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ファナック、湾曲アームでカゴ台車深くまで

 ファナックが5月の自社展で発表し今夏受注を始めた中型フルカバーロボット「M-710iD/50M」(リーチ2606?_、可搬50?`グラム)がカゴ台車への積み下ろしに最適だ。10月6日まで東京ビッグサイトで開催の包装産業展「JAPAN PACK」で実演して見せた。 同社として初めて根元のアームを湾曲させたことで、高さ1.7?bの標準的なカゴ台車が閉じられた状態で最下部までアプローチできる。従来のM-710iC(可搬45?`グラム)を17年ぶりに刷新し、減速機の露出を抑えて防塵・防水性ももたせた。同社は「湾曲アームは直線に比べると剛性で不利になるが、このような作業は非常にやりやすい」と言う。 (2023年10月10日号掲載)

2023年10月16日

YKK AP、24年問題へ物流戦略見直し

 YKK APは9月28日、物流の「2024年問題」への対応の一環として、埼玉県加須市の「ESR 加須ディストリビューションセンター2」内に物流拠点「首都圏DC」を設置し、10月2日より稼働すると発表した。同日行われた報道向け説明会では、初導入となった棚搬送ロボットによるGTP(Goods to Person)システムも公開した。 従来、輸送コストの抑制を目的として、在庫保管型の物流センター「DC(Distribution Center)」から、仕分け・荷さばきのみを行う通過型物流センター「TC(Transfer Center)」へ移行を進めてきた。首都圏エリアへの製品供給も同様で、主に北陸の製造・物流拠点から首都圏TC(埼玉県杉戸町)を介して配送してきたが、24年問題と脱炭素化への対応が喫緊の課題となる中、DC機能を見直し需要地で適正に在庫管理をすることで、長距離・夜間輸送の削減とリードタイムを尊守した供給体制の強靭化を狙う。 同社・執行役員の岩崎稔ロジスティクス部長は「現在、1日200台ほど運行している輸送トラックのうち、約3割が長距離輸送(700?`以上)。今回の取り組みに加えて、モーダルシフトなどを駆使してこれをゼロにしたい」とし、25年度のCO2排出量を22年度比で30%削減できるとみる。 庫内作業においては棚搬送型ロボットを活用し、作業者のいる場所へロボットが在庫保管棚を運んでくるGTP(Goods to Person)システムを運用する。約100方面もの輸送地別に荷合わせできる点が特長で、エクステリアの部品管理にかかわる作業時間を半減させられるとみる。同社のロジスティクス部の横井志朗技術開発企画室長は「二次仕分け工程をなくすことができるため、省力化・省人化の観点からメリットが大きい」と話し、稼働効率などを見て他の拠点にも横展開する可能性を示唆した。 YKK AP・執行役員の岩崎稔ロジスティクス部長 (2023年10月10日号掲載)

2023年10月16日

ミツトヨ、精度26%アップのCNC3次元測定機

 ミツトヨは世界最高水準の精度を誇るCNC3次元測定機「LEGEX匠モデル」を9月に発売した。最大許容長さ測定誤差E0,MPE=(0.23+0.7L/1000)μmと従来比26%アップの精度を実現した。 LEGEX匠モデルは従来モデルからの誤差要因の分析・排除だけでなく、同社独自の「匠マイスター制度」 で培った超高精度ラップ技術、仕上げ技術を活用。同社は「1mのものを測定したときの誤差が、従来モデルの1.28ミクロンから0.93ミクロン以下という、測定精度がついにサブマイクロメートル台に突入したことを意味する」と言う。 (2023年10月10日号掲載)

(株)ミツトヨ

2023年10月13日

ヒサゴ、金属製品包むだけで錆防ぐ

 ラベルやコンピューター帳票などを手掛けるヒサゴはこのほど、包むことで金属製品の錆を防ぐ気化性防錆紙「錆ニック」の販売を始めた。 金属製品の保管は適切に管理をしないと錆発生のリスクが伴う。気化性防錆剤が塗布された錆ニックは、防錆剤が気化して梱包した金属製品の表面に皮膜をつくることで、錆の原因となる水分や酸素と製品表面の接触を防ぐ。金属製品を包むあるいは製品の入った密閉容器に同梱するだけで、錆発生を抑制できる手軽さがウリ。 包装紙と同じように使用できるため、長いものや小さいもの、異形材も簡単に包める。ミシン目が入った用紙が蛇腹折りでつながっていることで、必要なサイズに切り離して使用できるとともに、収納性もよく、広げてもねじれにくい。防錆油のように塗工・拭き取りの手間がないこともメリットだ。 (2023年10月10日号掲載)

