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ワルタージャパン、自動盤向け小径工具をラインナップ

 ワルタージャパンはこのほど、約1000アイテムの新製品をラインナップに追加した。 「自動盤向けのφ1~12の小径工具を製品ポートフォリオに加えた」(安藤達治マーケティングスペシャリスト)とし、旋削・溝入れ加工用チップ「WT26」とホルダー「W2011」では、旋削と溝入れともに多様なチップ形状を取り揃えた。鉄やステンレス、チタン合金など幅広い被削材に対応する。チップ側面に1度の傾きを設け、ワークやチャックの壁際でも干渉することなく溝入れが可能。大量ロットの自動車向けバルブ部品や小径シャフト、歯のインプラント部品などの医療分野を主なターゲットと見据える。 また、ミーリングカッター「Xtra・tec XT」シリーズに、ヘリカルカッターをラインナップ。完全切れ刃仕様で、肩削り加工やポケット加工、ランピング加工に加えてフル溝加工にも対応する。カッター径のバリエーションは50、63、80?_。防振性に優れ、ビビりの発生を抑える「G51」や、チタン合金の加工に適したウェーブカットブレーカー付きの「G55W」など全6種類のチップ形状を展開。高い切りくず排出量と、工具寿命の大幅な延長を両立させた。 (2024年7月10日号掲載)

2024年07月16日

JEITA 関西支部総会、新支部長にシャープの沖津副社長

 JEITA(電子情報技術産業協会)関西支部は6月12日、新阪急ホテル(大阪市北区)で定時総会を開催。新支部長にシャープの沖津雅浩副社長執行役員を選んだ。 前・関西支部長(JEITA会長)の津賀一宏氏(パナソニック ホールディングス会長)は「JEITAではSociety 5.0の推進を掲げ、サプライチェーン全体の社会課題に対応するためDX・GXの取り組みを強化している」とあいさつした。 同支部は昨年度、多様な講演会・セミナーを実施しDX・GXに関わる企業競争力の強化に努めたほか、部品運営委員会によりコロナ禍で中止していた視察を4年ぶりに再開。JFEスチール西日本製鉄所を昨年8月に訪れ、異業種のノウハウが会員企業の刺激となった。そのほかの取り組みとして小学生を対象とした「ものづくり教室」も開催。「うそ発見器作り」は子どもたちに好評で、今年も実施するという。 総会では、関係者100人が出席。全ての議案が満場一致で可決され、新支部長に沖津氏が就任した。 沖津支部長は「24年度は、AIやEVなどハイスピードで変化する事象を効率よく学べる技術セミナーのハイブリット開催を強化するとともに、現場に行かないと学べない工場視察などのリアル活動も活発化させる」と話した。 (2024年7月10日号掲載)

2024年07月16日

SIRC、高速応答の有線電力センサ

 SIRC(2015年設立、高橋真理子CEO)は、6月13日に有線接続式の「IoT電力センサユニット TypeR/TypeC」を発売した。機器の消費電力を高精度に計測。計測の間隔が0・2秒と高速で、短時間で変化するデータを高精度に収集して異常検知にもつなげる。TypeRはシリアル通信の規格「RS232C」に対応し、TypeCはパルス出力が可能。ともに高電圧配線が不要で、簡単に取り付けが行える。 SIRCは大阪市立大学発の技術ベンチャー。コア技術は磁性薄膜とそれを用いたセンシングで、電力や電流を計測して出力したり周波数を抽出できる磁性薄膜を微小チップに仕立て、これを活用した各種センサを開発する。 同社はこれまで15秒で取り付けられる無線式の「IoT電力センサユニット」を展開していたが、短時間で変化する電力データは収集が難しかった。有線式のTypeR/TypeCの追加により、加工機など精密な動作を伴う機器でより正確なデータ取得が可能になる。従来は取り逃がしていた異常値も検出でき、異常検知の精度が向上。「脱炭素に向けた電力需要の予測や製造現場の効率化、安定操業への貢献を目指す」とする。 (2024年7月10日号掲載)

