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サンドビック、カーボンNから超硬工具リサイクル100%へ

 サンドビックのコロマントカンパニーは11月10日、東京・港区のスウェーデン大使館でセミナーを開いた。同社のカーボンニュートラルへの取組みや切削加工ソリューションを発表し、生産財メーカーや商社などから45人が聴講。対面でのセミナーは3年ぶりという。 スコープ1?3に渡りエネルギー消費の削減に取り組んでいる同社は、CO2排出削減だけにとどまらず安全性やフェアプレーのいっそうの向上を進める「グリーンファクトリー」を目指す。2015年から取り組んでいる超硬工具のリサイクルについて、河野史尚ストラテジックリレーション部マネージャーは「販売した超硬工具の100%重量のリサイクルを2025年までに達成することを目標に設定した(現在は60%ほどの達成)」と明かした。 電気自動車(EV)化への対応としてアルミ合金加工の取組みも紹介。エンジン車からEVへ移行するとバッテリーに加え安全・アシスト装置などが増えることもあって車体重量は増加傾向にあり、「現在より4割ほどアルミの比率が増加する」と加藤尚紀アルミニウムジャパンマネージャーは話す。加藤氏が紹介した「ステップテクノロジー」は、チップをショルダーカッタの円周上でなくらせん状に並べ、垂直方向には隣り合うチップを数十ミクロンの段差をつけるもの。「切込み量を極小に分割することで刃数を減らして工具寿命を長くすることができる」メリットがある(表参照)。フランスの開発部隊が20年以上前に始めたもので、グローバルな展開はここ数年という。 (2022年11月25日号掲載)

サンドビック(株)

2022年12月05日

山善、CBD配合のオイルとディフューザー

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は新ブランド「ヒーリングセント(Healing scent)」シリーズとして、世界で注目を集めているCBD(カンナビジオール)を配合したエッセンシャルオイルほか14アイテムと、そのディフューザー2タイプ・9アイテムを同社が出店・運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」「くらしのeショップ」や全国の家電量販店、ホームセンターなどで11月上旬から順次発売している。 CBDは麻から抽出した植物性の天然成分で、医療・美容・健康といった幅広い分野で使われている。山善はリラックスアイテムとして人気のエッセンシャルオイルなどにCBDを配合。エッセンシャルオイル・アロマウォーターは各6種類を用意し、アロマオイル・ボディケアオイルまで揃えた。価格はいずれもオープン。 (2022年11月25日号掲載)

2022年12月05日

東日製作所「CEM3-BTS」+「BLuE」

 日本の高品質なモノづくりを支えるひとつに、ネジやボルトを締結した際の「トルク管理」が挙げられる。要求されたトルクを確保することで、安心・安全な製品が世に送り出される。    1949年創業、日本初のトルクレンチを開発した東日製作所は、世界100カ国以上で愛用されるトルクレンチのトップブランド。70年以上に渡りトルクを測る現場を見続けてきた同社が提案するのが、トルク管理の自動化だ。  同社のデジタルトルクレンチCEM3シリーズにBluetooth モジュールを搭載した「CEM3?BTS」シリーズは、単方向通信の可能な無線式デジタルトルクレンチ。シリーズには8機種をラインナップ。シリーズ全体で2?850Nmの締付に対応する。 「細分化されたシリーズラインナップにより、最適なサイズのトルクレンチが選択できるほか、世界最多の標準品シリーズラインナップを誇る約300種以上の『交換ヘッド』が接続でき、作業効率を高めます。またJCSS校正証明書付きでの納品や、すでにご使用中の機種のJCSS校正も可能です」(同社)  この「CEM3?BTS」と組み合わせ、煩雑な入力作業を自動化するのが、関電工が開発した測定記録支援システム「BLuE(ブルー)」だ。同システムはBluetooth などの無線通信で繋がった測定器から受信する測定値を、AutoCAD画面やExcelへダイレクトに入力可能。締結時に測定したトルクをそのまま、パソコンやタブレットで管理できる。  「各種設備工事やメンテナンス業務での締付・保守点検作業におけるトルク管理をミスなく行い、作業者負担を軽減します」(同社) (2022年11月25日号掲載)

(株)東日製作所

2022年12月05日

THK、ボール式の複列アンギュラリング

 THKは11月2日、同社史上最も高速性に優れた旋回軸受である複列アンギュラリング「BWH形」の受注を始めた。内外輪の間に保持器で複列にボールを配列したもので、同社のクロスローラーリングとともに回転シリーズの一角を担う。ターゲットはマシニングセンタの回転テーブルをはじめ、産業用ロボットの関節部、減速機など。 あらゆる方向の荷重を受けられ、クロスローラーリングと同等の高剛性と高い回転精度をもつ。転動体をローラーからボールに変更した新構造により高速性と昇温抑制に優れる。製品ラインナップは内径100、120、200?_。今後は大径サイズの形番も順次加えていく予定。 (2022年11月25日号掲載)

THK(株)

