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スズキ、印で5つ目のバイオガスプラント

 スズキは、インド西部グジャラート州バナスカンタ地域で5つ目となるバイオガス生産プラントを設置する。同社子会社とインド政府系機関のNational Dairy Development Board(全国酪農開発機構)、アジア最大規模の乳業メーカーBanas Dairyの3者で覚書を締結し、基本合意した。3者はすでに同地域で2025年から4つのバイオガス生産プラントの設置を推進している。バイオガス燃料をマルチ・スズキのCNG車(天然ガス自動車)に活用する考えだ。 インドに多い牛の糞尿にはCO2の28倍の温室効果を持つメタンが含まれる。そこで牛の糞尿を回収し発酵させることでバイオガスを発生させ、自動車用燃料を精製してメタンの大気放出を抑制。燃料はインドでマルチ・スズキが7割以上のシェアを持つCNG車に活用する。またバイオガス発生後の残渣は有機肥料として活用できる。 今回の3者の基本合意にはこのバイオガスを使った農村向けのモビリティサービスの実証も含まれる。まずバナスカンタ地域内で、農村地域の住民に手の届きやすいクリーンな移動機会の提供を目指す考え。 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月19日

協働ロボットは防爆仕様も、バーチャルツインでライン全体を事前検証

 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で7月6日までの3日間開かれた産業用ロボットと自動化システムの専門展「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN 2024」。会場の両サイドに最大ブースを構えたのはファナックと安川電機だった。 ファナックは世界初の国際規格防爆の協働ロボット「CRX-10iA/L Paint」(=写真、10?`グラム可搬、年内発売予定)やエンドミルでアルミを削り出す産業用ロボットを加工実演を交えて紹介。協働ロボットは有機溶剤系塗料を使った塗装用途を想定し、「ロボット内部を陽圧にして外気が入ってこない」と言う。防爆制御用ユニットはロボット制御装置と段積みでき省スペースとなる。 安川電機は1?d可搬のスカラロボットによる搬送工程と4台の「AMR+協働ロボット」による組立工程をAMRでつないで見せた。昨年末の国際ロボット展で見せたシステムよりコンパクトにし、「新規の大規模工場だけでなく、既存工場の1つの工程にだけでも適用できることを示したかった」と話す。AMR+協働ロボットはワークを受け取った後、自分で組み立てるのか他のロボットに引き渡すのかを自ら判断する。 新開発のアーク溶接用協働ロボット「FD-VC4L」を初披露したのはダイヘン。昨年11月に発表した「FD?VC4」の1・4倍の作業範囲をもつロングリーチで、高さのあるワークにも対応する。用意したクローラタイプの台車なら40?_の段差を乗り越えられる。ロボットなしでカメラ撮影だけで教示できる「業界初」のロボレスティーチ機能に対応し、稼働中に次工程の作業プログラムを作成できる。「産業用ロボットを導入できない、大型構造物や造船など溶接範囲が点在する現場での利用を目指す。海外における各認証も取得しており、海外市場も攻めたい」と言う。 ダイヘンのアーク溶接用協働ロボット「FD-VC4L」はロングリーチで広範囲をカバーする。 ■加工機周りで搬送車  搬送系の提案も多く見られた。誕生してまだ1年半のeve autonomyはEVを用いた自動搬送サービス「eve auto」をブース内で走らせて見せた。屋外でガイドレスで走行できるのは珍しく、1週間で導入できる。時速10?`、1・5?dの積載が可能で、傾斜7度、段差±3?aに対応し、大雨でも問題ない。「バッテリーの充電に10時間を要するが、複数のバッテリーを交換して用いれば24時間稼働も可能」と言う。製造業や物流倉庫など30拠点以上で約50台が稼働している。 eve autonomyによるEVを用いた自動搬送サービス「eve auto」  ヤマザキマザックは複合加工機「INTEGREX i-200H S」と昨年10月に発表した協働ロボット「Ez LOADER 30」(30?`グラム可搬)を展示。素材やワークの情報をもつMAZATROLをロボットティーチングに利用することで9割の入力が不要に。「一言で表すと多品種少量生産に対応したロボット。独自開発の『Ez LOADER APPアプリケーション』(MAZATROLで操作する協働ロボットセル専用アプリケーション)を実装し、誰でも簡単にロボットを操作できる」とする。 モバイルロボット「iAssist」(200?`グラム積載可、20?`グラム可搬)の利用を勧める牧野フライス製作所はZOLLER Japanとコラボ展示した。加工前にZOLLER Japanによるワーク測定データを工作機械側で受けとり、加工後は機内での測定データをツールプリセッター側にフィードバックする。ZOLLER Japanは「ツールプリセッターでの工具測定は広く行われているが、その後の利用が十分に考えられていない。測定データがダイレクトに転送されるので間違いがおこらない」とした。 ■低コストで画像認識  ソフトや治具を使った提案も。DXを進める豊電子工業は仏ダッソーグループと共同出展し、ロボット装置とプラットフォーム「3DEXPERIENCE」を組み合わせた。バーチャルツインで本物さながらにネジの取り外し・バリ取り・ネジ締め作業を検証する。「ロボットを動かして干渉の有無をチェックするのにとどまらず、ライン全体で品質保証に近い領域まで検証ができる」と自信を見せ、納入実績もあると言う。 シンプルで低コストの協働ロボットをもつイグスは「ローコストオートメーション(LCA)」を掲げた。同社がフリーで公開しているロボット制御ソフトウェア「iRC(イグスロボットコントロール)」に新たに加わった画像認識機能「Vision App」を披露。ピック&プレース作業の際、従来カメラで行う対象物の輪郭の識別をソフトウェア側が担う。「安価なUSBカメラでもカンタンな画像認識が行え、コスト面で自動化のハードルを下げる」と話す。 イグスは独自のロボ制御ソフトに画像認識機能を追加。パラレルリンクロボに搭載してピック&プレース作業を実演した。  MSTコーポレーションはワーククランプ治具システム「スマートグリップ」による自動交換をワークストッカー、ロボットハンドと組み合わせて提案した。スマートグリップは機械テーブルに固定した「オートヘッド」(雌側)と、あらゆる形状のワークを把持できる多種多様な「ワークホルダ」(雄側)で構成する。ヘッドとホルダの接合部はISO規格のHSKインターフェースを採用し、同規格に適合した市販のロボットハンド1種類で対応できる。「中部地区は超量産のユーザーが多いが、昨今は多品種少量にも取り組む企業も多くなり、対応する治具のニーズは高まっている。そこに本製品はマッチする」と言う。 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月16日