2024年07月15日

伊東電機、テックセンター北関東一新

 伊東電機は6月12日、栃木県小山市の「テックセンター北関東」をリニューアルオープンした。 テックセンター北関東のショールーム機能は同社の東山第二工場(兵庫県加西市)にある「イノベーションセンター」に次ぐ国内2拠点目。製造業や物流拠点が多く集結する北関東地域を中心に東日本地域への提案を加速するため2020年4月に開設した。今回のリニューアルでは最新システムへの入れ替えだけでなく、2階にもショールーム機能を持たせることで、展示面積をリニューアル前の約1.8倍の約600平方?bに拡張した。 オープニングセレモニーで伊東徹弥社長は「我々の技術を短時間でご理解いただくのは難しい。本施設では技術研修や実搬送で実験できる機能も備えている。実際の搬送物を持ち込んでいただいて、搬送速度や処理能力をじっくり検証・体感できることが大きな魅力」と挨拶した。 ショールーム1階には、同社のコア技術であるコンベヤ駆動用モーターローラーMDR(Motor Drive Roller・商品名パワーモーラ)とソフトウェア技術を駆使したMDR式マテハンを活用した最新の高速仕分けユニットモジュール「id-Sorter」を設置。搬送物間を一定に保つ「オートギャッピング機能」やロット単位の塊にして搬送できる「ロット形成機能」などを体感できる。また、周辺に製造業が多いことから、1?dまで搬送可能な直角移載機「P-RAT」を活用したパレット搬送システムなども展示する。 2階にはEC物流で増えている小物・軟包装品の搬送に対応する静音・衝撃吸収搬送システム「FNR(Flexible Noiseless Roller)」などを展示。積み重なった搬送物の荷バラシや整列にも使用できる点を紹介した。 伊東徹弥社長 (2024年7月10日号掲載)

2024年07月15日

TONE ALPHA、無線・デジタル式電動タイヤレンチ

 TONE ALPHAは、バスや大型トラックなど大型車両のホイルナットの締付作業を効率化する「コードレス電動タイヤレンチ」を発売した。無線式のため機動性に優れ、トルク制御が可能でデジタル表示によりピンポイントにトルク値を設定できる。トルク精度は±5%。残り締付本数を自動でカウントダウンするポカヨケ機能や、設定したトルク値(制御範囲:300~800N・m)になると自動で停止する機能により作業ミスを防ぐ。 同製品はトルク管理が可能な電動レンチであるナットランナーの一種。打撃機構を持つインパクトレンチより騒音や振動が少ないが、締結時に反力受けを隣接するボルト・ナットに当てる必要がある。反力受けはレバー式やカップ式など3タイプから適したものを選択可能。本体下部のスイッチで回転の正逆も切り替えられる。1回の満充電で約220本の締付に対応。差込角は19?_。 (2024年7月10日号掲載)

TONE(株)

2024年07月12日

イノフィス、ホンダカーズにアシストスーツ導入

 東京理科大学発スタートアップのイノフィス(東京都八王子市、乙川直隆社長)は今年3月、茨城県で自動車販売店「ホンダカーズ」15店舗を展開するホンダ茨城南に、身体的負担を軽減するアシストスーツを計56台納入した。整備工場などでの作業時の身体的負担を軽減する。 納入したのは「マッスルスーツSoft-Power」2台、「マッスルスーツSoft-Light」54台。これらは全15店舗へ配備された。マッスルスーツはどちらも電気不要で、Soft-Powerはサポータータイプでは最強クラスの補助力をもち、腰の負担を35%軽減。工場・物流倉庫での持ち運び作業や介護現場での姿勢維持などに効果を発揮する。より手軽なSoft-Lightは上下パーツ合わせて約460?c(Lサイズ)と軽量。優れた通気性、装着・調整・手入れの簡単さなど、毎日ずっと着られる快適性を特長とする。 (2024年7月10日号掲載)

