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清水建設がドローン採用

 ブルーイノベーションが提供する屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」が清水建設に採用された。このドローンはスイスFlyabilityが開発したもので、3Dマッピング用LiDARセンサーを搭載し屋内空間で飛行する。清水建設は建設現場での安全性を高めるだけでなく、作業効率の向上やコスト削減を狙う。 清水建設は施工状態の検査や施工後の定期点検にドローンを利用する。労働時間の上限規制が適用されたことに伴う2024年問題は建設業界でも課題となっているためだ。ドローンなどを利用して人が行うのが危険または困難な作業を安全に、かつ迅速に行うことができると同社は期待する。 (2024年5月25日号掲載)

2024年06月05日

THK、搬送ロボが機械学会賞

 THKが開発から製造、販売までを手がける搬送ロボット「SIGNAS-BM」(2020年受注開始)が2023年度日本機械学会優秀製品賞を受賞した。SIGNAS-BMはガイドテープが不要でサインポストを内蔵カメラで認識して経路設定や変更を簡単に行える。 この賞は環境対応・品質向上・製品寿命延長などへの貢献が著しい機械およびシステムに授与される。 SIGNAS-BMは積載と牽引のどちらも対応でき、ラフな路面(段差、溝、水、鉄板、グレーチングなど)でも走行でき、人との協調作業にも向く。積載用途のほか、複数台の台車を後方に連結させたり、台車の下に入り込んで牽引するなどして、次工程へ製品を搬送することができる。昨年11月に受注を始めた、牽引重量を2倍の1000?`グラムに高めた「SIGNAS-BM1T」も登場(サイズは標準機と同等の幅615×長さ825×高さ442?_)。同社は「SIGNASの使いやすさはそのままに、より幅広いワーク・用途に対応しお客様の搬送自動化、作業者負担の軽減を実する」としている。 (2024年5月25日号掲載)

THK(株)

2024年06月04日

山善がレジリエンス・アワード受賞

 山善は第10回「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)」で「優秀賞」を受賞した。この賞は次世代に向けたレジリエンス社会構築への取り組みを(一社)レジリエンスジャパン推進協議会が発掘・評価するもので、2014年に創設。山善が進める物流レジリエンス強化プロジェクトが評価された。同社のこの賞の受賞は8年連続。 モノづくりを支える専門商社である山善は、サプライチェーンの強靭化を目的に貨物船やJR貨物線を利用したモーダルシフトを推進。物流「2024年問題」で起こりうる労働時間規制等による物流の停滞なども見据えたBCP対策を進めている。 (2024年5月25日号掲載)

2024年06月04日

山善グループ、物流改善3件が優秀事例に

 山善とヤマゼンロジスティクスは5月14・15両日、(一社)日本ロジスティクスシステム協会と(一社)日本物流資格士会主催の「全日本物流改善事例大会2024」(御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンター)で、優秀事例に選ばれた3件の改善事例を発表した。 本大会は、物流における「現場力」をさらに高めるべく、優れた物流改善事例を相互に発表し、課題解決の手がかりやノウハウを共有、物流の実務者同士が集う情報交流の場。年々応募数が増え、今回大会は応募事例の中から過去最多の40件の優秀事例が選ばれ、初めて2会場制がとられた。 山善グループは山善2事例「DX施策、拠点変更に伴う省人化、新WMSおよび自動化設備導入によるピッキング生産性の改善取組み」「拠点分散による輸配送距離の短縮及び配送効率の改善」、ヤマゼンロジスティクス1事例「環境対応、環境負荷低減、モーダルシフトCO2削減(福岡県拠点取組)」を発表。グループとしては最多の3件の優秀事例を発表した。 各発表ではコーディネーターから「高度でありながら現場に寄り添った新WMSの仕様とすることで、1年足らずで在庫ピッキングの生産性を232%改善した。今後の展開に期待したい」(オカムラ・磯崎隆之氏)や「事前に仮説・シミュレーションを行ったうえで拠点分散し、実績としても運賃を45%削減した。トラックの積載率や実車率が心配だが、時間指定をなくす交渉や不在時配送に関する交渉をすることでクリアし、受注件数も増えた好事例」(NWS・東川喜之氏)、「九州とその他の拠点間輸送で、モーダルシフト率74.5%とCO2排出を約40%削減など定量的な大きな成果に加えて、数値では表現できないBCPの観点からも非常に大きな取り組み」(大成建設・津田亮一氏)など好評を得た。 (2024年5月25日号掲載)

2024年06月03日

セレンディクス、大林組の特殊モルタルで実証実験

 3Dプリンター住宅を手がけるセレンディクス(兵庫県西宮市)は、5月27日から広島県で大林組が開発した超高強度繊維補強コンクリート「スリムクート」を用いた3Dプリンター住宅の実証実験を行う。日本の建築基準法ではモルタルで積層造形したブロックを組み立てるだけでは構造体と認められないが、超高強度の鋼繊維を含んだスリムクートは2022年に、国内で初めて鉄骨を使わず建築基準法に準拠した3Dプリンターによる建造物として認定された実績を持つ。同素材を使うことで鉄骨・鉄筋レスによる施工の高速化につなげたい考えだ。  海外を中心に住宅分野でも注目が集まる3Dプリンター。しかし災害の多い日本では10平方?bを超える建物は建築基準法に適合していることの確認(建築確認)を取得し、鉄骨や鉄筋など指定建築材料を使わない場合は安全性の証明のために個別に国土交通大臣の認定を受ける必要がある。このためセレンディクスは鉄骨や鉄筋を組み合わせて3Dプリンター住宅を建築。鉄筋を組む作業は自動化できないためコストが増加する原因となっていた。 大林組のスリムクートは超高強度の鋼繊維を含み単独でも構造物として利用できるセメント系材料だ。3Dプリンターで出力した躯体内部に同素材を充填することで、鉄骨や鉄筋を使わず高い強度や靭性を確保できる。鉄筋コンクリートと比べ建築にかかる人件費や工数を大幅に減らすことが可能で、建築コストの低減につながるとする。 実証実験では5月27日から広島県坂町で、スリムクートを使った実験棟を建設。なお今回は建築基準法に合わせて鉄筋も使用するという。セレンディクスの飯田國大COOは「車を変える値段で家を買える社会の実現のため、住宅産業の完全ロボット化を目指している。広島県には自動車産業を支える多くの企業があり、協業いただけるパートナーを探している」とコメントしている。 (2024年5月25日号掲載)

