ニュース一覧

岡本工作機械製作所、PSG会を東名阪で開催

 岡本工作機械製作所は恒例の代理店会「PSG会支部連絡会」を2月7日に西部(大阪)、8日に中部(名古屋)、9日に東部(東京)の3会場で開催、約300人が参加した。 同社の2023年度3月期の連結売上高は過去最高だった2022年の455億円からさらに伸長し、500億円を超える見込み。2025年3月期の500億円到達の目標を前倒しで達成することになりそうだ。 概況を説明した江連武彦国内営業部長は「半導体製造装置やEV向けの研削需要は底堅く、今後さらなる伸びも期待できる。車両の電動化でパワー半導体の搭載量が増加するなど、EV市場が成長すれば半導体需要も高まる。EV市場に向けては超精密部品の加工やスマートデバイス向け部品の加工、自動車部品金型の加工など、超精密研削盤のシェアを拡大していく。半導体市場には半導体製造装置のセラミックス加工やパワー半導体、コネクタ部品の精密加工など、脆性材加工機のラインナップ拡充を含め半導体事業を強化していく」と語った。 続いて同社の歴史と未来、脆性材加工の需要、EVにおける研削盤需要について同社若手社員が説明。さらには毎年好評を博している伊藤暁常務(技術開発本部長)による特別講演が行われた。 閉会挨拶で壇上に立った石井常路社長は、「当社にとって大きな区切りとなる売上高500億円を前倒しで達成できたのは、ご参集頂いた皆様の尽力頂いたおかげ。改めて感謝を申し上げたい。2030年までの長期目標『OkamotoVISION2030』では研削盤、半導体ウエハ研磨装置でグローバルトップと連結売上高700億円を目指していく。世界に類のない総合砥粒加工機メーカーとして皆様と一緒に成長していきたい」と力強く語った。 (2024年2月25日号掲載)

(株)岡本工作機械製作所

2024年03月05日

ノーリツ、新中計始動へ

 ノーリツは2月6日、帝国ホテル大阪(大阪市)で2024年度方針発表会を開催し、同社製品の販売店など42社80人が参加した。腹巻知社長は「事業構造と企業風土の変革により企業価値向上を目指す」と話した。 23年度までの前中計「Vプラン23」は「国内事業の減収・減益により当初計画は未達となったが、海外事業は売上・利益ともに成長した」と説明。 今年が初年度となる新中計「?Xプラン26」では、住宅向け温水事業において「エコジョーズやハイブリッド給湯器といった高付加価値製品の売上構成を高め、施工や顧客向けサービスを拡大し機器販売以外の売上げを拡げる」とし、厨房分野では「収益性の高いホテルや高齢者施設といった対人領域、そして工場などの非対人領域の市場も開拓していく」。 カーボンニュートラル実現に向け、昨年末に発表した水素燃焼給湯器といった環境配慮型商品の拡充・拡販にも取り組む。「水素対応バーナとフレームトラップ構造により安全性を保ち、部品交換のみで従来のガスから水素まで対応できる。従来の給湯器と同じ出湯能力を備えるなど、これら3点を強みにして、25年以降の実用化を目指す」と話した。 最優先課題として「国内は住宅向けの温水分野の売上回復に向け、高付加価値商品の拡販を中心に進める。海外では事業環境は厳しくなるが中国への販売に注力する」とした。国内外ともに増収増益を目指し、前中計に比べ約1・5倍の投資を計画している。 (2024年2月25日号掲載)

(株)ノーリツ

2024年03月05日

ワルタージャパン、高耐摩耗性の溝入れ加工向けチップ

 ワルタージャパンはこのほど、溝入れ加工向けの最新チップ材種「Tiger・tec Gold WSM33G」を発売した。WSM33Gは、溝入れ加工専用に開発した最新のPVD材種で、TiAlN/TiSiN複層コーティングにより高い硬度と靭性を両立した。 コーティング後に表面処理を行い摩擦を抑え、切りくず排出性とプロセス信頼性を高めた。最外層をゴールド色としているため、目視で摩耗に気づきやすい。 Tiger・tec Gold WSM33Gは鉄やステンレス系ワーク、難削材など幅広く対応可能。旋削における溝入れや突っ切り、倣い旋削、ミーリングにおけるスリット加工の各種用途に使用できる。汎用性および塑性変形、逃げ面摩耗の耐性に優れ、工具寿命の伸長で高い生産性を実現する。 (2024年2月25日号掲載)

