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ササキコーポレーション、5秒で1箱処理可能な段ボール潰し機

 農業機械や環境システム機器などを手掛けるササキコーポレーションは、9月13日までの4日間開催された国際物流総合展で段ボール潰し機「DUNK HPD600」を出展した。 物流倉庫などでは日々大量の空段ボール箱が発生するが、多くの現場が手作業で空段ボール箱を潰している。人手不足が深刻化する中、段ボールを潰す作業のためだけに人手を確保することが難しくなっていることから、「昨年市場投入して以降、導入数が徐々に増え現在では月10台ほどコンスタントに売れている。特にドラッグストアやアパレル向けの物流センターで採用いただくケースが多い」(同社担当者)という。 最大幅600×高さ600㍉の段ボールに対応し、機械に段ボール箱を投入するだけで1箱約5秒で潰すことができる。手作業と比較すると1箱あたりの作業時間を約6分の1に短縮でき、カッターやハサミを使う必要がないため安全性も高い。潰れたときの厚みも約50㍉と従来機よりも減容効果を約3倍高めており、ホチキス付きの段ボールなどにも対応する。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月03日

花岡車輌がインテリア用かご台車

 花岡車輌は9月13日までの4日間、東京で開かれた国際物流総合展にインテリア向けかご台車「DANDY POTER KAKU CROSS」を出品した。芝浦工業大学と共同開発したもので、かご台車っぽさがない。 ホテルや商業施設での利用を想定し、本体カラーは艶消し黒とした。「クロスさせた天井フレームに取り付けた16個のエビナットを使い、商品やパネル、自転車も吊るせる。クッションを置けばちょっとしたプライベート空間にもなる」と言う。40万円前後の価格で来年4月以降に発売する。 同社が芝浦工業大学で講義をした際、学生から20ほどの製品化のアイデアが発表された。その1つを具現化したという。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月03日

スギノマシン、AM付きマシニングセンタ開発に着手

 スギノマシンは9月11日、金属積層造形(AM)機能を搭載したマシニングセンタ(MC)の開発に着手したと発表した。大陽日酸が開発した溶接トーチ「3DPro Roto TIG」を搭載することで金属AMと切削加工が1台で行える装置。2025年度の販売を目指す。 3DPro Roto TIGはアークプラズマを用いて金属ワイヤーを溶融・凝固させて積層造形を行うワイヤーアークDED方式を採用しており、造形速度と原材料コストに強みがある。また、TIG溶接の技術を応用しているためスパッタの発生が少なく、高品質な造形が可能。中心軸に溶加材となるワイヤを送給し、ワイヤの周りを電極が回転する構造となっているため全方向への積層パスに対応可能。電極やワイヤの供給方向が制限されるTIGトーチが抱える課題を解消し、自由度の高い造形が実現できるようになる。 大陽日酸が開発した溶接トーチ   (2024年9月25日号掲載)

2024年10月03日

DMG森精機、レーザー金属AM機刷新

 DMG森精機は9月3日、従来機に比べ積載容量を拡大し、高精度な積層を実現したSLM方式のレーザー金属積層造形機「LASERTEC 30 SLM 3rd Generation」を販売開始した。航空機や宇宙、医療、EV、金型などでの市場の需要を見込む。価格は1億3130万円(税抜き)。 同社の工作機械の設計ノウハウを反映し、基本構造には金属積層造形機としては初めて、熱対称構造の鋳鉄製フレームを使用し、高剛性を実現。Z軸にはマグネスケール社製スケールを搭載、位置決め精度を向上した。また、80ミクロンのレーザースポット径と積層エリア全体に対応する高精度光学モジュールを採用し、従来機より1.5倍拡大した325×325×400立方㍍の積載容量を備える。最大1000㍗のパワフルな出力のレーザー発振器を最大4台まで搭載可能で、より高速な積層造形も可能にする。「試作品の製造だけでなく、量産加工にも活用いただきたい」(同社) 安全かつ迅速な材料交換を実現するパウダーモジュール「rePLUG」や機械の操作を容易にするガイド付きワークフローを備えた「CELOS X with easyAM」により安全性や操作性、メンテナンス性も兼ね備えた。 9月10~14日にドイツで開かれた「AMB2024」で実機を展示したほか、11月5~10日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2024」でも実機を置く。 (2024年9月25日号掲載)

DMG森精機(株)