2024年06月03日

スター精機、ロボットハンドのオンライン販売でキャンペーン

 直交ロボットを手がけるスター精機は6月1日から30日まで、ロボットハンドパーツのオンラインショップでキャンペーンを開催する。対象は期間中に新規会員登録した人で、購入時に使えるポイントを5000ポイント付与(1ポイント1円換算)。同社が3月に県内の優れたものづくり企業を選出する「愛知ブランド企業」に認定されたことを記念するものだ。 スター精機は射出成形機からの取り出しロボットで豊富な実績を持つ。近年では「直交ロボットの総合メーカー」として直交ロボットを物流など幅広い分野で展開。またロボットハンドの設計製作を自社で手がけており、ツールチェンジャーや吸着パッド、シリンダー、エアニッパ?など様々なロボットハンドパーツ常時1600種類以上在庫。オンラインショップ「アインツ」で販売している。 なお愛知ブランド企業とは県内製造業から世界的ブランドへ知名度向上を図るため、県内の優れたモノづくり企業を認定する制度。スター精機は「『ファーストワン』(他社に先駆けて取り出しロボットの原形を開発)、『ナンバーワン』(射出成形機用取り出しロボットのシェアでトップクラスを堅持)、『オンリーワン』(自社製ハンドやグループ企業とのシナジーで他社にない総合力を発揮)の3つのコア・コンピタンスが認められた」とする。 (2024年6月)

2024年06月03日

タケヤテック、職人が楽しめる加工残しつつ自動化

 平均年齢34歳。若い社員が活躍するタケヤテックは精密部品加工、治具製作はもちろん、小ロット・試作品から量産加工・表面処理・組付・3次元画像寸法測定まで一貫した加工を請け負う。技術力の高さから工作機械や工具メーカーの展示会用のサンプル製作を手掛けることも多い。機械や工具の性能をアピールするため、性能を最大限に引き出した最高のサンプルを作る必要がある。MSTコーポレーションの焼ばめホルダを使用し、ある展示会で披露されたサンプルは、「こんな高度な加工が出来るのか」と来場者の度肝を抜いた。  現在は多数の3軸・5軸マシニングセンタを設備し高品質な加工を得意とするが、森下武尊部長が入社した2014年当時は社員4人(現在23人)、CAD/CAMや5軸マシニングセンタもなかった。元々は水道管事業をメインにし、ボール盤や汎用旋盤を使う職人気質の小さな町工場。2代目社長の竹谷明紘氏に代わり、マシニングセンタを中心にした事業に転換。当初は自動車関係の仕事が徐々に増え、現在はロボット関連、医療関係、鉄道関係からの受注が多い。 「小さな町工場では様々な制約もあり、仕事も多種多様で高精度機を入れれば万事解決というわけではない。作業にあった機械で最高の精度を出すためキャリブレーションを春夏秋冬、実施して位置精度を保っている」(森下氏・以下同)と、現場ならではの工夫を話す。 一般的に工作機械や設備は、企業価値にそのまま反映されるがツーリングや、刃物にもこだわっていくことが付加価値の高い仕事を受注できる要因だという。「鋳物関係だとバイスでは対応できず、いかに自社で治具をつくれるか、が重要になってくる。また職人不足で大手から治具の制作依頼も増えている」とする。治具は経験の蓄積の上に、クリエイティブな発想が必要となる。 こうした5軸での高品質な加工には、干渉が少なく工具突き出しを最短にしてビビリのない高剛性な加工が可能な「焼ばめホルダ スリムライン」が心強い相棒となる。 ■MSTの工具抜けないホルダ重要  「職人さんがしていた作業を自動化していくことは重要だが、半面、自動化しすぎると若手が育たない。作業者にとって“楽しめる”マシニング要素を戦略的に残しておく。これは事業計画として実施している」とし、若いスタッフの多さの要因になっている。 「近年の受注状況を鑑みると焼ばめホルダでは剛性が重要になってきておりスリムラインZシリーズを使っている。今は安価なエンドミルが多く出ているのでMSTさんで追加工してもらいエンドミルがホルダから絶対抜けない仕様にしてもらう。焼き入れ鋼、ステンレス鋼などを荒加工するため、自動で夜間に削っていると工具が抜けてワークを抉ることがある。ソリッドエンドミルなので折れても品物は傷がつきにくい。エンドミルは安いので極言すれば、抜けなければ折れてもかまわない」と笑う。 今後、大学や研究機関と連携して、最終製品に近い部分に携わりたいと考えている。「Youtubeなどを見てもらうと海外の義手・義足は、機能も高くデザインも優れている。日本の無味乾燥なものとは全く違う。今後、海外製に負けないようなかっこいい義手・義足の制作に、当社の切削技術で関わりたい」と力強く語った。 (2024年5月25日号掲載)