2024年03月04日

三菱自動車工業 WVJ、フィリピンで中等学校校舎建設支援

 世界の子どもを支援する国際NGO「ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は、三菱自動車工業からの寄付金と同社社員有志の募金により、フィリピンのサマール州サンタリタ市にて中等学校校舎建設支援事業を実施。2月16日、完成した校舎の開校式を行った。  今回の校舎建設支援事業は、子どもの学習環境の改善を目指し、三菱自動車とWVJが連携して実施したもの。支援対象の中学校では教室が不足していたことから、中等学校校舎1校舎1棟を建設し、テーブル付き椅子、プロジェクター、扇風機などの備品・設備を設置した。 同校は、600人を超える生徒が通う地域にとって重要な学びの場となっており、将来的には高等部を併設することを目指す。今後は、学校とPTAが協力して校舎を維持管理し、生徒、教師たちが大切に使い続ける。 開校式でミツビシ・モーターズ・フィリピンズ・コーポレーションの宇佐美雄久副社長は「三菱自動車は1963年にフィリピンで事業を開始し、以来61年にわたり、フィリピンの皆さまに支えられてきた。私たちの支援が、校舎建設の一助となったことはこの上ない喜びであり、誇りである。子どもたちがこの校舎でたくさんのことを経験し、将来フィリピンの発展を担って行くことを願っている」とあいさつした。 ビオレッタ校長は「校舎建設の支援は、学習環境の整備になるだけでなく、子どもたちにとって大きな自信と励みになる。教育は力であり、夢に近づく原動力になる」とした。 (2024年2月25日号掲載)

2024年03月04日

ベッセル、エアーニッパー発売

 ベッセルは2月2日、エアーニッパー「GT-NR20A」(写真)を発売した。従来品(GT-NR20)と比べ加圧力が約20%向上したが従来機種と外形寸法は全く同じ。そのため、入れ替えが容易で、樹脂材料の硬質化、大径化に治具を変えずに対応できる。また従来機種のブレードが使用可能(N20クラス)だ。 近年のゲートカット事情に対応するために開発されたという。自動車のEV化で軽量化のため硬質樹脂材料の使用が増加し、能力の高い機種への需要が高まっている。また、装置の小型化や治具の軽量化で重量の軽い機種の要望も増えた。 「製造現場の要望にお応えするため、従来機種からの容易に置換ができるようサイズはそのままで能力をアップした」(同社)とする。「増圧を使用せず、なるべく軽量にしたい」、「現行NR20では能力が少し足りない」、「N30クラスが適切だが、スペースの都合で使えなかった」などのユーザーニーズに応える。 増圧ユニット(P-20A)も用意。さらに加圧力を高める増圧ユニット(専用)もある。同製品に取り付けることで、さらに従来比約20%のアップを実現する。 (2024年2月25日号掲載)

(株)ベッセル

2024年03月01日

三洋貿易、最新EVの分解部品展示を倍増

 三洋貿易は、海外製電気自動車(EV)等の分解部品展示や、Caresoftの最新のベンチマーキングサービスを体験できる岐阜県瑞浪市の「Sanyo Solution Gallery(瑞浪展示場)」(=写真)の展示内容を大幅に拡充しリニューアルオープン。BYDの「Yuan Plus(日本名Atto3)」やMercedes-Benzの「EQS」など8車種の分解部品展示を新たに開始する。展示会場で手に取って確認できる分解部品展示は15車種、約9万点(リニューアル前は7車種、約4万点)となった。 同展示場では、それぞれの車種に搭載されている部品を比較しやすいよう、モーター・インバーターなどのEVパワートレインシステム、バッテリー・空調の温度管理を担うサーマルマネジメントシステム、骨格部品や足回り・内外装部材など、部品群ごとに展示。Caresoftのソリューションで車体に搭載された部品の詳細データを確認し、実物を手に取って比べてみることが可能だ。さらに、TeslaやBYDなどの最新EVの完成車5台も見学できる。 「Sanyo Solution Gallery」は岐阜県瑞浪市の廃校となった旧釜戸中学校の校舎を再活用して、22年3月にオープン。自動車メーカーをはじめ、部品供給メーカーや材料メーカーなど、総数400社以上、延べ5000人以上が訪れている。  分解部品が見学できる車種(★はリニューアルで追加)=ModelY-2023北米仕様(Tesla)★▽EQS5804MATIC?2022(Mercedes-Benz)★▽YuanPlusFlagship?2022(BYD)★▽ARIYAB6Limited?2022(日産自動車)★▽eT575kwAWD?2022(NIO/上海蔚来汽車)★▽ORAGoodCatPoseidonVersion?2021(長城汽車)★▽XPENGP5600P-2021(小鵬汽車)★▽MustangMach-EFirstEdition?2021(Ford)★▽I-PACESE-2018(JAGUAR)▽ModelYPerformanceAWD-2020北米仕様(Tesla)▽宏光MINIEV-2021Macaron(上汽通用五菱汽車)▽ID.4CROZZ-2021(Volkswagen)▽e-tron-2019(Audi)▽E-C4-2021(CITROEN)▽Spring-2021(Dacia)。完成車=宏光MINIEV-2021Macaron(上汽通用五菱汽車)▽SongPlusDM-i-2021(BYD)▽Model3-2023(Tesla)▽Seal-2023(BYD)▽Seagull-2023(BYD)。 (2024年2月25日号掲載)

