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スギノマシン、スイングアーム式ロボ

 スギノマシンは産業用ロボット「スイングアーム式コラムロボット」の2品種において最大可搬質量を増やしたタイプをそれぞれ開発した。10月23日まで名古屋市で開催のメカトロテックジャパンに出品した。 ともに生産ラインでの部品搬送や加工後・洗浄後のエアブローなどの用途を想定する。4軸で可搬質量が20キロの「CRb020H4(水平形)」(同社従来機の2・8倍)は軽量アームとリンク機構を組み合わせた独自構造により高速動作が可能。スカラ型ロボットのような、アーム上部への垂直軸の飛び出しがなく、水平軸を含むロボットの高さ低減や±180度の旋回動作が可能。税別500万円からで来年4月の発売予定。システムとして初年度販売20台を目指す。 6軸で可搬質量が50キロの「CRb050V (垂直形)」(同3.3倍)はアームを下向きに折り畳んだ時の最小旋回半径が515?_以下で、装置間などの狭いエリアへの設置や省スペースでの旋回動作が可能。垂直多関節ロボットのような後側へのアーム飛び出しがなく、安全柵の設置スペースを縮小できる。価格や発売時期は未定。 (2021年10月25日号掲載)

2021年11月05日

シーメンス、電源品質解析ソリューション発表

 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア(以下シーメンス)は、アナログIC、デジタルIC、ミクスドシグナルIC設計向けに、パワーインテグリティ(電源品質)解析ソリューション「mPower」を発表した アナログICは、音や動き、映像などの物理的な「現実世界」のデータをデジタル形式に変換するもので、電子機器、自動運転、IoTなど幅広く活用されている。こうした伸長著しいIC業界において、シーメンスはEDA(導体や電子機器の設計作業を自動化で行うこと)向けソリューションでICパワー解析市場に参入する。 同ソフトは、トランジスタ数の制限なく評価が可能であり、アナログ、デジタルICの両方のエレクトロマイグレーション(EM)や電圧降下(IR)の解析に対応。これまでツールがなかった大規模のアナログIPブロックを対象とした解析を可能にした。 「2.5D/3DIC実装に加えて、すべての2D設計規模の電源品質解析を可能にし、既存の設計フローにも容易に統合することができる。『mPower』 を利用することで、設計者は、パワーIC関連の設計目標が満たされていることを、より迅速かつ詳細に確認できる。これによってIC分野ユーザーの品質の飛躍的な向上、信頼性の強化、市場投入までの時間の短縮に大きく貢献する」(シーメンス・プロダクトマネジメント担当シニアディレクター、ジョセフ・デイビス氏) (2021年10月25日号掲載)

2021年11月05日

ジャパンビルドに1万人超

 建築総合展の「第5回[関西]ジャパンビルド」(主催:RX Japan)が9月29日からの3日間、インテックス大阪で開催された。今回展には3日間で延べ1万540人(速報)が来場。最新の建材や建機の無人運転技術など、建築を支える諸技術に注目が集まった。 ホーローを用いた内外装材「Emawall」の優位性をアピールしたのがタカラスタンダードだ。「40~50年色褪せず劣化しない耐候性がウリ」という同製品を用いて、鉄製のブラシで擦ったり、火で炙っても壁面が劣化しない様子を実演で披露。油性マジックも水で落とせる特性を活かし、ホワイトボード用途でも使えることをPRした。 「Emawallは国内人口が減少するなか、非住宅分野を攻めるべく開発された商品」と担当者。「徐々に認知が進んできたが伸び代はまだまだある。自由なデザインを印刷できるなど意匠性にも優れ、近年では駅の内外装や企業の受付など、様々な場面で採用されている」と話した。 一方、ダイキン工業は感染症の広まりを受けて店舗やオフィスなどに向けた換気ソリューションを提案。後付けできる全熱交換器ユニット「ベンティエール」や、従来品比10倍のスピード除菌が可能な「UVストリーマ空気清浄機」を披露した。担当者によると「店舗やオフィスなどで集客に向けた安心感の醸成のために導入するケースが増えている」という。「感染者数が落ち着いてきたとはいえ、情勢を鑑みればやはり何らかの換気対策は必要。特に簡単に設置ができる製品の需要が高まっている」(担当者)。 ゼネコン大手として知られるフジタは、住宅設備機器大手の長府製作所と共同開発した寝室用パネルエアコン「眠リッチ」を出品。風を直接体に感じることがなく体に優しい放射冷暖房による、睡眠時の快適な温度管理を提案した。熱源にヒートポンプ式を採用した同製品は、吸い込んだ空気を加熱/冷却し、高い熱エネルギーを持った空気を作りだすことができる。その空気を幅広ファンで放出し、特殊繊維で編み込んだ「サーモテックファイバー」と呼ばれる布を使用したパネルで熱エネルギーを赤外線へ変換することで、室内を直接加熱/冷却。睡眠中の体に負担をかけない、ムラのない温度管理が可能になるという。 「サーモテックファイバーの特性で室内機から吹き出された乾燥した空気を適度に透過させるため、結露が発生しない。稼働時も静かで風を直接体に感じることがないため、1年を通して快適な眠りを提供できる」(担当者)。会場ではサーモテックファイバーの目の細かさを活かし、プロジェクターのスクリーンとしても使える様子もPRした。 (2021年10月25日号掲載)