2024年05月31日

アルトリスト、人手不足に後工程の自動化提案

 食品工場の自動化対応が急務になっている。今まで人頼りになってきた後工程は労働人口の減少などを理由に特に自動化ニーズが高い。今回展でも数多くの提案を見ることができそうだ。そんな食品業界の困りごと解消に長年取り組むシステムメーカーでありインテグレーターのアルトリスト(東京都調布市)の創業者である橋田浩一氏の元を訪れた。 「独立する以前(1985年ごろ)から食品工場のエンジニアリングに取り組んできた。なので、近年問い合わせの多いロボットによる自動化以外の機械化・省力化からワンストップで提案できるのが強み」 アルトリスト・社長の橋田浩一氏は同社・相模原技術センターでそう話す。リーマン・ショック直後の2008年10月に創業して以来、一貫して食品工場の自動化・省力化・生産性向上に寄与してきた。  「外部環境の良くない時期に創業したが、4年目以降はコンスタントに売上10億円を実現してきた。つまり、業界には底堅いニーズがあるということ。その際、大手メーカーと取引できたことが、川上から川下まで一貫してサービス提供できる体制を築くことができた理由の一つ」  そうした中で現在さらなる追い風が吹いている。人手不足と物流問題だ。特に、外国人材の不足は、コロナ禍前にビザを取得した人の多くが昨年でビザが切れていることや為替の影響などから新しい人材が流入しづらい状況があり、自動化への強い後押しとなっている。 「これまでほとんどなかった中堅中小からの問い合わせも増えて来ている。人手がとにかく足りないからコスト度外視で何とかしたいという声も聞かれるようになってきた」 ■大量生産から多品種少量時代へ  FOOMAでも「ダンボール開函ロボットシステム」や「被せケーサー」など人手不足に対応するシステムを多く出展する。ダンボール開函ロボットシステムは、ファナック製の10?`可搬の協働ロボットに金属片を持たせたハンドでクラフトテープのみを切断・開函するもの。一般的なダンボール開函システムは、箱の垂直面上部をカッターで切断するシステムが多いが、内容物を傷つける可能性や段ボールの紙粉が出たり、刃物を使用するため防護柵が必要であったり、食品工場には適さないことが多い。処理能力はそうしたシステムにかなわないものの(1分間に2ケース程度)、容器供給用途であれば1分1箱程度でミートする現場がありニーズはあるという。 「人と同じ形で開函できるため、従来の工程を見直す必要がない。昨年はデパレタイジングと開函の2工程を披露したが、今年は内容物のピッキング工程も含めて提案する」 被せケーサーも多品種小ロット生産に対応できる梱包の自動化システムであり、橋田氏は「専用機よりも型替えが容易なロボットに注目が集まっている。柔軟なシステム構築に商機がある」と話し、将来的な株式公開も視野に入れ提案を加速する。 (写真=昨年に引き続き出展予定のダンボール開梱ロボット。昨年よりも繊細な作業ができるようになっている) (2024年5月25日号掲載)

2024年05月31日

スガツネ工業、大開口実現の開閉補助部品

 スガツネ工業は5月7日、キッチン収納などでの大開口を実現する業界最大級(24年5月同社調べ)の扉移動量を確保する「スイングリフトアップSLUL型」と「スイングリフトダウンSLDL型」のステー(開閉補助部品)2製品を発売した。 SLUL型は上方向に613?_扉が移動し、SLDL型が下方向に432?_移動するため、併用することで上下に大開口扉を造作できる。中でもSLUL型は従来品の約1・5倍の移動量を誇る。 閉じる際と開く際の両方にダンパーが効く仕様のため、衝撃を抑えてゆっくりと納まる上質感のある動きを実現する。一方で、スプリングの力を利用したリフトアシスト機能によって、大型かつ移動量の多い扉の開閉を軽い力でできる。 本体カバーにホワイトとダークの2色を用意し、価格(税抜)はSLUL型のセットで4万3000円、SLDL型で4万3600円。 (2024年5月25日号掲載)

2024年05月31日

中村留、揺動ではない独自の切粉分断機能

 中村留精密工業は新たな切粉分断機能「トライアングルカット」を発表した。三角形を描くように旋削経路を動作させるもので、揺動切削と比べ面粗さが悪化しにくい傾向がある。揺動切削が適用できなかった角スライド機にも搭載でき、同社の全機種で切粉の分断機能が使えるようになる。7月1日出荷機から搭載する。 同社はこれまでも、切粉の絡まりやワークへの接触によるトラブルを防ぐために、サーボ制御で工具を振動させて切粉を細かく分断する揺動切削機能を展開してきた。しかし動作が高速な揺動切削は損傷の危険性から角スライド機には適用できず、角スライド機にも搭載できる新たな切粉分断機能としてトライアングルカットの開発に至った。 同機能では加工時に三角形の経路を描くことで刃先を被削材から離し、切粉を分断。揺動切削より面粗さが悪化しにくく「通常旋削と比べ1.2?2倍のレベル」に抑えられる。反面、加工経路が伸びるため加工時間は2.7倍?3倍に伸びることがあるという。「切粉処理問題を解決する1つの機能として活用いただければ」(同社)。なお、現在使っている加工プログラムに簡単な追記を行うことで切粉分断機能を使用できる。 (2024年5月25日号掲載)

中村留精密工業(株)

2024年05月30日

ピカコーポレイション、トラス設置を省力化

 ピカコーポレイションの新製品可搬式荷物用昇降台H「LA-ADC」用の集中コントローラー「HLA-CC1」は、最大8台までの同昇降台を同時操作、制御する。例えば4台接続すれば長尺物のダクトや装飾トラスなどの設置組立も、より容易かつより安全に行える。これまでなかった製品とあって、イベント業者を中心に大きな話題になっている。 以前は、イベント業者がトラスを設置しようとすると手動操作の昇降台を4台使用し、ウインチを手で回して上昇させて設置していた。この場合4人の操作者が必要で、掛け声をかけながらタイミングを合わせて作業するなど効率が悪かった。また誰か一人休んで、4人そろわないと昇降すらできないことも。 同集中コントローラーを使用すればより少ない人数で作業が可能となる。また昇降台から離れて作業できるので、万が一の落下時でも旧来型の作業フローより安全性が高い。 昇降作業台開発チームの安藤敬氏は「もともとは手動操作だった可搬式荷物用昇降台を何とか電動操作に出来ないかというユーザーからの要望で開発した」とする。荷揚げや、運搬に便利な、業界初の屋内用電動操作リフト「HLA-ADC」シリーズを開発し2020年12月に発売。現在、同製品はリフト(最大)高さ3・01?bから7・37?bまで、4つのバリエーションをラインナップしている。 集中コントローラーは23年9月より発売。「HLA-ADCの性能を損なわず、操作ケーブルをつなぐだけで複数台を連動させる点に苦労した。またHLA-ADCから、USBのように操作ケーブルを利用して集中コントローラーに電気を供給するので、電源が不要な点も特長だ」(同)と話す。 集中コントローラーで、各HLA-ADCの「上昇」、「下降」、「停止」の動作選択が可能。接続した番号のランプが切替スイッチ上昇で赤色、下降で緑色に点灯する為、視覚的に分かり易くなっている。 ■マテハンや 鉄骨などに応用も  集中コントローラーの操作ボタンを押すと、接続した番号のリフトが切替スイッチランプ点灯の方向へ同時に昇降する(切替スイッチが中央の場合はランプ消灯し、動作停止のままで動かない)。 集中コントローラーで同時操作をしても、各製品は最上昇位置、最下降位置で自動的に停止するので、大きさの違うHLA-ADCでも作業できる。 1つの操作ボタンで、動作選択したすべてのHLA-ADCの昇降が可能。また万が一に備え、非常停止ボタンが付いている。 「イベント業者へのリース会社を手始めに、マテハンへの活用も視野に入れている。また複数台同時に動かせる強みを生かし長尺もの、例えば角パイプや鉄骨の昇降、そのまま取付作業といったことも考えられる」(同)とした。なおHLA-ADCの最大使用質量は245?`となる。 (2024年5月25日号掲載)