2024年07月12日

日本ドナルドソン、長寿命フィルター搭載の集塵機

 働きやすい工場環境をつくるうえで、労災を防ぎ作業者の健康を守ることは何よりも優先される。2020年には特定化学物質障害予防規則が改正され、溶接ヒュームが発生する作業では適切な換気措置が義務付けられるようになった。しかしメーカーや販売店に実情を聞くと「対策が進んだ企業はもちろん多いが、すべての企業が適切な対策を取っているかというと……」と歯切れの悪い答えが返ってくる。昨年には通称「新たな化学物質規制」が施行され事業者が適切な対策措置義務を負う物質の数は大幅に増えた。耳が痛い企業はいま一度、自社の集塵体制を見直す必要があるだろう。 日本ドナルドソンが移動式の小型集塵機「PT-700」を提案している。特徴は独自の難燃性長寿命フィルター「ウルトラウェブ」で、捕集効率は99.9%(中位径2マイクロ?b粒子で)。目詰まりが発生しづらいためコンプレッサーの余計な負担を減らすことができる。目詰まりが起きにくいのは表面の層でダストを捕捉しろ材内部への侵入を防ぐからだ。ダストリリース性も高く、ボタンひとつでダストを払い落とす機構もついている。 フィルターの目詰まりを確認できる差圧計もあるためメンテナンス時期を見逃すこともない。オプションで火花による火災を防ぐスパッタトラップも搭載可能だ。人手不足が深刻化するこれからのモノづくり現場で、溶接ヒュームや様々な粉塵に適切な対策を取らない現場に人が集まることは考えづらい。今こそ本腰を入れた対策が求められる。 (2024年7月10日号掲載)

2024年07月11日

アマダプレスシステム、伊勢原鈴川事業所を増強

 アマダプレスシステム(神奈川県伊勢原市)は6月19日、増改築して本稼働を始めた同社のプレス周辺装置の製造拠点である伊勢原鈴川事業所(組立エリア面積は従来より70%増の4862平方m)を仕入れ先や報道陣に公開した。一連の投資額は約17億円。 伊勢原鈴川事業所は主にコイル材供給装置とプレス間搬送ロボットを製造するS1工場と、大型・特殊コイル供給装置を製造するS2工場からなる。S1工場を耐震補強し、S2工場を778平方m増築。また分散していた工程の集約などで組立リードタイムを従来比で40%短縮、プレス周辺装置生産能力は約1・7倍になるという。 堀江喜美雄社長は同社のプレス・自動機のセット販売がこの3年間は売上高ベースで18~28%伸びていることに触れ、「自動車の電動化などに対応しプレスと自動機の一体化をさらに進める。今回の増強を機に段取り時間の短縮と再現性の高いマシンをつくっていく」と話した。同社はアマダ本体に倣い、これまでの受注生産からモジュール計画生産に移行する。約20%の海外売上は米国向けを伸ばすことなどで30%に高める考え。 堀江喜美雄社長 (2024年7月10日号掲載)

2024年07月10日

ダイヘン、デジタルサブマージアーク溶接システム

 ダイヘンは7月1日、厚板溶接向けデジタルサブマージアーク溶接システム「DIGITALAUTOMELT(デジタルオートメルト)」の受注を開始した。 造船や建築・鉄骨、橋梁などで幅広く利用されており、新たな用途では風力発電設備の土台となるモノパイルへの活用も期待されているサブマージアーク溶接。 「デジタル化により熟練技能を必要とせず、再現性の高い厚板溶接が行える。デジタル制御溶接機として世界最大水準の溶接電流出力1500Aで高能率化にも寄与する」(同社) 電流、電圧などの溶接条件を操作ボックスに数値入力して設定が可能。溶接条件を最大100件記憶でき、ノウハウを要さず必要な溶接を再現できる。デジタル機では世界最大レベルの溶接電流1500Aの出力により、溶接パス数を削減、高速溶接が可能で作業工数を大幅にカットできる。また、母材への入熱抑制により強度低下も防ぐ。 新モードの交流定電圧モードを始め、計6種類の溶接モードで高温割れの防止や溶着量、溶け込み深さの調整が行える。ワイヤ消費量や入熱といった溶接情報を収集・記録する溶接管理システム「ウェルディングモニタ」もオプションで近日追加する予定だ。 従来はアークスタート時、丸めたスチールウール等を挟み通電を行っていたが、その方式のほかに、ワイヤ先端を母材に軽く接触させて溶接起動(スチールウールレススタート)が可能になった。 価格は単電極仕様が1090万円、二電極仕様が2010万円(いずれも税抜き)。年間200式の販売を見込む。 「国内の造船分野において当社のサブマージアーク溶接機は大きなシェアを獲得しているが、今回のデジタル化と世界トップレベルの高出力でさらに上の高能率化を果たす」(同社) (2024年7月10日号掲載)

