の成長もない」とコメントした。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月19日

ルネセイコウ、楽器演奏用折りたたみ椅子

 「楽器演奏用高低可動折りたたみ椅子」は国内大手楽器メーカーとルネセイコウが共同で開発した、コントラバスなどの楽器演奏のために開発した演奏用チェアー。コントラバス奏者はその大きな楽器を保持したまま演奏をするため姿勢の安定性が重要になる。本製品は奏者の体格に合わせて座面の高さを調節でき、演奏時の足置きとして便利な大き目のフットレストを備えているため、楽な姿勢で演奏を行える。 ギターや管楽器の演奏時にも使え、コンパクトに設置・収納できるためスペースのないライブ会場にも向く。現在では国内外のトッププロミュージシャンが採用しており、世界で活躍する日本人ロッカーKoji氏やドイツで活躍するコントラバス奏者・小山貴成氏などが愛用する。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月19日

コロナ、部屋干しでも快適な衣類乾燥除湿機

 コロナの衣類乾燥除湿機「WHシリーズ」は、業界トップクラスの衣類乾燥スピード(18?gタイプで約58分)を誇る。パワフルな性能を持つ一方で、部屋の状況に合わせて広く浅い風と遠くまで届くシャープな風を立体的に組み合わせ可能な細やかさも併せ持つ。最適な送風で衣類乾燥ができるため、同社の調査では従来よりもタオルのふんわり度(タオルの乾燥時の厚み)が約30%向上した。 業界トップクラスの約7時間連続稼働可能な5.5?gの大容量タンクや、業界初となるコップ1杯の水で熱交換器のホコリや汚れを洗い落とす「アクアドロップ洗浄Self」などを搭載しており、メンテナンスの手間も少ない。コンプレッサー式のため一回あたりの電気代が19.8円と安いだけでなく、電気使用量を35%削減できるecoモードなども搭載しており家計にも優しい。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月16日

ソディック、西日本支店 プライベートショー

 ソディック西日本支店は2月1日と2日、リニューアルした大阪ショールーム(大阪府吹田市)でプライベートショーを実施。約500人が訪れた。 注目を集めていたのはマシニングセンタ「UX450L」。MECT2023には出展したものの実機の関西での展示は今回が初。今後常設展示する予定だ。 浜本純弥西日本営業部部長は「リニアモーター駆動の機械の市場を開拓したメーカーと自負しているが、シリーズを重ねる中でユーザーの求めるものも高くなってきた。ユーザーからの意見を吸い上げて速度と高精度を両立した」とし「具体的には主軸などで剛性を高めている。高速機で主軸の剛性を上げるというのは一見矛盾するようだが、微細領域では切削ボリュームが小さいが、求められている面粗度や面質、形状精度が桁違だ。高速機で微細領域の高いレベルの精度を達成させるには、機械各部のわずかな変位や振れも許されない」とした。ほかにも横に扉をつけて作業性を高める工夫が見られた。 ワイヤ放電加工機「AL400G iG+E」にも人だかりができていた。「今、ユーザーからはエコを求められる」(同)として3つの技術で対応。ワイヤ回転機構(i groove)で常に無消耗のワイヤ面で仕上げ加工し送り速度を緩やかに。それにより仕上げ領域でワイヤ消費量を30%削減する。次に新開発のDigital HF制御を採用することで加工速度の20%向上を実現。また電気消費の大きいポンプをすべてインバーター化し、最適制御することで消費電力を20%削減した。 他にも金属3Dプリンタ「LPM325」、精密形彫り放電加工機「AL40G」が展示されていた。 なお大阪ショールームは昨年8月にリニューアル。機械がより映えるように化粧直しを行ったほか、間接照明で夜間に機械をライトアップして外から見えるような工夫を行った。 (2024年2月10日号掲載)

(株)ソディック

2024年02月15日

山善、油使用量4割減の電気フライヤー

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は油槽の底面を斜めにすることで、使用する油の量を約40%削減した「電気フライヤーYAG-L100」を同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やECモールの「くらしのeショップ」、全国の家電量販店やホームセンターなどで2月中旬から順次発売する。 油の使用量が少なくなることで予熱時間も約35%短縮。調理後の廃油も少ないため、処理に必要な油凝固剤や新聞紙などの量も削減できる。のぞき窓を付けたふたから油ハネを防ぎつつ、調理の様子が確認できる。本体質量2.2kg、価格はオープン。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月15日