2023年10月13日

日機装、水除菌装置導入コスト65%削減

 産業用特殊ポンプや航空機エンジン向け部品、人工透析装置などの各分野でトップシェアを誇る日機装(東京都渋谷区)は、深紫外線LEDの開発にも力を入れる。9月12日からリニューアルした深紫外線LED水除菌モジュール「PearlAqua Deca 30C」は、従来の最大流量(毎分15?g)を維持しながら、導入コストを約65%削減。サイズも手のひらに乗る大きさ(高さ153?_×110?_)に抑え、小~中規模流量を必要とする業務用食洗器や産業用機械などへ組み込みやすくした。 2017年に深紫外線LEDによる水除菌モジュールを発表してから、同社は市場をけん引してきた。毎分1.2?gの極小流量のモデルを含む「micro」シリーズは累計販売台数10万台を突破。今回のコスト・サイズダウンも、グローバルでの豊富な納入実績から内部構造や素材を最適化するノウハウを備蓄してきたことに起因する。同社・メディカル事業本部ヘルスケア事業推進部の田坂勝次部長は「LEDチップをただ並べるだけでは効率的に殺菌できない。当社はLEDチップそのものも作っているとともに、医療機器メーカーとして光学・流体の解析技術を使った殺菌の知見を活かし、毎分1.2?gから1万リットルまでの様々な流量に対応する製品ラインナップが特長」と話す。 調査会社・グローバルインフォメーションのレポートによれば、深紫外線LEDの23~28年のCAGR(年平均成長率)は29.65%。特に、水殺菌分野が市場をけん引していくとみられている。同社も二桁成長を予想しており、宇宙分野から第一次産業まで幅広いマーケットで採用が進んでいくとみる。「LED化による製品の小型化・高効率化を期待して、水銀ランプといった既存技術からの置き換えだけでなく、新分野からの問い合わせも増えている。使用用途ごとに適切な製品提案が可能な当社の特長を生かして、提案・開拓を加速していきたい」(田坂部長)と更なる市場獲得に向け歩みを進める。 (2023年10月10日号掲載)

2023年10月13日

リンナイ、使いやすく安心設計のガスコンロ

 リンナイは西部ガス、福岡市、医療介護のコンサルティングを手掛けるメディヴァと共同で、安心に長く使えるガスコンロを開発した。24年初頭に発売を予定する。 ゴトクやバーナー周りを黒色に統一、コンロの炎を見えやすくした。左コンロは緑、右コンロはオレンジ色など操作部と揃えた配色で視覚的な分かりやすさを向上。天板を広く覆う大型ゴトクを採用し、ゴトクの四角い枠が目安となりバーナーの中央に鍋が置きやすくなった。また、現行のガスコンロで使っていた音声案内を見直し。口語表現やゆっくりとした口調、フレーズごとに間を空けるなど聞き取りやすい音声で調理をサポートする。操作ミスや火の消し忘れ時も安全に火を停止する。 「視覚や聴覚、認知機能が低下した時に必要とされる機能を具現化した。高齢者や認知症の方に配慮したガスコンロで、慣れ親しんだガス火調理の料理を楽しんでもらいたい」(同社)。 (2023年10月10日号掲載)

2023年10月13日

山善、ファンを搭載したハイブリッドヒーター

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は速暖性のあるカーボンヒーターと遠赤外線効果のあるシーズヒーターを兼ね備えた「twinheat(ツインヒート)シリーズ」(2014年9月発売、累計販売39万台)から背面にファンを搭載した「ハイブリッドヒーターtwinheat PLUS fan(ツインヒート プラスファン)DBC-SVM12/EDBC-SVM12」を同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やECモールの店舗「くらしのeショップ」、全国のホームセンターや家電量販店などで9 月下旬に発売した。 背面のファンによりカーボンヒーターとシーズヒーターの輻射熱に加えて、本体に溜まった熱を無駄なく前方へ送り出す。シリーズ初となるECOモードで消費電力を最大約18%抑えるほか、10段階の出力切替と5段階の温度センサー付き。価格はオープン。 (2023年10月10日号掲載)

