川崎汽船、自動車船での大型・重量貨物輸送強化へ
- 投稿日時
- 2026/07/20 09:00
- 更新日時
- 2026/07/20 09:00
エジプト向け鉄道車両の荷役公開
川崎汽船は6月13日に神戸港六甲アイランドで、エジプト・カイロ向けの鉄道車両を自動車船「OCEANUS HIG
HWAY」に積み込む作業を報道陣に公開した。同船は昨年2月竣工のLNG燃料船で、乗用車6900台を積載できる。この日は牽引車両「タグマスター」で16両の積み込みを順調に終えた。喜望峰回りで約2カ月かけアレクサンドリア港で荷揚げする予定だ。
同社の自動車船事業は売上の約37%を占め単体セグメントでは最大。日本の自動車輸出が本格化した60年代に始まり25年度は約260万台を輸送している。近年は自動車以外の大型・重量貨物の取り扱い拡大に注力しており、工作機械や変圧器、油井管など様々な貨物を輸送。こうした貨物は在来船(重量物船)やコンテナ船でも運ばれるが、自動車船には積載時にクレーンを使わず荷にダメージが生じにくい利点がある。自動車船営業グループ ROROマーケティングチームの田中大輔チーム長は「輸送品質が断然高い」とする。
過去には約40㍍の大型クレーン部品の自動車船での輸送実績も。貨物重量は100㌧前後が目安だが、今後は200㌧級の輸送も視野に入れる。「自動車メーカーのサプライチェーンを支えてきたが、裾野を広げ世界中のサプライチェーンに貢献したい」(田中氏)
今回積載された鉄道車両は、28年中頃に部分開業を予定する総事業費4000億円のカイロ地下鉄4号線向けだ。JICA(国際協力機構)の円借款による支援で建設が進められ、三菱商事と近畿車輛がNAT(エジプト・トンネル建設公団)から車両を受注し、8両編成の車両を23編成、計184両納入する。カイロ中心部からピラミッド地区などを結ぶ19㌔16駅の路線で、観光業への貢献も期待されている。JICA中東・欧州部の田中耕太郎部長は「今回の車両がメトロの顔、日本のシンボルになれば」と期待を込めた。

船内は立体駐車場のように13層のデッキ構造になっている。メインデッキの大型化で鉄道車両のような貨物も積み込める
(日本物流新聞2026年7月10日号掲載)