2021年11月05日

タカラスタンダード、木造建築のショールーム

 タカラスタンダードは10月23日、和歌山県にある「紀南ショールーム」を移転リニューアルオープンした。 同社では全国で初めてとなる木造建築を採用。18mの木造梁をそのまま見せた木造トラス構造で、開放感のある空間でゆっくりと見学できる点が魅力だ。構造材や仕上げ材には、地元の紀州材を使用。地元特産の白梅や熊野古道などをイメージしたアートホーローも展示することで、より身近に感じてもらえるようにした。 ショールーム(延床面積387平方?b)は、田辺市内、白浜町・上富田町方面との交差点に位置しており、多方面からのアクセスの良さも特徴。同社によれば、「50代以上の方のリフォーム需要が多く、中高級品が多く売れる地域でもある」という。室内は、鋳物ホーロー浴槽を採用した浴室、重厚感のあるブラウンシルクのレミューを設置したLDK、「実際の家に多い」6畳ほどの部屋など、より具体的にリフォーム後の快適な生活をイメージできる展示を数多く盛り込んだ。 (2021年10月25日号掲載)

タカラスタンダード(株)

2021年11月05日

アマダ、汎用性高い小型ファイバーレーザ

 アマダは発振器出力3?`ワットでコンパクトな板金切断用ファイバーレーザマシン「BREVIS-1212AJ」の販売を10月から本格的に始めた。薄板から中厚板まで幅広い切断加工向け。同社はこれまでファイバーレーザマシンのラインナップを「REGIUS-AJ」「VENTIS-AJ」「ENSIS-AJ」の3機種を展開し、薄板から厚板、さらには大板材までの高速・高品位切断加工を提案してきた。 BREVISはサイズ2.4×3.1mで、加工範囲は汎用性の高い4×4インチ(1219×1219ミリ)。NC装置にはスマートフォン感覚で簡単に操作できる「AMNC 3i」を搭載。1種類のレンズで加工し、材質や板厚に応じたレンズ交換が不要。同社は「ファイバーレーザマシンを初めて導入するお客さまでも簡単に操作が可能。低いパスラインで楽に素材を搬入出できる」と言う。月間販売10~15台を目指す。 (2021年10月25日号掲載)

2021年11月03日

ユニバーサルロボ、アームカバーをUR+に認証

 ユニバーサルロボット(日本支社=東京都港区)はRocket Road(福岡市)が開発・製造する協働ロボット用アームカバー「ロボユニカバーウェア」を、ユニバーサルロボット製協働ロボットの周辺機器プラットフォーム「UR+」製品として認証した。 ロボユニカバーウェアはロボットを高温環境や溶接時に発生するスパッタなどから保護する。ロボットの機能を阻害しない先端素材を活用し、デザインから縫製まで独自の技術を用いて製作している。ストレッチ性の高い素材でロボットへの着脱が容易。多彩なカラーバリエーションを揃えた。 (2021年10月25日号掲載)