2024年10月03日

山善、4WAYのパーソナル電気毛布

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)はひざ掛けやミニカーペットなど4つの使い方をもつ「空気をキレイにする スッポリマルチ電気毛布」を同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」や全国の家電量販店などで9月中旬から順次発売している。 この電気毛布(約100×70cm、表面材はポリエステル100%)は足がスッポリ入る袋状かつファスナーで開閉でき縦・横に広げることも可能なので、(1)ひざ掛け(2)足入れひざ掛け(3)横に広げてミニカーペット(4)縦に広げてごろ寝マット——として使える。ヒーター本体の中布にはタバコの臭いや生活臭などを消臭(吸着・分解)する生地を採用。強運転にすればダニ対策が可能で、コントローラーを取り外して洗濯機で丸洗いできる。ブラウン色、質量約1.4kg。価格はオープン。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月03日

TONE、コンビハンマー5種投入

 TONEはヘッドの片側がスチール、もう片側がウレタン製のコンビネーションハンマーを相次ぎ発売した。いずれも握りやすく滑りにくい形状のゴムグリップと、軽く耐久性のあるグラスファイバー柄を採用。1本で2種類の作業ができ、ヘッドのウレタン側は交換が可能で経済的。 同製品は0.5、1.0、1.5ポンドの3種を展開。柄が短く携帯しやすいショートタイプも1.0、1.5ポンドの2種投入した。ショートタイプには狙いが定めやすく狭所でも使いやすい利点もある。価格は標準で3300円~5300円(税別)。 (2024年9月25日号掲載)

TONE(株)

2024年10月02日

ファナック、800㌔可搬のパレタイジングロボット

 フォークリフトを使わずにパレットをロボットで直接トラックに載せる――。そんな提案をファナックが9月13日までの4日間、東京で開かれた国際物流総合展で実演した。用いた4軸制御のパレタイジングロボット「M-410」は800㌔グラム可搬で水平方向に3.2㍍伸びる。同展への出展を機に発売し、価格は800万~900万円を想定する。 同社のロボットは6軸仕様が多いが、「この用途なら4軸で十分。その分価格を下げられる」と判断した。ブースでは水入りペットボトル500㌔グラムが載ったパレットを300㌔グラムのフォークを使って積み重ねた。ロボットは固定して使用したが、ガイドレールに載せれば広範囲をカバーできる。物流事業者や自動車部品メーカーにアピールしていた。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月02日

三菱電機名古屋製作所、100周年迎えFA・デジタル強化

 三菱電機は9月9日、主力工場の名古屋製作所(名古屋市東区、従業員約3500人、建物延床面積25万2千平方㍍)が1日に設立100周年を迎えたのを機に建屋の一部を報道陣に公開した。 「FAの第一歩はここから始まった」 田中貴久・名古屋製作所長(FAシステム事業本部副事業本部長)は感慨深く話した。名古屋製作所は同社設立の3年後の1924年、総員214人で三相モーターなどの生産を開始。その後生産品目を増やし、現在はシーケンサやインバータ、サーボ、ロボット、各種ソフトウェアなど計11品目を製造。同じ敷地に2021年に設けた産業メカトロニクス製作所ではNC、レーザー加工機、放電加工機を製造する。 田中所長が「ここでの現場改善活動から始まった」と紹介するのはFA-IT統合ソリューション「e-F@ctory」。生産現場とエッジコンピューティングとITシステムを繋ぎ、生産性・品質・環境性・安全性・セキュリティを向上する。「多品種生産が進むなかで高効率生産をするにはFAがますます重要になる。当社全体のFAは工作機械分野の年率約7%成長を超えることを目指し、売上9千億円を目標とする」と自動化市場の拡大を見据える。 カーボンニュートラル(CN)への対応など製造業における社会課題は複雑化している。田中所長は「デジタル基盤『Serendie』(社内外のデータや人財、技術を活用するもので、これを利用した価値共創プログラムを今年5月に始動)により新しい生産方式、CN、SCM最適化など生産全体の最適化を提案していく」と言う。 田中貴久・名古屋製作所長 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月02日