2024年03月01日

ABBロボとMT社が提携、ラボ自動化へ

 ABBロボティクスとMETTLER TOLEDO社(MT社)は2月2日、ABBのロボットとMT社のラボ用機器管理ソフトウェアLabXをシームレスに統合するソリューションを提供するための覚書を締結したと発表した。これによりリサーチ、試験、品質管理をより柔軟にするとともに、市場投入までの時間を短縮し、深刻な労働力不足にも対処することができるという。ラボにおける自動化の導入は、自動化技術を扱うために必要なスキルのギャップと、繊細なワークフローを設定することの複雑さという課題を抱えている。 (2024年2月25日号掲載)

2024年02月29日

MOLDINO、直彫り向けラジアス工具追加

 MOLDINO(東京都墨田区両国4-31-11、TEL.03-6890-5101)は高硬度鋼の直彫り加工向けのエポックハイハードラジアス「EHHRE-TH3」に刃径1.5mm(=写真左、4アイテム)と「EHHRE-TH3 mini」(同右、刃径0.5?0.8mmの18アイテム。首下長は1.5DC、3DC、5DC)を加え1月22日に発売した。2017年に発売したこのシリーズは金型市場など向けに順調に販売を伸ばしてきたが、より小径のニーズに応えたかたち。 新製品は複合ラジアス形状(底刃の複合R)の採用で従来ラジアス形状(正R)に比べ切りくずの厚みを薄くすることができ、高硬度鋼の高送り加工でも抵抗を抑えられる。底刃の強ねじれ形状は優れた切りくず排出性をもつ。価格は税別1万730?1万3370円。 (2024年2月25日号掲載)

(株)MOLDINO

2024年02月29日

レナトスロボティクス、安川電機より資金調達

 高効率の自動倉庫を開発・提供するロボットベンチャー、RENATUS ROBOTICS (レナトスロボティクス)は、安川電機から、SAFE型新株予約権の発行による資金調達を実施した。同社の最先端の自動倉庫システム「レナトス」と、安川電機の産業用ロボット、ACサーボモータのシナジーにより、グローバルにおける物流現場の完全無人化を目指す。 同社のレナトスは、縦横に自在に移動する高速シャトルと独自のアルゴリズムを組み合わせた自動倉庫システム。独自設計と独自の配車アルゴリズムにより、これまで困難とされていた大規模棚におけるワンストップ梱包を実現。従来に比べピッキング人件費を最大50%削減する。また同時に自動倉庫システムの導入コストのうち10?30%を占めていた荷合わせ工程の搬送コンベアが一切不要となる。そのためシステム全体のコストが大幅に削減される上、これまで搬送コンベアが占めていた面積を保管エリアにできるため、圧倒的な面積効率を実現できる。 「安川電機との協業においては、AIピッキングシステムを活用したピッキング工程の無人化、AIバンニング/デバンニングシステムを導入したバンニング/デバンニング工程の無人化などでのシナジーを見込んでいる。資金調達の使途については、当社が現在進めている1号倉庫の建設プロジェクト、および2、3号プロジェクト以降に向けた開発を更に加速させる」(レナトスロボティクス・堂本拓磨広報) (2024年2月25日号掲載)

2024年02月29日

イグス、クリーンルーム向けケーブル「CFCLEAN」

 イグスは2月22日注文分より、クリーンルーム向け可動ケーブル「CFCLEAN」(=写真)の価格引き下げを実施している。平均改定率約38%となる。 同社は「当社は、クリーンルーム向けケーブルソリューションをさらに普及させるというイグス本社(ドイツ)の方針に連動し、超薄型ケーブル保護管e-skin flat専用のケーブルCFCLEANについて価格を引き下げる改定を実施した。リストプライスで従来価格から約38%の値下げとなる見込み」とする。 CFCLEANは、半導体製造やディスプレイ製造におけるクリーンルーム向け超薄型ケーブル保護管専用のケーブルで、ISO class1に対応している。 (2024年2月25日号掲載)