2021年11月03日

アジア金型産業フォーラム講演

 NPOアジア金型産業フォーラムは9月29日、オンラインで「EV化による車体構造の変化」と題した講演を開催。自動車関連の技術コンサルティングを行うリンツリサーチエンジニアリングの小松隆代表が登壇し、電動車における車体構造のトレンドと今後についてを見通した。 現状、EV車はガソリン車より部品点数が大幅に減少している一方で、車体重量は同クラスの車格でも平均して約240~460キログラム重いという。その重量の大部分を占めているのがバッテリーである。 さらに航続距離を伸ばすため各社の搭載バッテリーは増加傾向にあり、車幅やホイールベースの拡大といった車両の大型化が進んでいる。 車重の増加が与える影響として、衝突安全性能の低下が懸念される。走行中の車両が有する運動エネルギーは質量に比例し、衝突した際に車体は変形することでそのエネルギーを吸収する。 小松代表はこうした重量増に伴う衝突安全性能への対応は、車体構造設計時から求められているという。 「スチールからアルミで約70~100キロ、スチールからCFRPでは約140~200キロの軽量化が見込める。こうした材料置換に対応できる生産技術の進化が求められる。また、現行の断続溶断フレーム構造に留まらず、車体の効率化をさらに高める設計や、接合箇所の削減、高効率の接合技術が必要となる」 さらに、今後の軽量車体への方向性として「コスト・生産性を重視する従来型の車体においては1200Mpa~1500Mpa冷間プレス材の開発と加工技術の進化が必要。また車体構造設計に工夫が必要。ただし大幅な軽量化は限界が近づいている」という。 また、マルチマテリアルによる軽量車体については「骨格本体やボディにアルミ・CFRPを採用することで大きな効果が見込めるが、高い異種材接合技術が必要になるうえ、生産性やコストの問題に加え、リサイクル面などで大きな課題が残る」とし、「様々な素材で成形可能なチューブフレームの活用など、マルチフォーミングによる車体軽量化に期待したい」と語った。 (2021年10月25日号掲載)

2021年11月03日

フクシマガリレイ、長期ビジョン発表

 フクシマガリレイは10月8日、カーボンニュートラルの実現に向けたサスティナブルビジョンを発表した。創業100周年となる2051年を見据えた環境長期ビジョン「Dramatic Future 2050」の一環として、グリーン冷媒への転換、冷媒ガス漏洩防止、環境性能の高い製品の開発などに、ガリレイグループ全体で取り組む。 SDGsの一つである「気候変動に具体的な対策を」への取り組みを柱に、第一段階として30年までの行動計画を策定した。福島豪専務は冷凍機などのCO2排出量を示したうえで、「当社には大きな責任がある。CO2排出量の削減だけでなく、食の安全・安心の追求、フードロスの低減など、食生活品質の向上を目指し、SDGsアクションを会社活動に落とし込む」と話した。 具体的な行動として、25年の新規製品・設備に使用する冷媒はグリーン冷媒(低GWP・ノンフロン)に転換する。冷凍機内蔵製品で加重平均GWP500以下、別置製品・工事でGWP1500以下を目指す。福島専務は、「冷媒の開発競争が続くなかで高い目標を設定するのは適切ではない。3年をめどに上方修正した目標を出せるだろう」とした。 冷媒ガス漏洩防止の一つとして、ITを駆使したプレメンテナンスの拡充を挙げた。遠隔監視データと過去修理データを使用し、故障の前兆を予知。故障前にサービス対応し、予兆の段階で予防処理をすることで漏洩を防ぐ。25年の製品・施工物件から冷媒漏れ10年保証を開始し、35年には10年以内の製品・施工物件の冷媒漏洩量ゼロを目指す。 (2021年10月25日号掲載)

