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京セラ、摩耗と欠損に強い旋削加工チップ

 京セラは10月7日、旋削加工用チップの新材種として、高硬度材の加工に向くコーティングCBN「KBN020」を発売した。汎用性が高く、自動車のシャフトやギヤなど、高硬度材が使われる産業に幅広く提案する。 新開発の高強度CBN母材に、同社の新コーティング技術である「MEGACOAT TOUGH for CBN」を成膜。耐摩耗性と耐欠損性を高めた。これにより連続~断続・強断続まで幅広い加工領域で安定加工と長寿命化を実現。汎用性も高く、CBNチップを集約することで生産性の向上につなげる。 新たに採用した母材は高い放熱性をもち、コーティング性能を引き出すことが可能。一方MEGACOAT TOUGH for CBNは高い密着性をもち、膜剥離を抑制し耐摩耗性を向上させる。標準価格は7150円~1万560円(税抜き)。 (2022年11月10日号掲載)

京セラ(株)

2022年11月23日

マークフォージド、金属3Dプリンティング事業強化

 マークフォージド・ジャパンは10月25日、8月に米Markforgedが金属3Dプリンタを手がけるスウェーデンDigital Metal(デジタルメタル)を買収した狙いについて、都内で会見を開き説明した。 マークフォージド・代表取締役社長のトーマス・パン氏は「AM(Additive Manufacturing:積層造形)は設計自由度が高いため要求度の高い課題をイノベーティブに解決できる可能性がある一方で、樹脂・セラミック素材では対応できない課題が多く、金属素材を求める声が年々高まっている」と金属AMの可能性に期待を示した。 マークフォージドは既にFFF(Fused Filament Fabrication:熱溶解積層)方式の金属3Dプリンタ「Metal X」を販売しているが、デジタルメタルは金属粉末に液体結合材を噴射して固形化するバインダージェット方式を採用する金属3Dプリンタ「DMP/PRO」シリーズを有しており、同社を買収することで製品ラインナップを拡充したことになる。 Markforged・メタルプロダクト統括マネージャーのロス・アダムス氏は「初心者でも使いやすいMetal Xが金属3Dプリンティングの民主化マシンだとするならば、デジタルメタルのバインダージェット方式3Dプリンタは高速・高精度で、使い方によっては1万~100万個ほどの量産ができるのが特長」と述べ、今後、金属3Dプリンティングでの部品製造が自動車・医療分野などで広まると見込むことから、同社の掲げる「分散型ものづくり(Distributed Manufacturing)」実現に向けたラインナップ強化の意義を強調した。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月23日

TOKYO PACKレポート

 10月14日までの4日間、東京ビッグサイトの東1?3・6ホールを使用して開催された「TOKYO PACK 2022」(主催:〈公社〉日本包装技術協会)は来場登録者数約5万3千人、出展社数406社、小間数1602小間を記録した。今回展では「新時代パッケージ ここに集う! ?未来のための機能進化と使命?」をテーマに環境対応や自動化・省力化につながる製品が多数見られた。 脱プラの逆風を受けながらも、プラスチック製品の強みを活かした提案をしたのが国盛化学だ。段ボールなどの板材をワンプッシュで締結できるパンロックの新製品「パンロックRE」は、2層強化段ボール(10ミリ×2枚)などの分厚いものも簡単・強力に締結することができ、繰り返し使用できることが特長。同社の担当者は「輸出向けにはプラスチック包装から強化段ボールへの移行が進んでいます。本製品は厚みのある板でも簡単に締結でき、従来品と違い繰り返し使用可能です。素材にポリプロピレンを使用しているためリサイクルにも向きます」と話す。 展示会に向けて用意した20台の機械のうち展示会2日目時点で16台が売れたというのは、フレキソ製版のパイオニア・シンエイが初出展した超音波式の印版自動洗浄システム「Super Sonic FLEXα」。段ボールなどへの印刷に使用した版はこれまでブラシで洗浄していたため消耗が激しかった。本製品は超音波によって洗浄するため、版表面の磨耗が抑えられ、無駄な版を作る必要がなくなるという。 ■ロボットによる省力化提案なども  今年の展覧会の1大トレンドである自動・省力化提案も数多く見られた。人だかりをつくったのがオークラロボットサプライカンパニーのブース。新開発の段ボール開梱システムを使ったおみくじ体験で魅せた。本製品は段ボール上部の開梱、切り取った上蓋の廃棄、製品入り段ボールを挟み搬送コンベアに中身を取り出す一連の作業を、1台のロボットがハンド交換なしで行うのが特長。展示会では3種類のサイズの段ボール、2種類の中身(固形物、バラ物)の情報を搬入コンベヤ上で段ボールに付されたQRコードから読み取り、それぞれに合った切り方、把持方法、取り出し方をしてみせた。同社によれば「一連の作業を1台のロボットでできるので、導入コストやサイクルタイムを抑えられる」とのこと。 紀州技研工業は逆転の発想で省力化を実現した連続式インクジェットプリンター「CCS7000」(来年発売予定)を提案。同社によれば「他社はプリントヘッド洗浄の自動化を提案していますが、本製品は洗浄自体をなくすという発想で設計しました」という。プリントヘッドに搭載した気流制御機能「AIR SCUDO(エアースクード)」はインク排出時に追い風を送ることでインク滴の飛翔を最適化すると共に、インク滴の乾燥時間を25%短縮し、インクミストの発生を抑える。加えて、ヘッドへのインク跳ね返りを大幅に低減するため、ヘッド洗浄をほとんどしなくてよくなるという。 オークラサービスの段ボール開梱ロボットシステム (2022年11月10日号掲載)