2023年10月13日

タカラスタンダード、大阪ショールーム一新

 タカラスタンダードは10月14日、大阪ショールーム(大阪府東大阪市)をリニューアルオープンし、展示内容の充実を図る。 大阪ショールームは、延床面積が約170坪と、関西で最大規模となる。東大阪市に所在し、大阪府の東部エリアを中心に、大阪市内からも来場が多い。「理想の空間や潜在的に欲しい商品が見つかるよう空間展示を充実させており、大阪駅に隣接する大阪HDCショールーム来場後に、より詳しく商品を検討されるお客さまも多くいる」(同社)とする。 キッチンコーナーでは、ラグジュアリー感のあるゆったりした展示や「家事らく」を実感できる展示に加えて、新たに希望のキッチンの間口サイズやシンク、コンロの位置をプロジェクターで確認できる什器を導入した。展示にはない寸法も実際の目で確かめられ、デザインだけでなく、使い勝手もわかる。また、エントランスをはじめ、空間展示のリビング、パントリーなどにもホーロー壁装材「エマウォール」を多く使用し、「ホーローが叶える新しく快適な暮らし」(同社)をより具体的にイメージできるようにした。 同社は「大阪ショールームは、今後もイベントなどを通じて地域の皆さまの暮らしのお悩みを解決しながら『見て、触れて、納得。』していただける顧客満足度の高いショールームを目指す」とした。 (2023年10月10日号掲載)

タカラスタンダード(株)

2023年10月11日

ジェイテクト、高圧水素供給バルブなどをFCEV向けに高流量化

 ジェイテクトは9月13日、燃料電池自動車(FCEV)用の「高圧水素供給バルブ」と「高圧水素減圧弁」を開発、商用車向けの高流量に対応する第3世代モデルとして追加した。 「FCEVの高圧水素貯蔵システムに搭載される両製品は、同システムの肝となる基盤技術。トヨタの『MIRAI』など、20年以上培ってきたFC製品の小型軽量・高信頼性の強みを活かして開発した」(同社)という。 高圧水素を貯蔵するタンクに搭載される高圧水素供給バルブは、高圧水素を適正量で供給。IN/OUTポートを共通1ポート化し、部品点数の削減と小型、軽量化を実現した。高圧水素減圧弁はバルブから供給された高圧水素を燃料電池スタックで必要な圧力に調整(減圧)する。 水素の供給量を、従来品に比べ高圧水素供給バルブは2倍、高圧水素減圧弁は1・3倍増加し、水素を多量に使用する商用車のFCEV化に貢献。また、供給バルブの水素ガス流路の拡大により水素充填時間の短縮も実現する。 今後の展望について「商用車、建機、鉄道、船舶などの大型モビリティ領域や、ドローンへの活用など様々な場面やニーズに合わせた提案を行い、水素社会の発展に寄与する」としている。 (2023年10月10日号掲載)

2023年10月11日

京セラ、汎用カッタにワイパーインサート追加

 京セラ(京都市伏見区竹田鳥羽殿町6、機械工具事業本部・TEL.075-604-3651)は9月15日、切込み角45°の汎用フライスカッタ「MB45」のレパートリーにワイパーインサートを追加した。長さ約8mmのロングさらい刃を持つ両面2コーナ仕様で、高精度E級により高い仕上げ面品位を実現する。インサート材種は今春発売した新PVDコーティング材種「PR18シリーズ」のほか、CVDコーティング、サーメットをラインアップ。鋼やステンレス鋼、耐熱合金など様々な被削材に対応する。標準価格はPVCコーティングのPR18シリーズとCVDコーティングの「CA6535」が2640円、サーメットの「TN620M」が1980円(いずれも税別)。 MB45は品質や性能、寿命、経済性などを高めた正面加工で広く使われる汎用フライスカッタ。インサートはヘリカル切れ刃とダブルエッジ構造の独自形状により、「ポジ並みの低抵抗とネガの高い耐欠損性」(同社)を高い次元で両立する。 また、ロング円弧形状のさらい刃によって送りのつなぎ目が小さく、なめらかな仕上げ面を実現する。 (2023年9月30日号掲載)

