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THK、クロスローラーガイドなど拡充

 THKは11月8日、ケージずれ防止機構付きクロスローラーガイド標準タイプのラインナップを拡充する一方、センターレールタイプをカタログ標準品として追加すると発表した。クロスローラーガイドは精密ローラーを直交させて保持したケージを専用レールと組み合わせた構造で、有限ストロークの動きの軽い直動案内。独自のラックピニオン機構を備え、ケージずれが無く正確に動く。半導体製造装置をはじめ電子部品の製造装置や光学測定器などに向き、OA機器および周辺機器の需要も見込む。 カタログ標準品としたセンターレールタイプは取付の簡略化や装置のコンパクト化を実現する。既存のVR形に比べローラー数を増やし、基本定格荷重・剛性が大幅に向上。長寿命になった。 (2023年11月25日号掲載)

THK(株)

2023年11月27日

TONE、端子を取り外す専用工具

 TONEはこのほど「パワーグリップコネクタターミナルツール PGCTT-001/002/003」を発売した。コネクタターミナルを取り外すための専用工具。端子の形状に合わせ、先端形状の異なる3種類(ワンロック用・差込ロック用・丸形ロック用)をラインアップする。 グリップ部は同社のドライバー「パワーグリップシリーズ」のデザインを踏襲。二重構造の樹脂で滑りづらく、安定した作業を支援する。人間工学に基づく握りやすく回しやすいフォルムで、手にフィットするため作業性に優れる。 (2023年11月25日号掲載)

TONE(株)

2023年11月24日

ブラザー工業、愛知の自社展で加工実演

 ブラザー工業は11月17日までの3日間、刈谷工場内のブラザーテクノロジーセンターで自社展を開催した。10月に開かれたメカトロテックジャパン2023に出展した横形マシニングセンタ(MC)をはじめ、新機種を中心に小型MC「SPEEDIO」の全7シリーズを披露。機電一体開発による高い生産性や広い加工エリア、主軸30番機のイメージにとらわれない加工性能の高さを実演を通じてアピールした。 入ってすぐに目についたのは、今年4月に発売されたワイドストロークモデルの「W1000Xd2」だ。同じくワイドストローク仕様の従来機からZ軸移動量をさらに80?_伸ばしたマシンで、X軸移動量(1000?_)とY軸移動量(500?_)を据え置きつつ、テーブル積載量は500?`に増やしより大きなワークに対応できる。従来機は21本までだった工具マガジンもオプションで28本まで対応。折損に備えて同じ刃物を複数本装着したいというニーズにも応えられる機械だ。 「昨今EV向けのアルミワークは大型化の傾向があり、SPEEDIOも加工エリアをより広く確保する方向で開発を行っている」と担当者は話す。会場ではこの流れを汲む横形MC「H550Xd1」も披露され、実演加工では人垣ができていた。 H550Xd1は機械幅1557?_と、ラインを組むうえで重視される間口方向のコンパクトさが特長。一方で治具エリアはφ600×580?_と広く、昨今の大型化するワークも削れる『横形ながらSPEEDIOらしいマシン』だ。切粉の排出性が高く深穴加工時の刃物トラブルを低減可能で、会場でもEV向けアルミケースを模した500×500?_の大型ワークにロングドリルで加工を行ってみせた。同機について担当者は「30番の横形MCは汎用機ではかなり珍しい。そのぶん良さが浸透するまで時間がかかるかもしれないが、非常に興味を持っていただいているのは間違いない」と期待を寄せる。 SPEEDIOは今年、ブランド誕生から10周年の節目を迎えた。担当者も「『ブラザーの工作機械』ではなく『SPEEDIO』という名で業界に通じるようになった」と手ごたえを語るが、一方で「30番機は非力だという従来のイメージをお持ちの方もまだ多い」と課題もあるようだ。 「やはり積み重なった印象があるのか、30番機の導入を不安に思う方がいるのは事実。しかしSPEEDIOはS50Cに一発で大径の穴加工を行うなど、鉄やSUSでもゴリゴリと削れる。見れば納得してもらえるはずなので、こうした機会にじっくりご覧いただきたい」 (2023年11月25日号掲載)

ブラザー工業(株)