2024年02月28日

SDGsに関する調査、より深い内容の理解が進む局面へ

 インテージは2月16日、2020年から継続的に実施しているSDGsに関する調査(全国15~69歳が対象)の分析結果を公開した。SDGsの認知率は8割超で、昨年と同水準となったが、より深い内容の理解が進む局面へ入ったことが窺えた。また5割の人が「取り組む企業を応援したい」と考えていることがわかった。 SDGsの認知率は22年まで毎年大幅上昇していたものの、23年1月に83.7%かた最新(23年12月末)では84.6%と微増で推移。しかし「内容を知っている」「内容をある程度知っている」という人は56.6%と前回(53.8%)よりやや増加しており、SDGsに対する認知浸透は一定上限に達しつつ、現在は理解の深化に向かう局面にあると言えそうだ。  次に、「SDGsで優先的に取り組むべきゴール」がこの3年間でどのように変化したのかを見てみると、今回トップには「平和と公正をすべての人に」が挙げられており、以下「すべての人に健康と福祉を」「気候変動に具体的な対策を」「貧困をなくそう」「人や国の不平等をなくそう」と続く。上位5つの項目は順位の変動はありつつも21年から顔ぶれ自体には変化は見られない。 一方で順位の移り変わりには社会の持つ空気感や生活者の心理が反映され、コロナ禍においては感染不安を反映して「すべての人に健康と福祉を」が高まった。また、コロナインパクトによる景気の冷え込みといった経済不安・家計不安に呼応して、以前は上位10位圏外だった「働きがいも 経済成長も」が前回大きくスコアを伸ばして、7位にランクインした。 ■SDGSに取り組む企業への応援意向は認知者の半数を超える  そして、ウクライナ情勢や中東におけるイスラエル・ガザの衝突を目の当たりにしたことも影響してか、最新の結果では「平和と公正をすべての人に」がトップに。過去の動きを振り返ると、3位→2位→1位と年々順位を上げてきており、戦争や紛争といった社会不安の影が生活者を色濃く覆いつくしている様子が浮かんだ。 社会課題・テーマの中から「関心のあるもの(いくつでも)」「最も関心のあるもの(ひとつだけ)」設問では「関心のあるもの」「最も関心のあるもの」ともに1位は「物価上昇、生活費高騰」だった。「最も関心のあるもの」としては2位以下に10.5ポイントという大きな差をつけている。 その他の項目に目を向けると「心の健康・孤独」といった「Well-being」につながるテーマも大きな課題感となっている。また、「超高齢化・介護・世代間格差」「子育て・少子化」といった日本が直面する社会課題への関心も高いようだ。 SDGs用語認知者に対して関心や、取り組む企業・関連商品への意識を聴取した結果、約5割の人が、「SDGsに関心」があり、「自身も取り組みたい」、「取り組む企業を応援したい」と感じている。 また、4割の人は「SDGs関連の商品やサービスを購入・利用したい」とする。 22年12月調査と比較すると、微細な変化だが、全ての項目において増加しており「引き続き生活者はSDGsへの取り組みに積極的な企業の活動に共感し、そして応援し、その企業が産み出すSDGSに対応した商品を購入することにより、生活者自身も、社会や、環境への貢献をしたいと考えているのではないでしょうか」(同社)とした。 (2024年2月25日号掲載)

2024年02月28日

京セラ、独自構造の小径ソリッドドリル

 京セラは2月7日、精密部品や金型の小径穴あけ加工に向けた加工径1.0~2.9ミリのソリッドドリル「KDA Mini」を発売した。特徴はドリルの直進安定性を高めるガイドの役目を果たすマージンを、先端部と中間部で適正化したこと(クーラントホールありの機種のみ)。穴あけの序盤は切削抵抗が大きく振れが発生しやすいため、ドリル先端に3組のマージンを配置。直進安定性を高め加工精度を向上させる。直進安定性と切りくずの排出性が求められる中間部には、2組のマージンと大きなチップポケットを設けてトラブルを抑制する。 ソリッドツール用に適正化した特殊ナノ積層コーティングも施した。2種のコーティング層を特殊ナノ積層化したうえで交互に多層積層し、耐摩耗性や耐チッピング性を向上。同社調べでは他社製品比2倍の工具寿命を実現しており、小径穴あけにおける穴曲がりや位置ずれを抑えつつ高精度・長寿命を可能にする。 同社は従来よりソリッドツール「K-series」を展開している。ここにKDA Miniが加わることで、φ1~16までの幅広い穴あけ加工に対応する。 (2024年2月25日号掲載)