(株)ダイヘン

2024年07月10日

三菱電機、ベトナムでFA機器の合弁会社設立

 三菱電機はASEAN向けFA機器の生産体制を強化するため、冨士ベークライトとその子会社Fuji Bakelite Vietnam(ベトナム・ハノイ近郊)の持分80%の取得の契約を結んだ。これにより新社名を「Mitsubishi Electric FP Automation Vietnam Co.,Ltd.(三菱電機FPオートメーションベトナム)」とし、6月1日に合弁会社として事業を始めた。 2014年に操業を始めたFuji Bakelite Vietnamは三菱電機福山製作所(広島県福山市)の製造委託先として小形低圧遮断器の製造を担ってきた。ベトナムにおける製造・品質管理ノウハウに加え、現地の熟練技術者などの人材を豊富に抱えている。新合弁会社はASEANにおける低圧遮断器の需要拡大に対応し、来年1月からは新たに気中遮断器の製造を始める。 三菱電機は「将来的には本合弁会社でFA機器の需要拡大に向けた生産体制を強化し、ASEAN諸国への製品供給力を高めることでFAシステム事業のさらなる拡大を図る」としている。 (2024年7月10日号掲載)

2024年07月09日

日東工器、27年3月期に売上2割アップへ

 日東工器は中期経営計画2026(24年4月?27年3月)の最終年度に売上高320億円(24年3月期は270億円)を、10年後に500億円を目指す。5月30日にウェブで開いた決算説明で強調した。小形明誠社長は「収益力の強化と、水素・新エネルギー関連や自動省力化の強化など成長領域への投資拡大などがポイントになる」と話した。 白河日東工器(白河市)、メドテック(山形市)を統合し、福島県福島市の工業団地内に建設中の新工場(投資額約160億円、25年6月稼働予定)については「現状の1.3倍の生産キャパシティとなるが、中計2026年の期間ではまずは安定稼働を目指す」(同)とした。新工場はマルチ工場として流体継手、電動ドライバー、小型ポンプ、ドアクローザーなど同社グループの全製品を生産する考え。この投資を含め、25年3月期は大幅に増やした前期より14億円ほど多い75億円の設備投資を計画している。 (2024年6月25日号掲載)

2024年07月08日

大同興業、パイプ自動溶接装置

 大同興業の新製品・パイプ自動溶接装置「SAXX-201」(=写真)はパイプサイズなどを選択するだけで溶接条件が可能とあって、人手不足やベテラン不足が深刻化する配管溶接現場から注目を集めている。 医薬、サニタリー、半導体産業、発電プラント、飲料・食品工場などの配管溶接に適している。 SATFX溶接ヘッドは各パイプサイズへ対応。水冷方式で高使用率密閉型溶接ヘッドはコンパクト設計で狭所・高所作業で威力を発揮する。 担当者は「溶接条件を設定するのは機械との対話方式なので、どんな人でも同じ結果が得られる。素材を選択すると機械のほうに電流、溶接速度などすべて条件が整っている。オペレーターが設定するのはパイプ径と板厚だけだ」とした。 (2024年6月25日号掲載)

2024年07月05日

山善、傘のように開閉できるサンシェード

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)はアウトドアブランド「Campers Collection(キャンパーズコレクション)」から傘のように広げて閉じるだけで設営・撤収ができるキューブ状サンシェード「パッとサッとサンシェードキューブ」を同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やECモールの「くらしのeショップ」で6月上旬に発売した。 三角形でなくキューブ状(四角形)にしたことで内部空間を広くした。虫よけなどに便利なメッシュスクリーンを備え、完全に閉じることも可能。別売りのポールを使えば、前面シートをタープとして利用できる。価格はオープン(参考価格7980円)。 (2024年6月25日号掲載)