2023年11月24日

山善、今季も三遠ネオフェニックス応援

 山善は10月5日に開幕したプロバスケットボールB.LEAGUEに所属する「三遠ネオフェニックス」(=写真)を、オフィシャルパートナーとして今シーズンも引き続き応援する。同チームは愛知県の東三河地域と静岡県の遠州地域に根差す。チーム理念「全心全力」で選手、チームスタッフ、クラブ全員が失敗を恐れず、すべてのことに対して心を込め、自身が持つすべての力を出すという姿勢に共感し、山善は2008年から同チームを応援してきた。 (2023年11月10日号掲載)

2023年11月22日

三菱マテリアル、転削加工用材種にアイテム追加

 三菱マテリアル(加工事業カンパニー=東京都千代田区丸の内3-2-3、TEL.03-5252-5200)は転削加工用サーメット材種「MX3030」に17アイテムを追加し、10月16日に発売した。 MX3030は同社従来品NX4545より熱伝導率が高く耐熱亀裂性に優れるため、切削時に発生する熱亀裂やチッピングを抑制。良好な仕上げ面を維持するという。靭性にも優れることから大きな切込み量で加工能率向上につながる。従来のWSX445カッター用に加え、他のカッター用へ型番展開を図る。標準価格は税込み979円から。 (2023年11月10日号掲載)

三菱マテリアル(株)加工事業カンパニー

2023年11月20日

井上、8年ぶりの自社展

 AI、IoTシステム開発や制御盤の設計・施工、電気設備資材の卸売などを手掛ける井上(京都府福知山市)は10月27日、製品展示会「INOUEワールド」を8年ぶりに開催した。会場は同社が運営する旧中六人部小学校(同市)をリノベーションした「THE 610 BASE(ムトベース)」となった。 AI画像検査システム「Deep i」、電気使用量の監視など環境課題にも対応できるIoTシステム「PinoT」、予防予知保全システム「yocchi000」などを展示したほか、企業向けのプログラミングスクールも開催した。 まず目を引いたのはサイコロを使ったデモンストレーションだ。AIを使って複数のサイコロの目を読み取るものだが、振動機を使って激しく振動・回転する中でも正確に判定していた。「動き続けるものを、動画を使って判定することに対して特許をとっている」(担当者)と話す。同技術を使った「Deep i」の導入例としてはせんべいの割れや焼け具合などを判定してNG商品を排除するシステムがある。「せんべいのNGのパターンは無限にあり、それを学習することでパートさんが担っていた仕事を省人化できた。人間なら20分で集中力が切れる」(同)とする。自動車関連では、バンパーを留めるプラスティックのリベット状の部品が正確に設置されているかの検査にも用いられているという。「リベットが抜けかけているか、などベテラン職人の目でしか判断できないものもある。AIで学習させれば、熟練を要するとしても人間の目で判断できる『特徴量』があれば判断は可能になる」(同)と自信を見せる。ほかにも同技術を応用して、ゴルフ練習場のハウスボールトと持ち込みボールを識別する機械も開発している。 ■匠の技術を段階的に自動化へ  「yocchi000」は生産現場でIoTによるリモート監視・制御を行うシステムだ。「木材の製材所で燻煙乾燥という珍しいやり方をしているところがあった。山奥の作業場まで行って空気弁を開閉し温度調節をしなければいけなかった。yocchi000を用いて温度や煙の状況を確認するようにした。温度などのデータを蓄積していけば、次の段階として煙突に制御弁を設置し遠隔で温度の調節が可能になる。さらに炉内の温度を均一化するためファンを付けてそれも遠隔操作していきたい。いわゆる匠の技に対して、スモールスタートでソリューションを提案し、データ化して最終的に自動化まで持っていくのを当社は得意としている」(別の担当者)とした。 (2023年11月10日号掲載)