2022年11月23日

アマダ、60tベンディング機を電動化

 アマダは11月13日まで開かれたJIMTOFでこれまで小型機のみに適応していた電動サーボモーターを採用したベンディングマシン「EGB-6020ATCe」(加圧能力60?d)を実演して見せた。ワークを下側から押し上げるクラウニングシステムも同社の電動式で初めて。「上側からも押すので最適な角度をつくることができ、全体にかかる力のバランスをよくして加工精度を高めた」と言う。 オペレーターを支援する機能も充実させた。ワークを3点で固定して横方向のずれを抑えるほか、作業者の目の高さで加工位置に合わせて左右に移動するタブレットが視覚的に作業内容を案内する。「ワークの付き当て方には個人差があり、また外国人労働者や不慣れな作業者でもミスが減らせる」とする。両手がワークでふさがった状態でも操作できる音声操作機能や接触式センサーで最終仕上がり角度(100分の1度単位)を表示する機能も付けた。 (2022年11月25日号掲載)

2022年11月23日

Mujin、事業拡大で名古屋営業所を新拠点へ

 Mujinはこのほど、東海地区の事業拡大に伴い名古屋営業所を名古屋市西区木前町21に移転した。移転によってフロア面積は従来の約4・3倍に拡大。11月1日から新オフィスでの業務を開始している。 同社は産業用知能ロボットコントローラや、それを用いた自動化システムを物流・FA向けに展開している。足元では自動車関連の引き合いなど東海地区における事業が好調に推移しており、営業所の移転・拡大に至った。名古屋営業所には元々デモ機が設置されていなかったが、新オフィスには3Dビジョンシステムを備えた教示レスのバラ積みピッキングロボット「PickWorker」やAGVなどの実機を設置。ユーザーやパートナー企業が実際にシステムを触れる環境を整えた。 同社は「移転により東海地方のユーザーがより気軽に実機を見られる環境が整った」と話す。今後はSIerとの協力体制や製品のテスト、アフターサポートの強化にも注力する。 (2022年11月25日号掲載)

2022年11月23日

THK、「LMガイド」「ボールねじ」を拡充

 THKは多様化する市場ニーズに応えるため主力製品のLMガイド、ボールねじのラインナップを拡充し、11月8日開幕のJIMTOFでアピールする。精密ボールねじ「SDA-V形」はねじ軸径10~50ミリ、リード4~50ミリから構成される、現行107品目のラインナップを誇る。ナット形状はISO/DIN/JIS規格に準拠し、高速送りを実現する。 LMガイド「HDR形」はボール転動面が「背面合わせ」の特徴的構造(DB構造)をもつ。LMガイド1軸でも高いモーメント荷重(ローリング方向の荷重)を受けることができ、あらゆる取付姿勢(壁掛け、逆さ、立使用など)でも水平使用時とほぼ同等の性能を発揮する。 カバースタンパー「WPC-ST形」はLMレール上面よりLMブロック内部への異物流入を防ぐプレートカバーを簡単に取付けるための専用治具。これまでプレートカバーはLMブロックを一旦LMレールから外して取り付けるのが通例だったが、LMブロックを取り外すことなく簡単にプレートカバーを取付けることができる。 (2022年11月10日号掲載)