2024年07月05日

YOUIBOT、IERA賞でノミネート

 中国・深?に拠点を置くロボットメーカーYOUIBOT(ユーアイボット)社は、2024ロボット工学自動化発明起業家賞(IERA)の最終選考にノミネートされたことを発表した。同賞はIEEEロボットオートメーション学会と国際ロボット連盟の共催で、新たな価値の創造につながるアイデアを持つ発明家と、アイデアを世界クラスの製品に発展させた起業家を表彰するもの。半導体のスマート製造に寄与する同社の能力が高く評価されたという。 ユーアイボット社は、高精度なSLAMナビゲーションアルゴリズムとソフトウェアをコア技術とするAMR(自律搬送ロボット)メーカー。半導体工場の自動化に強みを持ち、TSMCやSMICなど多くの半導体メーカーで実績を持つ。同社のAMRは複雑な環境でも?_単位以下の精度で安定した動きを維持可能で、オーバーヘッドホイストによる搬送に依存する半導体工場を柔軟性の高いAMRや協働ロボットで補完、安定的かつ効率の高い生産を実現する。「第1~第3世代半導体のエッチングやFAB、ダイシング(チップ分離)、パッケージングなどの生産工程を広くカバーする」としている。 (2024年6月25日号掲載)

2024年07月04日

山善、環境材・インテリアを展示会で提案

 山善の家庭機器事業部(中山尚律事業部長)が展示会への出展を強化している。出展製品を絞った提案が確かなニーズを捉えているようだ。5月下旬から6月中旬までに東京ビッグサイトで開催された各種展示会への出展内容を振り返る。 ■NEW環境展  5月24日までの3日間行われた「2024NEW環境展/2024地球温暖化防止展」(主催:日報ビジネス)に環境素材やリサイクル提案が多数並ぶ中、山善は環境に配慮した包装資材「ミライFRIEND」シリーズを出展。再生ストレッチフィルムや生分解包装テープなどに対して、具体的な商談・相談が持ち込まれた。再生ストレッチフィルムは、商品全体の約46%に再生原料を採用したエコマーク取得製品。再生原料をバージン原料で挟み込むことで、ストレッチフィルムの使いやすさそのままで再生材比率を高めた。 商品企画3部の俣野剛志部長は「環境対応材料や試作品の提案が多く、実製品を提案しているところが少なかったため想像以上の引き合いを得た」とし、「再生ストレッチフィルムの価格はバージン材に比べると1・3~1・5倍だが大手製造業から関心が高かった。使用済みフィルムの回収スキームも構築中であり、確立すればさらに独自性を打ち出しやすくなる」と話す。 ■オルガテック東京  5月31日までの3日間開催されたドイツ発の国際的なオフィス家具の展示会「オルガテック東京2024」(主催:ケルンメッセ、〈一社〉日本オフィス家具協会)で、山善は近年製品力を強化している昇降デスクのみを提案した。ブースはモノクロのシンプルな構成で、新製品なども含め昇降デスク4台を並べた。 昇降デスクの開発を手掛ける商品企画2部の泉圭吾課長は「オフィスのリビング化が進んでいる。そうした流れの中でも使えるように昇降デスクの脚部に丸みを持たせたり、柔らかいデザインとなるように仕上げた」と新製品を説明。「これまでにもネットを中心に提案をしてきたが、本展示会はオフィスの改装を考える企業やそうした現場に向けて提案する企業が集う。数十台、数百台単位でお話しをいただくケースもあった」と手ごたえを語った。 オルガテック東京の山善ブース ■インテリアライフスタイル  6月14日までの3日間、東京ビッグサイトで開催されたドイツ・フランクフルトで開催される世界最大規模の消費財見本市「Ambiente(アンビエンテ)」の姉妹見本市「インテリアライフスタイル2024」(メッセフランクフルトジャパン)では、建材から家具、食器など衣食住に関わるデザイン商材が並んだ。山善は使用者の動きや暮らしにフィットする電動家具「RELAMOVE(リラムーブ)」シリーズを提案した。近年のリビングとダイニング空間が一体化する動きを捉えたゾーンでは、テーブル中央に同社製IH調理機がぴったりと納まるダイニング・リビングテーブルなどを提案。脚部は高さを2段階に調整できるためソファーなどにも対応でき、1つのテーブルでリビングシーンにもダイニングシーンにも使用できる。 商品企画2部の山川圭一部長は「昇降デスクや電動マットレスベッドなどは介護業界に向けても提案をしてきたが、本展ではインテリアデザイナーやインテリアコーディネーターなどのエンドユーザーと近い方の声を多く聞くことができた」と話した。 (2024年6月25日号掲載)