2023年11月20日

大澤財団、研究助成費贈呈式

 (公財)大澤科学技術振興財団は10月17日、愛知県豊川市のオーエスジーアカデミーで研究助成費贈呈式を行った。 23年度は一般研究開発助成が30件、国際交流助成が10件で助成費は合計7593万5000円となった。財団設立以来、研究開発助成は498件、国際交流助成は293件に達し、助成の累計額は約10億7500万円に上る。 大澤伸朗理事長は挨拶で「今年度も非常に多数の応募をいただき、当財団への取り組みに対する期待の大きさに気が引き締まる思い。不確実性が加速している時代の中、難局を打破するために技術革新と研究開発支援の一層強化に努めていく。日本企業が世界と戦っていくためには国内の基礎科学技術の発展研究という根の部分が今後ますます重要になる。ものづくりを担う科学技術の振興発展に寄与していきたい」と決意を語った。 大澤科学技術振興財団は1991年7月に設立され、金属類の機械加工に関する生産工学や基礎となる理工学を重点分野とし、研究開発や国際交流活動への助成活動を行っている。 (2023年11月10日号掲載)

オーエスジー(株)

2023年11月20日

トルンプ、エレクトロニクス売上4年で10倍

 トルンプは10月27日、都内で会見を開き、半導体製造装置向けのプラズマ電源などを手掛けるエレクトロニクス事業の国内展開に関して説明した。同社日本法人の高梨真二郎社長は「グループ全体として1番アクセルをかけている事業」とし、同事業部の国内売上を5年内に主力の板金機械などのマシン事業と同程度に高める意向を明らかにした。現在の事業比率はマシン事業が約5割に対してエレクトロニクス事業は2割程度だが、4年前には数億円規模だった売り上げが10倍ほどに急成長してきた。今後は、半導体製造装置向けのシェアを拡大するとともに、SiC(炭化ケイ素)など次世代のパワー半導体製造プロセスに向けても提案を強化する。 エレクトロニクス事業部の村上晃永事業部長は、同社のプラズマ電源装置の性能について「厳しい条件下でもパフォーマンスを出す必要のある次世代の半導体製造プロセス開発で、当社の電源だと性能を達成しやすいと聞いている」とし、「半導体製造の前工程でプラズマ処理をしている装置メーカーには、日欧米のどの国のリーディングカンパニーに対しても量産採用されている」と明かした。 12月8日には現在、川崎市麻生区に設置している同事業部のサービス拠点を仙台市太白区に移転することも発表。現行拠点の3倍以上の延床面積(800平方?b)を持つとともに、委託ではなく同社が直接手掛ける形へと変更する。高梨社長は「日本のユーザーに対する本気度の表れと捉えていただきたい」と力強く話した。また、12月13日から東京ビッグサイトで開催される半導体業界向け展示会「SEMICON Japan 2023」にも同事業部として初めて出展する。 (2023年11月10日号掲載)

2023年11月17日

鈴木シャッター、漏水量1?/(h・?u)以下の最高クラス防水板

 鈴木シャッター(東京都豊島区南大塚1-1-4、TEL.03-3944-1111)は10月12日より、建物内部への風雨の侵入を抑える防水板・アピアガードシリーズに「起伏タイプ防水板(手動跳ね上げ式)」を追加した。 近年増加しているゲリラ豪雨は、短時間の降水でも浸水するリスクが高い。本製品は設置場所の床面に納まっている防水パネルを立ち上げてロックペダルを踏み、パネルを固定することで設置完了。パネルの運搬や別途保管が不要で、迅速セットと簡単復旧を両立した。 独自の可変軸機構の採用により、建物と防水パネルとの距離を省スペース化。躯体側の常設レールも業界最小で、建物の景観を損ねない。防水性能は1時間の漏水量が平米あたり1?g以下のWs-6と最高クラス。価格(税込)は380万円。 (2023年11月10日号掲載)

2023年11月17日

Skillnote、スキル管理ソフトをTHKに

 クラウド型スキルマネジメントシステム「Skillnote」を提供するスタートアップ・Skillnote(東京都千代田区)は10月18日、直動部品を手掛けるTHKに同システムが導入されたと発表した。開発の試験部門に在籍する技術者を対象に運用を開始しており、今後、他部門への展開など導入拡大を検討している。 導入した試験部門は、新製品の研究開発や試験評価、施策、加工技術開発などを行っており、技術者には高度で多様なスキルや知識、経験が求められる。これまでも教育に力を入れてきたが、Excelによるスキルマップや紙帳票による力量管理では情報が一元化しづらく、増え続ける技術者のスキル項目を細かく管理・数値化することが難しかった。 従業員の力量情報を一元的に管理できるSkillnoteを導入することで、統一基準の下で最新のスキル情報を可視化・把握し、技術者のスキル取得状況から個人に最適な教育計画を立案できるようになった。その後の教育履歴、承認、スキル自動付与までの一連のプロセスと進捗管理も同一のシステム上で完結できるため、組織的な人材戦略の策定の簡素化できるとみる。 (2023年11月10日号掲載)

