ROBOT TECHNOLOGY JAPAN 2026 レポート【後編】
- 投稿日時
- 2026/07/09 13:20
- 更新日時
- 2026/07/09 14:31
愛知県常滑市で6月13日まで開かれた産業用ロボットと自動化システムの専門展「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN 2026」は、3回目となった今回展からヒューマノイドロボットが見られるようになった。DOBOT JAPANは脚付きやAGV搭載タイプなど3機種で構成する「Atom」を紹介。製造業での本格活用を睨んだ、AGVに載った「Atom-W」の両腕は±0.05㍉の繰返し位置決め精度を持ち、自動車部品の把持・搬送・投入・取出しなどに対応する。「外部との通信なしのスタンドアローンで機能し、AIで模倣学習して自律性をもたせられる」と言う。Mech-MindもAMRに載ったタイプを参考出品した。AIを利用した同社の3Dカメラでかごの中のワークを認識し、左手で掴んで右手に持ち替え、2Dカメラを使って合否判定して見せた。需要があればカメラを含むシステムとして2000万~2500万円で販売する計画という。
AIの利用が広がっている。ドイツ航空宇宙センター(DLR)発のベンチャーで、独・ミュンヘンに本社を置くAgile Robotsは、独自の力制御とフィジカルAIを活用した、周囲の環境に自律適応する自動ハンドリングなどを提案。グループ会社のFranka Roboticsが手がける双腕仕様ロボットによるデモでは、NVIDIAのロボット向け最新基盤モデルによるAI推論を組み合わせ、リアルタイムに自律的に掴み方を判断し、しなやかな動きを見せた。

形状が異なるぬいぐるみを自ら判断して掴む双腕ロボットをAgile Robotsが実演した
光反射ワークも認識
3Dカメラの機能強化にも注目したい。Mech-Mindが参考出品した高精度産業用「Mech-Eye UHQ」は繰返し認識精度を1ミクロンに高め(同社の現行品で最高精度は2.16ミクロン)、電子機器分野での利用を想定する。ロボットアーム先端に付けたカメラがケーブル先端のコネクターを認識し、掴んで運び、1本ずつPC基板に差し込んで見せた。「少しでもずれるとコネクターは差し込めない。器用な人が行っても難しい」と言う。

Mech-Mindの3Dカメラ「Mech-Eye UHQ」を使ってコネクターを1本ずつPC基板に差し込む
YOODSは自動車ホイールを確実にピッキングするため、ロボットアーム搭載の3Dカメラを使った「ホイール認識システム」を出品。画像認識技術とAIを用いてマスターレスで対象物の形状を約1㍉メートルの精度で把握する。従来は対象物に縞模様の光を当て、左右のカメラで見え方の違い(視差)を基に距離を求めていたが、強く光を反射するものは認識しづらかった。「ホイールの大小を問わず対応する。傾けてもピカピカのホイールでも認識できる」と言う。
本展では大物ワークを長時間無人運転できるマシニングセンタやブローチ盤、ステッピング加工でL/D=100に導く微細穴用ドリル、加工機とロボットをつなぐ提案も見られた。北川鉄工所は参考出品として、手押し式のロボット台車「アームリンカー」を初披露した。ロボットアームと工作機械側に設置する固定ベースが付き、メカ式位置決めとパレットクランプにより、高精度に位置決めする。既存の工作機械へも簡単に後付けできる点が大きな強みだ。多くのメーカーの協働ロボットや工作機械に対応し、柔軟なシステム構成を可能にした。「ロボット周辺機器に強い当社ならでは」と自信を見せ、「当社のロボットハンドや測長判定システムと組み合わせることで、現場に合わせた自動化を最適化できる」と話す。

北川鉄工所が初披露した汎用移動式ロボット台車「アームリンカー」
半導体製造装置の重量ワークも自動化
ヤマザキマザックは昨秋発売した複合加工機「INTEGREX i-250 NEO」と、産業ロボットを用いた自動化システム「Ez LOADER 125i」を目玉として展示。「Ez LOADER」シリーズ最大の可搬重量で、丸物重量ワーク(片持ち45㌔)・シャフト重量ワーク(最大60㌔)まで対応する。素材の形状や重量などの情報は『MAZATOROL』で作成した加工プログラムと連携して、ロボットプログラム作成に送れるため段取り時間の短縮と、対話式の入力により、ロボット運用が簡単に行える。
実演では、今受注が旺盛な半導体製造装置のチャンバーや、真空ポンプの中で使われるロータリスクリューをサンプルワークとして採用。「半導体製造装置のお客様は加工工程の自動化に積極的」(担当者)とし、顧客ニーズとのマッチングの高さをPRした。

ヤマザキマザックは複合加工機+産業ロボットを用いた自動化システム「Ez LOADER 125i」でチャンバーなど重量ワークの現場の自動化を推進
タレット交換デモ、止めない現場に挑む
中村留精密工業は、ストッカー内蔵型ワーク搬送システム「RoboSync Type D」で、ワークの着脱作業だけでなく、その先の自動化を見据えたタレットの交換デモを実施。「現状、実機にまだ落とし込めていないが、ワークの着脱や破損・摩耗した工具の交換、検査までの一連の工程をロボットで自動化させたい」(担当者)と意欲を見せた。加えて、様々なメーカーの機械に後付け可能な、工具の破損・予兆検知が行えるソリューション「Dr. Tool」も訴求し、メーカーの垣根を超えた自動化を唱える。

ストッカー内蔵型ワーク搬送システム「RoboSync Type D」によるタレット交換を実演した中村留精密工業
低価格で導入できる自動ワーク交換装置
津田駒工業は、RTJ開幕日に新製品として30番のマシニングセンタの自動ワーク交換装置「Automatic Work Changer」を上市。ロボットではなく搬送アームでパレットごと着脱するため、パレット内に収まるサイズであれば大きさや形状が異なっても都度ティーチングが不要、多品種少量に対応できる。ロボットやAPCよりも低価格なため導入しやすい。

津田駒工業は、昨年のMECTからブラッシュアップした自動ワーク交換装置「Automatic Work Changer」をRTJ初日に発売
昨年のMECTで参考出品し注目を集めた製品で、来場者の声を反映しパレット数を9から15まで増やした。その他、パレットごとに小さなランプも搭載。加工が終わったパレットは消灯し、離れた場所からでも仕事の進捗状況がわかる。
「すでに本展示会中に引き合いもいただいている」(担当者)と好調なスタートを切った。
モジュール組み立てて完全カスタムできるAMR
Keigan(京都府相楽郡)は開発中のAMR「HAUVIL KIT」を参考出品した。アクチュエーターやソフトウェア、センサー、バッテリーの4つのコアモジュールがセットになり、自社の要件に合わせてカスタム設計できる組み立て式AMR。サイズや搭載装置、設備の連携など現場に合わせてフレームから組み立て、調整できる完全カスタムがウリだ。会場では歩く人を他の人物と区別して認識し、追従+マッピングできる様子を実演。「27年の発売を目指す」(担当者)という。

keiganの組み立て式AMR「HAUVIL KIT」。人に追従してマッピングも行う
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ROBOT TECHNOLOGY JAPAN 2026 レポート【前編】
(日本物流新聞2026年7月10日号掲載記事に加筆)