2024年02月27日

物流サービス、ドローン&配送ロボットの利活用いよいよ

 新たな物流サービスとして、ドローンや配送ロボットを活用する実証実験等が進むなか、矢野経済研究所は昨秋「ドローン及び配送ロボットを活用した物流市場の調査」を実施し、このほど同市場の予測リポート(概要)を公開した。 それによると、ドローン物流と自動配送ロボットを合わせた国内市場規模は、25年度に23.2億円が見込まれ、その5年後の30年度には約8.5倍の198億3000万円に増加すると予測した。 ドローンも配送ロボットも、目下、実証実験から社会実装へと移行する時期にあたり、市場が立ち上がるのは25年度と予想した。市場化がスタートする25年度の規模はわずかだが、26年度に倍増し、その後28年度まで50%以上の成長を予測する。 ドローンは、トラックによる陸上走行が難しい(非効率な)中山間地域や離島などでの活用が進むと見た。また24年度までは、市街地など有人地帯を飛行する「レベル4」の体制整備に向け、「レベル3.5」飛行によるドローン物流の実装が進むと捉えた。 自動配送ロボットは、都市部などで低速・小型タイプのサービス展開や実証実験が行なわれ、郊外では中速・中型タイプを用いた実証実験が進んでいる。改正道路交通法が23年4月に施行され、公道を走行する低速・小型の自動配送ロボットによる配送サービスが可能となったことから、同社は今後ビジネスモデルの構築が進み、24年度以降、自動配送ロボットを運用する事業者が増えると見た。地域の小売店舗から自宅までのオンデマンド配送、フードデリバリー、医薬品の配送ほか、オフィス・高層マンションなどの屋内配送向けロボットの導入も広がるとみた。課題にはガイドラインやルール作り、量産化の確立(低コスト化)などを上げている。 矢野経済研究所では、とりまとめたリポートに「物流のインフラを支えるラストワンマイルの担い手が登場する見通し」との言葉を添えている。 (2024年2月25日号掲載)

2024年02月27日

寺岡精工、3マルチピッキングカート

 寺岡精工は2月1日、計量器内蔵ピッキングカートシリーズから、幅の狭いコンパクトタイプのピッキングカート「3マルチピッキングカート(PKGN-3300)」(=写真)を発売した。 幅480?_のスリムボディで、スペースの限られる倉庫や店舗でのピッキング作業に適する。電子棚札「InfoTag」と連携することで、店舗型ネットスーパーや物流センターのピッキング作業精度・効率向上を実現。 同社は、1925年の創業以来培った「はかり」メーカーとしての計量技術を生かし、コンテナに搭載した計量器によってピッキング作業を効率化する「計量器内蔵ピッキングカート」を開発。バーコードスキャン検品と商品重量による検品をピッキング作業と同時に行うことで、後工程の検品作業を無くし精度向上と業務効率化に貢献する。 今回、新たにラインアップしたコンパクトタイプの計量器内蔵ピッキングカートは、スリム型のピッキングカート(PKGM-4800)よりさらに横幅を9?a短縮し、コンテナを縦置きにすることで、狭い倉庫や店舗でもスムーズにピッキング作業ができる。 電子棚札「InfoTag」で棚札を電子化し、計量器内蔵ピッキングカートシリーズを連携することで、さらにピッキング作業効率アップを実現。ピッキング作業を開始すると受注商品に紐づく電子棚札に搭載するLEDが点滅し、対象商品を示す。作業者は点滅する「InfoTag」を視認することで迷わずスムーズに商品を見つけることが可能だ。 同社は「ピッキングと同時に重量検品・バーコード検品を完了するため、ミスなく正確にお客様の商品を選び取ることができ、作業時間短縮に繋がる」とした。 (2024年2月25日号掲載)

2024年02月26日

ブリヂストン「人工筋肉」イベント開催

 ブリヂストンは、ゴム人工筋肉と触れ合う体験型展示「想いは筋肉に宿る」を東京・渋谷のにて、バレンタインデーまでの2月9日~14日の期間限定で公開した。 同イベントは、ブリヂストン社内のベンチャー「ソフトロボティクス ベンチャーズ」の若手社員が、イベントを企画から運営まで担当。来場者が誰かのことを想いながらゴム人工筋肉を握ると、その想いに応じて複数のゴム人工筋肉がその想いを表現する動きをするというもの。 同社のゴム人工筋肉とは、ゴムチューブとそれを囲む高強度繊維のスリーブから構成され、ゴムチューブに空気やオイルで加圧することで、筋肉のように収縮する特性を持つ。このゴム人工筋肉を活用して、柔らかいロボットハンドなどへ活用を目指すラバーアクチュエーターの開発を行なっている。すでに発表済のロボットハンドは、物流業界を中心に社会実装が進んでいるという。 今回の展示では人間の握る力を読み取るセンシング技術を人工筋肉に搭載。「今後は物流現場だけではなく、ヘルスケアなど様々なジャンルで当社のロボット技術が活用できるのではないかと考えている」(同社) (2024年2月25日号掲載)