THK(株)

2023年11月17日

セレンディクス、3Dプリンター住宅

 次世代型3Dプリンター住宅の設計・販売を手掛けるセレンディクス(兵庫県西宮市・小間裕康代表取締役)は、10月から「serendix10(スフィアモデル)」の購入方法に、クレジットカード「ダイナースクラブカード」での決済を開始した。 今回のダイナースクラブとの提携により『デジタル設計で、3Dプリンターロボットで出力した最先端の家を普段の買い物と同じようにカードで買う』という新しい住宅購入スタイルを同社は提案する。 同社は「購入の選択自由度を増すとともに、販売から保障、決済手段など製造方法に留まらず住宅購入の一連の流れを一新する」とし、近未来の住宅エコシステム構築を目指す。 (2023年11月10日号掲載)

2023年11月17日

エンシュウ、独SW社と戦略的協業

 エンシュウは10月18日、横形マシニングセンタ(MC)や製造ラインを製造するドイツのSchwabische Werkzeu gmaschinen GmbH(SW社、グループで社員約1600人)とEV部品向け加工ソリューションについて協業すると、名古屋市で出展中のメカトロテックジャパン会場で発表した。立・横形のシングルスピンドルの小型MCメーカーであるエンシュウと、2?4本のスピンドルをもつ横形大型MCメーカーのSW社が協業することで、「大きな変革期を迎えている自動車業界のお客様の要望に幅広く応えられる」(エンシュウの鈴木敦士社長COO)と言う。 両者の加工機は大きく異なるが、ともに四半世紀にわたり自動車部品向けに特化してきた共通点がある。SW社製MCの日本での納入実績はまだなく、協業によりまずはSW製機の日本での据付、サービス、パーツの供給をエンシュウが担う。時期をみてSW機の制御装置や油空圧機器をエンシュウが日本仕様にカスタマイズしたり営業販売を行う。 エンシュウ製MCの欧州での販売は現状では汎用機が中心。日本でターンキーを組むと輸送費などがかかるためだ。だが鈴木社長は「今後、当社製ターンキーをSW社がインテグレーションして販売する可能性がある。当社はタイやベトナムに工場をもち、SW社はイタリアやアメリカに生産拠点をもつ。お互いの機械を場合によってはそれぞれの工場で一からつくれる可能性もある。そこまで視野に入れながらお付き合いしていきたい」と先を見据える。エンシュウはこの11月にはプロジェクトチーム(リーダー=山田博之上席執行役員CT)を立ち上げる。 (2023年11月10日号掲載)

エンシュウ(株)

2023年11月15日

LIXIL、玄関ドアに「顔認証」

 LIXILは10月27日、「顔認証」を搭載した玄関ドアを2024年に発売すると発表した。まずは玄関ドア「ジエスタ2」にハンドルと一体化させたかたちで搭載する。従来のハンズフリーキーなどに加え顔認証とのダブル認証が可能になるため、同社は「徹底的にセキュリティ性を向上させる新たなカギの選択肢となる」としている。 マンションや店舗などに比べ戸建て住宅で侵入窃盗が多く発生していることに対応した。同社はジエスタ2に続き、ハイエンド玄関ドアシリーズにおいても機能、デザインを向上させて顔認証を展開する考え。 (2023年11月10日号掲載)