微細加工工業会、都内で新年会

 (一社)微細加工工業会(東京都台東区)が東京・有明のホテルで1月25日に開いた新年交流会に会員企業などから41人が集まった。昨秋設立5周年を迎えた工業会は微細加工サンプルをパッケージ化し、図面、測定データ、具体的なアプリケーション、かかわった企業情報(英語版も用意)を入れたUSBメモリーをセットにして近く世界中に配布するなどグローバルに活動する考え。関聡彦会長(hakkai社長)は「足元では中国の景気減速もあるが、ウチの工業会は元気な会社が多い。日・米の専門展への出展や工場見学会などほぼ毎月イベントを実施し、とにかく積極的に活動していきたい」と話した。 前会長の戸田拓夫氏(キャステム社長)は「キャステムとしては微細加工に力を入れる一方で、ロット1個のデジタルキャスト(金型要らずで鋳造)を徹底的にやる。皆さんも自社の事業をもう一度整理して今までにないことに取り組めば、何年か後に開花すると思う」と呼びかけた。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月14日

新富士バーナー、登山向け軽量シングルストーブ

 キャンプの定番ギアである新富士バーナーのレギュレーターストーブ「ST-310」の使いやすさを引き継いだ、登山用レギュレーターストーブ「ST-350」が6月頃発売予定だ。山登りをターゲットに330?cあったST-310に対し約59%減の136?cまで軽量化。収納サイズもST-310に比べて約42%コンパクトにし、登山者の装備軽量化ニーズを捉えた。 ST-310にも搭載の低温時でも火力をキープする独自のマイクロレギュレーター機能に、耐風性の高い独自バーナーヘッド構造のウインドマスターと新発売の「CB TOUCH」ボンベを組み合わせることで、高地や低温下でも高価格のOD缶と同等クラスの性能を出せるようにし、ライト層の取り込みを狙う。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月14日

三井精機、本社で4年ぶり自社展

 三井精機工業は1月24、25の両日、埼玉県比企郡川島町の本社工場で主にコンプレッサー新製品を紹介する「MTF2024」を開き、販売会社やユーザーら約700人が訪れた。本社工場で開催するのは4年ぶりで、目標人数を達成した。 最も目立つ位置に並べたのはオイル式コンプレッサー「ZgaiardX」の後継機(名称は未定)だった。7.5~37kWの5容量で構成し、5~7月に順次発売を予定する。37kW機の吐出空気量は毎分7・35立方?bと従来機より5%アップし、同社は「5容量で吐出空気量はクラスナンバー1。インバータとベーシックタイプの計10機種で販売シェアアップを狙う」(佐賀良宏治営業本部長)と意気込む。従来オプションだった8台までの制御機能を標準にしたほか、6台まで簡易的に制御できる液晶モニターを22、37kW機には標準搭載する。  (写真=新型オイル式コンプレッサー) 同社は工作機械と連携しCO2削減も狙う。展示した5軸マシニングセンタ「Vertex」にZgaiardXを横づけし、細かく出力制御できることを示した。川上博之社長は「機械の需要に合わせてコンプレッサーの圧を上げ下げする。加工プログラムを先読みして行うもので、おそらく業界初」と力を込める。まだプロトタイプのオプション機能だが、今夏までの発売を目指すという。 MTFは名古屋(2月14・15日)、大阪(3月6・7日)でも順次開催する。 (写真=工作機械と連携し細かく圧力制御できることを示す川上博之社長) (2024年2月10日号掲載)

三井精機工業(株)