紀和マシナリー、省スペースなのに50番に迫る切削力

 紀和マシナリーの創業は1869年。版籍奉還が行われ士農工商が撤廃された激動の明治2年だった。祖業は農機具製造。だが1933年に旋盤製造へ舵を切る。高度経済成長期に生まれたヒット商品、全歯車式直立ボール盤が同社の名を全国区に押し上げた。「いまだにKIWAといえばボール盤だと言われる」5代目の紀和伸政社長はそう笑う。 穴あけ技術を磨き68年にNCタレット型ドリリングマシンを上市。当時はまだNCの黎明期である。「規模が小さい分、方向転換しやすかった」。チャレンジ精神は当時から旺盛で、マシニングセンタ(MC)もいち早く開発した。MCの初号機は海を渡り英国へ販売。「今なら保守はどうすると待ったがかかるでしょうね」。ただ、それだけ早く海外展開に力を入れていた証でもある。 今の主力はMCで特にBT40に強い。要望を1台から聞き入れ柔軟にカスタマイズする方針も曲げない。「ベースは標準機なので専用機より価格と納期が有利で、標準機よりやりたいことを具現化できる」からだ。この姿勢で国内では主に自動車、海外ではジョブショップからの信頼を得る。イタリアの某工場は数十台の横形MCを同社製で統一する。質の良いシンプルな横形MCで、カスタムできればなお嬉しい。そんなとき同社に声がかかる。 何でもやる。その姿勢を表す逸話が竹用の加工機だ。大学が開発した特殊な刃物を使い生竹を粉砕し一発で粉にする機械。破砕した竹は美容液を抽出したり生分解性樹脂の成分になる。竹は自然物で形も様々だが可変式のクランプ機構を開発した。カスタマイズを厭わない姿勢。その最たるものと言える。 ■専用機と標準機のはざまで  同社は今年、横形MC「KH-4200kai」を発売。「現状のベストは尽くした」と紀和社長は話す。間口1620㍉の「他にないコンパクトさ」が強み。割出速度を従来機比2倍に高めクランプ力も上げた自社開発の円テーブルを採用したのは「自社製なら好きにできる」ためだ。実際、初号機を納入したスウェーデン企業からは円テーブルに様々な改造依頼があった。「さっそく奏功しました」と紀和社長は笑みを見せる。各軸の送りも早め切粉対策も強化した。特にスペースがないジョブショップで好評という。 主軸トルクも高めた。切削量が従来機比で倍近く増加。チタンなど難削材を削れるため医療・航空業界も視野に入る。テストカットで他社の50番機で行う加工を、同機で難なく代替することもできた。50番機からの置き換えならもう1台余分に機械を置ける。 「国内でも海外でも、フレキシブルな対応ができるメーカーとして名を売りたい」。紀和社長の方針は一貫している。「要するにニッチを狙うと。変わったことをやりたいが専用機を買うほどでもない場合にKIWAを思い出してほしい。ちょっとしたカスタマイズでお客様の生産性は上がる。これからも専用機と標準機のはざまで存在感を発揮したい」 Profile 1869年創業 三重県名張市 BT40およびBT50の横形・立形MCが主力。ガラス・セラミックス加工機も手がける。標準機をベースに標準オプションに留まらない柔軟なカスタマイズを行い、時にはイチから設計することも。同社の立形MCはテーブルが固定でコラムが3軸駆動するコラムトラバース式を採用しているが、これもストローク改造などカスタマイズに有利に働く。 紀和伸政社長 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月01日

コロナ、狭い場所に設置できる壁掛型遠赤外線暖房

 コロナ(新潟県三条市東新保7-7、TEL.0256-32-2111)は風呂の脱衣所やトイレなど狭い場所にも設置できる2024年モデル壁掛型遠赤外線暖房機「ウォールヒート」を9月に発売した。ヒートショック対策をしている人でも狭い場所では実行されていないことが多い実態に対応した。 新モデルは内部構造を見直し、左右の離隔距離を従来の半分の100mmに短縮。横幅780mmのトイレなどのより狭い場所にも設置することができる。本体背面に電源コードの収納スペースを設けたことで本体の外に出る余ったコードの長さを調整でき、コードが垂れ下がることなくスッキリ設置できる。本体色は明るい白とグレーの組み合わせを採用した。希望小売価格は税込8万7780円。 (2024年9月25日号掲載)

(株)コロナ

2024年10月01日

ダイヘン、主力溶接機5機種を統合したハイエンド機

 ダイヘンは9月17日、溶接電流350Aの半自動溶接機としてラインナップする5機種を1機種に統合したハイエンド溶接機「Welbee The Short Arc(ウェルビー ザ・ショートアーク)」を受注開始した。 最高級デジタル機の「Welbee」シリーズの低スパッタ性と安定したアークによる高い溶接性能を備えながら、ミドルレンジ機並みの価格で市場に投入。大型LCD操作パネルで使いやすさを高め、高い堅牢性と信頼性も兼ね備えた。「溶接アドバイザー機能」を新規搭載し、溶接時の困りごとに対してQ&A形式で内部機能や調整項目を提案する。 「多種多様なラインナップ集約により、技能レベルや溶接姿勢、使用環境や価格など考慮して選定する手間がなくなる。ハイエンド溶接機でありながら中価格帯の価格と『溶接機の決定版』となる1台」(溶接・接合事業部 森田幸也企画課長・以下同)と自信を込める。 溶接時のエネルギー消費効率を高め、消費電力やCO2排出量をサイリスタ機に比べ20%抑制。また、溶接電源の保証を、2年間から3年に延ばした。 ワイヤ送給装置と溶接トーチも同時に新型へアップデート。ワイヤ送給装置は最軽量10㌔(従来比25%減)の小型化・軽量化を実現した。トーチを握りやすい形状に一新、樹脂部にバイオマス素材を採用し、樹脂成形におけるCO2排出量を75%低減した。 メーカー希望価格は、溶接電源およびワイヤ送給装置、溶接トーチ、ガス流量調整器、ケーブル・ホース類の半自動仕様一式で96万6000円(税抜き)。年間6千台の販売を見込む。 (2024年9月25日号掲載)