2023年11月15日

最新版SOLIDWORKS、2世代前の版と互換性担保

 ソリッドワークス・ジャパンは10月31日、3DCADソフトウェア「SOLIDWORKS」に関する最新情報を報道陣向けに説明した。最新版「SOLIDWORKS2024」では、従来から要望の多かった「下位バージョン形式でのファイル保存」に対応した。これまでバージョンの異なる者同士がファイルをやり取りする場合、ファイル形式の変換の手間やデータ欠損の恐れがあり、最新バージョンへの切り替えを躊躇するユーザーがいた。同社・営業技術部プロダクトマーケティングスペシャリストの滝澤直子氏は「以前のバージョンとの互換性が保たれることで、より共同作業をしやすい環境を提供できる」とみる。他にも図面への寸法の記載方法の見直しや「SOLIDWORKS Simulation」の性能向上、GPU活用による描画性能の向上などが主な変更点として説明された。 10月から提供しているデスクトップ版SOLIDWORKSをクラウド型プラットフォーム・3DEXPERIENCEへ接続可能にする「Cloud Services」についても説明があった。クラウドへ接続するコネクタなどをパッケージとして提供することで、より簡単にすべてのステークホルダーとのデータの共有・管理を可能にする。同社・3DEXPERIENCE WORKS営業技術部の赤代正宏部長は「設計現場ではデータ管理にまつわるトラブルに多くの時間を費やしているケースがある。付加価値を生まない作業をクラウドによるデータ管理で解消し、本来の業務に集中してイノベーション創出につなげられる環境を提供する」と話す。 (2023年11月10日号掲載)

2023年11月15日

ソディック、フェムト秒レーザー加工機

 ソディックは10月17日、燃料電池車(FCV)の電池用金属セパレーター金型などの加工向けにフェムト秒レーザー加工機「LSP5070」の受注を来年1月に始めると発表した。リニアモーター駆動で大型材料(最大ワーク幅500×奥行700×高さ200?_)の加工に対応する。 燃料電池用金属セパレーターはFCV1台あたり約800枚必要とされ、この製造に従来多く使われるプレス金型鋼SKD11では約20万枚しか打てない。LSP5070での加工を想定する粉末高速度工具鋼はSKD11の10倍以上の耐久性をもち、これを用いたプレス金型でのセパレータ?生産を高効率化できるという。 LSP5070はフェムト秒(1000兆分の1秒)単位で発振される超短パルスレーザーを使用。同じエネルギーの場合、パルス幅が短いほど強度の高いレーザーが生成され、高精度に加工できる。ガルバノヘッドは2軸制御で、オプションで5軸に対応。受注生産で年産6台を目指す。販売想定価格は税別1億2000万円から。 (2023年11月10日号掲載)

(株)ソディック

2023年11月15日

THK、文化施設向け免震テーブル

 THKは文化施設の展示ケース用の免震テーブル「VIT型」の受注を10月に始めた。博物館や美術館などで歴史的文化財を収納する、外周4面をガラスで覆った行灯型独立展示ケースを主なターゲットとする。震度6弱以上の大地震を想定した免震性能をもつという。 VIT型は薄型設計(高さは最小96?_)。免震構造は支承(直動案内)・復元(ばね)・減衰(粘性ダンパー)の機能を有し、展示用ガラスケースの真下に設置する。ボール循環方式による転がり案内ユーティリティスライドUGR、粘性ダンパーによる減衰機構、引張ばねによる復元機能をもつ。600?1200?_角の4サイズを用意し、アジャスタ、キャスタ、スライド巾木(いずれもオプション)を取り揃える。 (2023年11月10日号掲載)

THK(株)

2023年11月13日

暖房シーズン前にエアコン手入れ

 コロナは暖房シーズン前のエアコンの手入れ方法を紹介している。夏シーズンに冷房運転をした後は室内機内部が結露するため、放っておくと臭いが発生したりカビ・細菌が繁殖したりしやすいからだ。 同社は4つのポイントをあげる。まず内部乾燥運転で冷房運転中に結露した室内機内部を乾燥させること。このとき室内温度・湿度が若干上昇するので窓を開けて行うか、外出時に行うことを勧める。 次にエアフィルターを掃除し、目詰まりで冷暖房効果が下がるのを防ぐ。自動掃除機能が搭載されている機種(コロナ製はZシリーズに搭載)はリモコン操作で自動掃除機能の設定をオンにする。 忘れがちなのが室外機周りの片づけ。吸込口と吹出口が物などでふさがれていないか確認する。吸込口と吹出口がホコリや落ち葉などで目詰まりしている場合は、ほうきなどで掃除する。 長期間使わない場合は電源プラグを抜くことで落雷などによる故障を防止できる。また、リモコンの電池を取り出しておくと、液漏れなどによる故障の予防になるという。 (2023年11月10日号掲載)

