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コロナ、ヒートショック対策で狭小スペース暖房を提案

 急な温度変化が体に負担を与える「ヒートショック」の啓発・予防運動に参画しているコロナ(小林一芳社長)は、自宅で出来る入浴時のヒートショック対策として、脱衣室のあたためを提案している。 同社の遠赤外線電気暖房機「ウォールヒート」は、風呂の脱衣室やトイレ等、「寒いけれど暖房機を置くスペースが無い」といった場所に設置できる壁掛けタイプの暖房機。「本体サイズは、新聞紙1面の約半分とコンパクト。遠赤外線カーボンヒーターを採用しており、スイッチオンと同時にすばやく運転し、輻射熱と温風で身体をあたためる」(同社) 人感センサーを用いた自動運転も可能で、湯上り時には浴室から出てきた瞬間に運転し、急激な温度変化を低減する。また温度センサーが部屋の温度を検知し、室温に合わせてヒーター出力を自動で切り換えるなど、省エネ設計となっている。 (2020年12月25日号掲載)

(株)コロナ

2020年12月24日

イーグル・クランプ、水平親綱用クランプ

 イーグル・クランプ(大阪市中央区大手前1-2-15、TEL.06-6947-0423)は、重要機材の設置向けに水平親綱用クランプ「SBMR型」を製品化した。落体(装備重量)は100kg以下。有効板厚6~25mm、25~45mmに対応する2機種をラインナップした。ねじ式万力と自動締め付け機構の二重のグリップ構造を採用。締め付け状態が一目で分かる確認ラインを設けた。適用部材は、鋼板、平鋼、形鋼、鉄鋼構造物、鋼製梁、鉄骨など。球面のアゴを常に正しい位置に保ち、確実な取り付けを可能にする姿勢制御用圧縮バネも組み込んでいる。 (2020年12月25日号掲載)

イーグルクランプ(株)

2020年12月24日

育良精機、ゴーグルタイプ自動遮光溶接面

 育良精機(茨城県つくば市寺具1395-1、TEL.029-869-1212)は、ゴーグルタイプの自動遮光溶接面「ラピッドグラスゴーグル ハードマスクセットISK-RGG6」を発売する。 ゴーグル本体の遮光フィルターは欧州規格EN379において全項目最高評価のクラス1を実現。広く明るい視野でメガネをしたままでも装着できる。またヘルメットとの併用も可能にしている。標準装備の遮光連動型LEDライトは、平常時と溶接時のオンオフを自動で切り替えてくれる。ゴーグル本体、溶接ハードマスク、LEDライド、保護プレート、溶接フード、携帯用保護バッグのセット内容。価格は税抜き4万8000円。 (2020年12月25日号掲載)

育良精機(株)工具事業部

2020年12月24日

アイトス・倉敷紡績、立体裁断のワーキングウェア

 アイトス(伊藤崇行社長)と倉敷紡績(=クラボウ、藤田晴哉社長)は12月8日、クラボウの特許技術を用いた立体裁断パターン「ムービンカット」を採用したワーキングウェア「ムービンカット」シリーズの最新モデルの作業負荷試験結果を都内で発表した。 アイトスは、ムービンカットシリーズを2002年から販売している。「着やすさ、動きやすさの機能面において高い評価をいただいており、販売累計800万点を超えるロングセラー商品だ」(アイトス)。 今年9月には、より幅広い動きに対応できるよう、さらに動きやすさを向上させたタイプを追加。その機能性を検証するために、着用時の体の動きやすさを測定する試験を行った。一般的な裁断パターンのワーキングウェアとムービンカットの新タイプの同じサイズ、同素材にて作成したサンプル品を被験者3人が着用し、腕を水平、上、下方向へ90度動かして筋電図測定。その結果、ムービンカットの新タイプは一般モデル比で13?23%の負荷軽減効果を確認したという。 「動きやすさなど、ムービンカットの機能面の優位性が立証できた。今後は製造業、建設業、農業、サービス業など、様々な業界に特化した製品を開発、展開していきたい」(伊藤社長) (2020年12月25日号掲載)

