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都立産技研、研究室をメディアに初公開

投稿日時
2026/10/16 09:00
更新日時
2026/10/16 09:00
シリコンゴムのリコーターに振動を与えるオプションユニットを搭載したAconity 3D社の金属AM装置「Aconity MINI」

AMラボで高精度・高速造形

中小企業を支援する、国内最大規模の公設試験研究機関である地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研、黒部篤理事長、東京都江東区)は9月11日、20の研究室を報道機関に公開した。メディア向けに公開したのは初めて。都産技研の独自の研究成果である28の技術シーズも紹介した。

全国に100以上ある公設試験研究機関は地方色が強い。たとえば青森県にはりんごの研究機関がある。いずれも地方の行政目的に沿う試験・研究・機器の提供・指導・相談を主に中小企業に対して行う。

都産技研は都内に7拠点をもち、研究員約270人を抱える。25年度に技術相談、依頼試験、機器利用を実施した企業はそれぞれ約7500、3000、3300社を数える。公開した「AMラボ1」では海外製のパウダーベッド方式の金属積層造形装置を用いて形状精度の高い造形を目指す。通常、直径20~30ミクロンの金属粉末材料が用いられるが、ここでは10ミクロン程度の粉末を用いて後加工なしで造形したいニーズに応えようとする。ただ、粉末が小さくなると「片栗粉のようにモタモタし、流動性が減ってプレートの上に敷きづらくなる」と言う。そこで振動を与えたりローラーで均したりして克服する。

「AMラボ2」では日本製装置を用いて、パウダーベッド方式による樹脂積層造形の高速化を目指す(東京大学生産技術研究所、アスペクトとの共同研究)。通常、樹脂粉末を100ミクロンほどの厚みで敷くところを250ミクロンにし、レーザーの出力を高めて(100㍗→1000㍗)ビーム径を大きくし(500ミクロン→1000ミクロン)速く振る。これにより2年前に従来比5倍に、最近では7・5倍に造形スピードが上がったという。ただ、レーザーのエネルギーが高くなると光を吸収しやすい表層の樹脂粉末が焦げやすい。そこで深い層まで光が届くレーザーを開発しつつ、光を吸収する添加材を加えることで焦げを克服した。造形スピードが速いと造形物の形状が粗くなるが、「粗さを気にしない自動車のリペア品などを想定しており、金型なしで造形できるメリットが大きい」と言う。

東京都立産業技術研究センター・研究室をメディアに初公開AMラボP2.jpg

従来比7.5倍の造形スピードを達成したアスペクト(東京都練馬区)製の樹脂AM装置

(日本物流新聞2026年10月10日号掲載)