(株)ダイヘン

2024年10月01日

寺岡精工「世界初」一体型MAPトレーシーラー

 寺岡精工はインテックス大阪で9月初旬に開かれたフードストアソリューションズフェア2024で、業務効率化や脱炭素に関連する新製品を多数展示した。 計量器内蔵の「PKGシリーズ」3マルチピッキングカートは、ピッキングと同時に数量チェック・照合を行うことで個数の取り違えなど作業ミスを防止。「幅480㍉とスリムなためネットスーパーや通路の狭い倉庫で活躍する」(同社) 展示の目玉として、一体型MAPトレーシーラー「LX―5600」を初公開。パック内の空気を食品保存に適したガスに置換し包装するMAP包装は、消費期限の延長が可能だが、大掛かりな設備や広いスペースが必要なため、小売店舗内で製造・包装する現場では普及が進んでいない。「LX―5600は計量、ガスフラッシュ包装、トップシール、自動値付け機能を一体化した世界初のトップシーラー。フードロス削減だけでなく、計画的な生産と在庫管理が可能になり、店舗運営効率化に繋がる。金型がワンタッチで着脱できる設計のため交換が容易で作業性が高く、国産メーカーであることも強み」(包装事業部営業グループ 有本政人氏) 他にもペットボトル減容回収機「ボトルスカッシュ」に、キャラクターデザインを施しゲーム性を備えた新モデル「スカッシュ君モデル」を展示。マスコットキャラクターの音声ガイダンスと抽選ゲームで、消費者参加型のペットボトル再利用を促進する。また、回収本数やCO2削減量を数値化した「見える化モニター」も登場。効果を実感しやすく、リサイクルのモチベーションアップにつなげる。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月01日

THK、オリジナル自動倉庫を提案

 THKは自社の標準機構部品を組み合わせてオリジナル自動立体倉庫ユニットを提供できることをアピールしている。東京で9月13日まで4日間開かれた国際物流総合展に出展し、走行台車の上に3軸直交ロボットを載せて実演した。 ユニットはユーザーの要望に合わせてカスタム対応できる。同社は「既設工場や部品倉庫などで人が介在している部分を小規模から自動化できる。仕様はお客様と一緒に決められる」と柔軟性をウリにする。今回展示したのはストロークX1517・Y780・Z1100㍉のユニット。多段スライドを用いて質量10㌔程度のケースの出し入れを想定するが、LMガイドを使って重量物を扱うことも可能と言う。 (2024年9月25日号掲載)

THK(株)

2024年09月25日

ワルタージャパン、旋削チップやチップ交換式ドリル

 ワルタージャパンは、9月2日から鉄系の加工ワークに向いた旋削チップ、16日からはチップ交換式ドリルの特別キャンペーンを開始した。 対象となる旋削チップはISO被削材グループのP種の旋削ポジチップ/ネガチップで、計219アイテムを対象に特別価格で提供する。最新コーティング技術「Tiger・tec Gold」を採用しており、CVD法により超硬母材にチタニウムカーボンナイトライド(TiCN)とアルミナ(Al2O3)による複層の被膜を施し、耐摩耗性と靭性を高めている。実施期間は9月2日~10月24日。 チップ交換式ドリルのキャンペーンでは、チップ交換式ドリル約800点および対応するチップ各種約1000点を対象に、所定数量のチップの購入によりドリルボディ本体を無償で提供する。 先端のポイントチップを交換するだけでさまざまな被削材の切削に対応できるドリルボディ「D4140」および「D4240」は、ステンレスや鋳鉄ワーク専用など5種類のチップを展開する。ボディ本体には表面に熱処理と研磨を施し、耐久性を高めた。クーラントが直接刃先に供給される構造により長寿命化と切削時の安定性を向上。最長10Dの加工に対応する。 「D3120」は取り扱いやすさと用途の幅広さが特徴のドリルボディ。同社のチップ交換式ドリルの中で最も高剛性で、旋削加工用ドリルとしても使える。1種類のチップで外周刃・中心刃を兼用でき利便性が高い。ドリルボディ「D4120」は高精度・高品質加工に向く。外周刃・中心刃に専用設計のチップを使えば、切削抵抗の不安定さを軽減し、安定した加工精度を出せる。実施期間は9月16日~12月26日。 「建設機械や自動車、エネルギー産業などを中心に世界中で販売実績のあるチップ交換式ドリルを、旋削チップの特別プロモーションと併せて品質をお試しいただきたい」(同社) (2024年9月25日号掲載)