2020年12月24日

牧野フライス製作所、立・横MCの機能を一台に集約

 牧野フライス製作所は12月2日、金型加工向け5軸制御立形マシニングセンタ(MC)の新フラッグシップ機「D2(ディーツー)」(=写真)を発売した。D2は同社初の7軸構成マシン。立形MCと横形MCの機能を併せ持ち、従来は工程分割が必須だった金型の上面(形状部)と側面(構造部)の加工を1台に集約できる。 同社営業本部の??山幸久本部長は「当社の金型加工機の受注の約6割を占める自動車金型では、軽量化に向けた樹脂化・ダイカスト部品化が急進展し、ハイサイクル成形のための冷却穴加工が増えるなど形状の複雑化も進んでいる。新製品のD2はこれらの変化に対応し、荒から穴加工、中、仕上げまでの加工を1台に集約することで、金型加工のリードタイム大幅短縮を提案できる」とアピールした。 最大ワークは径2.1m、高さ1.7m。最大積載量は従来の立形MC(V80S/90S)の約2倍(10?d)に大型化した。軸構成はX2200×Y2300×Z1100×W700ミリの4軸に、テーブル(C360度)、主軸傾斜/旋回軸(A165度/B±60度)を加えた合計7軸。出荷開始は21年8月。国内販売価格(税別)は1億5000万円。年間20台の販売を計画している。 「城壁」が剛性確保 D2では堅牢な「城壁」構造によりクロスレール(W軸)を常に支え、Z軸の全ストロークで剛性を確保できる独自構造を採用した。 「門形機の場合は主軸突き出しが長くなると加工性能が落ちやすいが、D2は主軸が上下どの位置にあっても、城壁に支えられたクロスレールが加工時の負荷を受け止める。ランプ型やレンズ型など背の高い深物金型の形状部加工を高品位に仕上げられるほか、主軸ヘッドを90度傾斜させた側面からの穴加工などにおいても高い剛性を確保できる」(同社)。なお、城壁の下部にはワークが入り込むことができ、幅が広い正方形金型でもテーブル旋回せず上面全てを加工できる。 立形MC「V80S/90S」で好評の、傾斜・旋回軸を持つコンパクトな5軸ヘッド(50番)も採用した。同時5軸の動作を主軸側で実現できるため、短いストロークで滑らかに動き、高速化が可能。特異点(主軸位置変化時の大きな軸移動)通過時の急激な回転動作も発生しづらく、良好な加工面を実現する。 (2020年12月25日号掲載)

2020年12月24日

ZOLLER Japan、プリセッターに工具脱着付加

 ZOLLER Japanは、ツールプリセットから測定、切削工具の自動脱着まで1台で完結する装置のラインナップを拡充した。コレットチャック、焼ばめホルダ、油圧ホルダなど、締付方法に応じた機種を製品化。5軸向けの焼ばめホルダで実績を重ねるMSTコーポレーション製専用機も新たに加えた。 手作業であることから、生産性向上のボトルネックになっている「工具段取り」の省人化ツールとして提案する。マーケティングマネージャーの奥健一氏によれば、「大変な労力と時間がかかるうえ、工具の突き出し長さを設定するのも難しい。締付作業を自動化することで安全が確保でき、突き出し長さも高精度に仕上げられる」という。 使い方は、中心のスピンドルにホルダをセットし、工具を挿入するだけ。突き出し長さを±10ミクロンの公差内で保持する。設定した突き出し長さまで自動でチャッキングするだけでなく、刃先形状、寸法など、測定したデータを工作機械に転送もできる。 コレットチャックタイプは様々なナット形状に合わせた締付アダプタを用意。油圧ホルダタイプは締付レンチ、焼ばめホルダタイプは加熱コイルが自動で選択される機能を搭載した。「外部にロボットハンドがあれば、工具のセットから検査まですべて自動化できる」(奥マネージャー)とする。 11月に大阪ショールームで開催したプライベートショーでも提案。「ツールプリセッターは精度の高さと使いやすさから日本市場でも売り上げを伸ばしているが、精度や機能の向上は、これ以上望めないところまで実現した感がある。これからはツールプリセッターを工具段取りの一つと捉え、できるかぎり自動化することが理想」とした。 (2020年12月25日号掲載)

ZOLLER Japan(株)