2023年10月09日

ソディック、リニア駆動の大型形彫り放電

 ソディックはリニアモーター駆動の大型形彫り放電加工機AG100Lの後継機種「AL100G」を9月1日に発売した。最大45%の加工時間短縮と消費電力30%低減を達成したという。 この分野でリーディングカンパニーである同社は約四半世紀にわたりリニアモーター駆動方式の放電加工機を販売。通信・自動車・航空宇宙・医療・家電など向けに出荷台数は累計6万台以上を達成した。AL100Gは機械精度を10年保証するX・Y・Z3軸リニアモーター駆動方式。培ってきたリニアモーター制御技術と放電制御技術、AI(人工知能)機能、IoTプラットフォームなどを融合し、加工時間短縮と消費電力低減を実現した。軸移動量X1200・Y650・Z500?_、最大加工物質量5000?`グラム。標準価格は税別4200万円で年産15台を目指す。 (2023年9月30日号掲載)

(株)ソディック

2023年10月09日

ロブテックス、強く優しい次世代エアーリベッター

 ロブテックス(大阪府東大阪市四条町12-8、TEL.072-980-1111)は9月21日、“次世代”と位置付けるエアーリベッター「R2A1」を発売した。実際の現場で女性が使用する場面も多いことから、従来のガンを連想させるスタイルから丸みを持たせたボディに一新。エラストマー樹脂を2色成形したグリップは握りやすく滑りづらく、重量1.25kg(カップカバー除く)と軽量のため使用時に疲れにくい。一方で道具感も維持し、「強さと優しさを兼ね備えた」(同社)という。  エアー供給口はワークの形や作業に合わせて簡単に左右の交換が可能。100万回のストローク試験でもストローク減少量を0.2mm以下に抑え、油圧オイルの補給頻度を削減する。本体はコンパクトながら19mmのロングストローク仕様。シリンダーカップにワークへの傷を防ぐ保護カバーを標準搭載し、マンドレルの飛び出しを防ぐシャッター機構も採用するなど安全性も高めた。 (2023年9月30日号掲載)

(株)ロブテックス

2023年10月06日

DMG森精機、長時間の連続・無人稼働可能に

 DMG森精機は9月20日、高精度5軸制御横形マシニングセンタ「INH 63 /INH 80」を発表した。 「徹底的に熱変位対策を行い機械の姿勢変化を抑制した」(同社)という同機種は、フルクローズドループ制御の内製リニアガイド『Smart SCALE』を全軸に標準搭載し、長時間にわたる高い位置決め精度を実現。加えて全軸にツインボールねじを採用しスラントコラム構造と組み合わせ、振動抑制と機械剛性を向上させた。 欧州標準の400V仕様により、主軸最大トルク808N・mの高剛性主軸「powerMASTER」を搭載し、重切削加工から高速加工まで対応。従来機に比べ切削能力が65%向上する。 既存設備の横形マシニングセンタを活かしながらINHと組み合わせた自動化システムの構築も可能で、幅広いワークを一つの自動化システムで生産できる。最大363本の工具が収納可能な大容量マガジンや最大4000本対応の自動化システムCTS(いずれもオプション)、新開発の省エネ・省スペースの立型大容量クーラントタンク「zero sludge COOLANT pro」により長時間の連続・無人稼働を可能にする。 また、新操作盤「ERGO line X with CELOS X」を標準搭載。タッチパネルとハードキーを融合した液晶付きボタンは操作ミスを防ぎ、作業性を向上する。 「2006年から16年まで経営に関わってきたスイスDIXI MACHINESの高精度機械の製造技術と、DMG MORIドイツで培った5軸加工のノウハウ及び最新技術、日本の主要要素の内製化による高い信頼性を集結し開発した」(同社) 主な市場は航空・宇宙、半導体、医療、産業機器、EVや金型など。販売価格はINH63が1億2千万円、INH80が1億4620万円(いずれも税抜き)。 (2023年9月30日号掲載)