THK(株)

2022年11月21日

DMG森精機、コンパクト型ミストコレクタ

 DMG森精機は10月25日、金属加工時に発生するミストを効率的に捕集するミストコレクタ「zero FOG(ゼロフォグ)」に新サイズのラインアップを加えた。 ターボファンを小さくすることにより小型工作機械に最適な風量を実現、従来製品と同等の捕集効率をもちながらユニット体積が40%コンパクトになった。また、2種類のラインアップにより日本で生産するすべての機種に搭載可能となり、今後は欧州生産の5軸加工機にも対応予定。 zero FOGは0.3ミクロンの微細な粒子を99・97%以上捕集するHEPAフィルタの基準を満たした高性能なファイナルフィルタを搭載。また、流体力学的最適設計により、デザイン性の高いコンパクトな筐体を実現した。工作機械本体にビルトイン搭載できるため専用の設置スペースは不要。1次フィルタの自動洗浄機能により、フィルタの清掃や交換回数を低減する。省エネルギー設計で消費電力を年間13万円、CO2排出量を年間1・8?d削減。優れたメンテナンス性を持ち、消費電力の削減によりランニングコストの削減に貢献する。販売価格は税抜き88万円から。 (2022年11月10日号掲載)

DMG森精機(株)

2022年11月21日

イグス、9割がプラ製の自転車

 モーション・プラスチックを手掛けるイグスが、11月8日からのJIMTOFでユニークな製品を国内初展示する。 披露されるのは90%以上がプラスチックで作られた都市型自転車「igus:bike」。オランダのスタートアップ企業との共同開発で、今年5月のドイツ・ハノーバーメッセで発表され注目を集めたものだ。イグス・ドイツCEOのフランク・ブラーゼ氏が「自転車が潮風などで錆びるため短期間で買い替えなければならない」という課題を耳にしたことで、開発がスタートした。 同社の無潤滑の樹脂部品を可動部に使うことで、従来は金属でしか実現できなかったフリーホイールやギヤボックスなど、負荷のかかる可動部品のプラスチック化に成功。錆びることなく、メンテナンスフリーで使用できる。将来的には廃棄プラスチックのリサイクル素材で製造したバージョンの販売や、役目を終えたigus:bikeの素材を使って新たなigus:bikeを作ることも視野に入れているという。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月21日

アマダ、顔認証するファイバーレーザー機

 アマダグループ(神奈川県伊勢原市)は今秋、日欧米で開催されるJIMTOF(11月8?13日)、EuroBLECH(独ハノーバー、10月25?29日)、FABTECH(米アトランタ、11月8?11日)に新NC装置「AMNC 4ie」を搭載したファイバーレーザーマシンとベンディングマシンを出展する。 各地域の製造業は人材不足が深刻化し、現場では人材の多様化が進んでいるため言葉の壁による技能伝承の課題もある。また産業界ではサプライチェーンにおけるカーボンニュートラルへの対応も急務となっている。新製品2台はこうしたニーズに応えるという。 新NCはEasy(誰でもつかえる)、Efficiency(どこでも使える) 、Environment(環境にやさしい) 、Evolution(お客さまとともに発展する)の4つのEをコンセプトとし、ファイバーレーザーマシンはアイドリング時チラーやコンプレッサーを自動で調節し、CO2排出量を最大65%削減する。作業者を顔認証し、一人ひとりの熟練度に合わせた操作画面の起動、言語表示を自動で行う。 ベンディングマシンは油圧ハイブリッド駆動から電動サーボモーター駆動に変更し、高精度加工とともに消費電力とランニングコストを大幅に低減。作業者の段取り作業を軽減するAI機能を盛り込み、「アマダが長年お客さまとともに培ってきた板金曲げ加工のノウハウをもとに、画期的なガイダンス機能を搭載した」と言う。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月18日