2021年11月03日

OKK、立形MCシリーズ刷新

 OKKは、立形マシニングセンタ「VMシリーズ」をモデルチェンジした。機械構成要素(モジュール)として生産できるように、設計レベルの見直しを進め、リードタイムを約3分の2に短縮。部品の共通化とともに、操作性の向上も図った。 VMシリーズは、2020年時点で約3600台の出荷実績がある主力機種。高い機械剛性によって得られる切削能力が受け、幅広い層で使われている一方で、「機械の短納期が要求される現在において、受注から出荷までのリードタイム短縮が課題となっていた」(OKK)という。 ラインナップとして、「VM43R?U」(テーブル作業面800×420ミリ)、「VM53R?U」(1050×560ミリ)、「VM76R?U」(1550×760?_)を展開する。日常点検機器の位置を機械背面に集中させることで保守作業を容易にした。旧モデルでも定評のあった接近性をさらに向上させたのも売り。さらに、正面扉は天井部まで大きく開口させ、扉開閉のレールもなくすことで、クレーンでのワークの積み下ろしをスムーズにした。 コラムとベース結合部の幅は1.3~1.5倍に拡大。コラム単体剛性を大幅に高め、「さらなる高レベルな機械剛性を実現」した。熱変位対策として、50番ギヤ仕様主軸への冷却構造を強化し、ヘッド前面にも冷却油を循環させる構造を加えている。 独自の環境熱変位補正「ソフトスケールCube」も標準搭載。主軸端面は2面拘束主軸(BBT)を採用したほか、標準主軸仕様を最大8千回転(18・5/15?`ワット)まで引き上げている。 (2021年10月25日号掲載)

ニデックオーケーケー(株)

2021年11月01日

山善が有人走行できるAGV

 山善は有人でも走行できるAGV(無人搬送車)「eve auto」(最高時速10?`、登坂性能12%)を来年7月に発売する。リチウムイオンバッテリーを用いて夜間や雨天でも走行できる。ヤマハ発動機が新たに開発したもので、1.5トンのけん引が可能という(積載は300キログラム)。10月15日まで東京で開かれた国際物流総合展関連企画で披露した。 走行ルートの変更・調整が容易で、レイアウト変更が多い工場や屋内外での搬送自動化に向く。山善は「パワフルなこのAGVの導入でフォークリフト、トラック、人件費が削減できるので大きな費用対効果が見込める」とする。サブスクリプション(定額サービス)で1台あたり月々60万円前後での利用を想定する。 (2021年10月25日号掲載)

2021年11月01日

DMG森精機、金属AMの新機種投入

 DMG森精機は9月30日、報道陣向けに「伊賀事業所 メディアデー」を開催した。冒頭会見に立った森雅彦社長は「コロナ禍で世界的に工場の単純労働者が減り、自動化に舵を切る企業が増えた。自動化のためには工程を集約しなければならない。そうした要因で、わが社の製品にも急速に活気が出てきた」と挨拶。2030年ごろの目標として掲げた「8000億~1兆円」という売上の達成に向け、前向きな姿勢を示した。 会場で披露されたのが、レーザ金属AM機「LASERTEC 3000 DED hybrid」だ。5軸加工機をベースに複合加工と金属AMを1台に集約し、切削加工と金属AMをワンチャッキングで行うことが可能に。ノズルから金属粉末とレーザを同時に噴射し、金属粉末を溶融・凝固させることで積層造形を行うDED(Directed Energy Deposition)方式を採用している。 この方式は造形時間が早く大型ワークの積層に向いており、同機ではAMヘッドが縦向きの場合はφ400ミリ×1321ミリまで、ヘッドを旋回させることでΦ670ミリ×932ミリまでの積層に対応。金属粉末の切替も可能で、いわゆるバイメタル(異種金属の組み合わせ)にも対応するという。 プレゼンテーションでAM開発部の廣野陽子部長が語ったのが、金属AMを巡る需要の変化だ。廣野部長は「AMが航空宇宙や医療等の高付加価値の分野にしか使えないという時代は過ぎ去ろうとしている。以前は積層造形で1からのビルドアップを目指すユーザーが多かったが、近年は『必要な箇所だけにちょっと積層する』という用途が増えている」と指摘。今後は修理修復や、必要な箇所だけにコーティングを行う「チョイ盛り」用途がメインになるとして、「そうした要望に応える金属AMのワールドスタンダード機として同機を開発した」とした。 同機には積層状態を監視できるモニタリングシステムも搭載。積層品質を安定させてワーク不良を未然に防ぐことができる。廣野部長は「金属AM機を『大企業が味見で購入する』時代はすでに終わっており、生産に用いるためにはモニタリングにより品質が担保されているかを確認する必要がある」と、監視機能の必要性を語った。 メディアデーでは、9月に開設された「修理復旧技能研修センタ」も披露された。全世界の修理復旧担当者の育成と技能向上を目指したもので、日立精機製のビンテージ機から最新の複合加工機、「MATRIS」などの自動化設備まで40台以上の機械を配置。5軸・複合化や自動化に幅広く対応する「スーパーサービスエンジニア」の育成を通じ、修理時間の短縮や機械の稼働率向上につなげていくという。  (2021年10月25日号掲載)