2024年02月13日

山善(永泰産業)、安全設計な強火力2口IHコンロ

 山善(永泰産業)の2口IHコンロ「YEM-W1456」はコンセントに差し込めば工事不要で、ガス機器から簡単に乗り替え可能。筐体がW56×D41×H6・2?aとコンパクトなため置く場所にも困らない。大きなボタンと押した感覚が分かりやすいシートスイッチを採用しているほか、出力モニター付きで操作性に優れる。また、フラットな天板は汚れたときもサッと拭くだけで手入れしやすい。 左右合わせて最大1400?hまで使用できるため、とろ火から強火調理まで幅広く対応可能。ハイパワーであるからこそ安全性には気を使う。永泰産業の担当者も「切り忘れ防止、異常温度上昇防止、鍋なしセンサーなど7つの安全機能もあり、安全にお使いいただける」と話す。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月13日

京セラ、鋼加工用のサーメットインサートに3材種追加

 京セラは1月12日、先端角25度の倣い加工用工具「ZBMT」シリーズにサーメットインサート3材種を追加した。同シリーズは先端角35度の標準タイプでは加工の難しい複雑形状にも対応可能な旋削加工用工具。独自のクランプ構造でチップを固定することで、剛性不足や寸法不良を抑えられる特長を備える。 同社はこのシリーズに、鋼加工用のサーメットインサート「PV720」「PV730」「TN620」の3種を追加。特殊ナノ積層コーティングを成膜したPV720とPV730、およびノンコートサーメットであるTN620をラインアップに加えることで、高い面品位が要求される鋼の仕上げ加工で高速・高能率加工を可能にする。3材種はいずれも2つの型番があり、PV720とPV730は標準価格1340円、TN620が同1210円(いずれも税抜き)。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月12日

日本アイ・エス・ケイ、エンディングノート付き終活金庫

 近年注目を集めている「終活」。残された人に迷惑がかからないよう重要書類などを整理・保管しておくことが大切だ。 金庫製造のパイオニア、日本アイ・エス・ケイの終活金庫は、エンディングノートと通常よりも1本多い3本の鍵が付属した終活を始めるのにぴったりな製品。エンディングノートはもしものときに備えて自分の情報や希望などを書き溜めておけ、鍵を家族と共有すればいざというときに金庫が開けられない心配もない。筐体には人気の「ゆとり収納シリーズ」を採用しているため、角2封筒を折らずに入れることができる。 鍵は特殊マグネット錠とリバーシブル錠の二つの施錠タイプを用意。スタンダードタイプ(マグネット錠)「LP-20MN」は火熱に1時間耐える安心の耐火性能を備えており、金庫の性能も申し分ない。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月12日

日東、風速30mでも倒れない穴あきコーン

 TVなどでも紹介され注目が集まっている日東の「穴あきコーン」は、一般的なカラーコーンに独自設計の穴を施したアイデア商品。見た目は従来からあるカラーコーンとあまり変わらないが、穴が開いていることで空気抵抗を軽減でき、風速30?bもの強風時にも飛ばされない。冠水時や川の氾濫時にも穴から水が抜けるため流される心配が少ないなど災害時にも活躍する。 また、穴が開いているためコーン内部を視認しやすく、テロ対策が必要な大規模イベントなどにも向く。実際、昨年行われたG7広島サミットで採用されるなど実運用も進んでいる。一般的なカラーコーンと同じように使えながら、従来品では使用が向かなかった場所や時をカバーできる優れモノだ。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月09日

山善(アラミック)、見た目も追求の節水シャワーヘッド

 山善(アラミック)はこの程、ナノバブル(0.001?_以下の気泡)発生機構を搭載したシャワーヘッド「BIRAKU」に、汚れに強いハードクリアコート仕様「COATING」と見た目の美しさを追求したマットコート仕様「MAT BLUE」を追加した。ナノバブル発生機能をなくすことで価格を抑えながらも、従来からのウリであった節水性能を更にブラッシュアップ。最大60%もの節水・増圧効果を得られる(従来品は50%)。柔らかな極細水流は刺激が少なく敏感肌でも優しく洗い流す。 手元で簡単に一時止水可能な安心ストップ機能やバランス釜以外のほとんど全てのシャワーホースに対応する工具不要の簡単取り付け構造も変わらずで、節水しながら至極のバスタイムを実現できる。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月09日