サンドビック、びびりを抑える汎用超硬エンドミル

 サンドビック(コロマントカンパニー)は10月7日、汎用超硬エンドミル「CoroMill Dura」を発売した。様々な被削材(ISO P/M/K/N/S)の荒加工から仕上げ加工まで幅広い加工に対応。工具の集約が可能なオールラウンドの汎用工具として展開する。 CoroMill Duraはすべてのリード角とピッチが完全に不等になっており、これにより共振を防ぎびびりを低減する。加工面品質の向上が期待できるほか、切削音が低く切削抵抗が少ないため加工条件を下げる必要がなく、効率的な加工が行える。工具材種には高耐摩耗性材種の「GC1730」を採用。さらにGC1730には超微粒子超硬母材にTiCrNなどのPVDコーティングを施している。 ボリュームゾーンである4枚刃の刃長1・5xDcと2xDcのほか、7枚刃ブレーカ付きの刃長2x、3x、4xDc仕様まで幅広くラインアップ。宮城県のリコンディショニングセンターでの再研磨サービスも行う。 (2022年11月10日号掲載)

サンドビック(株)

2022年11月18日

スギノマシン、小型・横形マシニングセンタ

 スギノマシンは11月に主軸30番の横形マシニングセンタ「SELF-CENTER(セルフセンタ) SC-H30a」を販売開始した。 SELF-CENTERシリーズは「小物部品には小型マシンを」をコンセプトに、半世紀にわたりニーズに適した設計・製造を行ってきた。より効率的な生産方式にニーズが変化する中、これまでのカスタム対応の経験やノウハウを活かし、工具段取り替え時間削減や行程集約、省人化機能に力を入れたモデル。 ツールマガジンには最大70本の工具を収納可能(オプション)で、工具段取り替え時間を削減。最大450?_のロングツールが使用可能(オプション)なため、深穴加工工程を集約できる。センタトラフ採用とテーブル周辺に配線・配置をしないことで切り屑排出性を向上。搬送システムとの接続が容易な天井シャッタ、サイドシャッタなどによる自動化にも対応する。 販売価格は1500万円から。初年度の販売目標は50台。11月8日から開催される日本国際工作機械見本市「JIMTOF2022」で初披露する。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月18日

スガツネ工業、100kg扉を軽々開閉可能な引戸金物

 スガツネ工業(東京都千代田区岩本町2-9-13、TEL.03-3864-1122)は10月20日にスイスHawa Sliding Solution社のソフトクロージング機構付重量用引戸金物「ジュニア 100」を販売開始した。 これまでホテルや高齢者住宅用のドアは開き戸が主流であったが、車椅子の場合、一人で通行しづらいことから、引戸の要望が高まっていた。本製品は質量100kgの扉を開く際の操作力を約2kgfに大幅軽減する機構「マグネットソフトクローザー」を搭載するなど、「誰も取り残さない」アプローチが特長のインクルーシブデザインを採用したもの。価格(税抜)は掘り込み仕様の上吊金具の両面ソフトクローザー仕様で16万1900円から。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月18日

日本電産マシンツール、直線位置検出器新製品

 日本電産マシンツールは、機械の位置決め・送り量などをデジタル検出する電磁誘導方式の直線位置検出器「MPLSシリーズ」を 11月1日から市場投入する。 小型機械をターゲットに開発された同製品は、信号検出方法と基板の高集積化により、スケール配線およびアナログ/デジタル変換器を使用しないシンプル構造。スケール幅は30?_の細型で、アブソリュート(絶対移動値)式の検出方法を採用。電源入力後の原点設定が不要になるほか、インクリメンタル(相対移動値)式では接続できない制御装置への接続を可能にした。 従来のMPLNシリーズでは、対象機械にスケールとヘッドを取り付け、双方から電気信号を制御装置で送受信していたが、MPLSシリーズにはスケールからの信号を干渉なく受信する検出パターンを搭載。この信号検出方法によりスケール配線を不要にした。また、スケールからの電気信号をデジタル信号に変換する機能をヘッドに内蔵。スケールとヘッドのみで機械の制御装置と信号の送受信を可能にし、部品点数と製造工程の削減による低価格と短納期、取り付けの容易化を実現した。 「他社製品との取付け互換性では、製品の長さと取り付け時の穴の間隔を同じ寸法にし、かつ測定長さを伸ばしたことから、測定範囲を大きくでき、また取付けスペースを小さくできる。さらに新たに開発した無償のユーザ支援ソフトウェアは、制御装置の種類に対応した出力仕様に替えることができ、機械と位置検出器のマッチングを細かく調整できるため、最適な状態での位置検出を可能にする」(同社) (2022年11月10日号掲載)