(株)ピカコーポレイション

2024年05月29日

サイエナジー、噛み込み検査の自動化をX線で

 食品への異物混入ニュースは後を絶たず、食の安全・品質に対する人々の関心は高まっている。一方で、食品加工現場の人手不足は深刻であり、検査工程の自動化が急務だ。出力を抑えたX線を用いた検査装置を手掛けるサイエナジー(神奈川県相模原市)にも強い引き合いが来ている。 2005年、宇宙向けの放射線検出システムの技術開発を目指し創業したサイエナジーは、宇宙・工業分野で磨いた高感度な放射線検出技術を応用し、食品・医薬品向けの軟X線検査装置を手掛ける。 一般的に用いられるX線検査装置は高出力のX線を対象物に照射するため、金属製の内部が見えにくい包材の異物検査に向く。一方で、包材部分はX線が透過してしまうため、シール部(接着部)などの薄い箇所の検査には使用できないケースが多い。 サイエナジーの軟X線検査装置はエネルギーが低く透過力の弱いX線を照射できる装置。そのため、シール部の噛み込みやダーツ(タックシワ)などを検査することができる。同社・営業部の元田理彩氏は「不織布などの薄物の噛み込みも検知できるため、ドリップコーヒーやティーバックの包装検査向けで多く採用されている。他にも粉末や割れ欠けが出やすい乾き菓子関連でも採用が増えてきた」と話す。 近年需要が増えているのが、箱詰め・パレタイジングなどの後工程の自動化に伴った検査工程の自動化ニーズだ。 「従来であれば品物を箱に詰め込む際に、作業者が目視検査を行うのが一般的だった。人手不足の影響から箱詰め工程の自動化ニーズが増えており、それと共に検査工程も自動化したいというお声を多くいただいている」(元田氏、以下同) 同社の検査装置には、据え置き型以外に包装機への組み込み型のX線検査システムもあるのが特長。スポット的な検査に向く「SPOT型」とより広い範囲を検査できる「LINE型」を用意し、据え置き型装置よりも価格を抑えられることも相まって好評だという。 「組み込み型のX線検査装置を手掛けるのは当社だけ。省スペース化や検査対象を姿勢の良い状態で検査できるといったメリットもあり、食品業界だけでなく化成品向けの充填装置に採用されている。装置メーカーから指名いただくことも増えてきた」 FOOMAでは各種検査装置に加えて、未溶着の検査も行える新製品を出展する。これまでの5つの検査項目(噛み込み、ダーツ、2枚取り、斜めシール、シール幅不良)に加えることで、要望のあるほぼ全てのシール不良項目を検査できるようになる。 「大手食品メーカーでは認知・実績が付いてきた。FOOMAでは同じく人手不足が深刻な中小メーカーにも認知を広げていきたい」 (写真=組み込み型検査装置の活用イメージ) (2024年5月25日号掲載)

2024年05月29日

急速冷凍が人手不足解消に寄与

 コロナ禍を経て食品の冷凍ニーズが高まりを見せている。2003年から急速冷凍装置の開発・製造を手掛けるコガサン(山口県下関市)は、当初から食品の冷凍品質を追求し、急速冷凍機に独自技術を付加した特殊冷凍分野に強みを持つ。同社専務取締役の古賀健太郎氏に独自技術やFOOMAの出展内容について聞いた。 ??コロナ禍を経て冷凍食品のニーズは高まりを見せていますね。 「コロナ禍にはライフスタイルが急速に変化し、冷凍食品需要が大きく伸長した。市場統計と同様に当社にも強い引き合いがあった。現在もコロナ禍以前から家庭内の冷凍食品への支出は右肩上がりで伸長してきたことや、無人販売・自動販売機で冷凍食品を販売するといった新たな動きも一定程度定着したため、需要は高い状態が継続している状況」 ??貴社の急速冷凍機の強みは、食品品質を落とすことなく冷凍保存できる3DフリーザーとACVCSという技術ですね。 「3Dフリーザーはその名の通り3次元的に冷風を食品に当てることで、ムラなく冷却・冷凍することができるもの。独自技術であるACVCS(Anti Cycle Vibration Cold System、非貫流熱交換方式)は熱交換器に庫内空気を強制貫流させず間接的熱交換を行う技術。空気中の水分を奪うことがなく、庫内湿度の高湿度化を実現する。それらの2つの技術をかけ合わせることで、食品の水分量を保ちながら食品ドリップの原因となる氷結晶の肥大化を抑制できる。水分量が多くこれまで難しいとされてきた食材も、冷凍前とほとんど変わらない状態で加工・保存できるため、収穫量の変化や季節波動による販売時期の集中などに対応しやすい。また、間接的な熱交換を行うことで、熱交換器への霜付きを抑えることができ、省エネ・省力化にも寄与する」 ??省エネや省力化にも寄与する。 「熱交換器に庫内空気を強制貫流させないということは、熱交換器への霜付きを抑えることに繋がる。一般的な急速冷凍機に比べて霜付き量を約3分の1に抑えられる。霜が付くと熱交換器の稼働効率が低下するため、3時間ごとに霜取り作業を行う必要のある現場もあり、当社の製品はそうした省エネ・省力化の観点からも好評いただいている」 ??ラインナップも豊富ですが、FOOMAではどの機種を訴求しますか。 「昨年度のグッドデザイン賞を受賞した急速冷凍冷却装置『3Dフリーザー トレーインタイプ・シリーズ』がイチ押し。これまでは食品加工工場向けが中心であったが、本製品は小規模レストランの厨房などでも使用できるコンパクトさがウリ。ご存知の通り外食産業は人手不足で、急速冷凍技術を活用すると上述の通り季節や時間ごとの変動を吸収しやすい。当社の製品は温かい食品もそのまま冷凍できる。時間があるときに提供する一歩手前のところで冷凍保存しておくことで、注文を受けてからの提供時間を短くでき、混雑時を基準に人材を多く確保する必要がなくなる。是非、会場でサイズも含めご覧いただきたい」 (写真=コガサン 専務取締役 古賀 健太郎 氏) (2024年5月25日号掲載)