DMG森精機(株)

2021年11月01日

クリナップがライフスタイル提案

 クリナップは10月1日、2019年から1都3県で先行テスト販売していたLDK空間の中心で使いやすい小型キッチン「HIROMA」(10月4日本格販売開始)を東京・渋谷で報道関係者に披露した。オンラインとリアルの両チャンネルで販売する考えで、代理店を全国展開する。竹内宏社長は「見積りから発注、決済まで対応できる専用ウェブサイトを構築した」と力を込めた。 HIROMAは天然無垢材(ホワイトオーク)テーブルにワークトップ・シンクが一体となったキッチンテーブル、ダイニングテーブル、ワゴン収納、椅子などで構成する。老舗家具メーカーの飛騨産業(岐阜県高山市)と協業して実現した。キッチンテーブルは3種用意し、ロータイプはワークトップ高さをテーブルと同じ713?_に抑えたことで座って調理でき、食べる人と視線が合う。クリナップは「量産キッチンとして天然無垢材を部分的に使うものはあってもここまで全面的に使用したものはおそらく他にない。新しいカテゴリー、ライフスタイルを提案したい」と言う。 キッチンテーブルの価格は税込48万9500~85万7230円。公式ホームページを用意し、11月上旬には公式オンラインショップを公開する。年間100~200セットの販売からスタートする考え。 (2021年10月25日号掲載)

2021年11月01日

日本電産マシンツール、操作支援搭載の門形MC

 日本電産マシンツールは、門形マシニングセンタ「MVR?Cxシリーズ」を市場投入した。テーブルの作業面積は、「MVR30Cx」で幅2000×長さ4000~5000ミリ。製缶構造物などの一般大物部品加工において、一品物、多品種少量生産を効率化する機種として開発した。 受注から出荷までの生産時間を大幅に短縮する新たな操作支援機能「Nidec Navi」を標準搭載。加工プログラム作成、デバッグ、加工前の被加工物の芯だしなど、加工初期設定を簡単にする豊富なオリジナル画面を用意した。 プログラムの作成は、ガイダンスによる操作の容易化を図ったほか、簡易衝突防止機能(オプション)も準備し、機械操作が初めての場合でも「使いやすいように作業性を高めている」という。機械トラブル発生時には3Dビジュアルガイダンスを操作画面に表示。復旧までの一つひとつの動作支援だけでなく、標準搭載しているIoTプラットフォーム「DIASCOPE」で、同社サポートセンターから工場の設置機にリモートでアクセスして機械の状況を把握し、モニタ情報に基づいて迅速にサポートする。 主要構造体は、オール鋳物化と熱対称構造を採用することで、安定加工を可能にした。主軸最高回転速度は毎分4千回転(オプション=6千回転)。製缶構造物の内側に入り込みやすい円筒形のアタッチメントを標準搭載した。 主軸、アタッチメントの潤滑には、グリースを使用。供給用エアの削減などエネルギーコストの大幅な削減を図った。15?dトラックでの搬入や狭小間口への設置を可能にした組立構造も特長に挙げている。 MVR?Cxシリーズは今年8月、日本電産の傘下になって初めての新製品。日本電産マシンツールは、2026年3月期の売上高1000億円を掲げており、その中核として大型工作機械事業を拡大する方針だ。 (2021年10月25日号掲載)

2021年10月29日

イグス、4種類の材質を用いた3Dプリント

 イグス(日本法人:東京都墨田区、吉田剛代表取締役)は9月30日、最大4種類の材質を使ったマルチマテリアルプリントで、耐久性・耐摩耗性を備えた複雑形状の3Dプリント部品の製造を可能にしたと発表した。従来部品に複数の特性をもたせるためには複数の工程を経る必要があったが、この技術により、多機能で耐摩耗性のある特殊部品をワンステップで迅速かつ経済的に製造できるようになる。 同社では昨年からマルチマテリアルプリントで異なる材質を組み合わせた特殊部品を製造してきた。今回はこのサービスをさらに拡充し、マルチマテリアルプリント専用の新材質を開発。同社のマルチマテリアルプリント材質は、通常の3Dプリント材質と比べ最大50倍の耐摩耗性をもつものや磨耗限界を検知するものなどそれぞれ様々な特性を備える。これらの材質を最大4種類組み合わせることで、耐摩耗性や強度、弾性やスマート機能など様々な特性を持った多機能部品を1工程で製造できる。  (2021年10月25日号掲載)