キャステム、ベトナム拠点にて地鎮祭

 キャステムは6月26日、ベトナム北部クアンニン省のアマタシティ・ハロン工業団地に新設する工場建設予定地において地鎮祭を行った。 同工場では主力のロストワックス精密鋳造や金型加工部品を手掛ける計画で、2025年以降の本格稼働を見込む。国内外における半導体製造装置や精密機器向けなどの需要拡大に対応するためで、新工場の建設で納期短縮を目指す。 同社は2023年5月に現地法人「キャステムベトナム」を立ち上げ、精密鋳造部品の製造・販売に関するプロジェクトの投資登録証明書を受領。その後、ハロン工業団地に2万平方?bの土地を取得していた。 新工場の投資額は約1900万ドルで、2段階に分けて建設する。第1段階では2階建て、延べ床面積が約6500平米の建屋を建設。第2段階ではさらに規模を拡大し、年間640万個の生産体制を目指す。 同社は1948年に広島県で創業。現在はロストワックス精密鋳造部品、セラミック射出焼結部品、金属射出焼結部品などを手掛ける。海外生産は1995年のフィリピン進出を皮切りにタイ、コロンビア、アメリカで海外事業を展開。ベトナムは5カ国目となり、海外製造拠点は7カ所目となる。 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月16日