2024年05月29日

アマダ、本社内展示場で新製品披露

 アマダは5月16日、神奈川県伊勢原市の本社内に昨年2月に開設した技術提案施設「アマダ・グローバルイノベーションセンター(AGIC)」で開く体感イベント(5月17日から6月13日までの期間に6回開催)を前に報道陣に内容の一部を公開した。AGICは顧客専用の研究9室と測定1室で構成する「Innovation LABO」、90機種超を展示する「Innovation SITE」などで構成し、この1年間で約5千社、1万人が来場した。山梨貴昭社長は「ラボでは発表前の製品などを披露し、お客様の声をきっちり聞き、ニーズとシーズのかけ合わせを行っている。これまでに100のテーマの検証を実施してきた」と言う。 訪問客の相談で最も多かったのは溶接で実に66%を占め、次いでブランク(20%)、ベンディング(14%)だった。溶接分野の関心が高い理由について岸本和大イノベーションセンター長は「自動化率が低く、前工程の影響を大きく受けるからだろう。たとえばEVモーターには100カ所ほどのヘアピン溶接加工を速く的確に行う必要がある」と話す。 この4月にアマダウエルドテックを吸収合併した同社は溶接事業を強化中だ。それを象徴するのが昨年10月にPhotonix(光・レーザー技術展)で披露した3次元レーザー統合システム「ALCIS-1008e」(参考出品)。4?`ワットのブルーレーザーとファイバーレーザーの2種の発信器を切り替えられるほか、切断、積層造形もこなす。EVモーター用の72カ所のヘアピン溶接は3Dヘッドを用いて16秒で行えたことを一例として示した。今春発売を予定していたが、梅田吉朗・新規事業推進部門長は「フォトニクスで実施した68件のヒアリングのほとんどは溶接に関するものだったので、溶接機能を強化した。これはほぼ完成しているが、切断と造形で検証作業が残っており今秋あたりの発売になるのではないか」と説明した。 このほか省スペースの3、6、9?`ワット仕様のファイバーレーザーマシン「ENSIS-3015AJe」、それに接続でき機上のデッドスペースを活用できるパレットチェンジャー「CREST-3015」、48軸制御のEV用セグメントコンダクタコイル加工機「ES-1A」などを初披露した。 (写真=「Innovation LABOは世の中にないものをつくっていく旗印」と話す山梨貴昭社長) (2024年5月25日号掲載)

2024年05月28日

スタートアップが集い育つ街、なごやへ

 名古屋市がスタートアップ振興に力を入れている。スタートアップ支援課の設置から約4年、いまや近隣で生まれる若い企業は倍増した。「世界の実証実験都市・なごや」の掛け声のもと、街中のあちこちで実証を受け入れ新事業の創出と市民への浸透を後押しする。国内最大のインキュベーション施設「STATION Ai」の市内での開業も10月に控え、スタートアップ振興の機運は高まるばかりだ。 ??名古屋には強い産業基盤がありますが、スタートアップ支援に力を注ぐ理由は。正木 愛知・名古屋は自動車産業と共に育った地域。しかし百年に一度の大変革で従来の産業基盤が必ずしも頼れなくなりました。そこで次の産業を担う新たな技術、中でも一気に新たな市場を形成していくスタートアップの力に期待しています。名古屋市もスタートアップ支援課を2020年に設立。愛知・名古屋・浜松地域のスタートアップエコシステム形成に向けたコンソーシアムも愛知県や浜松市、名古屋大学、中部経済連合会と共同で結成しています。この地域でスタートアップを育てるという強い思いを経済界全体が抱いています。それだけ育成に本気の地域と言えるのではないでしょうか。 ??具体的にはどんな支援をしますか。 正木 大きく育ったスタートアップは自治体の手を離れますが、その過程に私たちができることがある。例えばオープンイノベーションに向けたスタートアップと大企業のマッチングや伴走支援、大学生・社会人起業家の新規事業計画のサポート等です。名古屋は東京と比べVCの数が少なく、愛知県と連携して名古屋市もファンドに出資したり、VCを招待してピッチ交流会を行うなど投資環境の改善に尽力しています。グローバル化の支援も行っています。早くから海外に目を向け大きく育ってほしいからです。 ??中部は市場が巨大だからこそ、海外志向の企業は限られそうですね。 佐橋 確かにこの地域は保守的な面もあり、ここで育ったスタートアップが一足飛びに海外へ目を向けにくいのも事実。しかし国内市場はシュリンクします。最初から海外を視野に事業を組まないと、後からの方向転換は難しさもあります。とはいえいきなり考えを切り替えるのは難しいので、まずは海外に目が向く土壌を作りたい。2月には愛知県等と共同で大規模なグローバルイベントを実施予定です。海外からもこの地が盛り上がっている印象を持ってほしいですね。 ■街に溶け込む実証 ??昨年はじめた「まちなか実証」はユニークな取り組みですね。名古屋の街のあちこちで実証実験が行われるとか。 正木 昨年度は3つの民間フィールドで6つの実証プロジェクトを行い、うち半数が京都や東京など他地域の応募でした。なかなか同じことができる都市は少ないのかな、と思います。今年度も名古屋に限らず広くスタートアップを募集します。今回はすでに12の民間フィールドが集まっており、実証したい内容に合うフィールドをうまくマッチングしつつ、選定する6つの実証にはフィールド側とスタートアップ側の双方に支援金を用意します。またIPO経験も持つシリアルアントレプレナーに市の客員起業家を務めて頂いており、その方によるアドバイスなど伴走支援も行います。実証はあくまで通過点で、社会実装に向けた道筋を描いて頂きたい。それが可能なプログラムを意識しています。 ??2年目にして活発な動きです。 正木 キャッチコピーは「世界の実証実験都市・なごや」。以前も行政としては実証を受け入れていましたが、民間に受け入れられるプロダクトか否かは街中で実証してこそという思いがありました。大企業もオープンイノベーションに関心をお持ちです。街中で実証をどんどん引き受け、街全体で新技術を体験できれば大変魅力的な街と言えると思います。市民に受け入れられれば、そのプロダクトやサービスの導入を考える企業も現れるでしょう。 ??支援を始めてから名古屋市のスタートアップの動向に変化はありましたか。 正木 取り組み前と比べれば、年間に生まれるスタートアップの数は倍増しました。東京を除く他の都市と比べてもかなり多いです。ポテンシャルを活かし取り組みを進めれば実績は付いてくるのだと感じています。有望なスタートアップを選定する「J-Startup CENTRAL」も厳しい審査基準を設けていますが、それをクリアする企業が毎年生まれています。今後はさらに弾みをつけられれば。市だけでなく県や大学とも役割分担しながら取り組みを進めます。 ??そんななか、名古屋市にSTATION Aiがオープンします。 正木 STATION Aiは愛知・名古屋の施設に留まらないインパクトのある施設。事業主体は県ですが、名古屋市としても相乗効果に期待しています。この地域は大企業が多く海外のスタートアップにとっては魅力的ですが、これまで一部企業を除き海外のスタートアップとの協業まではできていませんでした。STATION Aiは海外からのスタートアップも受け入れる方針と聞きます。グローバル化の加速も期待しています。 (写真=名古屋市 経済局 スタートアップ支援課 課長補佐 正木 彩恵子 氏) (写真=名古屋市 経済局 スタートアップ支援課 課長補佐 佐橋 学 氏) ■関連記事LINK愛知は国際イノベーション都市へ、日本最大のインキュベーション施設が10月始動 (2024年5月25日号掲載)

