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コロナ、エコキュート24年モデル20機種

 コロナは2025年度を目標年度とする新しい省エネ基準に対応した、2024年モデルのエコキュート20機種を来年2月から順次発売する。新製品は新型コンプレッサーの採用や沸き上げ制御を改良したもので、令和5年度補正「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」の対象製品。 同社製エコキュートは通常は夜間に行う沸き上げ運転を、専用アプリやHEMSと連動して天気予報と太陽光発電状況から一部昼間に移行し、太陽光発電の余剰電力で沸き上げ運転を行うことができるため、エネルギーの自家消費に貢献する。 年間給湯保温効率(JIS)2.9?4.0、希望小売価格は税込110万8800?145万4200円。一般地向け(マイナス10℃対応、11機種)は2、4、5月に発売、寒冷地向け(マイナス25℃対応、9機種)は5月に発売する。 (2023年12月25日号掲載)

(株)コロナ

2024年01月04日

西田製作所、充電AC兼用メッセンジャーワイヤーカッタ

 西田製作所はこのほど、充電AC兼用のメッセンジャーワイヤーカッタ「DMC?135HR」を発売した。135平方?_メートル(φ15)を2秒で切断でき、「切断時間が早く作業短縮化につながり、撤去作業に最適。トロリー線も切断できる」(同社)という。 ヘッドとモーター部は360度回転構造で、取り回しがよく狭所作業でも使いやすい。国内生産で高い品質を確保した。 充電時間は約25分、1回のチャージで90平方?_メートルのワイヤーを380本、135平方?_メートルを250本切断できる(目安)。100VのACアダプタ(別売)を使えば連続作業も可能。 重量はバッテリー込みで5.6?`、標準価格が52万2500円(税込み)。 (2023年12月25日号掲載)

(株)西田製作所

2024年01月03日

リノベーションオブザイヤー2023

 (一社)リノベーション協議会(山本卓也理事長)は12月14日、魅力的なリノベーション事例を選ぶコンテストおよび選考委員による講評会を東京大学本郷キャンパスで開催した。 総合グランプリに選ばれたのは、bELI(田平生樹代表)による、誰もが快適に過ごせる特別な高級トイレ空間『プレミアムT』。同プロジェクトは国の指定難病であるクローン病と戦う友人から着想を得てスタート。クローン病は腹痛、下痢、血便、発熱、肛門の痛みなどが慢性的に発生し、長時間トイレに滞在を強いられる。現段階では原因も解明されておらず、完全に治すための治療法も開発されていない。 そこで同社は神奈川県川崎市にある築30年以上のマンションの一室のトイレと洋室を一体化。居室としても機能する空間を演出。折りたたみ机、ダウンライトスピーカー、床暖房、涼風機能付き暖房機、単機換気扇などを導入。玄関側の隔てにはモールガラスの窓を採用し、採光とプライバシーの確保を両立した。 「リフォームを通して誰かの役に立ちたい。一人でも喜んでくれる人がいれば、その人のためにできることがしたい、という想いで施工した」(田平代表) リノベーションにかかった費用はおよそ500万円。施工期間は2カ月半という。 同コンテストでは、消費者にとって関心の高い施工費別に「800万円未満部門」、「1500万円未満部門」「1500万円以上部門」、「無差別級部門」の4部門に分けられている。  2023年の総エントリー数は267事例。SNSを活用した一般ユーザーの声を取り入れ一次審査を行い、67作品をノミネート。その後、住宅系を中心としたメディアの編集者8人で構成された選考委員によって最終選考を実施し、総合グランプリ、部門別最優秀賞4点、特別賞13点を選出した。 また、今年度から新たに、リノベーション・オブ・ザ・イヤー2023にエントリーした事業者が投票で選ぶ「プレイヤーズチョイス」を新設。フロッグハウスによる「これからの団地リノベのあり方を問う」が選ばれた。同作品は神戸住環境整備公社が団地リノベのモデルハウスを公募し、それに採用されたもので、若いファミリー層を意識した仕上がりとなっている。 (2023年12月25日号掲載)