2024年09月25日

ESR、大阪に初のデータセンター竣工

 物流施設開発などを手がけるESR(スチュアート・ギブソン代表)は、大阪市住之江区に同社グループ初のデータセンター「ESR コスモスクエア データセンター OS1」(以下OS1)が竣工したと発表した。3棟構成のキャンパス型で、今回竣⼯した第1期のOS1は受電容量 25㍋ワットを備える。データセンターの稼働開始は2025年5⽉を予定し、3棟合計で受電容量は130㍋ワットになる計画。 OS1は⼤⼿クラウドサービスプロバイダーを含むハイパースケーラーが主なターゲット。AIデータセンターなど、顧客の多様なデータセンターニーズに柔軟に対応できる汎⽤性と拡張性を備えている。同社はこれまで⼈を第⼀に考える開発理念のもと高度なアメニティを備える先進的物流施設を各地に開発してきた。この理念はOS1にも受け継がれておりバーカウンターを備えたリフレッシュエリアも備える。 ESRデータセンターCEOのディアミッド・マセイ氏は「従来型の古いデータセンターから近代的でエネルギー効率の⾼いデータセンターへシフトが求められている。ESRは環境に配慮しエネルギー効率が⾼く、働きやすいデータセンターを今後も開発する」としている。 (2024年9月10日号掲載)