2024年05月28日

三菱マテリアル、DIAEDGE特約店会

 三菱マテリアルは5月21日、都内で2024年北海道・東北・上信越ブロック及び関東ブロックの合同特約店会を開催した。 はじめに同社執行役常務・小原和生加工事業カンパニープレジデントが登壇。「この5月にドイツのタングステン素材メーカー、エイチ・シー・スタルク・ホールディングを買収した。これにより当社はタングステン素材における世界最大級のメーカーとなった。今後は国内のタングステン素材製造子会社の日本新金属とともにシナジーを高めていく」とした。 続けて、「タングステンを主原料とする超硬工具においてはグローバルでリサイクル能力を向上するともに調達力も高める。昨年のリサイクル比率は52%だったが、これを2030年までに80%超を目指す」と、サステナブルな取り組みにも意欲を見せた。 次いで2023年度において優秀な販売成績を残した特約店の表彰が行われたのち、2024年度の営業方針について国内営業部の萩谷哲史部長が説明。「シェア奪回のために、各地で講習会(JIMTOFまでに100回)やメルマガ、SNSを最大限活用していく。また製品サンプルを申し込める高精度部品加工用工具の専用WEBページを開設した。こちらの拡販にも注力していく」と語った。 (2024年5月25日号掲載)

三菱マテリアル(株)加工事業カンパニー

2024年05月27日

鍛圧機械工業会、新会長に長利氏(コマツ産機)

 (一社)日本鍛圧機械工業会は5月14日、第76回定時総会および懇親会を東京・港区で開いた。会員、来賓ら170人ほどが出席した。会長を1年間務めた北出安志氏(コマツ産機取締役)の後任に長利啓正氏(同社長)を選んだ。1990年に小松製作所(現コマツ)に入社し、コマツアメリカインダストリーズ社長、小松製作所生産本部金沢工場長などを務め三十数年間、産業機械分野を歩んできた長利氏は「今年度は中国経済の停滞などもあり先行きは不透明感があるが、国内外でEV、半導体関連の投資も継続的に見られ、国内では政府主導の補助金など施策も行われることもあり、2024年度の当会の受注額は前年度同等の3670億円を予測している」と話した。 (2024年5月25日号掲載)

2024年05月27日

視触覚センサー付きロボハンド

 2021年10月に設立したFingerVision(東京都江東区)は、視触覚センサーを搭載したロボットハンドやロボットシステムの開発を手掛ける。22年のFOOMA・スタートアップゾーンに初出展した際は大きな人だかりを作った。3度目の今回展では初めて単独ブースを構える。出展内容や24年度の展望について同社の濃野友紀社長に聞いた。 ??3度目のFOOMA2024では単独ブースを構えます。出展内容について教えてください。 「『触覚ハンド』を搭載した、弁当盛付ロボットシステムと巻きずし盛付ロボットシステムを提案する。いずれも既に導入実績のあるシステムである。会場で実際の動きを拝見いただきたい」 ??いずれのシステムにも貴社のコア技術・製品である視触覚センサー「FingerVision」が活用されていますね。 「いずれのシステムでも活用されている。FingerVisionは電子基板であるカメラとシリコーン製の透明で柔らかい皮膚で構成され、皮膚上で起きている物理現象含めカメラで撮影された映像をもとに触覚(力や滑りの分布など)を再現している。柔らかいものや油ものでも物体の滑り量などから把持力を調整して掴むため、多様な食材に柔軟に対応できることが強み。汎用化しやすいロボットと組み合わせることで、ライン上に多品種かつ不定形のものが流れる惣菜盛付分野での実装を進めてきた」 ??単独ブースということもあり、これまでとの違いはありますか。 「現場で日常的に使われている製品として提案できるようになったことが一番の違い。これまでは触覚ハンドの技術的な真新しさに注目が集まっていたが、今回展では実稼働しているソリューションとして当社のロボットシステムを見ていただきたい。現在導入している企業ではシュウマイやがんも、巻きずしなどをピッキングしているが、前述の通り柔軟性が高いので、それ以外の食材でも本システムを導入いただけばラインの自動化を実現できる」 ??ロボットを活用したシステムは処理能力が心配されます。 「シュウマイで時間当たり900~1200個ほど。タクト3秒は番重に積まれているバラバラの食材や、コンベア上を流れる位置もまばらなトレーなどを都度認識し、多品種かつその日ごとに仕上がりが異なる具材を扱うロボットシステムとしては、現実的な能力と考えている。また、人とは異なり24時間安定的に稼働できることを考慮に入れると7~800個程度からミートするお客様が出てきている。コンパクトなロボットを選定し複数台配置のスペースがあれば2倍近い処理能力の提案も可能になる」 ??22年度に製品化、23年度に実証・実稼働と着実に成長されてきました。24年度はどう展開していきますか。 「0→1の段階は上手く乗り越えられたと思う。実際に実績も付いてきた。ここからは数社に使ってもらえるものから、世の中にインパクトを与えられるような規模感で使ってもらえる製品に仕上げていく必要がある。先に述べた通り今回は実績のある現実的な選択肢として提案していきたい。当然、拡販と量産にフェーズが切り替わるチャレンジはある。お客様の裾野を広げ、導入・活用を加速するためにも、当社以外のエンジニアも使いやすいシンプルなロボットシステム・ハンドに仕上げていく」 (写真=FingerVision 代表取締役社長 濃野 友紀 氏) (2024年5月25日号掲載)