2024年07月04日

ソディック、加賀事業所の太陽光発電が年2500MWhに

 ソディックは加賀事業所(石川県加賀市)の新食品機械工場で太陽光発電設備の稼働を5月に始めた。これにより加賀事業所全体の年間発電量は約2500MWh(約700世帯分の年間消費電力量)、年間の温室効果ガスの排出量は約1096?dの削減になるという。 同社はScope1(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出)、同2(他社から供給された電機、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)の削減目標を2030年度に46%減らす(13年度比)ロードマップに基づいて取り組みを進めている。昨年8月に静岡テクセンター、今年3月には仙台テクセンター、海外拠点でも太陽光発電を広げている。 サステナビリティ活動の推進を最重要経営課題のひとつとする同社は、自社製品の省エネ性能の向上に加え製造工程での環境負荷低減にも力を注ぐ。 (2024年6月25日号掲載)

(株)ソディック

2024年07月03日

YKK AP、木製窓を発売

 YKK APは7月22日、国産材を使った木製窓「APW651」を発売する。これまでにも断熱性能の高い樹脂窓普及に尽力してきた同社は、一般的に樹脂窓よりもさらに高断熱な木製窓を上市することで、住宅性能をさらに向上させ環境負荷低減に寄与したい考え。 6月4日の製品発表会で魚津彰社長は「(工芸品ではなく)工業製品としての木製窓の開発を目指してきた」と話し、価格を樹脂窓の約2倍に抑えたと説明(現在、一般に販売されている木製窓は5倍程度)。納期も12日前後で納められるような量産体制を整えた。 木部には国産ヒノキの集成材を使用。その美しい見た目と耐久性を両立するため、塗装には含侵塗装着色を下塗りした後、2層のクリアコートを塗布。耐久性が求められる室外側の窓枠にはアルミ材を使用するアルミクラッド構造を採用した。 ガラスは中空層を18ミリ(従来品16ミリ)にしたアルゴンガス封入総厚45?_のダブルLow-Eトリプルガラスを採用。木製サッシと併せ熱貫流率1を切る0.99W/(?u・K)のトップクラスの断熱性能を実現する。 高い意匠性と断熱性能を備えるほか、耐風圧性S-5等級・水密性W-5等級を有しているため、一般的な戸建木造住宅だけでなく10~15階程度の高さの非木造建築物にも使用できる。集合住宅の共有部や居室部のリビング、宿泊施設などへ、高い断熱性と天然木のぬくもりによる新たな付加価値を提案する。 最大サイズは片引き窓で幅3000ミリ×高2540ミリと、トレンドの大開口窓にも対応。価格(税抜)は片引き窓(偏芯タイプ)の幅2600ミリ×高さ2430ミリで155万800円。2028年度の売上目標を57億円、30年度までに木製窓化率20%にしたい考え。 魚津彰社長 (2024年6月25日号掲載)

2024年07月03日

JIMH 定時総会、会員増で会場を明治記念館へ

 (一社)日本物流システム機器協会(JIMH、下代博会長:ダイフク社長)は5月29日、定時総会および懇親会を東京・港の明治記念館で開催した。昨年からの1年で5社(正会員:オートストアシステム、賛助会員:コグネックス、ROMSなど)新規入会するなど会員企業が増加していることから、例年開催していた東京・千代田のLEVEL XXI東京會舘から会場を移した。 下代会長は4月から影響が本格化している物流の2024年問題について、「物流システム機器が人手不足や生産性向上に寄与する重要な社会インフラと位置づけられるようになった」と前置きした上で、「荷主・運送事業者・ドライバーが共同していくために、より高度な自動化・省力化ソリューションの提案・提供にスピード感を持って取り組んでいただきたい」と挨拶した。 乾杯は、オークラ輸送機社長の大庫良一副会長が「大変気持ちのいい乾杯が出来そうな雰囲気の会場」と笑顔を見せながら恒例の右肩上がり乾杯を行った。 (2024年6月25日号掲載)