DMG森精機(株)

2023年10月06日

ゼネテック、搬送ロボベンチャーが3Dシミュソフト導入

 ゼネテック(東京都新宿区)は9月26日、3Dシミュレーションソフト「FlexSim」が、自動搬送システムを手掛けるLexxPluss(神奈川県川崎市)に導入されたと発表した。 LexxPlussは物流業・製造業の搬送課題解消に向けて自動搬送ロボット「Hybrid-AMR」を手掛けるスタートアップ。自律的に障害物を検知・迂回できるAMR技術と繰り返し精度と作業スピードを保証できるAGV技術を国内で唯一併用する特長を持つが、投資対効果の事前検証などに課題があり、導入までのリードタイムが長くなっていた。 直感的な操作で人やモノが動く現場の3Dシミュレーションモデルを構築し、人やモノの流れを容易に検証できるFlexSimの導入によって、導入時の投資対効果の事前検証や導入後の業務改善における生産性向上に向けた提案加速を狙う。Hybrid-AMRとFlexSimの組み合わせにより製造・物流現場の人件費などのコストを最大50%以上削減できるとみている。LexxPlussの阿蘓将也代表取締役は「FlexSimを利用することで、自動化設備の導入を初めて検討する顧客に対してどのように運用が改善されるのか可視化でき、ROIを数値で提示できるようになった。今後も最適な提案を素早く提示できる体制を整えていく」とコメントした。 FlexSimは簡単に製造ラインや加工プロセスの3Dシミュレーションモデルを設計、人やモノの流れを検証できる (2023年9月30日号掲載)

2023年10月06日

LIXIL、壁・天井が自由に飾れるワイヤーシステム

 LIXIL(東京都江東区大島2-1-1、TEL.03-3638-8111)は壁、天井をファッション感覚で自由に飾れるワイヤーアレンジメントシステム「SORAMO(ソラモ)」を開発し、9月7日に応援購入サービス「Makuake」でプロジェクトを開始した(売上目標600万円、10月30日まで)。 SORAMOは壁に固定したレールにワイヤーを取り付けることで空間装飾ができる。取り付け場所の変更・調整が簡単。天井面には、レールに水平アタッチメントをつけてレール間をワイヤーで結ぶことができる。専用の3種類のコンテンツ(マグネットパネル、ラック、棚)も用意した。参考価格は税・送料・工事費込みで6万3800円から。 (2023年9月30日号掲載)

2023年10月06日

アマダ、大型ベンディングマシン

 アマダは9月5日、厚板・大物の曲げ加工や深曲げができる大型ベンディングマシン「HRB」シリーズの販売を始めた。新たに350?d・3?bから600?d・7?bまでの長尺、中厚板に対応する7機種を拡充。社会インフラを支える鋼材加工や厚板加工の現場に対応するほか、独自のACサーボ・モーターと双方向ピストンポンプによるハイブリッド・ドライブシステムで環境にも配慮する。 NC装置は「AMNC 3i」を搭載した。加工プログラムを容易に作成できる機能で、スキルや年齢、性別、国籍などにかかわらず簡単に曲げ加工が可能。厚板用の角度センサーやバックゲージにワークセンサー突き当てをオプションとして採用すれば曲げの精度不良を削減し、安定した加工ができるという。販売価格は税別5820万円からで年間販売24台を目指す。 (2023年9月30日号掲載)