2024年05月27日

日東工器、細かいバリ取り用コードレスベルトン

 日東工器(東京都大田区仲池上2-9-4、TEL.03-3755-1111)はバリ取り作業に適したバッテリー駆動のコードレスベルトン「CLB-10」(18V、2.0Ah)を5月初旬に発売した。小型で重さ1.4kg(バッテリー搭載時)と軽く、細かい作業に向く。 HiKOKI製の軽量バッテリーが標準で付属し、金属部品の研磨や錠前の取付け工事などにも向く。従来のベルトンにはない「過負荷検知機能」「押し当て調整アラーム機能」を搭載し、材料の削り過ぎや研磨ベルトの使い過ぎを防ぐ。研磨ベルト寸法10×330mmで回転速度を6段階に調整可能。標準価格は税別13万3200円、年間販売2000台を目指す。 (2024年5月15日号掲載)

日東工器(株)

2024年05月24日

スズキ、インドで四輪車累計生産3000万台

 スズキは、2024年3月末までにインドにおける四輪車の累計生産3000万台を達成した。3000万台の達成は日本に次いで2カ国目で、1983年12月の生産開始から40年4カ月での達成は日本の55年2カ月を抜いて最速となった。 同社は1983年12月に、現在の子会社マルチ・スズキ社の前身であるマルチ・ウドヨグ社で生産第一号車「マルチ800」をラインオフした。現在では、マルチ・スズキ社のグルガオン工場とマネサール工場に加え、スズキ・モーター・グジャラート社のグジャラート工場の3拠点で、小型車「ワゴンR」、「スイフト」、「バレーノ」や、SUV「ブレッツァ」、「フロンクス」など16車種を生産している。 現在の年間生産能力は225万台で、今後のインド四輪市場の拡大に備え2030年度までに約400万台の生産能力を確保できるよう、25年にハリヤナ州のカルコダ新工場、また28年度にはグジャラート州のグジャラート新工場の稼働を予定している。 (2024年5月15日号掲載)

2024年05月24日

アクセルラボ、大阪にスマートホーム体感ショールーム

 スマートホームプラットフォーム「SpaceCore」を手がけるアクセルラボ(木暮学代表取締役)は、スマートホームを体感できる大阪ショールーム(大阪府大阪市北区)を3月にオープン、4月中旬にプレス向け内覧会を行った。 2023年オープンの新宿ショールームに続く2拠点目で、西日本では初となる大阪のショールームでは、20種類以上のスマートホーム機器を設置。ペットや高齢者の見守り・防犯対策として機能するスマートカメラやスマートロック、設定温度になると自動でエアコンを稼働/停止する環境センサーなどの機器を体感できる。住設機器や家電操作のオートメーション化だけでなく、物件オーナーや居住者との契約事や日々のコミュニケーションがアプリやスマートスピーカーで円滑に行える「リレーション機能」も紹介する。 同社はスマートホーム市場を「成長率から見る予測によると26年のキャズムを超えれば、メインストリーム市場に移行する」と大幅な浸透を予想。また「大阪の新築着工数は東京の半分。既存物件をリノベ等で活用する傾向がある。賃貸における家賃アップの選択肢としてスマートホーム化は有効な手段」(濱口凪沙広報担当)と話す。実際、大阪の既設賃貸物件においてSpaceCore導入により「前賃料より1万5千円アップでの成約や、スマートロックや温度センサーを設置したペット共生マンションでは周辺よりやや高い賃料であっても8割の部屋が契約するなど、セキュリティ面や価値向上による賃料アップや空室期間の短縮といった効果が出ている」(濱口氏)。 (2024年5月15日号掲載)