2024年07月02日

ノーリツ、浴室除菌機能付き暖房乾燥機を発売

 ノーリツは6月6日、9月2日に発売する浴室暖房乾燥機「シャーン」に関する報道陣向けの発表会を東京・港の六本木ヒルズで開いた。 シャーンは従来の浴室暖房乾燥機に同社独自技術のオゾン水除菌ユニット「AQUA OZONE(アクアオゾン)」を搭載。アクアオゾンで生成されたオゾン水は、散布箇所のピンク汚れや黒カビの原因菌の発生を99・9%抑制する。新たに追加された「キレイ運転」スイッチを風呂上がりに押すだけで、「予備洗い」「オゾン水散布」「流し洗い」「乾燥・換気」を自動で行う。 同社が行った調査では生活者が浴室の掃除に1カ月当たり平均約6時間を費やしていることが分かった。シャーンのキレイ運転を入浴後に使用することで、毎日の風呂掃除が必要なくなり、浴室全体のカビ清掃を月1回程度に抑えられる。 同社は既に「オゾン水配管クリーン」や「おそうじ浴槽」など、浴室空間の家事をラクにする製品を投入しており、本製品をラインナップに加えることで、浴室内掃除の手間をほとんどなくすことができる。 発表会に登壇した腹巻知社長は「当社は浴室暖房乾燥機領域で超高齢化社会を見据え、ヒートショック対策や入浴前の予備暖房の定着を推進してきた。今回の新商品は毎日の家事の負担軽減にフォーカスし、人がやる仕事として根強く残っているお風呂掃除の負担を機械に任せ、お風呂本来の提供価値であるリラックス、癒しを体感できるようにした。風呂掃除の新しい習慣作りに取り組んでいく」と述べた。 登壇する腹巻知社長 (2024年6月25日号掲載)

(株)ノーリツ

2024年07月02日

電子情報技術産業協会、新会長に津賀一宏氏(パナソニックHD)

 (一社)電子情報技術産業協会(JEITA)は6月3日、「第14回定時社員総会」を行った。小島啓二氏(日立製作所社長兼CEO)が任期満了で会長を退任し、新たに津賀一宏氏(パナソニック ホールディングス会長)が就任した。 津賀氏は「デジタル化が急速に進む中、日本は他国に遅れを取っている。デジタル技術は生産性や成長率を向上させ、少子高齢化や気候変動などの課題解決にも不可欠で、企業価値にも影響を与える。デジタル産業を支える半導体やAI技術などは、日本の成長に寄与する重要な要素であり、JEITAの役割はますます重要だ」との考えを示した。 急速に浸透しつつある生成AIに関しては「著作権や個人情報、誤情報などさまざまなリスクはあるが、これからのイノベーションをけん引する画期的な技術。このイノベーションの芽を決して摘んではいけない。人類のためにも前に進める技術であり、そうでなければならないというのが基本的なJEITAのスタンス」とし、活用についても「生産性を改善できる、従来のやり方を変えられる領域が山のように存在する。そこに向けて手触り感を持って進められる状態まで持っていくことが大事」であり、人の作業をAIで置き換えるのではなく人の「活動のトランスフォーメーション」をいかに進めていくかが重要になるとの認識を示した。 (2024年6月25日号掲載)

2024年07月01日

熱影響・バリ出にくいフェムト秒レーザー機をリプス・ワークスがアピール

 レーザー加工機の微細加工能力が高まっている。超短パルスレーザーに特化し受託加工とレーザー加工機の設計・製造を行うリプス・ワークス(東京都大田区)は、同社が扱うピコ秒・フェムト秒レーザー加工機はワーク材質を問わず、熱影響が少なく、バリが出にくいという。(公社)精密工学会が東京・千代田で6月10日開いた第437回講習会「最新の『金型技術』を集めました--AM、GIGAからEV応用まで--」で発表した。 同社は自社製の7台の超短パルスレーザー加工機(うち3台がフェムト秒レーザー加工機、発振器は他社から調達)を設備する。「ガラス、樹脂、セラミックス、ゴム、CFRP、ダイヤ、CBN、金属など軟らかいものから難削材まで加工でき、マイクロテクスチャリング加工(数ミクロン単位で生地の模様のように加工)ができ、機械部品の摺動抵抗を減らすなど機能を付加できる。機械加工や熱レーザー(YAG、CO2レーザー)と違い、ワークにバリ・盛り上がり・穴のテーパーを生じさせない」(受託加工グループ営業責任者の大竹俊介氏)とこれまでになかった特長を話す。 フェムト秒レーザー加工機は日本やスイスの大手機械メーカーが販売するが、「お客様の要望に応じて発振器を調達し、光路や駆動を仕事内容に応じて設計・製造できる。これにより加工性能に大きな差が出る」(同)と言う。 (2024年6月25日号掲載)