2024年01月03日

国際プラスチックフェア、6年ぶりに開催

 プラスチック・ゴムに関する原材料、機械、製品、リサイクル機器、受託加工などを紹介する「第10回国際プラスチックフェア(IPF Japan2023)」が12月2日までの5日間、千葉市の幕張メッセで開かれ、前回を75上回る853社・団体(2572小間)が出展した。3年に一度の開催だが、コロナ禍を受けて実に6年ぶり。14万8千人が来場した国際ロボット展と会期が重なった影響もあり、来場者は前回より5千人ほど少ない3万8436人だった。 身の回りの日用品から自動車、航空機、生産機械にも使われるプラスチック。機能強化品や複合材の普及でその加工のあり方も変わりつつある。「耐熱性などを付与したスーパーエンプラも登場し、情報収集を兼ねて参加した」と言うオーエスジーは初出展。「樹脂加工には従来は非鉄金属用刃物を提案してきたが、樹脂の性質が変わり刃がもたなくなってきた」と話す。出品した樹脂・非鉄用の大径ディスクカッタ「PFDC」(4枚刃と5枚刃、今年発売)はアルミボディの軽量で、主軸30番のマシニングセンタでも使えることを訴えた。 ソディックは出展を機に発売した射出成形機「LP20EH4」を紹介。立上り射出加速度15.3Gは業界最高クラスで、4個取りコネクタを成形して見せた。環境性能もウリで、ランナー粉砕材を92%の高配合で再利用できることも示した。 研究・試作向けの同時5軸湿式加工機(機械サイズ500×800×1600?_)を参考出品したのはキヤノン電子。100V電源で動き、主軸は毎分3万回転でチタン加工にも向くという。 植物由来の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の社会実装を支援する環境省は、CNFを用いて自動車の軽量化を目指す「NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト」(2016~19年度)の成果を試作車を展示して紹介した。22の大学や研究機関、企業などが関わった事業で、CNFはボンネットやルーフサイドレール(ともに配合比100%)、フロア部材(同30~50%)、バッテリーキャリア(同20%)などに採用された。試作車は16%の軽量化と11%の燃費向上、8%のCO2削減が達成できたという。 (写真=樹脂表面をきれいに保って加工できるオーエスジーの大径ディスクカッタ「PFDC」) (2023年12月25日号掲載)

オーエスジー(株)

2023年12月30日

シチズンマシナリー、シマダマシンツールへ多軸旋盤事業を譲渡

 シチズンマシナリーは、多軸自動旋盤事業を行うシマダマシンツール(旧島田鉄工所)と事業譲渡契約を締結。2024年4月1日付けで同社の多軸自動旋盤事業を譲渡する。 多軸自動旋盤は、1つの機械の中に複数の主軸(スピンドル)があり、主軸の数に合わせ工程を分割しワークを加工する工程分散型の工作機械。一般的な自動旋盤と比較し、1つのワークを量産することを得意としている。シチズンマシナリーでは6つの主軸を有する多軸自動旋盤ミヤノ「MM16」などの製品を製造・販売している。 シチズンマシナリーは「今回、当社の多軸自動旋盤の製造、オーバーホール、アフターサービス業務を委託している国内唯一の多軸自動旋盤専業メーカー、かつトップシェアメーカーであるシマダマシンツールへ多軸自動旋盤事業の譲渡を実施することで、お客さまにはこれからも安心して多軸自動旋盤製品をお使いいただきながら、当社はリソースを自動旋盤事業に集中させ、中長期的な目標である売上高1000億円を目指していく」としている。 (2023年12月25日号掲載)

シチズンマシナリー(株)

2023年12月29日

山善、アウトドア用一酸化炭素アラーム

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は新コスモス電機が開発した「アウトドア用一酸化炭素アラームCOALAN(コアラン)」を同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やECモールの店舗「くらしのeショップ」、全国のホームセンターや家電量販店などで12月12日に独占販売を始めた。 COALANはテントやタープ内にカラビナで吊るして使用する。100ppm以上の一酸化炭素を検知するとアラームで知らせ、一酸化炭素中毒の危険から守る。落下衝撃や振動に耐える構造で、屋外の温度・湿度にも対応する。保護等級は「IP54」相当の防塵・防滴仕様。付属の「点検用スポイト」で一酸化炭素にきちんと反応するかを手軽に確かめられる。価格はオープン。 (2023年12月25日号掲載)

