AMが航空宇宙防衛で実装加速
- 投稿日時
- 2026/06/08 16:34
- 更新日時
- 2026/06/08 16:37
「AM EXPO 名古屋」開催
技能五輪世界大会へ向けた公開訓練も披露
日本AM協会が主催する「AM EXPO 名古屋」が5月22日までの3日間開催され、併設展含め3万2759人が来場した。今回は防衛装備庁が後援に名を連ね、AM技術が航空・宇宙・防衛分野の実装フェーズへ本格シフトしている潮流を強く印象付けた。
日本酸素は、高さ約1300ミリの大型ロケットスラスターを展示。サポート材なしで350時間連続造形した先進例を披露した。AMにより、従来は溶接を繰り返していた複雑な内部冷却流路の一体成型が可能となり、劇的な軽量・コンパクト化を達成できる。また松浦機械製作所も、ハイブリッド金属3Dプリンター「LUMEX」を用いて、同機の最大造形サイズ(W600×D600×H500㍉)に迫る航空宇宙関連部品を190時間かけて造形し、その高い安定性を証明した。
経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)の成果発表では、石川県工業試験場が青色半導体レーザーを用い、外径0.4ミリの極細ワイヤによる精密造形への取り組みを披露。同試験場の舟田義則部長は「独自の光学系を用いてヘッドをコンパクト化し、小型ロボットの先端に装着したAMの形などもあり得る」とし、自動化と組み合わせた将来像を語った。
また、今年9月に中国・上海市で開催される「第48回技能五輪国際大会」の「付加製造(AM)」職種に、宮堂頌也選手(豊田自動織機)が日本代表として初参戦する。会期中、これまでの歩みの報告を兼ねた特別セミナー「技能五輪国際大会AM職種への挑戦」が実施されたほか、5月27日、28日の2日間には同社・共和工場で公開訓練も行われた。
AMの実践活用を行いながら選手の指導を務める大岩洋之氏は「要素訓練を終え、今回は本番に近い緊張感の中で成果を試すことができた。今後は通し訓練や海外プレ大会など、より実践的な訓練にステップを進めていく」と今後の展望を語る。また、同協会の澤越俊幸専務理事は「技能五輪のAM職種で課される実践的かつ先進的な課題と、それに向き合う日本や世界の一流選手の取り組みは、日本や各企業がAMで世界と戦うための指針となる」と、同大会が日本のAM普及にもたらす意義を強調した。
(日本物流新聞2026年6月10日号掲載)