日本電産マシンツール株式会社

2022年11月16日

松浦機械製作所、JIMTOF出展機5台披露

 松浦機械製作所は10月25日、本社でJIMTOF2022に出展する新製品の発表会を行った。 お披露目されたのは最新キーテクノロジー「Advanced MIMS」を搭載した5軸立形MC「MX-330」、「MAM72-35V」と加工エリアを拡大した「MX420 PC10」、「MAM72-42V PC32」の4台とハイブリッド金属3Dプリンタ「LUMEX Avance-25」の計5台。 10年ぶりに刷新されたユーザーインターフェースは機械状態や運転状況を一目で確認できる機能が満載。加工スケジュール、加工進捗の表示、工具寿命、加工プログラム登録、工具段取りの漏れなど自動運転に必要な情報をまとめて表示する。「段取り作業遅れによる納期遅延や夜間週末無人運転スケジュールの人的ミスによる稼働停止を未然に防ぐため、 従来は個別に登録していた 加工データプログラム、指示書、画像データ、ワークオフセット、加工時間などをプロジェクトデータとして一括管理し、かんたん確実にスケジュール設定を行える」(同社)。 生産効率の最適化を図る、機械の稼働状況をNC画面で見える化した「稼働状況監視機能」を標準搭載。また、機械のダウンタイム削減に貢献する機能として、機内状態を監視できる「機内カメラ」、離れた場所でも稼働状況監視やパレットスケジュール編集を可能にする「マツウラリモートモニタリングシステム」、さらにクーラントの最適供給を行う「クーラント管理システム」、タンク内スラッジを9割以上回収する「スラッジ回収」をオプションで用意した。いずれも2023年2月から受注を開始、量産出荷は2023年7月を予定している。 またアップグレードされたハイブリッド金属3Dプリンタ「LUMEX Avance-25」は造形時間を従来比17%短縮するなど、高速化による生産性向上をアピールした。 (2022年11月10日号掲載)

(株)松浦機械製作所

2022年11月16日

山善、単身向け幅52cmの2口IH調理器

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は横幅約52cmでコンパクトながら、「加熱」「揚げ物」「煮込み」の3モードを搭載する「2口IH調理器YET-W1452」を同社が出店・運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」や「くらしのeショップ」、全国の家電量販店やホームセンターなどで11月上旬から順次発売する。 近年、一般世帯の約4割を占めるほど増加している単身世帯向けに開発した。小型でダイニングテーブルにも置けるサイズ感(奥行32×高さ5.8cm)。トッププレートはふきんなどで拭きやすい、フルフラットな設計とした。軽く触れて操作できるタッチスイッチ式。本体重量約3.9kg、価格はオープン。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月16日

早大など超高分子量ポリエチレン製ギヤ開発

 早稲田大学理工学術院総合研究所の大谷拓也次席研究員と同大理工学術院の高西淳夫教授らの研究グループは10月27日、hide kasuga 1896(東京都港区)および三井化学との共同研究で超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)製の軽量・低摩擦なギヤを開発したと発表した。従来の金属ギヤに替えてこのギヤをロボットの指部に搭載するだけで、約3%のエネルギー消費低減、約89%の軽量化につながったという。 ロボットの消費エネルギーを低減する方法として、駆動部の摩擦を減らすことも重要になる。本研究グループは軽量、高強度、摺動性に優れる超高分子量ポリエチレンに着目。このポリエチレンは一般に平均分子量が100万以上と非常に高く、通常のポリエチレンや他のエンジニアリングプラスチックよりも優れた強度などを示すという。 この研究成果はhide kasuga 1896が保有する東京・表参道の「gallery de kasuga」で12月16日に展示イベントが行われる。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月14日