2023年12月29日

トルンプ、半導体関連機器向け技術拠点を宮城に開設

 トルンプ日本法人は12月8日、宮城テクニカルセンター・仙台オフィス(仙台市太白区)を開所した。主に、半導体製造装置向けのプラズマ電源などを手掛けるエレクトロニクス事業の修理・点検施設。同事業部は半導体関連を中心に国内外で事業が拡大しており、神奈川県川崎市にあった旧テクニカルセンターが手狭になったことから、主要取引先である東京エレクトロンが位置する宮城県仙台市への移転を決めた。延べ床面積は800平方?bと旧施設の3倍以上。オフィスなども併設し、セールスや事務方も含めて約30人が就業予定(取材時にはエンジニア5人を含む9人が就業)。 12月6日に行われたオープニングセレモニーで同社の??梨眞二郎社長は「顧客に最も近い場所で営業・サービス・アプリケーション開発などのサポートを迅速に行える環境を整えるために本施設を構えた」と設置理由を説明。加えて、宮城県の強みについて、「TSMCの進出によって注目を集める熊本県は現在、大学などと連携して人材育成に力を入れているが、宮城県では何年も前から東京エレクトロンと東北大学が連携を深めてきており、そうした土壌が既に構築できていることが大きな強みだと思う」と述べ、拠点を構えるにあたって行った採用活動でも、地元の人材を採用するケースが多かったことを明かした。 左からトルンプ日本法人の??梨眞二郎社長、仙台市経済局イノベーション推進部企業立地課の??橋勝美課長、東京エレクトロン宮城シニアフェロー兼宮城技術革新センター長の永関一也氏、独トルンプ・ヒュティンガのブジ・ラファル代表 (2023年12月25日号掲載)

2023年12月28日

LIXIL、ビデ専用ノズルがフェムテック銀賞受賞

 フェムテックおよびフェムケア分野で優れた商品やサービスを表彰する「Femtech Japan Award 2023」において、LIXILのINAXシャワートイレビデ専用ノズルが、「シルバー(銀賞)」を受賞した。同賞は女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する優れた商品やサービスに対して贈られる。 同社のビデ専用ノズルは35年前に開発されたもので、INAXブランドのシャワートイレの全機種に搭載されている。ノズルがおしり専用とビデ専用に分かれていることで、「おしりを洗ったノズルで、デリケートゾーンを洗うのは気になる」といった不安を解消し、デリケートゾーンをケアできる。 受賞にあたり、審査員や一般から「これまでノズルが汚いと思っていてビデ機能を使っていなかったが、別々なら使いやすい」、「ビデ専用ノズルという安心感とやわらかなあたり心地のよさを自宅で実感しています」といった声が挙がっているという。 同製品は12月15日にオープンしたエディオン横浜西口本店のフェムテックコーナーにも展示される。 (2023年12月25日号掲載)

2023年12月28日

ABB、ねじ締めに向くスカラロボット

 ABBロボティクスは高可搬質量と広いワークエリアの高速作業向けの産業用スカラロボット「IRB 930」(可搬質量12?`、22?`)を追加した。エレクトロニクス、自動車、再生可能エネルギー生産などの分野での利用を想定する。 押付け圧を2倍に高めた(最大押付け圧250N)ことでバッテリーセル、ディスプレーパネル、太陽電池モジュールなどの部品を扱う際に必要となる、ねじ締めや組み立て作業など力を必要とする作業に最適という。同社プレジデントのマーク・セグーラ氏は「世界のスカラ市場は、年平均成長率14.4%で、2027年までに155億4千万?jに成長すると予測されており、IRB 930はABBの成長にとって有利な位置を占めることになる」と自信を見せる。同社のスカラロボットは3~22?`可搬のラインナップになった。 (2023年12月25日号掲載)

2023年12月27日

BOI、日タイ投資フォーラム

 BOI(タイ投資委員会)は12月15日、都内で日タイ投資フォーラムを開催した。 冒頭には経済産業省の齋藤健大臣が挨拶。「今年は日本とASEAN友好協力50周年の記念の年であり、共に未来を創る『共創』をコンセプトに、クリーン・エネルギー、次世代自動車等の未来産業の創出、AZECを通じた脱炭素化、人材育成等に取り組む。また、国際競争力のある次世代自動車産業の生産・輸出ハブを共に作り上げていく」と語った。 続いてセター・タビシン首相が登壇。「これまで日本から投資により多くの支援を受けてきた。今後も強固な貿易パートナーとして相互に助け合いたい」とし、特にEV分野での日系企業との協力に強い意欲を示した。 さらにタイ南部のチュムポーン県とラノーン県を道路および鉄道(複線)で結ぶ「ランドブリッジ」計画についても言及。「太平洋とインド洋のアクセスが飛躍的に高まり、移動時間は平均4日、輸送コストを15%引き下げる」と語り、日本からの協力を呼び掛けた。 最後には日系企業のタイ進出経験談をミネベアミツミ・貝沼由久会長が披露。同社にとってタイはグループ全体の売り上げの3割を占める主要拠点であり、タイへの総投資額は約4100億円と、日系企業の間でもトップクラスの規模。現在も約3万8100人を雇用している点を挙げ、さらに「当社がタイに進出して40年間、クーデターや政権交代が頻繁に繰り返されてきた。しかし、BOIによる手厚い支援には全く変化がない」と、政情不安がビジネス面に悪影響を及ぼす心配が無いことを強調した。 (2023年12月25日号掲載)