(株)アマダマシナリー

2023年10月04日

ダイヘン、ドイツ溶接機メーカ大手を買収

 ダイヘンは8月30日、ドイツ国内シェア2位の溶接機メーカのローヒ・シュヴァイステクニック(ローヒ)社を完全子会社化すると発表した。株式譲受完了は2024年1月、取得価額は約2200万ユーロ(約34億円)。 欧州での溶接機・アーク溶接ロボット事業を大幅強化する。「26年度までに欧州の売上高を現状比約3倍の200億円超に拡大し、欧州市場のトップシェアを狙う」(同社)。 ローヒ社が持つ西欧の販売ネットワークと大手ユーザーへの直販体制を活かし、西欧で新接合機器など独自の接合機器の販売を加速させる。また、これまで欧州事業強化策として買収したドイツのシステムインテグレータ(ラゾテック社、フェミテック社)を活用し、ローヒ社顧客の多様な自動化ニーズにも応えるという。 加えて、欧州市場での認知度向上により、グローバルワイドにEV・風力発電の新たな分野での販売拡大を目指す。 ローヒ社とのグローバルスタンダード溶接機の共同開発について「我々の溶接プロセス技術やインバータ技術、ローヒ社の欧州市場にフィットしたデザインを融合し、これまでにない新たな製品を2、3年後にはリリースしたい。主に自動車向け欧米市場を想定している」と語った。(8月30日十三事業所での記者会見にて)  (2023年9月30日号掲載)

(株)ダイヘン

2023年10月04日

アシストスーツ協会が大阪で体験展示会

 人工筋肉やバネの力を応用して人の動作を支援するアシストスーツのメーカーが、同スーツの認知度向上や市場拡大に向け共同事業を続けている。 昨秋、任意団体アシストスーツ協会を立ち上げた後、今年7月には一般社団法人になり活動も一層本格化。9月5日には法人化を記念し大阪市内で「アシストスーツサミット・イン・オオサカ」と題した体験展示会を開催した。全会員(現在8社)が腰、腕、脚などをサポートするそれぞれの新製品を展示し、同スーツ導入のポイントなどを識者が伝えた。会場は企業関係者や介護従事者、TV、新聞などの報道関係者で満員の賑わいだった。 同協会の飯田成晃代表理事(アルケリスCOO)は「アシストスーツはまだまだ知られていない。まず知っていただき、正しく理解して体感もしてもらう。これを協会主導でやっていく」などとスピーチ。市場占有率や今後の活動について本紙で問うと「(カテゴライズの仕方など微妙な面もあるが)、ざっくり会員8社でマーケットの半分以上はカバーしていると思う。今後各地で体験展示会を繰り返しやっていく予定。賛同し協力いただける企業であれば新加入もウエルカム」などと話した。 会場に居合わせた会員メンバーの幹部らからは「コラボレーションの時代にふさわしい取り組み」、「相互に刺激しあって市場性を拡げられれば」などのコメントが出た。さらに具体的に「互いに互いの商品を売るといった取り組みも会員同士で既に進めている。当社の海外販売ルートを共同利用するといったこともやってみたい。補完関係にあるメンバーが揃っており今後が楽しみ」(イノフィス・乙川直隆社長)の話もあった。 講演会の様子。物流、製造、建設、介護、農業などと幅広く市場を狙う。   (2023年9月30日号掲載)

2023年10月04日

山善、3タイプの電気毛布

 山善は省エネ性が高い電気毛布を同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やEモールの店舗「くらしのeショップ」、全国のホームセンター、家電量販店で9月中旬から相次いで発売している。昨年9月の発売品をリニューアルした「くるみケットオーバー」はゆったりと着用できる(「くるみケットシリーズ」として展開)。筒状の形状に肩ひもや開閉可能なファスナー、ポケットを取り付けたもので、今季はACタイプ・USBタイプ(手持ちのモバイルバッテリーが使える)をリニューアルし、着用感と動きやすさをいっそう向上。チャイナドレススリットを設けたことで、歩幅に合わせて好みの位置でファスナーを開閉できる。価格はオープン。 毛布にすっぽり入った状態で両手が自由に使える「両手が自由なハンズフリー電気毛布」と、手持ちの掛ふとんに取り付けられる「ふとんカバーにもなる電気毛布」も同様に9月中旬に発売した。前者は首元や肩まで毛布を被った状態で、穴から手を出してスマホやタブレットを使ったり、読書などを楽しめる。後者はふとんカバーの形状で、毛布がズレ落ちることがない。一般的な掛敷電気毛布としても使える。価格はともにオープン。 (2023年9月30日号掲載)