歯車工業会、新年懇親会

 (一社)日本歯車工業会は1月19日、新年賀詞交歓会を都内で開催した。植田昌克会長(植田鉄工所社長)は今年で発災から29年となった阪神・淡路大震災を振り返り「今もなお当時の街の様子や揺れを覚えている。能登半島地震の映像を見るたびに、やるせない気持ちでいっぱいになるが、『ともに』という気持ちを大事に寄り添うことを忘れてはならない」と述べた。 歯車業界の市況については「明るい話題は多く聞こえてこない」としながらも、禅の言葉「看脚下」を引用し、「先行きの見えないときだからこそ、慌てずにしっかり自分の足元を見て、一歩一歩進むことが重要」であると説いた。 来賓として挨拶をした自民党の税制調査会会長を務める宮沢洋一参議院議員は、苦しい歯車業界の現状に対し、「一昨年に改訂された防衛大綱をテコとして、さらに業界を発展させてほしい」と述べ、ウクライナ侵攻前後から言われるようになった「トランジッション」に関して、「過渡的な変化の中で、絶え間なく工夫をすることでチャンスをつかむことができるいい時代ではないか」との認識を示した。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月09日

建設×3Dプリンタの現在

 慢性的な人手不足と「2024年問題」への対応に悩む建設業界。在来工法に比べ工期短縮につながる3Dプリント技術の利活用が熱い視線を集めるが、こと国内に限っては普及に壁があるのも実情だ。米国ではすでに3Dプリント住宅による「街」の建設に着手した事例もあり、他国でも橋や3階建て住宅を造形するなど実用化が進む。しかし災害の多い日本では10平方?bを超える建物は建築基準法に準拠し建築確認申請を行い、鉄骨や鉄筋など指定建築材料を使わない場合は個別に国土交通大臣の認定を受ける必要がある。モルタルで積層造形したブロックを組み立てるだけでは構造体と認められず、この壁を突破しなければならないのだ。 これを打破しようとする動きが近年、国内でも活発化してきた。テックベンチャーのPolyuseは22年に10平方?bを超える床面積の建物の建設を、3Dプリント施工として国内ではじめて(同社調べ)建築確認申請を取得して成功させた。3Dプリント部材と鉄筋を組み合わせることで基準をクリア。3Dプリント住宅を手がけるセレンディクスも、50平方?bの2世帯向け住宅を鉄骨と3Dプリント部材を組み合わせて23年に竣工させた。 大手ゼネコンでも研究開発が進む。大林組は独自材料を使った3Dプリンタ実証棟を23年4月に竣工。セメント系材料を用いた3Dプリンタによる建築物として、国内ではじめて建築基準法に基づく国土交通大臣の認定を取得した。プリントした壁の内部に流し込んだ高い引張強度や引張靭性をもつ独自材料「スリムクート」が構造体となり、鉄筋も鉄骨も使わずに建築基準法に準拠している。 このように国内での3Dプリント施工は一部の先駆者が法に適合した実証例を積み重ねている段階だ。越えるべきハードルが多いのは事実だが、普及に弾みがつけば価格の低減やルールの改正も期待できる。建設現場の人手不足を解決に導く切り札として、近い将来の普及拡大を待ちたい。 (2024年1月25日号掲載)