2023年12月27日

ヤマハ発、クリーンタイプスカラロボ

 ヤマハ発動機はコストパフォーマンスの高いスカラロボット「YK-XE」シリーズにクリーンルーム内での作業に適した「YK-XEC」シリーズ(最大可搬質量10?`)を追加し、来年2月1日から順次発売する。実機は12月2日まで東京で開かれた国際ロボット展で展示した。 YK-XECは需要の高いクリーン度ISO Class4(ISO14644-1)を満たす。アーム長やZ軸ストローク、最大可搬質量などの主要スペックはYK-XEと同一で、標準サイクルタイムは0.42秒(YK510XEC、写真)と高い動作性能をもつ。同社は「昨今需要が拡大している半導体やハードディスクドライブなどの製造工場、また食品、医療機器関連工場の生産性向上と省人化に寄与する」とアピールする。X軸アーム長235、335、435?_の3機種で希望小売価格142万8900円から。国内外で初年度販売150台を計画する。 (2023年12月25日号掲載)

2023年12月26日

デロイト トーマツ、GX加速を支援

 デロイトトーマツコンサルティングは、次世代グリーン燃料や化石燃料などの国際的な流動の将来像を定量的に予測するエネルギーシミュレーションモデルを開発。官公庁、自治体、資源、エネルギーなど関連産業における戦略策定を支援するサービスを提供する。 同社が開発したモデルは、世界を30の主要な国や地域に分け、各種シナリオのもとで最適化した計算を行い、地域内の電源構成や国際間エネルギー流動の将来像を年度ごとに分析予測するもの。 EUや米国エネルギー省などのエネルギー政策でも活用実績のあるIEA(国際エネルギー機関)のシミュレーション開発環境「TIMES」を基礎に採用し、モデル内に、次世代グリーン燃料、電気自動車、蓄電池、CCUS(二酸化炭素の回収、再利用、貯蓄)といったGXに必要となる次世代技術に関する情報を蓄積している。 「本エネルギーシミュレーションモデルを活用し、年度別の国際間のエネルギーの流れや次世代エネルギー(水素・アンモニア等)と化石燃料(原油、石炭等)の需要予測、次世代エネルギーの製造コストや輸送コスト、複数の次世代エネルギー技術を組み合わせることによる影響、年度別の主要国の将来の電源構成、次世代技術の普及量といった予測が可能」(同社) 同モデルは、2020年6月に発表した日本国内のエネルギー需給構造を細かな粒度で予測可能なシミュレーションモデルのグローバル版。日本国内モデルとグローバルモデルを組み合わせることで、地政学的な動きの中で日本へ波及的にどのような影響があるかといった分析検討も可能にする。 「今後GXが進展していく中で、水素やアンモニアといった次世代グリーン燃料の国際的な輸出入が増加すると予想されている。しかし、『具体的にどの地域で製造するのが最適なのか?』、『国際的な流動量がどれくらいなのか?』といった問いに対して、定量的かつ合理的に回答することは難しい状況だった。今後、当社は両モデルを活用することで、グローバルでビジネスを展開する日系の資源・エネルギー関連企業等に向けた研究開発戦略を含む中期経営戦略、サプライチェーン構築戦略などの支援や、官公庁のエネルギー・資源政策の検討におけるコンサルティングサービスなどに注力していく」(同社) (2023年12月25日号掲載)

2023年12月26日

スガツネ工業、東京ショールームを移転

 スガツネ工業は12月4日、東京ショールームの全面改装に伴い、東京都千代田区岩本町の商業ビルに新東京ショールームを移転・オープンした。旧・東京ショールームは今年7月8日から休館しており、改装は2026年まで続く予定。 改装中にもユーザーが商品を見られるよう、5000点以上の家具金物・建築金物・産業機器用部品を展示している。各展示コーナーでは各種金物の色や仕上げを現物で確認できるほか、機構部品は実物大の家具・建具(引戸・開き戸、間仕切り)・什器等に取り付けて展示しており、操作感などを確認できる。様々な業界・職種の来場を見込んでおり、新人研修をはじめ、企業の勉強会や製品に関する技術相談の場など、幅広い用途での活用を想定する。 (2023年12月25日号掲載)