アサダ、管内検査カメラのエントリーモデル

 アサダ(名古屋市北区上飯田西町3-60、TEL.052-911-7165)は9月、管内検査カメラから価格を抑えたエントリーモデル「クリアスコープ2810」を発売した。上位機種と同じ外径28mm、対角150度の広角度カメラを採用。広い視野角と挿入のしやすさを備え、管内検査の効率化を支援する。 同社はこれまでも管内検査カメラを提供していたが、従来モデルは作業の際に重さや仕様の関係でカメラをシンクや床に置く必要があり、傷を防ぐ養生作業などに時間がかかっていたという。クリアスコープ2810は本体重量2kgと軽く、ドラムにグリップを付けたことで片手での手持ち作業が可能に。さらに重量バランスを考慮し、腕への負担が少ない設計とした。 回転ドラムの採用により手持ち状態での作業でもケーブルをスムーズに出し入れできる。対応管径は40~100mmで、キッチンの排水管(40A)のエルボも無理なく通過できる。 (2022年11月10日号掲載)

アサダ(株)

2022年11月14日

ジェイテクトマシンシステム、研削盤新2機種でグループシナジー発揮

 ジェイテクトマシンシステム(大阪府八尾市、宮藤賢士代表取締役社長)は11月8日、JTEKTブランドの立形複合研削盤G3VUシリーズと広幅円筒研削盤C6040Eを販売開始した。 立形複合研削盤G3VUシリーズは円筒形の工作物を垂直に取り付けて加工を行う。新プラットフォームは「変形」「熱変位」の複合解析により最適構造を実現。新開発の主軸のクイルを300ミリメートルまで伸長することで研削点剛性を従来比3倍に向上させた。深さ最大600?_メートルまで正確に削り切り、工作物を反転レスでワンチャック研削できる。センタトラフ構造、および熱対象構造ベッドによるサーマルマネジメントシステムが、熱変位を従来比の3分の1まで抑制し、精度のバラつきを低減。また、6ツール標準搭載のATCを採用することで、加工効率を高めた。 販売価格はG3VU56が3905万円、G3VU86が4070万円(いずれも税込み)から。 「ジェイテクトグループだからこそのシナジーを発揮」したという広幅円筒研削盤C6040Eは、同一工作物で異なる径の同時研削が可能。同社が有するセンタレス研削盤の両持ち式構造のといし軸、およびジェイテクトが有する円筒研削盤の主軸台・芯押台・振れ止めを融合することで、直径120?_メートル、全長400?_メートルの全外径同時研削を可能とした。 「従来、研削全工程では円筒研削盤3台を要するが、C6040Eは設備台数1台で全工程を同時研削できる。電気自動車(BEV)に搭載するモーターシャフトの効率的な量産に貢献する」(同社) 販売価格は4730万円(税込み)から。 2機種は11月8日からのJIMTOFに出展する。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月14日

日本ISK、エンディングノート付終活金庫

 コロナ禍や災害頻発化など死を身近に感じる機会が増えていることから、近年注目を集めている「終活」。残された人に迷惑がかからないよう身辺の整理だけでなく、重要書類を家族で決めた場所に保管することも大切だ。 金庫製造のパイオニア、日本アイ・エス・ケイが11月に発売を予定する終活金庫は、通常よりも1本多い3本の鍵とエンディングノートが付属するため、終活を始めるのにぴったりの製品。鍵を家族と共有すれば複数人での金庫管理に役立ち、エンディングノートはもしものときに備えて自分の情報や希望などを書き溜めておける。人気の「ゆとり収納シリーズ」なため、重要書類を入れた角2封筒を折らずに入れることができるのも特長だ。 特殊マグネット錠とリバーシブル錠の二つの施錠タイプを用意。スタンダードタイプ(マグネット錠)「LP-20MN」は火熱に1時間耐える安心の耐火性能を備え、2段トレーのコンパクトタイプ(リバーシブル錠)「LP-10K」は0・5時間の耐火性能を備える。価格はいずれもオープン。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月14日