2024年02月08日

森鉄工所、半導体受注への最後のピースが「ソノクリーナープラス」

森鉄工所(京都府久御山町)はわずか6人の規模ながら材料調達に始まり、フライス加工、旋盤加工、ワイヤ放電加工、平面研削、溶接、焼き入れ、表面処理、最終検査まで一気通貫で行う。また他社が加工したワークの追加工や修正なども対応する。高い技術をもって半導体関連の受注を目指し、“最後のピース”としてカイジョーの超音波洗浄機「ソノクリーナープラス」を導入した。森昭浩社長に技術力や今後の展望を聞いた。 ??どういったお仕事が多いですか。 森 経営の安定化もあり幅広い受注を目指しています。自動車業界からの受注がこれまで多かったですがEVシフトも見据え、自動車産業を大切にしながらも粉体事業やスリッターなど多様な業種からの受注を増やしました。さらに半導体製造装置メーカーからの受注を目指しています。将来的には売り上げの5割まで持っていきたい。 (写真=森鉄工所 森昭浩社長 「趣味が機械いじり。商売が好調な時でも高級車の購入に回す資金があれば設備投資に回しました。そのおかげで自信をもって営業ができます」と笑う。) ??自動車向け生産機の部品で高い技術力を誇っていますね。 森 鉄の塊から削り出すほうが楽で、溶接構造や鋳鋼鋳型の素材から機械加工するのは同業者は自ら進んでやりたがりません。治具クランプで固定して加工するのですが、力任せに締めると反りが一時的に矯正される。このまま加工すると、クランプを外すと元来の反りが出現します。締めの強弱やバランスで元来の反りを残してクランプして、加工で反りを矯正し平面度0.01及び平行度0.01以内に収めるんです。 ??溶接まで内製化されていますね。 森 機械加工のことまで考えて溶接してくれる専門業者は少ないです。基準になる2面を持つ材料を溶接するなど、自社なら機械加工に適した溶接が可能で、精度も上がります。溶接だけでなく、多くの加工を内製することでコストも下がり納期も早くなります。 ??6人規模でここまで総合的に加工できるところは多くはないですね。 森 例えばワーク横面のドリルやタップ加工の仕事が多く来ます。5軸加工機を多くそろえた中規模以上の加工会社なら横穴加工自体は簡単ですが、時間チャージが2倍から3倍なので採算があいません。アングルヘッドという特殊なツールを使いますが、小規模のところはNCプログラムを作成できず手でグルグルとハンドルを回しています。S50Cのワーク横面にφ10、深さ200?_のドリル加工を行うのにこのような方法ではかなり無理があります。 ??半導体関連からの受注を目指されていると。 森 4年前、半導体製造装置メーカーの担当者と名刺交換した際、「似たような業者は必要ない、せめてφ300?_やφ400?_の旋盤加工でも出来ればチャンスが無いこともない」と助言を頂き最大加工径580?_の旋盤を導入しました。それから2年程φ400?_オーバの製品を集中的に受注し大径加工のノウハウを習得し、満を持してサンプルを持参しました。 ■あと一歩届かず ??どうでしたか。 森 製品の見た目は良かったらしいのですが脱脂が不十分であるのと、洗浄に対する当社の姿勢の甘さを指摘されました。半導体製造装置業界が求めるレベルに油を完全に除去するには当時の設備と知識では限界がありました。洗浄工程のみ外部委託という方法もありますが運送時、洗浄時に万が一傷などが付くことが心配で社内で洗浄できないかと考えました。 ■決め手はメーカー担当者の洗浄の知識と情熱 ??超音波洗浄機の導入を決意したのですね。カイジョー「ソノクリーナープラス」に決めたポイントは。 森 まずはφ500?_、φ600?_を洗える大きさと、リーズナブルさがありソノクリーナープラスに決めました。性能はもちろんですが営業担当者とサポート担当者が知識をしっかりもち、アドバイスをもらえた点が大きい。洗浄について知識がない私に手取り足取り教えてくれました。他社のデモ機も使いましたが、ソノクリーナープラスのほうが落ちがいい気がしますよ。性能の差があるのかもしれませんが、それ以上にこういう場合はどういう洗剤を使うかなど、ノウハウを惜しみなく教えていただいたからだと思います。 ??部品の油のニオイはなくなりましたか。 森 はい。超音波洗浄機「ソノクリーナープラス」を使用し洗剤とオプションのヒーターによる温水を組み合わせて小径穴の奥の油分まで取り除きます。またトリートメントには純水を用います。ほかに半導体製造装置用部品の専用の車両まで購入して、納品時の梱包用の箱に微量の油分が着くのを防ぎます。 ??半導体向け以外の製品の洗浄は楽になりましたか。 森 半導体関連ほどでなくとも部品洗浄は欠かせません。いくつかの面倒な工程がありましたがソノクリーナープラス導入で、漬けておくだけの簡単な作業になり全体的に業務が効率化されました。 ??いよいよ半導体向けの実際の受注へ営業活動ですね。 森 半導体製造装置の部品の受注に向け、最後のピースである超音波洗浄機がはまって準備は万端です。長い間、取引を希望している装置メーカーとは別に、平行して他社メーカーにも営業を始めたところ、送った会社案内をご覧になって担当者より名刺交換の機会を頂きました。私は名刺交換の後、直ぐに当社の何処に興味を持たれたかお聞きしました。会社案内の洗浄機のページを開けて「超音波洗浄機を備えて洗浄をしっかりしてくれそうだから」とまず仰って頂きました。 (写真=半導体向けSUS304、φ280旋盤加工サンプル洗浄済み) (2024年1月25日号掲載)