2023年12月25日

松浦機械製作所、武生工場拡張

 松浦機械製作所は武生工場(福井県越前市)を拡張し、創業90周年となる2025年1月、本社工場の機能などを統合した組立拠点の稼働を開始する。12月8日に記者発表と起工式を行った。 現在、同社は福井市にある本社工場と武生工場の二拠点で機械組立とスピンドル組立を行っている。 「本社工場では大型機、武生工場では小型、中型機など売上のボリュームゾーンを占める製品を生産する。生産比率は本社工場3割、武生工場7割となっている。統合は当社にとっての宿願である」(高橋英郎取締役)という。 今工事が完了すると、本社工場の組立部門は武生工場の新工場棟へ移管し、組立拠点を統合する。拡大したスペースを活用し、マシニングセンタの従来比20%の増産を目指す。またリードタイム短縮も実施する。 本社・武生両工場のスピンドル組立も同所に建設する武生新スピンドル棟に集約。「スピンドル組立・試運転・ヘッド組立など、製造工程フロー効率化を追求したレイアウトにする事で組立効率向上による生産数増加と柔軟な供給体制の構築」(同社)をするという。 新工場には、工作機械の多機能化に対応して、広い作業スペースを確保するなどの工夫が随所にみられる。また、本社工場では、物流資材関連の強化に加え今後は加工部門の強化に充てる。 ■技能継承に利点  「マシニングセンタの生産は、各所各所に匠の技が存在する。ゆえに技能伝承が重要になる。機能統合により技能継承などの面でも優位になる」(高橋取締役)とする。 松浦勝俊社長は「単純に拡張して増産を狙うのではなく、よりロングレンジで次の世代にどうつないでいくか、を考えた一連の投資となる。我々は大量生産ではなくユーザーの仕様に合わせた一品一様の生産をしているが基幹システムは、同じ仕様を複数台つくるロット生産に向いたやや古いものである。今後、工場拡張に合わせ基幹システムも、ユーザーの仕様に合わせる生産に適したものに変えていく」とした。拡張工事の総工事費は28億円、基幹システムの導入などを含めた投資額は向こう5年間で約40億円という。 また武生工場で使用される電力に再生可能エネルギーを活用した電気「かがやき GREEN」(北陸電力提供)を24年12月から導入し、CO2排出量の実質100%削減を実現する。 (写真=起工式であいさつする松浦勝俊社長) (2023年12月25日号掲載)

(株)松浦機械製作所

2023年12月25日

長谷川工業、HasegawaFES

 長谷川工業は12月7日と8日、「HasegawaFES2023」を心斎橋PARCO スペース14(大阪市中央区)で開催した(写真)。同フェスでは同社の新商品や注力商品が展示され注目を集めたほかプロゴルファーの中井学氏、元プロ野球選手の鳥谷敬氏の特別講演や、長谷川義高副社長によるグローバル人材の活躍についてのミニ講演など多彩なメニューが行われ来場者を楽しませていた。 しゃがむ必要がなく伸縮操作が行える「シャガマン」シリーズからは、来年発売予定の階段で使える片側ショートタイプ「はしご兼用伸縮脚立RYRE」が登場。「階段やエスカレーターで作業される職人さんでは、脚を延ばしても少し長さが不足することがあった。同製品なら最大階段有効高さが75?aあり対応可能だ」(広報・広告宣伝課津田康平係長)とする。シャガマンシリーズは、キャラクターを用いるなどこれまでにない打ち出し方でインパクトを与え、目標値を上回り好調に推移している。「キャラクターの次の展開も考えているのでこうご期待」(同)と笑う。 今年本格的に始まったアウトドアの新規事業「Hasegawa CAMP」からアルミグリルテーブルが登場。塗装業や内装業などによく使われている製品「DRSB」。収納性や堅牢性がコアキャンパーに認められいつしかキャンプの世界で重宝されることに。DRSBの天板を外せるようにしてシングルバーナー最大2台を設置可能にしたのが「アルミグリルテーブル」。偶然にもDRSBのサイズが、アイアングリルテーブル(IGT)の規格にぴったりはまったという。同製品は来春発売予定で一部販売店では予約を開始している。「十年後にははしご・脚立の長谷川ではなく、キャンプの長谷川と言われたい」(アウトドア事業部 平野輝哉氏)と意気込む。 YADEAと同社が共同で開発した電動キックボード「KS6 PRO」の試乗も行われていたほかYADEAの電動アシスト自転車「TRP?01」が目を引いていた。日本の法律などに合わせて改良し、自転車及び駆動補助の認定を取得している。 長谷川泰正社長は「いつでも来ていつでも帰ってください、という気軽なフェスにすることを心がけた。アウトドアなどの新規事業では新しいユーザーや商流と出会える。アウトドアの商流でも『そういえば、長谷川工業のはしごも扱ってたな』とつながりがあったりと相乗効果がある」と話す。 (2023年12月25日号掲載)

長谷川工業(株)