2024年09月23日

ヤマハ発動機・本社工場、6台のeve autoで建屋間搬送を無人化

ヤマハ発動機の本社工場正門  年間約20万台の二輪車を製造するヤマハ発動機の本社工場(静岡県磐田市、従業員数約7000人、総敷地面積約53万平方㍍)では、2021~24年にかけて生産ラインの見直しが行われてきた。多様化するニーズに応えうる柔軟なラインを構築するため、これまで一連となっていたエンジン・車体組立ラインを二つの建屋(5号館:エンジン、7号館:車体)に分離。各建屋を繋ぐ自動搬送システムとして同社が出資するeve autonomyの屋外対応無人搬送システム「eve auto」を選んだ。工場改革の取り組みについて聞いた。 左から一ノ瀬正行課長と野口英樹主務  静岡県磐田市に位置するヤマハ発動機本社工場は、スーパースポーツに使用される「YZF―R1/R6」やモトクロス向けの「YZシリーズ」など、主に国内・欧米向けの付加価値の高いモーターサイクル製品を製造する。アセアンやインドなどの需要地での現地生産を進めてきた同社は、昨今の市況の変化に合わせて2021年から本社工場のエンジン・車体組立工程の見直しを進めてきた。 「近年、国内の生産台数がシュリンクする一方で、消費者ニーズは多様化しており生産するモデル数にはあまり変動がない状況が続いていた。多品種少量生産に対応できるライン構築を目指し再編に取り組んだ」(ヤマハ発動機・生産本部製造技術統括部組立技術部物流合理化グループ 野口英樹主務) 従来、5号館と7号館に4本あったエンジン・車体組立ラインをエンジン組立ライン2本(5号館)と車体組立ライン2本(7号館)に分離。規格化が進んでいるエンジンは生産効率を重視した形に、オプションやカラーリングなどが多様化している車体向けは多品種少量生産に柔軟に対応できる形を目指した。モデルごとに専用ラインを組む生産方式も見直し、同一ラインに全モデルを流せるようにした。 「従来方式では、モデルごとの季節変動によってラインごとに大きな作業負荷がかかってしまう時期がバラバラと発生していた。労働環境改善や工場の安定稼働のためにも大きな改革だった」(同社・生産本部製造統括部組立工場推進課 一ノ瀬正行課長) ■建屋間搬送を無人化  2種類の組立ラインに分離する上で問題となったのが、組立て済みエンジンの建屋間搬送だ。同工場では1日約900台もの完成エンジンが5号館から7号館へと搬送されるが、これを人でやろうとすると最大12人が搬送にかかりきりになる必要があった。 新たな生産ライン構築の横串となったのが屋外対応無人搬送システム「eve auto」。ヤマハ発動機のゴルフカートをベースとした車体と自動運転システムを開発するティアフォーの自動運転技術が組み合わさったAMRで、LiDARなど複数のセンサーを活用することで昼間だけでなく夜間や雨天時の屋外搬送の自動化に対応する。 「23年2月より3台で運用を始め、現在は最大6台体制で運用している。1周10分程度の周回コースを設定しているため、各車体は1時間あたり大体6往復している」(野口主務) 周回コースの詳細は次の通りだ。eve autoは、5号館にあるエンジン在庫を保管するための自動倉庫から供給されたエンジン4つを受け取り、連動するシートシャッターを自動開閉させて建屋を出る。幅約10㍍のトラック往来のある建屋間道路を横断。胸ほどの高さのトラックバースへの急坂を上り、バースに設けられた幅3㍍弱の狭路を25㍍ほど走行。再びシートシャッターを自動開閉して7号館に入ると、垂直搬送機に繋がるコンベヤに4つのエンジンを受け渡し、別のコンベヤからエンジン搭載用の空パレットを回収して5号館に戻る。 複数台のeve autoをピストン輸送に活用することで、建屋を跨ぐ形でエンジンと車体ラインを分離したにも関わらず、1連のラインのように運用することを可能にした。「eve autoの導入によって5号館から7号館へのエンジン供給をほぼ無人化できている。eve autoが安定稼働していることによって供給の指示も、7号館でエンジンが車体に組付けられると5号館の自動倉庫に次に使うべきエンジンの供給指示がいく簡便な形にすることができ、生産計画などの周辺工数の低減にも繋がった」(一ノ瀬課長) エンジンをeve autoに供給する様子。コンベヤ側に位置補正機能を持たせ、ミスのない搬送を補助する ■海外工場での横展開も?  導入にあたって最も大きな懸念は「安全性」。積載する4つのエンジンはランダムで決まるため、大型エンジンが4つ集まると架台を含めた牽引重量は約1㌧(eve autoの可搬重量は1.5㌧)、車体重量と合わせると2㌧近くになる。 バースに設けられた狭路は単線運用になっており、eveauto同士の調停機能を活用して相互往来の自律運用を可能にする   「人も多く働いている当社の工場にeve autoを導入するとなると、人や通行するトラックと協働する場面が頻繁に発生することが予想された。実際、eve autoが走行している際にルート上で人がカゴ車を搬送する光景は日常的に見られる。そのため、物理的・心理的な安全性が最も大きな懸念であった。導入前にはeve autoの特性周知や走行ルートの明示などの対策を行ったが、eve autoの走行精度や安全性能を現場作業者が体感することで安心感が得られた」(野口主務) 導入から約1年半が経過した今、一ノ瀬課長は「ほぼ目標としてきた運用は達成している」と話し、工場間の連携を強化する同社では本取り組みの情報が既に全社に共有されているという。「海外工場からの問い合わせもきている。建屋間に高低差がある工場では、eve autoの走破性が特に生かせるのではないか」と横展開の可能性も示唆した。 ■台風10号にも負けず  8月22日に発生した台風10号は静岡県に大きな影響をもたらした。   本社工場のある静岡県磐田市でも猛烈な雨を記録したが、eveautoは難なく稼働し続けた。 「瞬間雨量82㍉超を記録した昨年の豪雨では一時運行を停止したが、雨が少し落ち着けば問題なく再稼働でき生産への影響もなかった」(野口主務) (2024年9月10日号掲載)

2024年09月20日

東洋機械金属、型締力1300t級のダイカスト機

 東洋機械金属は、型締力1300㌧クラスの油圧式ダイカストマシン「BD-1300V7EX」の本格受注を8月に始めた。同機はこれまで125~1250㌧までだったBD-V7EXシリーズで最大の型締力。ワイドプラテンの標準採用で横長の金型サイズに対応し、EV化に伴い大型化するアルミダイカスト部品をターゲットにする。 同機は射出下打ち寸法を大きくして1ランク上の金型に対応し、1650㌧クラスの押出力を持つ。大容量油圧ポンプを採用し油圧動作を高速化。大容量ACCの採用で射出性能も向上させた。コンパクト設計で1250㌧級の機械と同じ輸送形態を実現している。 (2024年9月10日号掲載)