2021年10月29日

ホームロジスティクス、新会社設立

 家具大手ニトリの配送を担うホームロジスティクスは9月27日、一般貨物自動車運送事業者として新たに、ホームカーゴ(東京都北区、柳川弘之社長)を設立したことを発表した。 ニトリグループ全体のスケールメリットを活かした一貫物流の実現のため、国内ドレージ搬送(コンテナの陸上輸送)の一翼を担う。ニトリ関東DC(埼玉県白岡市)内にホームカーゴ埼玉営業所を設立し、9月下旬から関東圏内でのドレージ輸送を開始。自社で車両を保有し、港から各物流拠点までの輸送の効率化を図り、コスト削減に取り組むという。なお、ホームロジスティクスの今後の国内物流拠点再配置に合わせ、事業を順次拡大していく予定。 (2021年10月25日号掲載)

2021年10月29日

山真製鋸、凍らせたペットボトル使った水冷リュック

 山真製鋸(静岡県浜松市、TEL.053-468-6380)は凍らせたペットボトルとリュックサックを使って背中を冷やせる「水冷リュック」を開発した。10月9日まで千葉市で開かれたJAPAN DIY HOMECENTER SHOWで紹介した。来年の発売予定。 水冷リュックは手持ちのリュックサックの背中に接する面と側面に固定して用いる。凍らせたペットボトルを側面に格納し、細い水管に入れた少量の水が背中部分を冷やす。外気温に左右されやすい、送風による空調服よりも冷却効果が高いという。ペットボトルは取り出しやすく、飲むこともできる。同様の原理で冷やし、リュックサックを使わずに単独で用いる「水冷ベスト」も開発した。 (2021年10月25日号掲載)

2021年10月29日

シチズンマシナリー、タイ工場の生産能力5割増へ

 シチズンマシナリーは主要製造拠点の一つであるCITIZEN MACHINERY ASIA CO., LTD.(タイ国アユタヤ)を増床する。12月に着工し、来年11月に竣工する予定。これにより生産能力を従来比5割増の月産350台体制に増強するほか、ショールーム棟を新設することで販売サービス機能も拡充する。 世界的な工作機械受注の増加に対し、安定供給体制の構築を目指す。増床により延床面積は4475平方m多い2万7488平方?bとなる。ショールーム棟(延床1848平方m)には13台の機械を展示し、テストカットが可能。NCスクールを行うトレーニングルームなどを設置する。同社は「エンジニアも2名増員させ13名体制とし、アセアン・南アジア地域の拡販を目指す」としている。 (2021年10月25日号掲載)

シチズンマシナリー(株)

2021年10月27日

スギノマシン、1.4m幅の立形MC

 スギノマシン(富山県魚津市)は今夏発売した主軸テーパ30番小型・立形マシニングセンタ「SELF-CENTER SC-V30a」の販売を本格化する。10月23日まで名古屋市で開催のメカトロテックジャパンに初出品した。 「小物部品には小型マシンを」をコンセプトに1986年に販売を始めた「SELF-CENTER」は立形や横形、テーブル移動型からコラム移動型まで多彩な機械構成バリエーションをもつ。近年、電気自動車関連部品に代表される複数ユニットを一体化した大型アルミ部品の増加と、短い製品サイクルへの柔軟な対応が求められており、新製品はそれらのニーズに応えた。加減速度はX・Y軸1.3G、Z軸1.7Gを実現。同社は「非切削時間を極限まで短縮。同期スピンドルモーターの採用で高速回転・高送り切削を強化し、アルミ材の切削で従来比約3倍の高効率加工を実現した」と言う。 X軸ストローク700?_を確保しながら、機械幅はわずか1440?_に抑えた。販売価格1900万円で初年度100台の販売を目指す。 (2021年10月25日号掲載)