2020年12月24日

アセントロボティクス、AI教育に必要なデータを自動生成&自動教育

 「『AI教育を自動化している』という点が、我々の特色であり強みだと考えている」。 12月10日から広島産県立広島産業会館で行われた「第4回 ひろしまAI・IoT進化型ロボット展示会」での一幕。山善ブースで行われた東邦工業とのコラボ展示で、アセントロボティクス(東京都渋谷区)の担当者はそう力を込めた。 同社が披露したのは、製造現場におけるロボットピッキングのためのAIソフトウェア「アセントピック」。ピッキングする部品を3Dカメラで認識し、AIを用いて把持位置を判断することで高精度のピッキングを実現する?というものだが、この把持位置認識AIを支えるコア技術こそが、独自開発されたAI教育環境だという。 「従来、シミュレーターは『シミュレーションを行うもの』と認識されているが、我々の場合は『AIの教育環境』だと捉えて頂いたほうが良いかもしれない」と、アセントロボティクスの担当者。通常、AI教育のためには膨大な実データが必要になるが、同社が開発したシミュレーターは、教育に必要なデータを短時間で大量に生成できる機能を備えているのだという。「ワークのCADデータを基にあらゆるケースを想定したランダムなデータを自動生成し、それをもとに自動で教育を行うため、様々なケースに対応できる非常に安定性の高いAIを実現している」(同社)。 こういった利点に加え、同社がアピールするのがコスト面での優位性だ。「セットアップが非常に簡単なため、立ち上げ工数を削減できる。また、AIの安定性が高いがゆえに、使用する3Dカメラが安価なもので済むという点も特長の1つだ」と担当者。実際に東邦工業とのピック&プレースシステムのコラボ展示で採用したのも、3万円程度の安価な3Dカメラだという。 リリースしたばかりのアセントピックだが、担当者は「ユーザーの反応はとても良い」と手ごたえを語る。「やはり大規模な生産ラインや物流センターであればあるほど、カメラが安く済むという特長が喜ばれる」。今後は拡販に向け物流業界や製造業における部品のセットアップ工程へアピールを強める考えだ。 (2020年12月25日号掲載)

2020年12月24日

山善、ひろしまAI・IoT進化型ロボット展に出展

 AI・IoTなどを用いた最新技術や、ロボットやその関連分野による自動化ソリューションなどを集めた「第4回 ひろしまAI・IoT進化型ロボット展示会」(ひろしまAI・IoT進化型ロボット展示会実行委員会主催)が、12月10日からの2日間、広島県立広島産業会館 西展示館で開催された。製造業の生産性が今一度見直されるなか、来場者はロボットシステムインテグレーターやソフトウェアメーカーによる技術提案に熱い視線を注いでいた。 全46社・団体の展示のなかでも、一際広いブースを構えてアピールしたのが山善だ。ユニテックとテックマンロボット社による部品供給システムなど、協働ロボットを用いた自動化デモを複数出展。東邦工業とアセントロボティクスによるコラボブースでは、東邦工業の「平面フィーダー」とアセントロボティクスのAIソフトウェア「アセントピック」による、バラ積み部品のピック&プレースデモを展示した。 このデモラインでは、(1)平面フィーダーで振動を加えることで部品を平面に均し、協働ロボに取り付けたカメラで認識(2)AIが掴む場所を自動で判断(3)協働ロボットへ指示を出す?という一連の流れを披露。東邦工業の担当者は「今回のデモでは3Dカメラを使っているが」と前置きしつつ、「山積み状態の部品のピッキングには本来高額な3Dカメラが必要だが、平面フィーダーで部品の重なりをなくすことで2Dカメラでも対応が可能になる」と、平面フィーダーを用いた部品供給のメリットを語った。 「来場者には新たな発見や驚きを持ち帰ってもらいたい」(山善)と、ブースではロボットを用いた自動化展示以外にも関連する周辺技術を複数展示。テクノソリューションズのCFRPコンポジット3Dプリンター「Markforged Mark Two」を用いて短時間で製作したロボットハンドや、サインポストの設置だけで経路設定が可能なTHKのAGV「SIGNAS」などが注目を集めた。 また、広島の展示会では初出展というエクスツールドホーンの砥粒流動加工機も披露。同製品は粘弾性キャリアと砥粒を混合した「メディア」と呼ばれる独自の研磨剤を用いることで「複雑形状の部品に対してもピンポイントかつ高精度の研磨ができるうえ、内面研磨とエッジ部のR付けなど複数工程を1度で行える」(エクスツールドホーン)と言う。 ブースにはそのほか、設備や測定機器などのシェアリングや遊休資産の企業間直接売買サービスを手がけるSharing FACTORYも出展。担当者は「コロナ禍で企業の予算が削減されたこともあり、中古販売、シェアリング共に問合わせが増えている。設備を探している人がフリマサイトのように直接情報にアクセスできる仕組みのため、業種・業界を越えた思わぬマッチングが成立することも多い」と手ごたえを話した。 (2020年12月25日号掲載)