2024年09月19日

ブラザー工業、SPEEDIOから新モデル

 ブラザー工業は8月26日、従来モデルから加工領域を拡大した「コンパクトマシニングセンタ・SPEEDIO S300Xd2/S500Xd2/S700Xd2(Sシリーズ)」と5軸加工機 「ユニバーサルコンパクトマシニングセンタ・ SPEEDIO U500Xd2(Uシリーズ)」を発売した。新モデルは、JIMTOF2024に出展予定だ。 Sシリーズはテーブル移動による前後、左右、工具が垂直に移動する上下動が可能なマシニングセンタ。汎用さと生産性の高さからSPEEDIOシリーズで最も売上台数の多いベストセラーモデルだ。新モデルは加工領域を広げ、主軸の剛性を高めた。また、CNCの機能強化、暖機レス加工支援機能の追加などを実施。 加工エリアの奥行き(Y軸移動量)、高さ(Z軸移動量)とテーブルサイズを大きくすることで、加工領域が拡大。これにより、加工物の大型化、形状の複雑化への対応のほか、搭載可能な治具が増えることなどにより、工程集約への対応能力を向上させた。 ■約30%の省エネを実現  Uシリーズは、コンパクトな本体に大型の傾斜ロータリーテーブルを搭載することで、多面加工を可能にしたモデル。今回発売する「U500Xd2」は、従来モデルと比較して加工エリアを拡大。EV関連の部品など、近年需要が拡大している大型部品に対応する。 両新モデルとも環境負荷の低減を実現する新しい機能を追加している。チップシャワー省エネ運転や暖機レス加工支援機能などの機能を搭載し、さらなる省エネ化を実現した。従来モデルと比較して、約30%の大幅な消費電力の削減を実現。また、エアーに関わる機能を最適化し、工作機械使用時のエネルギーの無駄も削減する。 (2024年9月10日号掲載)

ブラザー工業(株)

2024年09月18日

永大産業、非木質デザインの床材新カラー

 永大産業は11月25日、自然素材や工業素材の質感を再現した非木質意匠シートフローリング「コンカーボ」に新柄をラインナップする。 「近年トレンドとなっている、石材や金属といった自然素材や工業的素材の質感を用いたコーディネートに対応する。今回の追加ラインナップではより質感や色調を追求し、細部までリアルに再現することにこだわった」(同社) 455㍉メートル幅の大判サイズで施工手間を軽減、耐キャスター性能や耐凹み性能、および床暖房対応で美観と機能性を両立する。 今回は4色を追加し、大理石特有の滑らかな質感で空間を優美に演出する「ベージュマーブル柄」から「グレイッシュサガン柄」、石目模様でシックで上質な雰囲気を醸し出す「シャドウスレート柄」、「ダークメタル柄」で、既存の5色柄と合わせて全9色柄となる。価格は1ケースあたり1万9600円(2枚入り=1.65平方㍍、税・施工費別) ■同モチーフの化粧壁材も上市  同日に、非木質意匠の化粧壁材「コンカーボウォール」も発売する。薄型設計で使いやすく、接着剤と両面テープで施工も簡単。木質意匠の床面とコンカーボウォール、あるいは非木質意匠のコンカーボと組み合わせでインテリア空間の幅を拡げる。 910㍉メートル×2700㍉メートルの大判サイズで天井高が高い住宅にも使える。特殊な表面加工によりメンテナンスしやすく美観を長く保てる。 ラインナップはコンカーボのラインナップから「ビアンコマーブル柄」と「ライトモルタル柄」、「モルタル柄」、「セラミック柄」、「ダークスレート柄」の5色。価格は1ケースあたり2万1千円(2枚入り=4.9平方㍍、税・施工費別) (2024年9月10日号掲載)

2024年09月18日

山善、協働ロボットテストラボを従来より約3倍の面積に

 山善のトータル・ファクトリー・ソリューション(TFS)支社は8月22日、協働ロボットトライアル施設「協働ロボットテストラボ」を大阪府大阪市淀川区(新大阪駅徒歩圏内)に開所した。人手不足対策や協働ロボットの市場拡大に対応するため従来施設(山善本社第二ビル)の約3倍の面積に拡大され、個室型テストルームやトレーニングルームが新設されるなど大幅な拡充が図られた。 テックマンロボット(台湾)、ファナック(日本)、ABB(スイス)の3社7台の最新協働ロボットを常設。個室型のワークテストルームやトレーニングルームも新設し面積は308.65平方㍍と大幅に拡張された。また他府県からのアクセスの向上も狙い。 TFS支社の植島代志和技術サポート部長は「特に海外製の協働ロボットの試運転や対面サポートが受けられる施設が少なかった。そこで単なるショールームではなくトライアル施設が必要だった」とする。今期、協働ロボットの受注を数量ベースで前期比約40%増を目指す同支社。そのため今回の拡張で同ラボへの今期来社100社を目標とする。 ワークテストルームではテックマンロボットの動作速度や可搬重量などを、実機で事前にテスト可能だ。3Dプリンターを常設し、対象ワークに合わせたハンド用の爪や補助器具を製作し実際の作業に近い状態でテスト出来る。 トレーニングルームではテックマンロボット導入時の操作トレーニングを実施するほか導入企業向けに「産業用ロボット安全特別教育」も行う。 「テックマンロボットは日本法人がないので、正規代理店の当社がメーカーに代わってトレーニングやアフターメンテナンスなどを行う必要がある」(植島部長)とする。 ほかにコミュニティスペースでは常設展示している4台の協働ロボットの操作体験や、大型スクリーンを用いたTFS支社の自動化に関する取り組みを紹介。ほかにもユーザーだけでなく、ロボットメーカー、周辺機器メーカー、SIerが常に集う、情報交換や共創の場にしていく。 (2024年9月10日号掲載)