2023年12月25日

新コスモス電機「サイレントキラー」COを早期にお知らせ

 無色無臭でサイレントキラーとも呼ばれ、建物火災による死亡要因の約4割を占める一酸化炭素(CO)。新コスモス電機が昨年発売したCO検知機能付き火災警報器「PLUSCO(プラシオ)」は、人体に影響が出る前、100ppmのCOを検知した時点で音とランプで危険を知らせる。同時に煙センサの感度を2倍に高め(CO反応式として総務大臣より認可)、煙濃度2・5~7.5%/?bの時点で火災を報知するため煙センサのみの火災警報器より火災も早く知らせられる。その有効性を実験で見せる兵庫県三木市の見学施設「プラシオラボ」のWEBツアーが11月28日に初めて開催され、約550人が参加した。 まず行われたのは天ぷら火災の実験。火を使わないIHコンロでも、鍋底のへこみや油の少なさなど条件次第で火災の危険がある。加熱が進むとまず煙式の火災警報器が火災を知らせ、火が上がるなか2分30秒遅れて熱式の火災警報器が鳴動した。一般的に熱式より煙式の方が火災を早く知らせられることを示す実験だった。 そのころ、寝室を模した部屋では布団の内部で静かに燃焼が進んでいた。煙は見えないがCOセンサの値を見ると確かに燃えている。COが100ppmを超えた実験開始23分20秒でプラシオが「一酸化炭素を検知しました」とアナウンスし、41分13秒でプラシオが今度は火災警報を鳴らした。42分48秒で一般的な火災警報器も火災を知らせたが、COの検知と19分以上の差だ。同社は「このアドバンテージで救える命がある」と力を込めた。 住宅用火災警報器の設置率は直近で80%以上だが、住宅火災の死者数は下げ止まる。10年の寿命が切れて更新されない火災警報器も多く、火災による逃げ遅れは高齢化で増加が見込まれるなど課題は多い。リビング営業本部の中村毅副本部長は「家庭用警報機で培った技術を結集し、火災から一人でも多くの命を救いたいという意思で本気でプラシオの普及に取り組む」とした。 (2023年12月10日号掲載)

2023年12月22日

微細加工工業会、新会長に関氏 (hakkai社長)

 設立5周年を迎えた微細加工工業会(東京都台東区)は11月17日、都内で総会を開き、会員ら約100人が出席した。戸田拓夫会長(キャステム社長)は「戦略的に動いている当工業会はますます力をつけて世界に打って出ることになる。世界を見渡すと(日本の)工業会は弱くなっていると言われるが、当工業会には尖がった技術をもつ会社が多い。大手さんには尖がった企業を大事にして世界一のモノをつくっていくという気概をもっていただきたいし、我々はお客様として日本の大手さんだけでなく世界の大手さんを相手に、自信をもって高く売り込んでいきたい」と挨拶した。 微細加工工業会は2018年、微細加工領域(1ミクロン~1?_メートル)の素形材分野に強みをもつ企業が中心となって設立。59社だった会員数は毎年約5%ずつ増加し、75社(10月31日現在)と3割増えた。高い技術力を世界に売り込もうと、近く微細加工サンプルをパッケージ化し、図面、測定データ、具体的なアプリケーション、かかわった企業情報(英語版も用意)を入れたUSBメモリーをセットにして世界中に配布する考え。内田研一事務局長(入曽精密執行役員)は「来年はドイツの業界団体にも配布する。ただし技術自慢で終わることなく、市場開拓の一助になるように活用していきたい」と言う。 退任する戸田会長の後任にはhakkai社長の関聡彦氏が就いた。関氏は「我々の微細加工の分野は決してマーケットが巨大なわけでも世の中の最先端を引っ張っているわけではないが、この分野がないと5年後、10年後に産業は衰退する。皆さんの声を聞きながら工業会を盛り上げていきたい」と決意を述べた。 (2023年12月10日号掲載)