YKK AP、秋葉駅前でペロブスカイト内窓実証

 YKK APは7月25日、秋葉原駅前広場にペロブスカイト太陽電池を用いた「建材一体型の太陽光発電(BIPV)」搭載のトレーラーハウス「Akiba ZERO BOX」を設置。10月20日までの約3カ月間、BIPVを含む発電設備によって発電した電力を観光案内所として稼働するハウス内の空調・照明・サイネージなどに活用するほか、日射量や発電量のデータを収集する。 同社はこれに先駆けて、東京都千代田区と秋葉原の情報発信を手掛けるAkiba.TVと「2050ゼロカーボンちよだ」実現に向けた連携協定を締結している。千代田区内のカーボンニュートラルの実現に向けて、都市部における再生可能エネルギーの拡大に向けた取り組みを推進する。 トレーラーハウスは既存ビルへの搭載を想定して作成。屋根にはシリコン系太陽光パネルを設置、窓部には透過率40%のガラスタイプのペロブスカイト太陽電池を用いた発電設備を設置し、全体で1日平均1.2?`ワットの発電を見込む。ペロブスカイト太陽電池は耐久性などに課題があるため、既存ビルへの設置やメンテナンス性に優れる内窓タイプを採用した。 開所式で同社・取締役副社長の水上修一氏は「これまで推進してきた窓で断熱という省エネ施策に加えて、窓で発電という創エネ策を早期に社会実装し、持続可能な街づくりに貢献したい」と話す。千代田区・ゼロカーボン推進技監の川又孝太郎氏も「都心は再エネ設備の設置場所が限られる。発電する内窓技術を使えば、再エネポテンシャルは飛躍的に向上する。区有施設は30年CN化を目標に掲げている。この度の実証実験の結果を踏まえて、積極的導入を考えていきたい」と前向きに話した。 YKK AP・水上修一取締役副社長 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月16日

TONE、樹脂で握りやすい新製品を2種投入

 TONEはグリップ部分を樹脂化し握りやすくした製品を相次ぎ発売した。「ボックスT形グリップレンチ(ディープタイプ)」は、自動車や二輪の整備などに向く工具。樹脂グリップの採用でより力を入れやすくした。6角ボルスターの内部が空洞で長い雄ねじも締付できる。 「テンションスプリングフック」も発売した。ドラムブレーキやオートバイのマフラーなどのスプリングを着脱する工具。樹脂グリップで握りやすく、先端形状の工夫でフックにかかりやすくした。 (2024年8月10日号掲載)

TONE(株)

2024年08月15日

ニデック、タタ・エレクシーと包括的MOU締結

 ニデックは7月22日、設計・技術サービスを主業とするインドのタタ・エレクシーと協力覚書(MOU)を締結した。 タタ・エレクシーはインド、タタ・グループで、デザイン、技術開発、システムインテグレーションやソフトウェア開発事業を展開する。同社の技術は自動運転を含む先進運転支援システム、電動化、コネクテッド・カー・ソリューションなど、自動車エンジニアリングに関するサービスに利用されている。また同社は放送、通信、ヘルスケア、輸送機器など、様々な業界にもサービスを提供する。 ニデックは「今回のMOU締結は当社グループ全社で進めているソフトウェア開発能力の強化において、タタ・エレクシーのノウハウやリソースを活用して、加速的に進めていくことを目的としたものだ。加えて、インドおよびその他市場向けのソフトウェア開発、ニデック製品のローカライズの検討や、将来的にはニデックグループのソフトウェア開発を担うグローバルな拠点の設立・運営への支援も視野に入れている」とした。 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月15日

山善、キューブ型のマイコンジャー炊飯器

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は立方体の炊飯器「キューブ型マイコンジャー炊飯器」(4合炊き)を8月初旬から同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やECモール「くらしのeショップ」、全国のホームセンターなどで販売する。意匠性が高く、トースターや電子レンジなどのキッチン家電と並べて置きやすい。 蓄熱性の高い3mmの厚釜を採用し米をふっくら炊き上げる。40?85℃の間を5℃単位で設定できる低温調理モードを搭載し、ローストビーフやサラダチキンなども調理できる。黒、白、グレージュの3色を用意。価格はオープン(参考価格9980円)。 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月15日

ラピュタロボティクス、自動倉庫のサブスク開始

 ピースピッキング向けの自律搬送ロボットなどを手掛けるラピュタロボティクスは7月23日、昨年8月に発売した自動倉庫「ラピュタASRS」をサブスクリプションで提供すると発表した。 樹脂製のフレーム部材をアンカー・工具レスで組み上げ可能なラピュタASRSは、導入・運用時の柔軟性が高く市場環境の変化に対応しやすいという特徴がある。サブスクリプション形式での提供を追加することで、外部環境の変化に強い特徴をファイナンス面にも適用し普及加速を狙う。 サブスク化することで、初期導入費用が自動倉庫導入時の工事費とWMSなどユーザー側で対応が必要になる既存システム改修費などのみとなり、初期費用回収地点を大幅に前倒しできる。初期費用を押さえたい、固定資産の保有を避けたいニーズに対応する。 代表取締役CEOのモーハナラージャー・ガジャン氏は「ラピュタASRSは、製品自体として変化に強い自動倉庫。そこにサブスクリプションが加わることで、お客様の経営層にとっても様々な形で自動倉庫が導入できる選択肢になる」とコメントする。 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月14日