2024年09月17日

山善、温度調節ができる電気ケトル第4弾

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は温度調節ができ、倒れても湯が漏れにくい「電気式バリスタポット」を開発した。9月3日に応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」(東京都渋谷区)で先行販売を始めた。2018年に発売した電気ケトルシリーズの第4弾。 電気式バリスタポットは取っ手と細口ノズルの重量バランスと蒸気口を塞ぐフタの新構造により、誤って倒れた際にも湯が漏れにくい。コーヒーのドリップ時に最適なドリップ時間をカウントアップする新機能と、真下にドリップできる新細口ノズルを搭載した。キッチンに馴染むマットな質感のデザイン。Makuake販売価格1万2100 円(税込)。 (2024年9月10日号掲載)

2024年09月17日

UBEマシナリー、国内最大の9000tギガキャスト機

 UBEマシナリーはこのほど、国内では最大となる型締力9000㌧の超大型ダイカストマシン「UH9000」を発売。標準ラインナップに加えた。EVの車体構造部品をアルミ合金で一体成形する「ギガキャスト」に対応する。 同社は2022年に国内メーカーとして初めてギガキャストに対応した型締力6500㌧のダイカストマシン「UB6500iV2」を発売、リョービ菊川工場への納入が発表されている。 (2024年9月10日号掲載)

2024年09月16日

クリナップ、普及価格帯キッチン刷新

 クリナップはこのほど普及価格帯システムキッチン「rakuera(ラクエラ)」をモデルチェンジし、9月2日から受注を開始した。コンセプト「キッチンは家具、と考える。」はそのままに、使いやすさやプランニングのしやすさを追求した。 これまで2枚割であった扉を3枚割に変更。上位機種「CENTRO」「STEDIA」で提唱してきた「ゾーンコンセプト」に基づき、使用頻度が高いものを手元の「ハンドエリア」や目線の「アイエリア」に収納し、使用頻度が低いものは足元の「フットエリア」に収納できるようにした。これによって深型食器洗い乾燥機を搭載した時でも扉ラインがそろうようになった。他にも、2種類の高さの天板が特徴のデュアルトップ対面プランやコンセント付きシンクキャビネットもラインナップ。流通・サブユーザーのプランニング性向上にも寄与する。 周辺収納にも力を入れる。箱物家具の一番底辺部分である「台輪」のあり方を見直すことで、カウンター直下にスペースを創出した「カグタス収納」は、使う時だけ引き出せるスライド台や小物をサッと収納できるオープン棚など新たな生活提案となる。 価格(税抜)はスライド収納基本プランで86万3千円~。 (2024年9月10日号掲載)

2024年09月16日

シグマー技研、微調整できるストレッチフィルム包装機

 シグマー技研は9月1日、ストレッチフィルム包装機SSP半自動機タイプにパウダーブレーキ式テンション機構を備えた新製品「SSP-15150-AMP」(=写真)を発売した。 同製品のパウダーブレーキ式テンション機構は、操作パネル上にあるボリュームツマミを回すことにより、任意のテンションで微調整を行うことが出来る。 フィルムテンションを一定に保ちバラつきなく荷物をしっかりフィルム包装可能で「『梱包箱の角が潰れて困る』『凹凸が多い』といった状況のほか、軽量物から重量物の包装まで、ストレッチフィルムテンションの微調整を求める声にお応えする」(同社)とする。 また新しい制御ボックスを採用しており、荷物の上・下巻き時間の変更も操作パネル上で変更が可能となっている。 「多彩なオプションもご用意しており、ストレッチフィルム包装機をすでにお使いの方もこれから導入をしたいとお考えの方にも、是非お勧めしたい製品だ」(同社)と自信を見せる。 (2024年9月10日号掲載)

2024年09月13日