2023年11月13日

日立JC、白くまくん新モデル出荷式

 日立ジョンソンコントロールズ空調は、今秋より販売開始したルームエアコン「白くまくん プレミアムXシリーズ」の出荷式を栃木事業所で行った。式には白くまくんに加え、モデルのゆうちゃみさんも出席、式典を盛り上げた。 新モデルは集塵スピードを従来品よりパワーアップ。浮遊カビや菌、ウイルス、花粉などを抑制する「パワフルプレミアムプラズマ空清」や、室内の気になるニオイを大量の霜で捕まえ、霜を溶かして排出する国内唯一の「凍結脱臭クリーナー」を搭載。こちらは室内機内部で凍結洗浄を行なう範囲を拡大し、冷房時の結露水など汚れが集まる排水トレイまでを凍結洗浄し、水だけで洗い流すことが難しい汚れや菌もしっかり洗浄する。 新たに搭載した「プレシーズンお手入れ」機能は、エアコンを使用するシーズン前にフィルターやファン、熱交換器を自動で清掃運転することにより、故障を自己診断。異常が検知された場合は室内機のランプで知らせるため、機内を清潔にしてからエアコンの使用をスタートできる。また昨今の電気料金高騰に対しても、省エネ基準を10機種中9機種達成するなど、高い省エネ性能も備える。 式典に際して、同社の泉田金太郎バイスプレジデントは「白くまくんは栃木で設計し、栃木で生産したメイドイン栃木の製品。かねてより国内生産回帰を進めているが、昨年は生産ライン拡張に数億円を投資し、繁忙期には200名を追加雇用した。また栃木事業所で購入している部品の45%は栃木県内のサプライヤー様によるもので、日本国内に拡大すれば70%を調達させて頂いている。さらに2024年度はサプライヤー様への発注金額は2022年度比で約10%増加する見通しだ」と語り、今後も国内生産比率を高め、ジャストインタイムでの製品提供と地域経済への貢献を両立していくと力強く語った。 同社栃木事業所長の永田孝夫氏は「日立がここ栃木に工場を構えて2025年で80年を迎える。長きに渡って地域とともに歩んできた地域社会の一員として、より一層地域との連携を深め、共にサステナブルな成長を目指すとともに、ここ栃木から日本の製造業を盛り上げていきたい」と述べた。 (2023年11月10日号掲載)

2023年11月13日

パワーエックス、みやこめっせに超急速EV充電ステーション

 パワーエックスは蓄電池型EV(電気自動車)超急速充電器「Hypercharger」を京都市勧業館「みやこめっせ」(京都市左京区)に設置し11月1日、運用を開始した。公共用としては国内最速クラスとなる最大出力150kWとなる。 公民連携・課題解決推進事業「KYOTO CITY OPEN LABO」の取り組みの一環で、再生可能エネルギーを用いた充電サービスの実証実験となる。12月末までは無料で充電ができるが24年1月からは有料となる。 オープニングセレモニーで門川大作京都市長は「KYOTO CITY OPEN LABOは民間の力、大学の力などを提案型で集め、一緒になってやっていくものだ。昨年11月にパワーエックスにお越しいただき提案を頂き、今日のこの日を迎えられた」とあいさつした。続いて伊藤正裕同社社長が「2020年代後半に日本でも、急速充電施設が多く設置されることで系統電力のひっ迫が起こりうる。日本のCHAdeMOとヨーロッパのCCSでは大きな違いがある。CCSは系統ひっ迫が起きるとスピードが落ちる。日本のCHAdeMOはつないだ分だけ出力する。そうすると超急速充電を多く行う都市部に膨大な負荷かかかり、必要な電力を引き込むのが難しくなる。Hyperchargerはピーク以外に蓄電池に少しずつ低圧で貯め、ピーク時に一気に出す。混み合っている日本には非常に向いている」と説明した。 蓄電池には、30世帯の1日分に相当する350kWが充電されており2台同時に充電しても最大出力120kWで出力。一般的なEVであれば30分程度でフル充電可能だ。1kW時あたり85円(系統電力)や100%再生可能エネルギー由来の電力105円などから選べる(今年中は無料)。なお「PowerXアプリ」から事前予約が必要となる。 実証期間中に利用者へのアンケートなどを実施し、人流などのデータを集め更なる展開も見据える。 (2023年11月10日号掲載)