2021年10月27日

花岡車輌、段差・勾配に強いAGV

 花岡車輌は段差・勾配に強い自律移動型AGV(無人搬送車)「DANDY AUTO-PILOT」を来年発売する。同社はAGVを「ダンディシャトル」として20年にわたり販売してきたが、止めていた。台車メーカーならではの機能で差別化できるとして10年弱ぶりに再開。10月15日まで東京で開かれた国際物流総合展関連企画で初披露した。 最高時速2.4キロの新製品の連続走行時間は約8時間、最大荷重200?`グラム(段差・勾配時は100キログラム)。4度のスロープを上り、12ミリの段差を越えられる。センサーやカメラを備え、簡単にマップ作成する。前部に搭載するタッチパネルで直感的に操作し自由な経路設定が可能。同社販売企画室の花岡雅室長は「工場内に傾斜や段差のある中小製造業に使っていただける。センサーなどを使って人やモノをよけるので安全に走行できる」と言う。 2019年の羽田空港の格納庫に続き、20年には高輪ゲートウェイ駅で実証実験を実施し、扱いやすいAGVを目指し改良を重ねた自信作だ。 (2021年10月25日号掲載)

花岡車輌(株)

2021年10月27日

山善、PPAモデル事業参入

 山善は10月11日、大阪ガスの100%小会社であるDaigasエナジー(大阪市中央区)とPPAモデル事業における基本業務提携を締結した。 PPA(Power Purchase Agreement)事業モデルとは、発電事業者が自らの負担により太陽光発電システムを設置し、発電した電気を顧客に販売するモデルのこと。両社は共同のブランド「DayZpower(デイズパワー)」を立ち上げ、今年10月から同事業へ参入する。 山善は、仕入メーカーや得意先を中心に提案する。契約を結んだ顧客の工場、店舗、物流拠点などの屋上や敷地の遊休地などに、太陽光発電パネルを無償で設置。直接、受電設備へ接続することで、系統送配電網を介することなく、そこで発電した再生エネルギー電力を顧客に供給・販売する。Daigasエナジーは、太陽光発電システムのエンジニアリング、維持管理、電力料金の請求業務などを担当する。 このスキームによって、「顧客は初期投資の負担をすることなく、安定的に再エネ電力を調達でき、自社の再エネ電力使用率の引き上げやCO2排出量削減が実現できる」(山善)という。自立運転機能を備えれば、企業のBCP対策として停電時の予備電源となるほか、オプションの蓄電池システムで、昼間蓄えた電気を夜間に使用することもできる。 両社は、今回のPPAモデル事業で、2024年度末までに10万キロワットの発電設備を保有し、販売する発電量を1億キロワット時(一般家庭約2万3137世帯分の年間電力消費量に相当)とする予定だ。 (2021年10月25日号掲載)

2021年10月27日

三共製作所、ゼロ・バックラッシの2軸円テーブル

 三共製作所(名古屋営業所=愛知県名古屋市昭和区福江1-3-3、TEL.052-857-0577)はゼロ・バックラッシ減速機構RollerDriveを内蔵したCNC傾斜2軸円テーブル装置の新シリーズ「RTBシリーズ」を10月1日に発売した。高速位置決め、高剛性でスムーズな回転を併せもつ。 この減速機構は予圧状態で調整することが可能なため、バックラッシを完全に除去できる。位置決め用途に使用する場合バックラッシが無いため、正転、逆転の繰り返し動作に対しても常に高い位置決め精度を保つことができ、構造上ガタが無いため、加工条件によっては従来の円テーブルでは必要とされるクランプ機構を必要としない。テーブル径100mmの「RTB100」(許容積載質量35kg)と同170mmの「RTB170」(100kg)で構成。 (2021年10月10日号掲載)

2021年10月25日

松浦機械製作所、省スペース&幅広ワーク対応の5軸立形MC

 松浦機械製作所は10月13日、5軸制御立形マシニングセンタ「MX-420 PC10」を発売した。5軸加工入門機としてシリーズ累計1603台(2021年9月末時点)の実績を持つ「MXシリーズ」の最新機種として投入。長時間無人運転・変種変量生産に対応するフロアパレットシステム「PC10」を標準搭載している。 最大ワーク寸法はD420ミリ×H300ミリと、従来機種(MX-330 PC10)のD330?_×H300?_と比べ径方向に90ミリ拡大。幅広いワークに対応できるようになった一方、フロアスペースは従来機種(MX?330 PC10)と比べ全幅+483ミリ、全長+371?_とコンパクトにまとめた。 「初めてでも安心・簡単5軸」というMXシリーズのコンセプトを継承しつつ、稼働状況をNC画面で見える化した「稼働情報監視機能」に標準対応。工作機械向け通信プロトコル「MTConnect」を使って上位システムへ出力する機能をオプションで用意している。標準価格は3450万円(税別)。 (2021年10月25日号掲載)