2023年10月04日

ZOLLER Japan、プライベートショー

 ZOLLER Japanは8月29、30日、大阪本社(大阪府吹田市)でプライベートショーを実施し、2日間で約100人が参加。スマートキャビネットの「ツールオーガナイザー」、ツールプリセッタ?「venturion」などで工具データをつなげ、工具のピックアップから測定、さらに工作機械へデータ転送までのトータルソリューションを提案した。 ツールオーガナイザーは同社と京セラがコラボレーションした高性能な工具管理キャビネットと高度な工具管理システムが一体となったスマートファクトリーシステムだ。工具情報を登録することで探す時間を大幅に削減するとともに、在庫が一定基準を下回ると発注をサポートするなど省人化に寄与する。 ツールオーガナイザーで「探す」手間を省き工具をピックアップし、セットアップシートを作成。セットアップシートは特定の機械加工に必要な工具をリスト化しデーターベースに記録することができる。突き出し長さなどの情報も付加でき、熟練度に依存しないチャッキングが可能になる。 チャッキングにも、自動化ソリューションも用意されておりコレットチャックならtorquematic、焼き嵌めホルダならredomaticが活用できる。 セッティングされた工具はセットアップシートを引き継ぎ、venturionで簡単に計測できる。またそのデータは工作機械に転送され高精度な加工を行える。 今回は牧野フライス製作所の5軸制御立形マシニングセンタD200Zを使用。制御装置「プロフェッショナル6」にダイレクトに測定データを転送するデモンストレーションが行われていた。 龍口一代表取締役は「いろいろなソリューションが世の中にはあふれているが、まずはデータ化して誰でも利用できるようにすることが肝心だ。それが出来れば自動化に向けて一歩を踏み出せ、人口減少が起きてもモノづくりを滞らせない仕組みを作っていける。工具がどこにあるか、そういった情報をデータ化する、小規模な企業でも活用できるスモールスタートなソリューションを今回は提案した」と話した。 (2023年9月30日号掲載)

2023年10月02日

スギノマシン、汎用ドリル・タップユニットにATC追加

 スギノマシンは10月から、2020年に発売した小型・汎用ドリリング&タッピングユニット「SELFEEDER DUO(セルフィーダ デュオ)」に先端工具を自動で交換できるATCオプションを追加する。 SELFEEDER DUOは主軸と送り軸にサーボモータを使用した汎用性に優れたドリリング・タッピングユニットだが、従来モデルではドリルやタップなどの工具交換を人の手で行う必要があった。ATCオプションを活用することによって、自動で工具を交換することが可能になる。ATCマガジンにはモータなどの駆動源を使用していないため、省エネ・コンパクトであることも特長。多品種少量生産の自動化ラインなどでの省力化を可能にするほか、ガントリーやロボットと組み合わせることで、コンパクトで省エネな加工ラインを構築可能。 加工穴径やタップ種類数に変更があった場合も、ATCマガジンの追加による柔軟に対応でき、近接スイッチを2つ内蔵することによって、スタブホルダの有無の確認やATC時オーバートラベルをインターロック制御し、安全性も確保した。 (2023年9月30日号掲載)