2024年07月01日

花岡車輛、黒一色のホテルカート

 花岡車輛は6月12日、ホテルカート「ダンディポーターシリーズ」に新たに3つのホテルカートとその他オプション品を追加した。 同社のホテルカートは近年、インバウンド需要で盛り上がるホテルのエントランスで採用されている。特に「ダンディポーターKAKU」はシックな建物にも溶け込むよう開発したオリジナルの黒一色のシンプルなデザインと、オプションの2段式テーブルなどを活用することで複数シーンに柔軟に活用できる点が評価を得ている。 新たに追加したハンガーカート「KAKU ハンガー」は、大サイズが600×900?_、耐荷重300?`。同社のベストセラー台車「DANDY」をもとに開発されており、耐久性や安定性に優れる。台車上部にはロングコートなどもかけられるハンガーラックを備えている。1720?_の高さがあるが圧迫感を与えないよう台車の片側からのみ支柱が立つデザインにした。 オプションのデザインマットは、一般的なホテルカートの荷台マットが取り外せないことに目を付け、取り外し可能とすることでカートのメンテナンス性を高める。デザインを11種類展開し、オリジナル作成にも対応する。 (2024年6月25日号掲載)

花岡車輌(株)

2024年06月28日

ロボット工業会、新会長に川重・橋本氏

 (一社)日本ロボット工業会は5月31日、定時総会および懇親会を東京・港区のホテルで開いた。会員、来賓ら210人ほどが出席した。退任する山口賢治会長(ファナック社長CEO)の後任に川崎重工業の橋本康彦社長を選んだ。 懇親会で橋本氏は中国経済の低迷などによる投資先送りにより2023年のロボットの受注、生産額はともに前年比2ケタ減となったことに触れ、「今年はこれからの需要回復により受注額で前年比2%増の8600億円を見込むが、これを上振れさせたい」と期待を込めた。副会長に就いた小川昌寛・安川電機社長は「市場は停滞しているが我々の役割は何も変わっていない。橋本会長の数字を目標にしてはいけない。絶対にポジティブであり続けたい」と呼びかけた。 (2024年6月25日号掲載)

2024年06月28日

オークラ輸送機×UR、パートナーシップを締結

 オークラ輸送機とユニバーサルロボットは6月4日、パートナーシップ契約を締結したと発表した。同日開幕した食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2024」でのパレタイジングロボットシステム「EasyPAL(イージーパル)」の披露を皮切りに、国内市場に向けた受注を開始した。 イージーパルはオークラ輸送機のティーチング支援システム「OXPA-Qm」とURの20?`可搬の協働ロボット「UR20」を組み合わせたパレタイジングロボットシステム。 OXPA-Qmはパソコンでのティーチングが可能なアプリケーションソフト。PC上で積付ける製品データを入力して、1000以上ある標準積付けパターン(パターンの追加も可能)から積付け方を選択、それらのデータをロボットに送信するだけで稼働でき、積付け方の変更も容易に行える。 UR20は可搬重量が20?`ながら本体重量が64?`と軽量(一般的な協働ロボットの約2分の1)。そのため、加減速性能が高くパレットへの積付け能力が他のパレタイジングシステムより1?2個程度多い毎分約8ケース。停止速度が速いため侵入禁止エリアも狭められ省スペース設置可能。 オークラ輸送機の小野山達夫常務は「食品業界は協働ロボット自体を知らない人も多いが反応は上々。既に当社のパレタイジングシステムを入れている企業でも、未だ人の手で行っている多品種少量品の積付け作業を置き換えたいといった声もいただいた」とコメント。初年度は20セットの販売を目標にしており、将来的には同社のパレタイジングシステムの約半数のシェアを目指す。 (2024年6月25日号掲載)

オークラ輸送機(株)

2024年06月27日