(株)松浦機械製作所

2021年10月25日

国際粉体工業展大阪2021

 粉体を扱うソリューションを集めた「国際粉体工業展大阪2021」[主催:(一社)日本粉体工業技術協会]が10月13日~15日、インテックス大阪で開催された。東京・大阪で隔年開催している同展だが、今回はリアル展とオンライン展を併用したハイブリッド方式を採用。リアル展には会期中の3日間で計4167名を集めた。  オーダーメイドでの粉体ハンドリングソリューションを数多く打ち出す大有は、袋体ブレーカを出展。中身が固化してしまった袋体やフレキシブルコンテナ、ファイバードラム等の中身を効率よくほぐし、その後の作業工程を楽にする。 上から揉む「ユニットA」、上下から挟んで揉み込む「ユニットB」、サイドを揉む「ユニットC」と、袋体の中身や状態に合わせた3種類のユニットを展示した。 「いまだにバットやハンマーで固着した中身を砕いている現場は少なくありません。こうした作業を安全、簡単に行えることに加えて、作業中に袋体やフレキシブルコンテナを破袋させることなく中身を揉みほぐすことが出来るので、安定した切り崩しが可能」(大有・正野浩一支店長) 製造現場向け集塵機メーカー・ムラコシは立体商標としても登録されているおなじみの集塵機「MYコレクター」を出展。スイッチを入れると袋が立ち上がり、吸引した粉塵は遠心力を利用して下袋に溜める。 「ローコストかつメンテナンスも簡単。キャスター付きのため楽に移動させることができ、設置面積も小さく置き場所に困らないなど、多くのユーザー様に支持して頂いている。粉体においても現場に合ったラインアップを用意できる」(同社)。 攪拌機・攪拌装置メーカーの佐竹化学機械工業(11月より佐竹マルチミクスへ社名変更)は、インバータと本体が一体となったポータブルミキサー「A720-BX」を出展。標準装備のオリジナルの攪拌翼は高い攪拌性能と低消費電力を両立している。オプションの「ワンタッチカップリング」は接続部をワンタッチで取り外せる仕様。「食品・医薬工場などで部品の洗浄を簡単に行える」という。 (2021年10月25日号掲載)

2021年10月25日

カルテック、独自の光触媒技術

 カルテック(染井潤一社長)と日本大学医学部内科学系血液膠原病分野は、共同研究した 光触媒搭載の除菌脱臭機が感染症予防効果において有用という研究結果を発表した。 同研究の成果は、実使用環境下において新型コロナウイルスのみならず、一般細菌やウイルス、真菌による感染症予防が期待できるという。 実験は日本大学医学部付属板橋病院にある複数の病室に、カルテックの光触媒搭載除菌脱臭機を設置。設置前後で1カ月間のFN(発熱性好中球減少症)患者が12人から3人へと減少。なかでも65歳以上の高齢FN患者は10人から2人へと減少。感染弱者である免疫力が低い高齢者や基礎疾患を有する患者に対し一定の感染症予防効果が期待できるという。 「細菌・真菌・ウイルスによる感染対策としてこれまでの実験室レベルの検証から実空間における光触媒除菌脱臭機の有効性が期待できるデータが得られたことの意義は大きい。病室における感染リスクが低下することで患者の入院期間の短縮や投与する薬価の低減もできる可能性がある。免疫力は年齢とともに低下し感染リスクが高くなるため、高齢者が多い介護施設や老人ホームにおいても有効性が期待できる」(日大医学部病態病理学系臨床検査医学分野・飯塚和秀氏) 今回の研究結果を踏まえ、カルテックでは「病院や介護施設をはじめ、第6波、第7波に対する平時の備えと、未知のウイルスに対するパンデミック対策に対し当社の光触媒技術の社会実装を目指していきたい」(染井社長)としている。 (2021年10月25日号掲載)

2021年10月25日