2023年11月13日

フジ矢、ベトナムにFA事業の新会社設立

 フジ矢は2023年11月、ベトナムドンナイ省のニョンチャク工業団地内に、FA事業の拠点となるFUJIYA TECH VIETNAM(グエン・ティ・トゥイ・リン社長) を設立する。面積は500平方?b。溶接、研磨やハツリなどを行う中小企業をターゲットとし、ロボットを使った研磨やバリ取り、溶接のスパッタ落としなどの自動化システムを提案していく。 庄子就副社長  庄子就副社長は「わが社の強みは、これまで社内で培ってきた金属加工の自動化のノウハウがあること。またベトナムのフジ矢工場での経験を活かしてコストメリットを出していく」とし、通常1千万円以上と言われるFAシステム導入費用だが、600?800万円での提供を見込む。 従業員は5人からスタートし、初年度の売上げは7千万円、3年で3億円の売上げで黒字化を目指す。 「FAシステムは供給が需要に追い付いていない。3年以内にFAシステムの標準品を作りたい」(庄子副社長)。 「ベトナム人技術者のスキルが確実に上がっているのを日々実感している。日本は東南アジアの優秀な人材を使わないのはもったいない」と庄子副社長は、今後も積極的に外国人人材を登用していく姿勢を表した。 バリ取りロボット (2023年11月10日号掲載)

フジ矢(株)

2023年11月10日

高知機型工業、10年先を読んだ「型無し鋳造技術」

 鋳造品の設計開発から模型製作、量産品までオールマイティに手掛ける。そんなものづくりのプロ集団・高知機型工業(高知県香南市・従業員28人)は何事も早い。1989年には3D CAD/CAMを導入。3Dプリンタの黎明期である2006年には前社長自ら米国へ飛び、当時最大級の大型光造形機をいち早く日本に持ち帰った。 当時国内で同じ機械を導入したのは高知機型工業を含めたった数社で、名だたる大企業が研究を兼ねて試験導入するくらいの段階だ。しかし同社は実用化を推進。導入から3年後に型無し精密鋳造技術「デジタル・クイック・キャスト(DQC)」を完成させた。 北泰子取締役副社長  「簡単に言えば設計の3Dデータを元に、一足飛びに最終製品の鋳物を作る技術です」と北泰子副社長は言う。光造形機を使い、紫外線で硬化する樹脂でモデルを作成。この光造形品を使って耐火シェルを製作すれば、従来の2面割の型を作らずとも鋳物製作が可能になる。今でこそ積層造形は広く知られるが、北副社長は「当時は周囲にほとんどご理解いただけませんでしたね」と述懐する。DQCも海外の模倣を防ぐため、あえて特許を申請しなかったほどの先進技術だった。 DQCなら早くて1~2週間で顧客に鋳造品を提示可能。実物で強度等の試験ができるため、必要に応じて設計にフィードバックをかけて鋳物や最終製品の品質を高められる。となれば試作開発で重宝されるのも必然で、同社には各地の大企業から相談が寄せられる。さらに近年はDQCで複雑かつ機能的な建築金物の鋳造も行い、某ファッションブランドのビルや有名建築家設計の施設など、意匠性の高い建築物に相次いで採用された。「デザイナーの方は見た目にも機能にも妥協がない。その要求にほぼ100%お応えする鋳物を製作します」(北副社長) ■SDGsに全力  同社の前身である北木型の創業は1946年。広島で造船の木型技術を学んだ初代社長の北稔氏が、高知市内で造船向けの木型製作をはじめた。今も木型は作るが、自動車や農機、建機、鉄道向けの金型やシェルモールドなどを広く手掛ける型の総合メーカーへ転身を遂げている。製作する金型の数は年間約350。さらに2005年には中国・大連に事務所を構え、鋳造品や鋳鋼品(鋼の鋳物で強靭性に優れる)を調達して顧客へ提供する新事業も軌道に乗せた。 「もちろん我々はメーカーですから、単に商社機能を果たすだけではありません。図面(データ)の段階から相談にお応えし、知見を提供しながらより良い鋳物を作り上げます」と北副社長は言う。日本で鋳造を行うとコストがかかる製品もあるが、同社の調達する鋳物は徹底した管理で品質が保証されるため費用と品質がトレードオフにならない。同事業による鋳物は足元で年間30万個におよび、目下急成長を遂げている。 このように時代に合わせ事業を拡げる同社だが、最近になって手を引いた事業があり、それは手作業での樹脂型製作だ。その理由を北副社長は「再利用できない石膏などの廃棄物が大量に出るからです」ときっぱり語る。「SDGsの観点から樹脂型部門を廃止。さらに機械化でゴミを出さないシステムを構築し、廃棄物を大幅に削減しました」 実は同社は国や県のセミナーで事例発表を行うほど、SDGsを経営に深く取り入れている。取り組みは早くも7年前に始まり、太陽光発電と蓄電池で自社の電力を賄ったり、男性育休を推進し女性リーダーを増やすなど複眼的だ。「SDGsが掲げる17の目標すべてに取り組んでいます」と北副社長。今は木型製作で出る木くずや発泡スチロールくずを燃料にできないか検討中という。先読みの経営でさらなる成長へ向けた布石は万全だ。 (2023年11月10日号掲載)