2020年12月24日

DMG森精機、海洋マイクロプラ調査研究に協力

 DMG森精機は、外洋セーリングチームDMG MORI SAILING TEAMが参加中の世界一周ヨットレース「Vendee Globe2020-2021(ヴァンデ・グローブ)」において、海洋中のマイクロプラスチックの調査研究に協力する。Vendee Globeは約80日間で単独無寄港無補給で南半球を一周(総走行距離約4万キロ)する外洋ヨットレース。ヨットセーリングはエンジンを使わず風の力のみを動力とするため有害な排気・排水は一切ない。船に積載した水力発電とソーラー発電によって電力を確保し、飲料水などは海水から真水に変える浄水装置を活用。環境に非常に優しい競技と言える。 レースの航行海域には南氷洋などが含まれる。同社は「研究がまだ行き届いていないこれらの海域でマイクロプラスチックのサンプルを採集することで、近年世界的な課題としてあげられるこの問題に対して、少しでも貢献できるのではないか」と動機を話す。採集したマイクロプラスチックのサンプルは、レース後に国立研究開発法人海洋研究開発機構に提供し、同機構で調査研究が行われるという。 (2020年12月25日号掲載)

DMG森精機(株)

2020年12月24日

山善、人工木のデッキパネル

 山善は高級感と耐久性を高めた「グランドデッキパネル」を全国のホームセンターならびに同社が出店・運営するインターネット通販「くらしのeショップ」などで11月中旬から順次発売している。コロナ禍によって外出を控える人が増え、アウトドア気分を味わいたいというニーズに応えた。 樹脂に木粉を配合した人工木を使用。厚さ3.7センチと重厚感があり、3種類のサイズ(幅300ミリ。奥行300、600、900ミリ)から組み合わせられる。玄関のちょっとした踏み台にも使用可能。価格はオープン。 (2020年12月25日号掲載)

2020年12月24日

リンナイ、ハイブリッド給湯・暖房システム

 リンナイ(愛知県名古屋市中川区福住町2-26、TEL.052-361-8211)は電気とガスを組み合わせた家庭用ハイブリッド給湯・暖房システムECO ONE(エコワン)に、屋内設置タイプのラインアップを追加し12月15日に発売する。 ECO ONEの省エネ性能(年間給湯効率128%と業界トップクラス)はそのままに屋内設置で凍結予防にかかる電気代が節約できる。パワフルな給湯・暖房能力をもち、リビングはもちろん浴室や寝室、子ども部屋などを1台で暖められるという。外出中はスマートフォンで、家の中ではスマートスピーカーへ話しかけて湯はりや床暖房のスイッチが入れられる。希望小売価格は税別84万9500円。 (2020年12月10日号掲載)

2020年12月11日

タカラスタンダード、沓摺り小さくしたシステムバス

 タカラスタンダード(大阪市城東区鴫野東1-2-1、TEL.06-6962-1507)は新築マンション市場における浴室のシェア向上を図るため、同市場向けとして初めて専用シリーズ化したシステムバス「リラクシアMPタイプ」を12月21日に発売する。新築マンション向けキッチンでは商品仕様やサイズ調整など細やかな対応力で約75%のシェアを誇るが、浴室では新築マンションの納まりに適合しきれていなかった。 新製品は沓摺り(脱衣場と浴室の高さの差)を小さくした専用架台構造を採用し、バリアフリー化が進む新築マンションでの販売を2022年度までに現在の2倍に伸ばす考え。

2020年12月11日

ベッセル、電ドラボールに従来比約4倍のハイスピードモデル

 ベッセル(大阪市東成区深江北2-17-25、TEL.06-6976-7773)は、電動による早回しと手動による手回しを両立した「電ドラボール」の高速タイプ「電ドラボール ハイスピード 220USB-S1」を12月17日に発売する。 配電盤の結線作業における「ネジ締めスピードをさらに早めてほしい」「停止時の反動で手首が疲れるため、反動の小さいものがほしい」というユーザーの要望を元に、「反動の少ないハイスピード」モデルとして開発。無負荷回転数毎分1200回転と従来機種(220USB-1/-5)の約4倍のスピードアップを果たしつつ、電動締付の場合は0.4N・mで停止するなど低反動仕様とした(従来機種220USB-1/-5は2N・mで停止)。「着座時の反動がほとんどなく、グリップを握る手首にかかる負荷が減少する」という。 本体重量は160g。リチウムイオンバッテリー搭載で、USB端子で充電ができる。価格はオープン。 (2020年12月10日号掲載)