芝浦機械、インドに射出成形機工場開設

 芝浦機械は、インド市場における自動車、IT、医療分野を中心とした射出成形機の設備投資需要増加への対応や周辺諸国への販売拡大を目指し、チェンナイの海外関係会社シバウラマシンインドの現工場の隣接地に約40億円の投資を行い、第2工場を開設する。 新工場の面積は現工場の約2倍となる1万6千平米に最新の大型クレーン、塗装ライン、自動倉庫を完備した芝浦機械グループ最大級の工場となる。 「ライン生産とセル生産のハイブリッド工程の導入や最新の生産管理システムの導入により生産効率が改善し、既存工場と合わせ射出成形機の生産能力が現在の年間1200台から年間4000台と3倍以上に拡大する。新工場は超大型の射出成形機に加え、芝浦機械グループの他の製品も生産可能となるフレキシブルな工場になる」(同社) 新工場にはテクニカルセンターも併設し、同社の最新鋭のテスト設備を設置。最新の成形技術、制御技術、IoTを活用した成形テストや、自動化、省人化を促進するシステム設計の検討も可能にする。さらにCO2排出量削減等の環境負荷低減を目的とした太陽光発電設備の導入やグリーンビルディング認証の取得も目指すなどサステナブルな製造拠点となる見込みだ。 「当社の射出成形機は、自動車、家具家電、医療器具、生活雑貨、玩具、筆記用具など、人々の生活基盤を支える様々な産業で活躍し、北米、中東、東・西アフリカ、アセアン地域を中心とした全世界45カ国以上の国や地域で使用いただいている。今回の第2工場開設によってインド国内外での販売・サービス体制をさらに強化すると共に、テクニカルセンターを通じて、お客さまに当社の最新技術を提供していく」(同社) (2024年8月10日号掲載)

2024年08月14日

永大産業、コンパクトキッチンを大幅刷新

 永大産業は7月29日、コンパクトキッチン「プレッソ」を大幅にリニューアルした。近年賃貸住宅においても戸建てや分譲マンションを意識した品質・デザイン性が重視されており、プレッソに高級賃貸向けスタイルを追加し、扉とワークトップを拡充しトレンドニーズに対応する。 従来のスタイルを一新した高級賃貸向けの「スーペリアスタイル」と、コストパフォーマンスが高い「コモンスタイル」の2スタイルを発売。 「コンパクトでありながらも戸建て向けキッチンに劣らないデザイン性をもたせた」(同社)というスーペリアスタイルは、トレンドを取り入れたブラックのメラミンワークトップや、洗練されたコンパクトスクエアシンクを採用。奥行750?_のスリムペニンシュラ型は凹凸の少ないシンプルでフラットなデザインを取り入れた。ベースキャビネットは、奥の収納物も取り出しやすいオールスライドタイプ(引き出し)。 スタンダードなコモンスタイルは、従来品の「カジュアルスタイル」の後継製品。一人暮らしからファミリー層まで幅広く対応する。 両スタイルに共通して、扉柄のバリエーションも豊富になった。人気の石目柄や内装製品と連動した木目調に加え、抽象柄など全22種類をラインナップ。バー取っ手、ライン取っ手ともにシルバーとブラックから選択が可能。 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月14日

ダイフク、日本初のごみ収集車用洗浄装置

 ダイフクは8月6日、日本で初めてごみ収集車用の内部洗浄装置「シャワーホッパー」を開発したと発表。同社グループの洗車機や関連商品の販売・サービスを行うダイフクプラスモアから販売を開始した。 ごみ収集車は使用後に内部洗浄を行うが、その作業はこれまで人の手で行われており、人手不足や働き方改革などを背景に自動化ニーズが高まっていた。同社は洗車機開発で培った洗浄技術や自動化技術を生かして本製品を開発。ごみ投入口やホッパー(積込み装置)裏などの洗浄を自動化することで、洗浄時間を人手作業と比べて約30%短縮、水使用量も20%削減する。 同社は洗車機の開発・製造を行うウォーターウォッシュ事業において、トラック向けの大型洗車機なども扱っており、2024年問題を背景としたドライバーの洗車業務の時間短縮や負荷低減などにも貢献している。 (2024年8月10日号掲載)