2024年02月26日

コロナ、ルームエアコン24年モデル22機種

 コロナ(新潟県三条市東新保7-7、TEL.0256-32-2111)はルームエアコン「ReLaLa」の2024年モデルとして、フラグシップモデルの「Zシリーズ」(=写真)をはじめ、暖房能力に優れた「Wシリーズ」、基本性能を重視したスタンダードの「Nシリーズ」、「冷房専用シリーズ」、窓に取り付ける「ウインドエアコン」など、22機種を3月上旬から順次発売する。24年モデルは上下ルーバーを取り外して丸洗いできる。価格はオープン。 Zシリーズは結露水で熱交換器の汚れを洗い流したり、フィルターを自動で掃除したりする機能付き。スマホアプリで外出先などからの遠隔操作や、離れて暮らす家族の使用状況の確認もできる 。 (2024年2月25日号掲載)

2024年02月26日

ソディックの米飯製造装置

 ソディックのレトルト釜を組み合わせた無菌包装米飯製造システムが、韓国の食品産業大手のHARIM GROUP(全北広域市益山〈イクサン〉市)から受注された。ソディックが1月30日に明らかにした。このシステムは業界初の「ハイブリッド殺菌方式」で、受注金額は約20億円、生産能力は毎時9千食。今年12月にHARIM GROUPの益山道系工場に製造ラインとして設置し、2025年3月に稼働を始める予定という。 ソディックのこのシステムの受注は国内外で15ライン目。2017年から無菌米飯設備の販売を強化してきた同社は「これまで製麺設備の分野が主体だった韓国での食品機械事業の売上げをさらに伸ばしていく」と言う。 (2024年2月25日号掲載)

(株)ソディック

2024年02月23日

ソディック、金属3Dプリンター 欧米に本格展開へ

 ソディックは既存事業の改革として主軸である放電加工機の競争力を強化しつつ、脱中国依存、選択と集中、生産・販売体制の再構築を実行して収益拡大を図る。2月16日にウェブで開いた決算説明会で古川健一社長が話した。 そのための中長期的な成長戦略としてまず挙げたのは金属3Dプリンターだ。古川社長は「現在の主戦場である欧米への本格展開に向けて他社とのアライアンスも今期は本格的に進めていきたい」と意気込む。と同時に厳しい日本市場についても打開策を探る。「日本においてはギガキャストなどに伴う金型の大型化に対応し差別化を図っていく」。 レーザー加工機については自社のコア技術を応用し他社にない加工性能を提供できると自負する。「将来的には半導体製造のニッチプロセスで競争力のある製品を提供できるだろう」と自信を見せた。 (2024年2月25日号掲載)

(株)ソディック

2024年02月23日

三菱電機、ファイバーレーザー加工機24年モデル

 三菱電機が2019年に発売したボリュームゾーン向け2次元ファイバーレーザー加工機「GX-F」が大きな変化を遂げた。同社の名古屋製作所で2月8日、報道陣に公開した2024年モデル(4月1日発売)に3つの新技術を加えた。その1つ、窒素とエアーの混合ガスを用いた「AGR-Mix」と名づけた新たな切断法は、酸素切断(高い加工面品質)と窒素切断(高い加工速度)のいいとこ取り。切断でバリが出にくく、酸素切断の2?10倍の速さをもつ。窒素ガス消費量は窒素切断に比べて最大で60%削減。同社は「45年にわたって蓄積した(1979年に日本で初めてCO2レーザー加工機を製品化)ガスのコントロール技術で実現した」(横井茂・産業メカトロニクス製作所レーザシステム次長)と言う。 このほか金属板からパーツを切り離しやすいようジョイントを最低限にする「ライトジョイント」、加工条件調整後に元の条件との差分比較や元の条件への復元ができる「加工パラメーター編集機能拡張」を盛り込み、様々な自動化設備を後づけで拡張できるようにもした。2024年度はグローバルで500台の販売を目指す。 同社は「こうした新技術を毎年提供する」(川田明宏FA事業本部産業メカトロニクス事業部メカトロ事業推進部長)と宣言した。しかも新機能は既存機に後づけして最新状態に保つことができる。その狙いについて「加工機を陳腐化させなくてすむ。環境負荷の低減にも貢献できるのではないか。リプレイスの需要を減らすことになるかもしれないが、三菱の姿勢に対して共感し、安心してもらい、ファンになってもらいたい」(同)と話す。 (2024年2月25日号掲載)