2024年02月07日

石油ファンヒーターの上手な使い方をコロナが呼びかけ

 石油ファンヒーターは使い方次第で灯油の消費や電気代を抑えられる。省エネにつながる3つのポイントをコロナが提案している。 まずはファンヒーターを窓際に置くこと。窓から伝わる冷気を吸い込み部屋を温めるので、冷気が部屋を対流する時間が短くなるからだ。次にフィルターの定期的なお手入れ。本体背面の温風空気取入口がほこりなどで目詰まりすると、十分な空気が取り込めず暖房効率が低下する。掃除機などで手入れできる。最後は「エコモード」など省エネ機能の活用だ。同社のファンヒーターには全機種で設定温度を自動で20℃に切り換える「新ecoモード」や最大火力を60%に下げて灯油の使用量を抑える「セーブモード」などの機能を搭載する。 (2024年1月25日号掲載)

2024年02月06日

山善、1台6役のオーブン

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は内蔵ファンと2タイプのヒーターを搭載した「コンベクションオーブンGrill Partner」を同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やECモールの「くらしのeショップ」、通販などで昨年12月から順次発売している。 内蔵ファンが庫内で熱対流を起こすことで、温度のムラを防ぎながら熱風で包み込むように焼き上げる。遠赤外線で加熱するシーズヒーターを庫内上下部にそれぞれ2本、数秒間ですぐに発熱して高熱量、さらに精度の高い温度コントロールができるカーボンヒーターを庫内上部に2本の計6本のヒーター管を搭載する。これらにより5つの調理モードで6役を担う。外形サイズ幅380×奥行350×高さ360mm、価格はオープン(参考価格4万9800円前後)。 (2024年1月25日号掲載)

2024年02月05日

YKK AP、米・新メーコン工場 操業開始

 YKK APは1月9日、現地法人であるYKK AP アメリカ社がジョージア州メーコン・ビブ郡に建設を進めていた住宅用樹脂窓を製造する新工場「メーコン工場」の操業が開始したと発表した。 新たなメーコン工場はジョージア州の中央に位置し、旧メーコン工場から車で約20分。これまで2カ所に分かれていた旧工場の製造機能をすべて移管し、樹脂窓の一貫生産体制を構築した。販売エリアである米国南部6州の住宅用樹脂窓増販に向け、製造供給能力強化と市場競争力のある製造供給体制を構築する。 製造ラインは既存の樹脂窓商品に加えて改良商品となる「StyleView Classic」の製造に向けた新設ハングラインなどの設備を擁し、樹脂素材の押出から窓の組立、出荷までを建屋の西側から東側に流す高効率なラインを構築した。日本の樹脂窓製造ラインで採用している自動化技術を展開し、生産性を現行から212%とする計画。ロジスティクス面でも、GTP(Goods To Person)やIoT 技術を導入し、作業者の移動やピッキング時間を削減するとともに、将来の自動搬送化を考慮した通路幅を採用するなど、今後の事業・商品戦略に合わせて柔軟に対応できる建屋設計になっている。 (2024年1月25日号掲載)

2024年02月02日

リンナイ、シニア向けガスコンロ

 リンナイは2月1日、誰でも安心して使えるガスコンロ「SAFULL(セイフル)」のラインアップにシニア向けの「SAFULL+(セイフルプラス)」を追加し発売する。認知症当事者やその介護者・介助者の声を製品開発に取り入れることで、操作間違いや火の切り忘れなどガス火調理の不安解消を狙う。 主な特長は間違え防止のカラーリングと大型ごとく、聞き取りやすい音声案内の3点。間違え防止のカラーリングは、バーナー周辺部品を黒色に統一することで弱火でも炎を認識しやすくしたことに加えて、操作部と天板の表示の配色を右コンロはオレンジ、左コンロは緑色に揃えることで操作ミスを防ぐ。さらに、点火スイッチにはLEDライトを搭載し、点火不良などのエラー発生時に点滅して知らせる。  安全を考慮しIHへと切り替えたものの使い勝手の変化によって調理自体をやめてしまう高齢者がいる状況に対し、同社は「慣れ親しんだガス火調理が続けられることで『料理は楽しい』『自分で作ったご飯は美味しい』と思える体験を実現し、心身ともに健康な状態を維持する効果も期待」する。価格(税込)は23万1千円。 (2024年1月25日号掲載)