(株)ダイフク

2024年08月13日

ジェイテクト、低トルク・高性能軸受を車いす競技へ応用

 ジェイテクトはこのほど、ロードバイク用高性能セラミックボール軸受「ONI BEARING」の低トルク技術を応用した車いす陸上競技用軸受を新開発、車いすトラックと車いすマラソンで活躍する鈴木朋樹選手(所属・トヨタ自動車)に提供した。 車いすマラソンは平均時速が31・7?`と原付バイクに相当するスピードで、下りコースは時速80?`に到達する高速なレース展開が見所。選手の力と共に、レーサーの性能も競技の勝敗を左右する。同社は鈴木選手の声を活かし、軸受を新開発した。軸受周りの周辺構造を見直し高速レースの耐久性を向上。軸受レイアウトと仕様を最適化し、最軽量を狙った構成により、レーサーの性能向上を図った。従来品比で30%以上の転がり抵抗損失を低減し、漕ぎ出しの軽さとホイールの速度維持を実現した。 鈴木選手は「特に下り坂で、他の軸受との違いを感じる。下り坂で漕ぐ回数を減らせ、後半に体力を温存できて嬉しい」とコメントした。 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月13日

コロナ、ヒートポンプ式温水暖房5機種

 コロナは10月1日にヒートポンプ式温水暖房システム「コロナエコ暖フロア」の新製品3機種(定格温水出力6・0、4・5、3・9?`ワットタイプ)を、12月1日に耐塩害仕様2機種を発売する。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス。年間の一次エネルギー消費量が正味でゼロになる住宅)などの省エネ住宅の設備として効果的という。 この新製品は市販のスマートリモコンとスマートフォンのアプリを連動させることで、床暖房の遠隔操作が可能になった。機器の操作を自動化するオートメーション設定を活用することで、床暖房と既設のルームエアコンを自動で連動し、ムダな運転を抑えた省エネ運転を行う。リモコン(床暖房用)は室温運転のほか、運転時の室温、外気温、時刻から最適な温水温度を設定する自動運転が追加となり、使い勝手に応じて温度設定方法が選べる。  希望小売価格は税込39万500円~57万7500円(リモコン、床暖房パネル、配管部材、設置工事費が別途必要)。 (2024年8月10日号掲載)

(株)コロナ

2024年08月13日

フルタ電機、低圧エアブローで新製品

 フルタ電機は8月に「業界初」(同社)というオールインワンキャスタータイプ低圧エアブロー「Compless SpotAirBlow CLK-71」(=写真)を発売した。国内工場向けの出荷価格は49万円となる。 一般にコンプレッサーの用途のうちエアブローが全体の70%に及ぶとされる。省エネの機運と共にこのエアブローをブロワなどのファンを用いてコンプレッサエアーの代替とする低圧エアブローも一定程度浸透している。 しかし現場ではファンを用いた低圧エアブローに対し「設置工事が大変なので手軽に導入できない」「点検費用などのランニングコストを予算化しなければならない」「電気代が削減できない」「低圧エアブロー機の周りがうるさ過ぎて会話ができない」といった声が多くあった。同社は、そうした声に応えるため、2005年に省エネ・低騒音の低圧エアブロー装置である「Compless」を開発し、注目を集めた。 さらに、今回「スポットクーラのようにどこでも使える低圧エアブロー」をテーマに仕様を見直し、オールインワンキャスタータイプで単相100v仕様となる「CLK-71」を開発した。 (2024年8月10日号掲載)

フルタ電機(株)