2024年02月22日

駿河精機、低反射物に有効な角度測定センサー

 駿河精機(静岡県静岡市清水区七ツ新屋505、TEL.054-344-0332)は傾き角度測定センサーSmart LAC H410シリーズに2機種を追加し1月26日に発売した。測定センサー「緑色520nmビーム径Φ3mmタイプ」(=写真)は出射ビームの光量が従来比で2倍以上に向上したことで低反射物の測定に有効。赤色655nmと比べて視感度も約8倍良いため対象物との調整作業がしやすい。 シリーズのアクセサリーとして追加した「対向ビーム分岐アダプタHT-20T」は2面の平行度を同時測定し、調整時の精度・工数・設置空間の課題を解決する。 (2024年2月25日号掲載)

2024年02月22日

三井精機工業、自社工場見学会開く

 三井精機工業は2月8・9日の2日間、埼玉県の本社工場で同社工作機械ユーザー向けの工場見学会を開催した。 機械の組付けを行う精機棟には、5軸立形マシニングセンタ「Vertex」シリーズや、プレシジョンセンタ「PJ303X」、ジグ研削盤「J350G」、海外よりオーバーホールを依頼された大型ねじ研削盤などがズラリと並んだ。 北米向け市場、特に航空・宇宙産業のユーザーから絶大な支持を得ている同社加工機とあって、「航空機需要の回復により受注も徐々に増えてきている」(同社精機営業部精機販売推進室・宮脇啓二主査)と語る。 また前出のねじ研削盤のようにオーバーホール需要も底堅く、海外を中心に大型機のオーバーホール依頼も相次いでいるという。 精機棟内は恒温に保たれているだけでなく、僅かな振動も伝わらないように、実際の作業現場は、クレーンの土台部分と別の土台に築かれている。同社伝統のキサゲはあらゆる摺動部分に施されており、取材当日も難易度の高いV字レール部分のキサゲを入念に行う姿が見られた。こうした徹底的なこだわりが「精度の三井」を実現している。 組付け現場では、米国ユーザーから依頼されたという旋盤タイプの特注機や、出荷直前のジグボーラー「J6CN」が4台ズラリと並ぶ姿も見られた。 また実機で注目を集めていたのがVertex55?V横に取り付けられた同社製コンプレッサとのマシニングセンタの連動だ。宮脇主査は「当社が提案したいのは、1台の工作機械に1台ずつコンプレッサを、という発想。機械の需要に合わせてコンプレッサの圧を上げ下げする。加工プログラムを先読みして行うもので、業界初」と力を込める。 「多くの工場では大型のコンプレッサからエア配管を伝わって工作機械にエアを送っているが、配管による出力ロスや大型機ならではの出力不足なども相まって、エネルギーロスが大きく環境にも厳しい。その点、当社のシステム(プロトタイプ)なら効率的に出力制御するので、より環境に優しい運用を可能にする」(同) 同システムは今夏にも正式リリースを予定している。 (2024年2月25日号掲載)

三井精機工業(株)

2024年02月22日

山善、1人および2人掛けの電動ソファ

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は家具ブランド「RELAMOVE(リラムーブ)」から1人掛けの「回転スイングソファRKS-90」、2人掛けの「電動ソファRDS-150」を2月上旬に発売した。同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やECモール「くらしのeショップ」、全国の家具量販店などで順次販売する。 両アイテムとも電動式で、ボタン1つで背もたれ・フットレストを好みの角度に無段階で調節できる。RKS-90の下部は240度回転し、ロッキングチェアのように前後にもスイングする。RDS-150は左右のシート別々に角度が調整でき、ヘッド部分も手動でリクライニングが可能。両アイテムともスマートフォンやタブレットの充電ができるUSB ポートを装備する。価格はオープン。 (2024年2月25日号掲載)