2023年12月21日

柳瀬、研磨製品の検索を迅速に

 研磨材メーカーの柳瀬はこのほど、研磨製品約1万2000点を素早く探せる商品検索システム「研磨ポイント・com」を公開した。製品を細かく分類して構造化し、目的の製品を従来より素早く探せるようになる。従来の紙カタログに掲載されていた情報のほか、特注対応や修理の可否、JANコードなども表示。取説やパーツリスト、SDS(安全データシート)の閲覧やダウンロードも可能になった。 同社によると「従来のカタログでは価格の更新や仕様変更、廃盤・新製品など最新情報をリアルタイムに発信できないのが課題だった」という。研磨ポイント・comでは情報を随時更新できるほか、検索機能を強化。例えばストレートグラインダー用研磨材を選ぶと超硬カッターや電着ダイヤモンドバーなどより細かい分類を選択でき、さらにサイズや形状、最高回転数などの仕様で絞り込める。「弊社の製品をご存知のお客様にとって、紙カタログ以上に利便性があることは間違いない」(同社) まずは既存顧客への認知を進めるが、さらに先の潜在顧客の獲得も見据える。「商品検索サイトを利用するお客様は、特定の製品に関心を持ち関連情報を求めている。潜在顧客のニーズや関心にマッチした製品を適切に表示することで需要を喚起できる。今後のビジネス拡大における重要なプラットフォームになる」(同社) 今後は用途を入力して製品を表示する、あるいは他社製品に対する自社の相当品を表示する機能も追加予定だ。 (2023年12月10日号掲載)

2023年12月20日

Thinker、カメラレスのロボットハンド

 大阪大学発のベンチャーThinker(2022年8月設立、大阪市)は11月20日、国際ロボット展に出品する、カメラ不要のロボットハンド「Think Hand F」のアルファ版(量産を見据えた開発フェーズ)をひと足早く報道陣に公開した。このハンドは赤外線とAIを組み合わせた高速・高分解能なセンシングによりモノの位置と形を非接触で把握する。 ネジがいっぱいに詰まった箱から、カメラレスで「指先」でまさぐりながら1本ずつピッキングできることを実演して見せた。赤外線を利用することで産業用ロボットでは難しいとされる鏡面・透明物の取扱いも可能。藤本弘道社長CEOは「まだ高価なカメラは遠くから捉えるため精度上の問題もある」と話す。ばら積みの機械部品をまさぐりながら掴むのは業界初で、中野基輝CTOは「従来技術で同様の動作をすると衝突検知しエラーが発生する。柔らかいシリコンハンドを使うと部品の方向と力加減を判断しにくい」と言う。 同社は2024年度に量産化の体制を整え、26年度までにハンドやセンサーで売上高10億円を目指す。 (2023年12月10日号掲載)

2023年12月19日

山善、電動昇降デスクシリーズから重厚感タイプ

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は電動で自由に高さ調整ができる「電動昇降デスクシリーズ」から重厚感のある「ハイグレード天板」タイプを同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やECモールの「くらしのeショップ」、Amazonなどで11月17日から順次発売している。 座りすぎは「寿命が短くなる」「肥満度が高くなる」と健康に対するリスクが大きいことが報告されていることに応えた。天板厚さ3.5cmで2つのAC電源とUSB差込口を付け、天板裏に市販のマグネット式アイテムが取り付けられる。流行色を含む8色を用意。昇降は72.5?118.5cmまで無段階で調節できる(4パターンのメモリー機能付き)。価格はオープン。 (2023年12月10日号掲載)

2023年12月19日

イグス、コントローラ内蔵で100万円台

 イグスは本体重量約8.2?`、可搬重量2?`(6軸)のクラス最軽量協働ロボット「ReBeL(リベル)」の国内での本格販売を開始する。独自の高機能ポリマーで作られており、内蔵型コントローラや教示用ソフトウェアを合わせても100万円台と価格競争力が高い。2021年の発売以来、欧州や北米で実績を拡大。国内でも今年から販売を始めているが、引き合いの増加に伴い体制を強化する。 独自開発の高機能ポリマーとそれを用いた軸受などの樹脂製品に強みを持つ同社は、シンプルで低コストな自動化に資する製品群を「ローコストオートメーション(LCA)」と呼び、東京都墨田区の本社に見学施設を開くなど提案を強化している。中でもリベルは有力製品との位置付け。拡販の専門チームも立ち上げたが、旺盛なニーズに対応するため来年度はLCA事業における3倍の増員を視野に入れる。 リベルは6軸のほか、4軸仕様や制御システムの有無を選択可能。教示はシンプルで、無料公開する教示ソフト上にロボットを3D表示しドラッグ&ドロップに近い感覚で動作を組み込める。同ソフトで動作シミュレーションも可能。販売強化にあたりソフトの操作画面を日本語対応し、ISOに準拠した試験で協働ロボットとしての適合性も確かめた。 6軸仕様の「REBEL-6DOF-01」の標準価格は税込み119万7273円。最大速度毎秒0.2?b、最大664?_の可動範囲で繰り返し精度は±1?_。 (2023年12月10日号掲載)