2024年08月12日

テルミック、売上拡大で物流と新拠点に投資

 テルミック(愛知県刈谷市)は、約1・1億円を投じ常滑市の拠点「りんくう常滑営業所」に2基目の自動倉庫を導入した。10月に稼働開始予定で、保管量が従来の約2倍(約1500ケースから約3000ケース)に高まる。同社の売上高は一昨年に43億円、昨年51億円、今期61億円(計画)と拡大傾向にある。長谷川良DMEOは「(今回の投資で)年間100億円規模の売上にも対応できるようになる」と話す。 同社は自社のプラットフォームで加工依頼を受け付け、各地の協力会社や自社で加工し品質保証を行ったうえで提供する。りんくう常滑営業所は物流ハブの機能を備え、各地で加工した品物を一時保管し、出荷する。 同社の年商は1基目の自動倉庫を導入した2015年時点の約10億円から大幅に伸びており対応が難しくなっていた。将来的に100億円規模の売上にも対応するため自動倉庫の増設に踏み切った。 成長に伴い営業所も新たに設ける。8月に福岡市中央区に「博多オフィス」を開設。長谷川DMEOは「九州は今、設備投資額など成長率が高い。九州に近い我々の島根オフィスの売上も計画比200%超えと好調だ」と狙いを語る。なお営業所の開設は名古屋と都内に続く今年3件目。 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月12日

山善ベトナム、米オートデスクの設計・製造ソフト販売に注力

 アセアン支社の山善ベトナムは今春、米オートデスク社の設計・製造ソフト「Fusion」(=写真)の代理店契約を結び、その販売に力を注いでいる。FusionはCAD/CAM/CAE/PCBなど幅広い設計・製造機能を統合したもので、製造プロセス全体を1つにつなげる。 山善ベトナムはユーザーが利用しやすいようサブスクリプション方式で年間約10万円で販売する。ベトナムに進出する米・欧・オランダ・カナダ・シンガポール企業などをターゲットとし、平田天平General Directorは「販売好調で、年間200ライセンスの販売を目指す」と言う。 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月12日

セイコーエプソン、防水・防塵の6軸センサー搭載ユニット

 セイコーエプソンは6軸センサーを搭載した慣性計測ユニット(IMU)の新ラインナップとして、高精度・低ノイズの防水・防塵型、プレミアムモデル「M-G570PR」の量産を7月に始めた。 従来品「M-G370PDG」をベースにエプソン独自のマルチセンサー技術により複数のIMUを合成することで高性能化を図った。産業分野で幅広く採用されているシリアル通信RS-422インターフェースを標準装備し、高安定性、高信頼性が要求される多様な産業アプリケーションへ適用可能。製品サイズ65×60×30?_。防水・防塵IP67。 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月09日

ナベヤ、金属製NBK防振パレット

 ナベヤは9月、金属製NBK防振パレットを発売する。ほかにEPS製、コンテナ用木製フロアなどもリニューアルし国際物流総合展などを通じて拡販につなげたい考えだ。 金属製NBK防振パレットは、これまで特注対応していたものを標準展開し新発売するもの。木製や段ボール品の標準化を先行して進めていたが「防振パレットはそれなりの値段がするのでリターナブル性を重視したいという需要が多かった」(担当者)とする。「防振パレットの特徴として『大は小を兼ねない』。荷物の重さと対応するパレットを使用しないと十分な性能を発揮しないので荷重帯を細かく設定した」と話す。 また想定外の使用例が多くなってきているという。物流現場を想定していた同社の防振パレットだが、工場内、敷地内の輸送で活用される。「わずかな段差でフォークリフトやハンドリフターが振動し傷がつくケースがある。細心の注意がいる製品の歩留まり向上のため、ラインからラインの輸送などに使いたいという要望が増えている」とし「これまで特注対応していたが、価格が安い製品があったらぜひ欲しい、との声が多く寄せられていた」とする。 EPS製もより荷重帯を細かく設定。「例えば70?`から100?`の荷重帯の製品だと、荷物がより重い100?`のほうが高い性能を発揮」する傾向があるが、今リニューアルでは各荷重帯で軽めの貨物を運ぶ場合でも、防振性能を高めた。 コンテナ用木製フロアは従来の仕様の見直しと共に、コンテナ・トラックボデーの長尺化に対応した連結仕様も投入した。 (2024年8月10日号掲載)