9月の工作機械受注、4%増の1508億円

 (一社)日本工作機械工業会(会長=稲葉善治・ファナック会長)が10月25日発表した9月の工作機械受注額(確報値)は、内外需あわせた総額で前年同月比4・3%増の1508億4800万円と3カ月ぶりに1500億円を超えた。高水準が続いており、1千億円超は20カ月連続。稲葉会長は「人手不足、人件費高騰に伴う自動化ニーズや半導体装置関連の需要で最新鋭の工作機械が必要とされる状況に変わりはない」との見方を示した。 このうち内需は前年同月比8・9%減の524億円だった。これまでの勢いは落ち着きつつあり19カ月ぶりの減少となったが、500億円超は4カ月連続で堅調といえる。主要4業種では自動車向け(同14・5%増、8カ月連続増)のみが増加した。 外需は同13・1%増の984億円。年度半期末や展示会効果により9月としては2018年(890億円)を超え過去最高額となった。アジア向け(同25・3%増の475億円)では中国が3カ月ぶりに300億円を超え、北米向け(同11・6%増の301億円)は9月のIMTSの効果が見られた。欧州向け(同6・5%減の190億円)のみ減少した。 JIMTOF(11月8?13日、東京ビッグサイト)のリアル開催が目前となり、稲葉会長は「工作機械は実機で確かめてこそ。スマートファクトリーや環境への対応、セキュリティーを高めたIoTやAIにもぜひ注目してほしい」と訴えた。ただ、このところ納期が長くなっており展示会ですぐに受注に結びつけるという意味合いは薄れている。「やはり4年ぶりのリアル開催となったIMTSは熱気に包まれた。JIMTOFは息の長い種まきになると見る向きもあるが、私としては商談が活発になる起爆剤の1つとして期待している」と話した。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月11日

京セラ、非接触で心拍・機械振動検知システム開発

 京セラは10月5日、心拍や呼吸、機械振動などの微細な振動を高精度で検知できる「非接触インテリジェントミリ波センシングシステム」の開発を発表した。低ノイズのミリ波センサにより、マイクロメートル単位の振動を非接触で高精度に検知・抽出することができる。これにより、日々のヘルスケア、見守りシステムが実現できるほか、工場内の機械などの異常を検知するIoTセンシングシステムなど幅広い用途で活用できる。 同社が培ってきた独自の材料と高精度な基板製造技術による低損失のミリ波基盤で、微細な振動を逃さずとらえる。加えて、通信機器事業で培った高度な統計的信号処理技術により、非接触・高精度・拡張性といった特長を実現した。 高精度の振動検知能力により、人の心拍や呼吸だけでなく、動作検知(モーション検知)、および工場内の機械やロボット、切削工具の異常なども検知・抽出できる。職場での高機能人感センサとしても使用可能。作業員の転倒検知など安全管理に使用でき、プライバシーを損なうことなく見守りができる。 「本システムの活用により、健康管理や労働現場での省人化、事故防止など社会課題の解決に貢献できる。今後は各社と実証実験を重ね、早期の社会実装を目指す。2023年にはサンプル出荷を行う予定」(同社) (2022年11月10日号掲載)

京セラ(株)