2023年12月18日

LIXIL、窓製品の新戦略「GREEN WINDOW」

 LIXILは11月21日、都内で記者発表を開催。窓商品の新戦略として、地域に最適かつ環境負荷を低減する窓の総称を『GREEN WINDOW』と定義し、展開していくと発表した。 今年100周年を迎えた同社の窓・ドアブランドTOSTEMは、南北に長い地形の日本各地の特性に合わせた最適な窓の選定方法や、住宅のライフサイクル全体におけるCO2削減を通じて環境負荷の低減を目指す。 加えてライフサイクル全体から環境負荷への影響を定量的に判断する簡易算出シミュレーションを開発(来春展開予定)するなど、プロユーザーと一緒に推進できる体制を整えていくという。 「窓製品の選定については、断熱性能に加え、日射熱取得率を地域特性に合わせて検討できるような仕組み作りを行っていく。また製造工程においては、これまで焼却や埋立処理されていた資源の循環に配慮しCO2削減へ繋げていく。製品の原材料には可能な限りリサイクル素材を使用し、長寿命化とリサイクル性を考慮した設計を行うなど、製品設計において責任ある資源の使い方を推進していく。当社は窓の素材において、アルミは世界屈指のリサイクル技術を持っているほか、樹脂窓においても分離回収のしやすさに配慮するなど先進的な設計を行っている」(同社) (2023年12月10日号掲載)

2023年12月18日

スター精機、30%低全高のパレタイザー

 スター精機は11月24日、「ロボットパレタイザー PX」の新シリーズ「低全高マルチパレタイザー PXLシリーズ」を発表した。「PLX-1535」は従来機「PXW」と同様の積付け高さを維持しつつ、約30%全高が低い。これにより設置時に搬入間口や天井高さが足りずに改造工事が必要となる可能性を減らせる。単体では工事期間2日と短期間で設置が可能だ。 2024年4月からはトラックドライバーの時間外労働時間に新たな上限規制が加わる。従来はドライバーが工場用のT14型パレットから輸送用のT11型パレットに積み替えていた現場は対策が急務だった。PLX-1535はオプションで前後ストロークを350?_延長可能。T14型パレットからT11型パレットへの積み替えにも対応できる。 同日に「低全高パレタイザ? PXTシリーズ」の新機種「PXT-1220+」も発表された。従来機は標準でA4サイズまでのワークに対応していたが、PXT-1220+はA3サイズまで対応。扱えるパレットのサイズも広げ、T11型~T14型まで標準で対応する(従来機はT11型のみ)。なお高さ2?bと低全高で、キャスター付きで簡単に移動できる利点は従来機と同様だ。 (2023年12月10日号掲載)

2023年12月15日

タカラスタンダード、芸術家を支援

 タカラスタンダードは11月20日、京都を拠点に活動する現代美術作家で壁画アーティスト川田知志氏とコラボレーションしたアート作品を、京都支店(京都市伏見区)ロータリーに設置した。ホーロー内装材「エマウォール」などの「高品位ホーロー」の認知度と新たな価値の可能性をさらに高めるとともに、 アーティスト支援による社会貢献活動を目的とし、2022年8月に発足した「ホーロー×アートプロジ ェクト」の一環だ。 同社独自のホーロー技術をもとに新規事業として「エマウォール」の展開を開始し、公共施設や駅舎、企業の社屋などでの採用実績を伸ばしている。一例として2019年10月に延長した沖縄都市モノレール「ゆいレール」の新駅の内装と外装の一部に採用された。 ガラスの美しさと金属の強さ、両方のメリットを持つホーローは高い性能を求められる内装の素材としても利用範囲が広い。同社のインクジェット印刷技術により、多彩な色・柄が表現可能となり活用が広がっている。 木村啓作営業本部パネル事業部課長は開発にあたって「大型スキャナーでの大判の石目や木目などを取り込んで行うデジタルデータの作成や、ホーロー特有のデジタルデータの調整・作りこみに苦労した」と話す。 ■パネル関連売上好調、壁がホワイトボードに  同社の浴室壁パネル等も含めた壁材としての「パネル関連売上」は2023年度第2四半期で34億円(9.6%増)と好調だ。クリエイティブオフィスなどへの需要増が主要因。ホーローゆえに会議室の壁をホワイトボードとして利用することもでき、また掲示物をマグネットで貼ることも可能だ。油性ペンで書いても水拭きで簡単に清掃できる。 「オフィスや学校、保育園などの文教施設をターゲットとしている。人の行き来が多く、ぶつかったりすることなどが考えられる文教施設に最適な素材だ」(同課長)とし「ホーロー建材は過去からある建材だが、最新のインクジェット技術を用い、高耐久・高性能かつ、デザイン性にも富む建材として生まれかわっている。ぜひ一度、お近くのタカラスタンダードのショールームでホーローを体験してください」とアピールしていた。 (2023年12月10日号掲載)

2023年12月15日