(株)ナベヤ

2024年08月09日

柳瀬、大阪にショールーム併設の営業拠点

 柳瀬は来年8月、東大阪市内に大阪営業所を移転開設する。新拠点は延床面積439平方?bの鉄骨造3階建て、来年1月の着工予定。1階には同社が代理店を務めるオーストリア・FERROBOTICS社のエンドエフェクタを用いた複数の研磨ロボットを展示するショールームを併設する。アクセスに優れた環境で実機のデモを見やすくし、研磨の自動化のメリットを訴求する考え。 同社の提案する研磨ロボットはワークの反りや研磨材の摩耗による圧力の変化を自動補正し、一定の押し付け圧を維持する機能を持つ。熟練技術が必要とされる研磨工程を自動化でき、人手不足や熟練者の引退による品質の劣化を防げる。ショールームでは専門スタッフが説明や実演を実施。研磨の自動化に求められる技術的なポイントも解説する。 (2024年8月10日号掲載)

柳瀬(株)

2024年08月09日

DMG森精機、低額・定額で3年間アフターサービス

 DMG森精機は8月から、機械の故障を未然に防止するプリベンティブメンテナンスと、事故・故障時に修理費用を補償するアフターケアサービスをセットにした「DMG MORI TOTAL CARE」を提供開始した。 プリベンティブメンテナンスはエンジニアが顧客先を訪問し、12種類の精密計測機により各種精度を可視化、機械状況を診断するサービス。定期的に実施することで機械の不具合を早期発見し、診断結果に応じて適切なメンテナンスの提案を行う。本診断サービスは年に1回(計3回)提供する。日常的に必要なメンテナンスも実施。点検結果は「myDMG MORI」上でいつでも確認できる。 また、機械の不具合や操作ミスなどの事故が起きた際の修理費用を、基本のメーカー保証終了後1年間延長し、3年間補償するアフターケアサービスもセットで提供。加入料を支払えば納入後の高額な修理も「低額・定額」の負担のみとなる。 工作機械単体だけでなく、同社が販売する自動化装置を含めたシステム全体を保障する。「DX導入をサポートするソフトウェアやサービスを提供するCELOS Clubとセットで加入いただき、機械の安定稼働を実現し、お客様の生産性向上をサポートしていく」(同社) (2024年8月10日号掲載)

DMG森精機(株)

2024年08月08日

愛知産業、持ち運び可能な開先加工機

 愛知産業は7月26日まで東京ビッグサイトで行われた「プラントメンテナンスショー」で「持ち運び可能」をキーワードにポータブル加工機などを提案した。 風力発電向けでも採用が進む米クライマックス社製のポータブルフランジ加工機「FF5300」を実演展示。プラント配管に見立てた構造物をフランジ加工する様子に注目が集まった。同社の担当者は「これまでもプラントやインフラのメンテナンスに活用されてきたが、人手不足や生産性向上を目的に、現場に近いところで素早く機械加工するニーズが高まっている。本展示会のデモ機であれば誰でも10分ほどで組立て・設置し安定的に高精度加工ができるようになる。内径10?bを超える大型洋上風力向けにも納入するなど、新たな分野からの引き合いも出てきた」と話す。 同社はパイプ形状の物であれば大径部品だけでなく、半導体製造工場などのサニタリー向けの小径部品向けのポータブル加工機なども揃える。本展でも近頃ラインナップに加えた英TAG社のパイプ切断・開先加工機を日本初披露。半設置型の切断・開先加工機「E-Z FABシリーズ」は、リングフレームとキャスター付きスタンドをはじめから備えているため、工場内を移動しながら配管加工を行うことができる。配管固定は連動チャックのセルフセンタリング機能によるため、ハンドルを回すだけで誰でも簡単に固定と芯だしができ、作業者は操作盤から素材と直径を選びスタートボタンを押すだけ。「パイプ形状部品の加工でお困りごとがあれば気軽に問い合わせいただきたい」と話す。 国内初披露の半設置型の切断・開先加工機「E-Z FABシリーズ」 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月08日