2023年10月02日

アルゴヴィジョンテクノロジズ、新たな技術用いた高効率研磨装置

 アルゴヴィジョンテクノロジズ(本社:京都府相楽郡・立花昇一代表取締役)は、細孔や複雑流路(金型水管のサビ防止と定期洗浄)向けに独自で開発した研磨装置で注目を集めている。 同社所有の特許技術を用いて開発したウォータマシニング装置「elite Series」は水と研磨材のみを混ぜたスラリーを金型水管に通し、一方向に循環させワークを効率的に研磨する「一方向循環式」が特徴。「他社の往復運動式で発生する研磨の空走時間がなく、断続的に研磨作用を起こせる。高速で流れる流水に乗って研磨剤の粒子が内面の凸部に当たり他の物理研磨よりも研磨スピードが速い」(同社)という。 φ0.2、0.3の極細穴でも研磨でき、ドロスを完全除去する。特にステントやカテーテル、金属チューブなど、医療機器部品、分析・検査ノズル部品において中小企業を中心に導入実績を積み重ねる。 3D造形金型の冷却水管の研磨でも活用の広がりが期待される。金型における冷却工程は、品質や製造サイクルタイムにかかわる重要な工程だが、「マルエージング鋼の利用が多い金属AM金型では、溶融再凝固粒子の凹凸面に『錆』や『詰まり』(カルシウム)による金型の割れが多い。我々の研磨技術とノウハウなら流路の研磨で、金型寿命の延長を実現する」と同社は自信を見せる。 実際に、3D造形金型の流路研磨で、Rz1・6ミクロンまで面粗さを改善・詰まりを予防し、流量が毎分10ccから毎分470ccまで詰まりを大幅改善した事例もある。 独自で見出したノウハウと理論により複雑流路でも研磨ムラが生じにくく、均一に研磨する安定性を実現した。 また、「環境対策として薬剤や溶剤を一切使わず、水と研磨材のみを使用するためエコフレンドリー。ランニングコストも抑えられる。これまでの流体研磨や磁性流体研磨とも全く異なる独自のノウハウがある」(立花社長)という。 2015年から技術装置開発に着手し、テストや試作でノウハウを着実に積み重ねた。「ノウハウをためると一口で言っても簡単ではない。トライ&エラー、寝る間を惜しんで試行錯誤の繰り返しで実現した」と立花社長は熱意を込めて道筋を語った。 加工サイズは内径φ4まで(φ10まで拡大予定)、全長は1500?_メートルまで。ほぼすべての金属、超硬合金、樹脂など幅広い材質に対応する。「表面粗さはRa0・1ミクロンも可能(要相談)」(同社) 3D造形金型の流路研磨事例(左が研磨前・右が研磨後) (2023年9月30日号掲載)

2023年10月02日

コロナ、キャンプに向く対流形石油ストーブ

 コロナは「暮らしを『楽』から『楽しい』へ」をコンセプトに掲げた、キャンプなどで使える「OUTFIELD」ブランドからフィールドベージュラインの対流形石油ストーブ「SL-F510」を9月19日に発売した。同時に今年4月に発売し、当初予定の販売分が終了した同ブランドの小型対流形石油ストーブ「SZ-F32」とポータブル電源対応石油ファンヒーター「FH-CPF25」の追加販売も始めた。SZ-F32専用の、熱を反射させてストーブ前面を暖められる反射板も発売。 対流形石油ストーブは暖気を対流させることで広い空間を暖める。SL-F510(暖房出力5.14?`ワット、質量9.9?`グラム)はロングセラー商品の「SLシリーズ」をベースにレトロなデザインを保ちつつ、「アースカラーの本体色、大型の黒い『しん調節つまみ』や頑強なガードの採用で『ギア感』を表現している」と言う。価格は税込3万3800円。 (2023年9月30日号掲載)

(株)コロナ

2023年10月02日

YKK AP、住宅用リフォームドア刷新

 YKK APは10月2日より外壁を壊すことなく住宅のドアを取り換え可能な「ドアリモ 玄関ドア D30」「ドアリモ 勝手口ドア」をリニューアルすると発表した。枠やアルミ額縁形状を改良することで既設ドアへの対応力を向上し、意匠性と施工性の両立を図った。 カバー工法であるドアリモは、これまで見付(サッシ枠を正面から見たときの幅寸法)の三方(上と左右)を全て同じサイズにする必要があった。そのため、1カ所でもサイズの大きな見付があると、全てのサイズを合わせる必要があり、意匠性と施工性に課題があった。 今回、両製品の部材を共通化するとともに見付の組み合わせを自由化することで、既設枠に合わせたサイズ形状を選択できるようになった。意匠性を保ちつつ、現場でのカット作業も削減(1カット15分)できるようになり、同社は「職人不足も心配される中、複数現場を回る必要のある現場作業者にとって、1つの工程がなくなるだけでもメリットは多い」と説明する。 2015年に「かんたん ドアリモ」を発売して以来順調に販売数を増やしており、22年度の販売数量は販売年度比で約2・6倍となっている。「新築着工件数は1996年頃まで高水準だった。そこから約27年、これから改修・リフォーム需要が高まってくる現場も多い」ことから、24年度は22年度比2倍超の売上93億円を目指し更なる普及を目指す。 (2023年9月30日号掲載)

2023年10月02日