2020年12月11日

ミツトヨ、国内最大級の提案型ショールーム

 ミツトヨ(沼田恵明社長)は今年6月に「3Mソリューションセンタ宇都宮」を開設した。ノギス、ハイトゲージなどの測定工具や三次元測定機などを生産している宇都宮事業所内に地上3階建てのソリューション棟を建設。その1階と2階に国内最大級の提案型ショールーム。展示面積は1741平方?bで、1050点の製品(測定工具は除く)を展示している。 「2003年5月より宇都宮事業所内にショールームを設けていたが、今回、ショールームの機能拡充と校正事業の強化を目的にリニューアルした。見学だけでなく、測定機器の実演を通じ、ユーザーの課題解決法につながるようなソリューションを提案していく」(同社)。 同センタの最大の特長は他のソリューションセンタにはない横形CNC三次元測定機「CARB STATO Dual601624」などの大型機を展示している点だ。同機は「自動車のボディや船舶用部品などの大型ワークの高精度測定に向く」と言い、センタでは自動車のボディを用いたデモを見ることができる。 「インライン・ニアラインゾーン」では、現場対応型CNC三次元測定機「MiSTAR555」やロボットアームを搭載している牧野フライス製作所のAGV「iAssist」を用いた測定工程の自動化デモを行っている。 ほか、併設の校正作業を行う「キャリブレーション・ラボ」や測器工場、MC工場、清原工場の見学も可能だ。 (2020年12月10日号掲載)

2020年12月11日

ダイヘン、アルミとGA材の異材接合

 ダイヘンは、アルミニウム合金と合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA材)の異材接合技術を開発した。スパッタ発生量を大幅に抑える「シンクロフィード技術」を応用したもの。古河電工独自のビームモード制御と組み合わせたレーザ・アークハイブリッド溶接法として、実用的な強度を可能にした。 車体軽量化による燃費向上が求められている自動車業界で普及している亜鉛めっき鋼板向けに開発した。想定した材料は、めっき層の付着強度が強く、プレス性、溶接性、塗装耐食性に優れているGA材。アルミとの溶融接合で課題とされる金属間化合物の成長を抑えた。 レーザ光をこれまでの連続照射からパルス照射に変更。高いピーク出力でGA材のめっき層を除去して接合性を向上させたほか、レーザ未照射期間に入熱を抑えることで金属間化合物の生成を抑制した。 6000系アルミとGA材の接合において、一般的な4000系ワイヤとの組み合わせで引張強度110MPaを可能にした。この強度は「JIS規格スポット溶接部の引張せん断強度換算値でA級判定基準の2倍以上に相当する」(溶接機事業部)という。 アーク溶接をベースにした異材接合技術であることから、現状の溶接ラインに使用している治具などの設備を流用できるうえ、「構造部材の形や生産工程を大きく変更することなく、構造部材の素材をアルミに変更できる」としている。リベットや接着剤などに比べて工程時間が半減し、特殊な材料が不要な点もメリットに挙げている。 (2020年12月10日号掲載)

(株)ダイヘン

2020年12月11日

ソディック、生分解プラの生産性向上へ

 ソディックは生分解性プラスチックの生産性向上を目的に、eV?LINE(イー・ブイライン)電動射出成形機「MSシリーズ」に搭載できる、不活性ガス溶解射出成形システム「INFILT?V(インフィルト)」を開発し、11月より発売した。INFILT?Vシステム装置一式の定価(税抜、成型機本体は含まず)は1650万円から。 自然界の微生物により分解される生分解性プラスチックは、廃プラスチックの利用率の低さや海洋プラスチック汚染の問題の解決策として、さらなる利用拡大が期待されている。生分解プラは溶融したときの粘度が高く、加工の困難さが課題だったが、新開発のINFILT?Vが樹脂材料の粘度を低下させる可塑剤の役割を果たし、従来は薄肉成形が困難であった生分解性プラの成形加工を容易に実現できるようになった。 INFILT?Vは、樹脂材料の金型に充填する射出プランジャから不活性ガスを直接注入する新たなシステム。可塑化部と射出部を分離したソディック独自のV?LINE方式と組み合わせることで樹脂材料を安定して計量・射出でき、不活性ガスの溶解による樹脂材料の粘度低下現象がコントロールしやすくなった。 生分解性プラスチックを樹脂材料に用いた実証事例では、肉厚0.4?_、全長105?_のコップ形状の薄肉深物成型品を、充填不足によるショートショットを発生させずに安定成形することを実証した。 (2020年12月10日号掲載)