アシストスーツに熱視線、腰だけでなく腕や膝も

 (一社)アシストスーツ協会は7月26日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「労働安全衛生展」に会員企業9社と共に出展。ブースでは各社のアシストスーツを試着・体験できるだけでなく、アシストスーツに関する相談窓口「アシストスーツ コンシェルジュ」を設置した。来場者が積極的に試着体験する様子から関心の高さが窺えた。 東京理科大学発のベンチャー・イノフィス(東京都八王子市)は、累計販売台数3万台のマッスルスーツシリーズから「マッスルスーツExo-Power(エクソパワー)」と「マッスルスーツSoft-Power(ソフトパワー)」を出展。ソフトパワーは動きの自由度が高いサポーター型で、「肌に触れる面積を極力減らしたため蒸れることが少なく、夏場の着心地が良いと評判」(同社担当者)と言う。 一日中着たままを想定したアシストスーツ「CBW(CONDITIONING BRACE WEAR)」を手掛けるのがクラボウ(大阪市中央区)だ。サポーターユニットとパンツが一体化しているため、見た目や装着感に違和感を抱きにくい。「作業の時だけ装着するのでは、なかなか習慣化するのは難しい。色や素材(防炎、帯電防止など)のラインナップも多く、制服として活用いただくケースもある」(同社担当者)。 作業の仕方によっては腰だけでなく腕や膝の補助も必要になる。腰だけでなく腕や膝も補助するのが旭蝶繊維(広島県府中市)の「イージーアップ」。伸縮性のあるメッシュ地の布とゴムベルトを用いることで、本体重量830?cと軽量ながら、重量物の斜め移動などにも対応する。ダイドー(大阪府河内長野市)の「TASK AR TypeS」は胸より上に腕を上げる作業を補助。腕上げ作業は肩への負担が大きく上肢障害を引き起こすケースがあるため、自動車の組付け作業や発電所のメンテナンスなどで活用されている。JR東海と共同で架線作業向けのモデルも開発している。 ダイドーの腕上げ作業を補助する「TASK AR TypeS」  スーツではなくツールを手掛けるのがアルケリス(神奈川県横浜市)。立ち作業の多い工場向けのアシストスーツ「アルケリス」を手掛ける同社だが、スーツだと装着感などに対して違和感を覚える作業者も多く導入ハードルが高かった。スタンディングレスト「アルケリス スタビレフト」は、作業スペースの足元に置き作業者がスネや膝を当てて寄りかかるだけで、立ち仕事中の足腰の疲れを軽減する。「マシンオペレーターなど立ち作業と移動が多く伴う作業では、椅子よりも簡易に寄りかかれるツールの方があっている」(同社担当者)。 アルケリスのアシストツール「アルケリス スタビレフト」 (2024年8月10日号掲載)

2024年08月08日

山善「スペパ」向上の焼き肉グリル

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は小型の吸煙ファンの採用で本体サイズを従来品より約40%抑えた「吸煙焼き肉グリル XGRILL STORM」を7月下旬から同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やECモールの「くらしのeショップ」、全国のホームセンターで順次販売する。 1?2人用のこのグリルはプレート裏面を立体的なX形状にしたことで、油を効率的に下へ落とす。煙を約85%、油ハネを約70%カットするため、部屋のニオイを気にせず自宅での焼き肉を楽しめる。小型のためキッチンの収納スペースを削減する。価格はオープン(参考価格1万2800円前後)。 (2024年7月25日号掲載)

2024年08月07日

リンナイ、最上級ビルトインコンロを刷新

 リンナイは8月20日、ビルトインコンロのフラッグシップモデル「DELICIA(デリシア)」をモデルチェンジし発売する。 2007年の発売以来、上質なデザインや高度な調理機能が評価を得てきたが、今回のモデルチェンジでは、付属調理器具に丸型の無水調理鍋「ザ・ココット ラウンド」やリンナイ公式レシピアプリ「+R RECIPE(プラスアールレシピ)」に連続調理と仕上がり調整機能を追加した。電源3V乾電池・トッププレートサイズ75?aのコンロでは、バーナー間の寸法を350→370?_に拡大。大きなフライパンや鍋の同時調理を快適にし、より豊かな調理体験をデザインする。 また、デリシア初のオールブラック仕様もラインナップ。シリーズの中でも高い人気のブラックだが、点火スイッチやグリルハンドル、コンロ上のバーナー部はシルバーであった。「ブラックで統一することで、インテリアを邪魔せず、キッチンをシックな印象に導く」(同社)という。ごとくやフェイスパネル、排気周辺もマットな質感にこだわり、重厚・堅牢な高級感のあるコンロに仕上げた。 (2024年7月25日号掲載)

2024年08月07日