2022年11月11日

ヤマザキマザック、JIMTOFでFSW加工機

 ヤマザキマザックはこのほど、高速・高品質の摩擦攪拌接合(FSW)が可能な加工機「FSW-460V」を発表した。ほぼ同時期に、環境性能と生産性を強化した5軸加工機と横形マシニングセンタの新機種も相次ぎ発表。いずれも11月8日から東京ビッグサイトで開かれるJIMTOFで披露し、同日から国内販売を開始する。 FSW-460Vは、FSW加工時の高い負荷に耐えられる新開発の高回転・高剛性主軸を搭載。高速送りに対応できる独自の特殊形状ツールも採用し、従来機と比べ数倍の高速接合を可能にする。ツールホルダをIoTセンサ内蔵としたことで接合時に一定の推力を保持。ツールの折損を検知する機能も搭載し、品質の高いFSW加工を実現する。ツールホルダの自動交換機能によって長時間の連続接合にも対応。モータケースなどEV部品の量産ニーズに向け提案する。 一方、ベストセラーモデルのVARIAXISシリーズに加わる同時5軸加工機「VARIAXIS i-700 NEO」は、切削能力を上げた新型主軸をオプションのラインアップに追加。アルミニウムなど非鉄金属から鉄系金属の重切削まで幅広い加工に対応する。NC装置の加工条件設定機能に「大荒加工モード」と「平面仕上げ加工モード」の2つのモードを追加し、従来機と比べ荒加工時の加工スピードと仕上げ面の品位を向上。メンテナンスエリアを含むフロアスペースを従来機種比13%削減し、新たに省スペース型の2パレットチェンジャ(オプション)を採用するなどコンパクトな自動化システムを構築できる。 機械の消費電力は従来機種比で最大30%低減。オプションでクーラントの吐出量を調整する機能を追加し、切削量に合わせてクーラント動作を最適化することで省エネ運転を可能にする。半導体製造装置のほか、自動車部品や航空機部品など様々な分野の複雑形状の部品加工に向け提案する。 同時に市場投入する横形マシニングセンタ「HCN-4000 NEO/HCN-5000 NEO」は、油圧ユニットやチラーユニットなど周辺機器の性能を見直すことで消費電力を削減。切削量に合わせてクーラント動作を最適化する機能をオプションで用意し、消費電力を従来機と比べ46%(HCN-5000 NEO)低減する。NCロータリーテーブルを標準搭載し、テーブルの割り出し時間を短縮するなど生産の効率化に貢献する。 販売価格はFSW-460V が2930万円、VARIAXIS i-700 NEOが4930万円、HCN-4000 NEOが3650万円、HCN-5000 NEOが3970万円から(いずれも税別)。 (2022年11月10日号掲載)

ヤマザキ マザック(株)

2022年11月11日

ユニフロー、高速シートシャッター

 冬本番を前に工場や倉庫のシャッターに注目したい。高気密性を維持し建物内の環境保持、省エネに大いに貢献するからだ。ユニフロー(東京都品川区)が昨春発売した高速シートシャッター「スムーザー」の新製品「RXシリーズ」(=写真)はそれだけではない。鋼製シャッターの15倍以上の高速開閉と強風下での動作が可能だ。 一般的なシートシャッターは強風時や室内外の圧力差があると、カーテン部分が大きくたわんだり途中停止したりすることがある。ところが耐風圧仕様のRXシリーズは下降時に従来機種比約1.5倍となる動作可能風速17m/秒(142Pa)、全閉時はより高い風速38m/秒(708Pa)を実現する。 便利な機能もある。従来はセンサが複数台必要だったインターロック運転(外気流入を最小限に抑えるため複数台のシャッターを交互に運転させる機能)が1台のセンサで可能になる「シンプルインターロック」や、安全性確保のため開閉速度の多段階化(低速化が可能に)、利用者の駆け込みを防ぐ下降前カウントダウン表示機能(オプション)付き。 (2022年11月10日号掲載)

(株)ユニフロー

2022年11月11日

永大産業、室内階段と蹴込み板カラーシリーズ

 永大産業は10月24日、踏板と蹴込み板に単色印刷を施した室内階段「ユニカラーセレクション」を発売した。 新製品ユニカラーセレクションはシンプルな単色表現と今までにないカラーバリエーションの全8柄。トレンドのグレー系を基調としたニュートラルトーン4柄と、ネイビー系、カーキ系、ピンク系、イエロー系のアクセントトーン4柄を取り揃える。カラーコーディネートがしやすいニュートラルトーンと、住空間を個性ある空間にするアクセントトーンの組み合わせでコーディネートの幅を広げる。 「SNSの普及や『おうち時間』の増加によりインテリアに関心を持つ人が増え、こだわりやニーズは多様化している。インテリアトレンドを取り入れたカラーラインナップを拡大し、お客様の住まいづくりのニーズに応えることで拡販に力を入れていく」と同社は今後の展開を語った。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月11日