2020年12月11日

コロナ、石油ファンヒーター2020年モデル

 コロナ(小林一芳社長)は、冬場のウイルス予防や部屋の乾燥対策に同社の石油ファンヒーター「WZシリーズ」を提案している。 一般的に風邪やインフルエンザなどの予防には、 室内湿度を40~60% に保つのが良いとされている。また、灯油は1リットル燃焼させると約1リットルの水分を放出するので、石油暖房機による暖房は、エアコンなど他の電気暖房機に比べて部屋が乾燥しにくくなる。 「石油ファンヒーター『WZシリーズ』の36?`ワットタイプを使用した場合、最大火力時の燃料消費量は1時間に350?_リットルほどなので、水分350?_リットルを加湿する。これは小型の加湿器を1時間運転した時と同等の加湿量になる」(同社) また、石油ファンヒーターの設置場所は「窓の下や壁面に置くのがおすすめ。外気に接する窓の下や壁面に置くと、冷気がファンヒーターで暖められ温風として対流するので、より効果的」(同社)。 (2020年12月10日号掲載)

2020年12月11日

MOLDINO、金型向け高送り工具を拡充

 MOLDINO(墨田区両国4-31-11、TEL.03-6890-5102)は、ダイカスト金型や樹脂金型の荒加工向けの刃先交換式工具「アルファ高送りラジアスミル TR4F形」のラインナップを拡充した。 新たに追加されたのはホルダがボアタイプφ50~φ100全20アイテム(多刃タイプ 8アイテム)、シャンクタイプφ32、φ40の4 アイテム、モジュラータイプがφ32、φ 40の2アイテム。インサートは5材種全10 アイテム(低抵抗ブレーカタイプ4アイテム)となる。 独自のインサート形状で高い切削負荷に対応し、切削時のビビり振動を抑制。バーチカル加工も可能にするなど、幅広い加工用途に対応する。価格はホルダが3万9270円から、インサートが1360円(いずれも税抜き)。 (2020年12月10日号掲載)

2020年12月11日

ヤマザキマザック、柔軟に運用できる5軸機

 ヤマザキマザックは、テーブルに搭載できるワークサイズと加工領域を拡大した同時5軸加工機「VARIAXIS i?800 NEO」を発売した。イケール(治具)を利用したワークの多数個取りなど柔軟な運用が可能。主軸の移動速度を高速化することで、加工サイクルの短縮を図った。販売価格は税別5180万円から。年間100台の販売を目指す。 最大積載ワーク寸法をΦ1000×415?_(重量1?d)に設計した。各軸の移動量はX750×Y890×Z600?_。より高速な軸送りに対応する自社製の新型ボールねじを新たに採用することで、XYZ軸の送り速度を毎分48?bまで高めた。工具交換装置は制御方式を改良し、次回に使用する工具の呼び出し時間を短縮している。 CNC装置として最新の「MAZATROL SmoothAi」を搭載した。生産性と加工精度を高めるAI機能を標準装備。加工品の計測データ履歴をAIが深層学習することで、加工誤差の発生要因をパターン化し、自動補正することができる。AI適応制御で加工条件を自動変更してビビりを抑え、なめらかな加工面を可能にした。 自社製CAMソフトウェア「Smooth CAM Ai」を使うことで、オフィスPC上に仮想マシンを構築。干渉チェック、加工時間予測、切削時の主軸負荷、切りくず排出量をシミュレーションし、加工工程の改善につなげる。 多段パレットストッカシステムや横形マシニングセンタとの混成ラインなど、生産形態に合わせた自動化システムを構築できる点も売りにしている。同機導入後の後付け、既存システムへの接続も可能。多関節ロボットの運用を支援するソフトウェア「Smooth RCC」に対応しており、「加工スケジュールから必要なプログラムと工具を精査し、不足があれば作業指示として通知する」という。 (2020年12月10日号掲載)