2024年02月01日

永大産業、ハイエンド内装材のラインナップ強化

 永大産業は1月9日、内装材ハイエンド製品「グランマジェスト」シリーズに「グレインエレメント リブパネルデザイン」を発売した。リブデザインをドアから壁面まで同一ディティールで連続させた壁面一体化デザインを特長とした。室内ドアと化粧壁材を用意する。 ドアと化粧壁材を一体化した意匠は、従来は主に特注生産となっていたが、規格品として市場投入することで施工の負担軽減にも貢献する。 昨年、同シリーズに「カラーエレメント」、「グランマジェスト キッチン」を加えラインナップを拡充してきた同社。今回のリブパネルデザイン追加によりラインナップを強化した。 「リブ幅の設計に視覚的に安心感がある大和比を取り入れ、ドアには隠し蝶番を採用。ドア正面から金具が見えない仕様で、洗練された高級感のある空間づくりに一役買う」(同社) カラーラインナップはマエストライト柄・マエストミディアム柄・マエストブラウン柄・マエストダーク柄の4種類。販売目標は2024年度に年間240セット、25年度は年間360セット。 (2024年1月25日号掲載)

2024年01月31日

ニュースダイジェスト社が今年の工作機械受注額を1.3兆円と予測

 工作機械関連の技術や市場情報に関する専門誌を発行のニュースダイジェスト社(樋口八郎社長)は、1月11日、名古屋市内で「2024FA業界 新年賀詞交歓会」を開催。メーカー、商社のトップマネージメントら735人が参加した。 同社の予想として、今年(暦年)の工作機械受注総額を1兆3000億円と発表した。前日公表された日本工作機械工業会の予測値1兆5000億円を下回り、昨年推定値からも約1800億円少ない厳しい見通しとなった。同社では「年央からの回復は期待できる」としつつ、主要需要国である中国の景気回復の遅れ、半導体回復の時期などを慎重に見て数字を弾いたようだ。全体的な底練りを予想しながら「営業力でカバーしてほしい」旨、メッセージも添えた。 専門誌発行会社の賀詞交歓会らしく、この受注見通し以外にも業界の現況や戦略を伝え、また考察する方向で催しを進めた。 新春トップインタビューと題し、DMG森精機、オークマ、THKの大手3社トップに対する公開質問も実施(=写真)した。THKの寺町彰博会長は「在庫調整の進む業種・企業も見られる」と先行き明るさを滲ませ、自社で取り組むEV主要部品の紹介などを通じて近い将来への対応をアピール。オークマの家城淳社長は「(自動車も半導体も)設備投資の次なるピークは25、26年」としたうえで、日本の強みを活かしたAIの活用がポイントとし、「協創の精神で時代に臨みたい」などと伝えた。DMG森精機の森雅彦社長は「廉価な工作機械作りからは離れ、高付加価値のマシンの製造生産に軸足を移した」旨を語り、「10数台の機械を1、2台でカバーできる5軸・複合加工機にすれば、自動化のためのロボットなども少なくて済む。つまり工程集約マシンは自動化がやりやすい」などと伝えた。 39回目となる「NDマーケティング大賞」を受賞したユニオンツール・片山貴雄会長への贈呈式も行った。同社は電子回路基板用の小径ドリルメーカーとして世界トップ級の実力を持ち、かつ近年はそのノウハウを超硬エンドミルや転造ダイスなどの開発につなげてきた。地域振興や文化活動の側面も評価されての受賞となったもので、片山会長からは感謝の意が伝えられた。 (2024年1月25日号掲載)

2024年01月30日