2023年11月10日

三菱マテリアル、転削加工用インサートを追加

 三菱マテリアル(加工事業カンパニー=東京都千代田区丸の内3-2-3、TEL.03-5252-5200)は多コーナー形汎用正面削りカッタAHXシリーズに、転削加工用CVDコーテッドセラミック材種「XC5010」インサートを追加し、10月16日に発売した。 XC5010は超硬合金と比較し高温下での強度低下が少ないため、高速切削時においても安定した加工を実現。母材への切削熱の伝導を抑制する効果を持つAl2O3コーティングと、表面平滑処理を適用することで異常摩耗や被削材の溶着を抑制する。一般切削用のMKブレーカインサート、耐欠損性を重視したFlat Topインサートの2アイテム。標準価格はともに税込み4730円。 (2023年10月25日号掲載)

三菱マテリアル(株)加工事業カンパニー

2023年11月08日

山善、工具不要で組み立てる木製折りたたみベッド

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は工具不要で組み立てることができ、ベッド下を収納スペースとして活用できる木製の折りたたみベッド「組立簡単木製ベッド 木製パタントベッドシリーズ」を同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やECモールの店舗「くらしのeショップ」で10月上旬発売した。 このベッドの最大の特長は組立ての簡易さ。二つ折りのベッド本体を床に裏返し、ベッドに取り付けられている指定のパーツで前・後・中央の脚部を組み立てると完成する。床との高さは約25cmあり、衣装ケースなどを入れられる。床板はすのこタイプで通気性がよく、ベッドを複数台、ピッタリと連結できる。セミシングルショート(幅80cm)、シングル(幅97cm)、セミダブル(幅120cm)の3種類。価格はオープン。 (2023年10月25日号掲載)

2023年11月08日

シグマー技研、ストレッチフィルム包装機低床タイプ発売

 シグマー技研は11月10日、ストレッチフィルム包装機SSPシリーズから低床タイプ「SSP-LOW-10120」を発売する。ハンドリフトでの乗せおろしが容易にできるのが特徴だ。 回転テーブルの高さ25?_、スロープ角度2度以下を実現。以前の機械では使用出来なかった作業環境でも使用可能となり幅広い業界や分野での採用を目指す。 簡単にハンドリフトでの乗せおろしが出来るため、「フォークリフト免許が無い方がおひとりで作業できる。またフォークリフトが無い工場でも使用可能」(同社)とする。 スロープ1つは初期装備品に含まれるが3方向に取付けが可能で追加購入ができる。 2m四方の面積があれば設置可能で、実機移動手段も初期装備されている移動用リフト差込鋼を取り付ければフォークリフトで簡単に移動できる。フォークリフトが無い場合もオプション品の移動用ハンドルで運べる。 「これまで導入をあきらめていた方に是非お勧めしたい商品だ」(同社)と自信を見せる。 (2023年10月25日号掲載)

2023年11月06日