2020年12月11日

高松機械工業、本社で自社展

 高松機械工業は11月26日までの3日間、石川県白山市にある本社内でプライベートショーを開催した。新型コロナウイルス感染症対策として、時間帯ごとに定員を設けて実施。自動化、工程集約向けのCNC精密旋盤を中心に展示した。 最新機種として、8インチクラスにミーリングとY軸を搭載した精密旋盤「XT?8MY」(来春発売予定)を披露した。完品複合加工の特徴を生かすことで、EVなどの新たな市場を開拓するのが狙い。クラス最小のスペースで最長353?_のロングシャフト加工が可能な点を実演で見せた。 ヘリカルミーリング、外径重切削、エンドミル高速加工に加えて、来場者の注目を集めたのが高圧クーラントによる切りくず処理だ。14MPaまで高めることで、切りくずを分断するだけでなく、刃物の延命と加工条件アップを可能にした。 高速クーラントユニットを設置したトクピ製作所の森合主税社長によれば、「ポイントは流量とノズル径。個々のメリット以上に、生産性が上がることで得られる利益に大きな価値がある」という。 1台に3つの主軸を搭載した倒立形CNC精密旋盤「XV?3」は、多様な工程の集約が可能なうえ、省スペースに設置できる点をアピールした。会場奥には、同社FAシステム部の提案として機械間に協働ロボットを設置してワーク搬送する様子を見せた。 プライベートショー終了後も、約2週間は事前予約制で個別に見学を受け入れる予定という。高松宗一郎社長は「JIMTOFが中止になった時点で開催を決定した。WEBによる提案も含めて『何が正解か』を検討しながらお客様との接点を増やしていきたい」と話していた。 (2020年12月10日号掲載)

髙松機械工業(株)

2020年12月11日

ナガセが6年ぶり内覧会

 ナガセインテグレックスは12月18日までの3週間、6年ぶりとなる内覧会を岐阜県関市の本社工場で来場者を制限して開催している。長瀬幸泰社長は「創業70年で最も画期的な開発ができた。ナガセの機械は昔は(一般的な機械の)2倍の価格だったが今は少し高い程度。それで工程戻りがなく、かつてない高い生産性を発揮できる」と自信を見せる。 同社の内覧会は例年、3日間で約1千人が来場した。今回はJIMTOF後の3週間と期間を大幅に拡大したが、コロナ禍の対策をして1日6組(1組3人まで)の予約制とし、計300人弱の来場者を予定する。工場の見学コースではJIMTOFでアピールした新製品をカバーを付ける前の状態で見せるほか、カタログにも載せていない機種(レンズ金型の加工に向く、4軸仕様と5軸仕様のナノグラインディングマシン)や超精密加工したワーク、自社大型設備(テーブル寸法10×2・5?bの研削盤など)、出荷前の製品(5×2.5?bの研削盤など)を紹介する。 目玉となった超精密成形平面研削盤「SGi-520α」(有効加工範囲500×200?_)は、同機に搭載できる砥石成形用のスマートドレッサシリーズの開発により多彩なユニット構成を実現。細溝加工や形状加工、成形加工、機上測定にも対応する。ミーリング機能(オプション)も用意し、営業本部の長尾昌浩副本部長は「工具を16本搭載でき、位置決め精度は±0・2ミクロン」と切削加工も精密に行えることを訴える。超精密門形成形平面研削盤SGDシリーズに新たに加えた「SGD?206」は、2260×7130?_と同一加工面積比で業界最小の設置スペースを誇る。モーターコアなどの大型金型や大型部品の加工に向く。 開発中の研削加工支援アプリも紹介する。研削業界初の試みで、ワーク寸法・材質、研削・ドレッシング条件、求める品質などを設定すれば、その加工に最も適したマシンを提示してくれる。長瀬社長は「最適な機械をスコアで示すことで、お客様に考えてもらえる材料をお出しできる」と言う。来年3月、幕張メッセで開かれるGrinding Technology Japan 2021で完成品を披露する。 (2020年12月10日号掲載)