2024年02月22日

フードテック企業を京都府南田辺西地区に集積

 京都府は南田辺西地区(京田辺市)に「フードテック」関連企業の集積を目指し工業団地の開発を行う。2025年の着工を目指しており、完成すれば環境共生型の緑あふれる約50haの整備区域が生まれる。 京料理をはじめ、独自に進化した洋食や中華、発酵食品やラーメンまで世界から注目される多彩な食文化を背景に持つ京都府。現在、食品産業に先端技術を用いイノベーションを起こす「京都フードテック基本構想」に取り組んでおり、南田辺西地区開発プロジェクトはその一環だ。 京都府商工労働観光部の山本太郎副部長は「京都府総合計画で『産業創造リーディングゾーン』というコンセプトを打ち出しており、脱炭素やアート&テクノロジー、シルクテキスタイルなど世界に通じるテーマの旗を立てて、オープンに研究者や企業の参加を促す。そのための拠点を府内各所に整備をするもの。テーマを絞ることでイノベーションを効率的に生み出そうとの考えだ。その中で、フードテックを旗印にした京都フードテック基本構想が生まれた」と説明する。「京都府は伝統産業を基礎としながらイノベーションを起こしてきた街だ。しかし、その力が鈍化しつつあるのではという懸念がある。いま一度競争力を高めたい。ユネスコの無形文化遺産の和食、お茶、発酵など、世界に通じるものと自負している。京都の『食』を『けいはんな学研都市』という先端技術の集まる場所で展開させれば、更なる進化を生むだろう」と力を込める。またソフト面では23年10月「学研フードテック共創プラットフォーム」を設立。国内だけでなく海外の大学や研究機関、民間企業や行政などが「産学官」の世界的なネットワークを形成し、連携・研究チームを組成。オープンに幅広い情報交換やコラボレーションを行うことにより、イノベーションを推進するという。 ■開発はフジタ、遠隔操作重機の投入検討も  南田辺西地区の開発を担うのはフジタ。22年7月28日、複数の応募者の中から京都府が設置する選定会議で、外部有識者委員の評価などで決まった。 フジタはまちづくりのコンセプトに「フードテック・スマートバレー」を掲げ、「食」を中核とした幅広い分野での研究施設・生産施設の集積を目指す。そのため、減災を考慮した全域の無電柱化、同社が主体となる太陽光PPA事業によるエネルギーの地産地消や協力・関連企業とコンソーシアムを組んだ持続可能なまちづくりなどに取り組み、付加価値の高い次世代型産業用地を生み出す計画。またスタートアップ企業集積の場づくりを推進し、産官学連携でのインキュベーションの仕組みも構築していく。 フジタ西日本開発事業部地域開発推進部柴田博之部長は「地区中央部に約2haのシンボル公園を配置。既存の樹木を一部に活用する自然環境再生ゾーン、就労者や地域住人が集う憩い交流機能ゾーンや遊び場機能ゾーンを配置することで周辺地域も含めたコミュニティーの活性化を目指す」とし「災害発生時の安心安全機能を持たせることを検討しており、従来の工業団地とは異なる環境共生型の緑あふれる産業用地にしていく」と述べた。非常用備蓄倉庫やマンホールトイレなどを整備してシンボル公園を一時的な避難場所として活用する案も出ている。 工事には、同社のさまざまな最新技術が投入される予定だ。ドローンを用いてのレーザーによる地形測量やGPS搭載型搭乗式振動ローラーによる施工。さらには遠隔操作可能なICT搭載バックホウの投入も検討されている。 工場の建設には京都府の企業立地優遇制度も利用可能だ。「条件によって違うが投下固定資産額等の10%の補助金、不動産取得税の最大50%の軽減、融資の3本柱でサポートする」(京都府担当者)とする。 山本副部長は「学研という場所で食をテーマにした府の拠点づくりを強力に推進していくので、ぜひ南田辺西に参加してほしい」とアピールした。 (【写真右】=フジタ西日本開発事業部地域開発推進部柴田博之部長(重要文化財 京都府庁旧本館にて撮影)、【写真左】=京都府商工労働観光部の山本太郎副部長(同)) (2024年2月25日号掲載)

2024年02月22日

中澤鋳造販売、棚柱を簡単設置可能なピン固定具

 昨年行われたDIYショーの新商品コンテストでグランプリの経済産業大臣賞を受賞した中澤鋳造販売の「ピンベース&カバー」は、市販の棚柱(チャンネルサポート)をピンを使って簡単取り付け可能にした優れもの。 一般的に棚柱はビスを使用して壁に固定するため賃貸での使用が難しかった。本製品は付属の細ピンと独自設計のピンベースを使用することで、石膏ボードに直接かつ原状回復しやすい形で設置できる。また、棚柱は水平・垂直を出すのが難しいが、仮止め機能や紙治具を用意することで一般消費者でも設置しやすくした。 安全荷重は棚柱の長さ900?_で40?`、1820?_で80?`。付属する棚柱カバーの内側に配線を隠すこともでき意匠性の追求も可能だ。 (2024年2月10日号掲載)

2024年02月21日