2024年05月24日

愛知は国際イノベーション都市へ

日本最大のスタートアップ支援拠点「STATION Ai」が、10月31日に名古屋市内にオープンする。地上7階建て、延床面積約2万3600平方?bの同施設には日本全国、さらには海外も含めたスタートアップが地域の垣根を超えて入居。オープンイノベーションに積極的な事業会社も集い、それらが有機的に絡み合うことでグローバル規模のイノベーション創出を目指す。日本中から注目を集める同施設の開業を前に、愛知県経済産業局革新事業創造部スタートアップ推進課の藤井智也課長補佐と古井健介課長補佐に話を聞いた。 世界有数の産業集積地・愛知県に新たな「顔」が生まれる。名古屋市昭和区で10月に開業を迎える「STATION Ai」だ。地上7階建て、国内最大のインキュベーション拠点となる同施設には、愛知県下に限らず日本全国、ひいては海外からも有望なスタートアップが居を構える。ユニークなのはこうした施設では珍しく一般の事業会社も入居可能な点だ。事業会社とスタートアップの協奏でオープンイノベーションを加速し、世界へ羽ばたく若き企業や新たな産業を創出していく??難しい説明を抜きにしたとしても、何やらここから新しいものが生まれてきそうだという明るい気持ちになってこないだろうか。 すでに強固な産業基盤が確立された愛知県だが、一方で自動車の電動化やクルマを所有しないMaaS(Mobility as a Service)の浸透など変革の波にもさらされる。愛知県がスタートアップ振興に力を入れるのもこうした理由からで、強みを活かした「モノづくり融合型」のスタートアップ・エコシステムをグローバル規模で形成し、変革期を乗り切ろうとする。「愛知県の地域資源は自動車産業を筆頭とする産業クラスター。その資源を活用しつつ、スタートアップの力で既存市場ではないブルーオーシャンの開拓を目指します」(愛知県経済産業局革新事業創造部スタートアップ推進課戦略推進グループ 藤井智也課長補佐) 県だけでなく周辺の自治体や大学、海外のスタートアップ支援機関などと連携し一丸でスタートアップ支援策を打ち出すが、様々な施策の中核を成すのはやはりSTATION Aiだ。2020年には先立って「PRE-STATION Ai」として支援拠点を開設し、ソフト面の様々な支援策はすでに開始済み。愛知県経済産業局革新事業創造部スタートアップ推進課創出・成長支援グループ 古井健介課長補佐も「PRE-STATION Ai開業時の入居企業は9社でしたが、いまや411社を数えるほど。間違いなく盛り上がっていると思います」と手応えを語る。 STATION Aiは県民も利用できるカフェなどの一般ゾーンと会員専用ゾーンに分かれる。会員ゾーンには壁を取り払い、全体を広く見通せ利用者間の出会いを創出する広大なコワーキングスペースを設置。ビル自体が様々なデータの収集・活用機能も備え、実証実験を行う「サンドボックス」としての役割も果たす。イベントスペースでは様々な催しが開かれ全方位で交流が促進される。「起業仲間が集うことで新たなコミュニティが生まれ新しいものが生まれていく。スタートアップに限らず事業会社も入居するので彼らと連携したイノベーションにも期待しています」(古井氏)。入居者の共通点は「新しいことをしよう」という意思。国も規模も違う多彩な顔触れが集い、互いに刺激を与えあい必要な支援も受けながら新たな産業の創出を目指す。 ■次世代の産業を愛知から スタートアップには成長に応じたシード・アーリー・ミドル・レイターの4段階がある。PRE-STATION Aiではシード期やアーリー期を中心に支援してきたが、STATION Aiの開設を機にオールステージのスタートアップへと支援対象が拡大する。「日本だけでなく世界に羽ばたくスタートアップを創出したいという思いがある」と藤井氏は語る。ユニコーン企業の少なさが指摘される日本だが、同施設から生まれる日も近いかもしれない。 STATION Aiの期待感は。そうたずねると藤井氏は次のように語ってくれた。「新型コロナウイルス感染症の影響による計画の見直しもありましたが、ようやくSTATION Aiが完成する。自動車のEV化など産業構造が急激に変化するという危機感の中で、STATION Aiがこの大変革に対応する起爆剤になるという期待感があります」 古井氏も続ける。「この地域は大企業がたくさん集積する恵まれた地域。人材も豊富です。そこにスタートアップが掛け合わさり、オープンイノベーションのような形でこの地域の企業がさらに盛り上がっていけば。自動車なのかそれ以外なのかはまだ見えませんが、この地域からまた次の時代を担う産業が出てくる。そんな流れに期待したいと思います」 (【写真左=愛知県経済産業局革新事業創造部スタートアップ推進課創出・成長支援グループ 古井健介課長補佐】、【写真右=】愛知県経済産業局革新事業創造部スタートアップ推進課戦略推進グループ 藤井智也課長補佐) ■関連記事LINKスタートアップが集い育つ街、なごやへ (2024年5月25日号掲載)

2024年05月24日

パワーエックス、伊勢オートモールに超急速EV充電器

 大型蓄電池の製造・販売などを手掛けるパワーエックスは、ICDAホールディングスの連結子会社のオートモール(三重県鈴鹿市・向井俊樹代表取締役)へ蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger」を納入した。4月下旬から「伊勢オートモール」(三重県度会郡)で、三重県で高速道路上以外の場所では初となる最大出力150?`ワットの超急速充電ができるチャージステーションとして稼働開始した。屋上に設置した太陽光発電設備(定格出力165?`ワット)で余剰となる再生可能エネルギーを主に活用する。 同チャージステーションは三重県でフォルクスワーゲン・アウディの正規ディーラー及び中古車販売を手掛けるオートモールが事業主となり、パワーエックスが充電拠点の運営と保守を受託する。同社サービスとしては11番目の拠点で、中部エリア初導入となる。 設置台数は1基で、2台の車両を同時充電可能。10分間の充電で航続距離約130?`が充電できる。 「『PowerX』アプリを通じて充電予約すれば、待ち時間なくスムーズに充電可能。運用開始日から当面の間は無料で超急速充電を体験できる『Try! PowerXキャンペーン』を実施する」(同社)とPRする。 (2024年5月15日号掲載)

2024年05月23日

オリエンタルMの中空アクチュエーター

 ユニバーサルロボット(デンマーク、日本支社は東京都港区)は4月15日、オリエンタルモーターの中空ロータリーアクチュエーター「DG?Uシリーズ」(5機種)をユニバーサルロボット製協働ロボットの周辺機器プラットフォーム「UR+」製品として認証し、報道関係者に実演して見せた。 中空テーブルとクローズドループステッピングモーターを一体化したこのアクチュエーターは、半導体・電機電子・自動車・三品業界などで部品や製品の搬送・検査工程の旋回軸として使われる。最大許容トルクは24N・m、許容アキシアル荷重は約200?`。UR+製品となったことで、6軸制御の協働ロボットに旋回1軸をワンストップで加えて7軸制御にできる。オリエンタルモーター機構商品事業部の長谷川洋史事業部長は「ロボットコントローラーから直接外部軸を制御、つまりロボットペンダントからPLCを介さずに制御できる」と利点を話す。 オリエンタルモーターが協働ロボット市場に参入するのは初めてで、この種のアクチュエーターがUR+に加わるのも日本初。ユニバーサルロボットの山根剛・日本支社代表は「人手不足でロボットSIerさんの数が減ることが懸念され、外部軸を用意してインテグレーションのハードルを下げる必要があった。協働ロボット市場は急拡大から少し踊り場にあり、再拡大への起爆剤にしたい」と意気込む。 (2024年5月15日号掲載)

2024年05月23日