(株)ナガセインテグレックス

2020年12月11日

ファナック、ロボマシン3機種の新製品を公開

 ファナックは11月27日に閉幕したJIMTOF2020Onlineでロボマシン3機種の新製品を発表した。 小型切削加工機ロボドリルの新機種「α?DiB Plusシリーズ」では同社の最新CNC「Series 31i?B Plus」を搭載した。加工時間を短縮するファストサイクルテクノロジーや高品位加工に対応するファインサーフェステクノロジーなどの最新CNC機能を活用できる。また、新たに同期スピンドルモータ搭載のタッピング主軸を追加し、5種類の主軸仕様から加工対象に応じて主軸を選択できるようになった。タッピング主軸と最新ソフトの適用に加え、早送り速度の向上、固定サイクルの改良など基本性能の向上も進めており、タップの多い加工でサイクルタイム短縮効果を高められる。各種ネットワーク機能に標準対応し、工場の自動化やIoT化にも対応する。 全電動式射出成型機ロボショットの新機種「α?SiBシリーズ」では大画面表示装置(21.5インチフルHD PANEL iH Pro)を採用したほか、EUROMAP77・82対応など生産管理システムや周辺機器とのネットワーク対応を強化した。射出性能(最大射出速度)の向上による成形範囲も拡大した。 ワイヤ放電加工機ロボカットの新機種「α?CiCシリーズ」では最新の表示装置(PANEL iH Pro)採用で描画速度が向上した。機械剛性の強化による加工精度の向上、放電装置の改良による加工面品位の向上のほか、新放電制御iPulse3の適用により加工条件の簡単調整も可能にしている。 (2020年12月10日号掲載)

2020年12月11日

オーエスジー、国内工場30年ぶりのリニューアル

 オーエスジーが約30年ぶりに国内マザー工場の大規模なリニューアルに踏み切った。今年10月にすべての工事が完了した「NEO新城工場」がそう。多品種少量生産を実現させるために、デジタル化の徹底で工程の見える化を図った。 生産するのは、超硬ドリル、超硬タップ、ハイスドリル、ハイスエンドミルだ。月産能力は70万本以上。6千種類、8千ロットに対応する。 超硬ドリルと超硬タップは1ロットあたり20本以下がほとんど。広報担当者は、「200本もあればかなり多い方。この規模の工具工場で、これだけの多品種少量生産に取り組んでいるのは、世界中でも恐らくNEO新城工場だけでは」と推測する。 標準品と特殊品の混合生産であっても、「世界最強の競争力を持つ」のが目標だ。重視したのは製造工程の見直し。特殊品が多くてロットも小さい超硬タップと、ニーズの高まりから国内2カ所(新城・大池工場)で生産していた超硬ドリルの作り方を「できるだけ統一する」ことで、多能工化を進め、需要変動にも対応した人員配置を可能にした。 生産、品質、設備保全に関係する情報のデジタル化も推進した。 加工機ごとの稼働率、生産スケジュール、生産状況、流動数などを共有し、収集したデータを分析。状況に応じた最適な組み入れを行うことで、標準品、特殊品ともにリードタイムの短縮を目指している。加工された製品は、引き当て材料、加工履歴ともに、測定値を品質情報としてサーバーで一括管理。トレーサビリティーの確保を図った。 設備稼働率を上げるために、砥石、治工具、プログラムを一括管理する「外段取り」も実施している。さらに今年10月には生産管理システムの新バージョンを導入。次世代型と位置付ける複合研削盤と自動検査装置も開発している。 担当者は、「月あたり7千ロットも生産する工場なので、本質的に大切なことは、人の力を生かすことと捉えている。人が中心であり、ツールとしてデジタル化を進めている」と話す。 NEO新城工場は、ロットにかかわらず、QCD(品質・コスト・納期)を満足させることができる生産体制の実現を目的としたプロジェクト「OSG4・0」の一環。顧客、営業、設計、製造の情報を「OPDM」(OSG Product Data Managument)で一本化し、受注力強化と利益の最大化を進めている。 (2020年11月25日号掲載)

オーエスジー(株)

2020年11月27日

三菱マテリアル、ヘッド交換式エンドミルにラフィングを追加

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(東京都墨田区横網1-6-1、TEL.03-5819-8770)は、ヘッド交換式エンドミル「iMXエンドミルシリーズ」にチタン合金加工用クーラントホール付き4枚刃ラフィングラジアスヘッド「iMX-RC4F-C」を追加発売した。 ヘッドとホルダの拘束面を全て超硬合金製とすることで、ソリッド工具に近い剛性を発揮する同シリーズは、多彩なヘッド交換が可能で経済性に優れ、高精度・高剛性・高能率加工を実現できるという。今回追加したiMX-RC4F-Cは、「ラフィング形状により切削抵抗が低減され、機械剛性やワーク剛性が低い場合、工具突出し長さが長い場合に有効。またセンタースルークーラントホールにより、切りくず排出性を向上させた」(同社)。 DC10~20mm、全15型番をラインナップ。代表型番の価格は税抜1万9100円~4万4600円。 (2020年11月25日号掲載)

2020年11月26日