2022年12月02日

ABB、最小の産業用ロボット

 ABBは10月13日、スマートウォッチ、イヤホン、センサー、ヘルストラッカーなどのデバイスの生産向けにこれまでにない最小の産業用ロボット「IRB1010」(可搬1.5?`グラム)を発売したと発表した。 エレクトロニクス製造環境に典型的な狭いスペースや専用機に適合するように設計した。IRB1010はリーチ370?_、フットプリント135×250?_メートルで、同社の現行最小ロボットIRB120より30%小さい。一方で最大1.5?`グラムの荷重を扱うことができ、同クラスのロボットに比べ最大3倍の重量を持ち上げることができるクラス最高の可搬重量といえる。 (2022年11月25日号掲載)

2022年12月02日

ケルヒャー ジャパン、家庭用コードレスワイパー

 清掃機器最大手ドイツ・ケルヒャー社の日本法人、ケルヒャー ジャパン(神奈川県横浜市港北区大豆戸町639-3、TEL.0120-60-3140)は同社ラインナップ新登場となる家庭用コードレスワイパー「KV 4 Premium」を10月18日に主に直営オンラインショップ・店舗で発売した。  「窓掃除をさらにラクに」をコンセプトに開発。コードレスで軽量、ボタン操作で洗浄剤を吐出・本体が振動し、平面の汚れをこすり浮かせる。窓清掃のほか、テーブル、調理台、冷蔵庫の鏡面、浴槽、浴室鏡・壁、車の窓などにも使える。本体質量500g。約160分の充電で連続35分間使える。直販価格は税抜1万2800円。 (2022年11月25日号掲載)

2022年12月02日

スーパーツール「たて型クイックワイドモーターレンチ」

 一昨年の発売以来、好調なセールスを見せているのがスーパーツールの「クイックワイドモンキレンチ」だ。その名のとおり従来のモンキレンチを大幅に上回る口開きサイズを実現。呼びが250のタイプで50?_に口開きを拡大。加えてスピーディな口開きを可能にする。 モンキレンチをお使いになったことがある方ならご存知だろうが、口開きを大きくするためにはウォームを幾度も回す送り作業が必要になる。口開きを小さくする際も同様の煩雑な作業が生じる。しかし、クイックワイドモンキレンチはウォームギアを下にスライドできる「クイックウォーム機構」を採用。ラックとウォームの噛み合わせ部分を外すことで素早い口開きサイズの調整を実現する。 このクイックウォーム機構を採用した新製品が「たて型クイックワイドモーターレンチ」だ。モーターレンチは、モンキレンチでは口開きが足りないような大径の継手やナットの締め付け作業に使用されるが、締結するワークのサイズが大きくなればなるほど、ウォームギアの送りが面倒なもの。それをクイックウォーム機構の採用で簡単かつスピーディなサイズ合わせを実現した。 本体全長は258?_だが、専用の取手パイプを装着すれば445?_まで伸びるので、水道用のPE管継手の締結など、しっかり力を伝達したいシチュエーションにも対応する。またレンチのあご先端部分を使えば、手を汚さずに排水トラップの取り付けや取り外しが可能だ。 (2022年11月25日号掲載)

(株)スーパーツール

2022年12月02日

TONE、シヤーレンチをコードレス化

 TONEはこのほど、橋梁やビルの建築現場などで使われるトルシア形高力ボルト専用の締付レンチから、コードレスシヤーレンチ 「CSH240」を発売した。同社はすでにコードレスシヤーレンチ「CSMシリーズ」を発売しているが、CSH240のリリースにより対応するボルトサイズが拡大。従来の電源式と性能は変えずにコードレス化を果たしている。 CSH240は電源コードがないため作業性に優れ、電圧降下の影響を受けにくく安定した作業ができる。バッテリ含む本体重量は6.9?`と軽く、1充電あたり約160本のトルシア形高力ボルトを締付可能(M24締付時)。インナーソケットの不完全挿入によるナメリを防ぐ機能も搭載している。対応ボルトサイズは高力、超高力ともにM20、M22、M24。 (2022年11月25日号掲載)

TONE(株)

2022年11月30日

ダイヘン、超ハイテン材を安定接合

 ダイヘンは超ハイテン材やアルミ合金をはじめとする難接合素材の安定接合と従来比最大50%の省エネを両立する次世代接合システム「Cold Spot Joining」を開発した。 同システムは、大阪大学接合科学研究所の研究成果「固相抵抗スポット接合」をベースに、産学連携による協働研究を経て実用化したもの。 カーボンニュートラルの推進を背景にEV化が加速する一方、自動車をはじめとする輸送機器業界では、車体軽量化が課題となっており、軽量素材として超ハイテン材やアルミ合金等「難接合素材」の適用が進んでいる。 しかし、現在一般的な接合方法として使用されている抵抗スポット溶接法では、母材を高温で溶融するが故に発生する接合部の硬化や熱影響部の軟化等に起因する接合部分の強度低下や品質面の不安により、素材の特性を最大限に活かした軽量化(薄板化)を断念しているケースが多々ある。 こうした背景の中、同社は、溶接・接合技術で世界的トップ水準の研究を行う大阪大学接合科学研究所の研究成果である「固相抵抗スポット接合」に着目。産学連携による協働研究を経て、低温域で素材の特性を損なわずに安定した接合を実現する新接合システムの開発に成功した。 「強度のある超ハイテン材や軟質なアルミ合金まで幅広い素材の接合に対応可能。また溶融せず低温域接合するためスパッタ発生を抑制、後工程での除去作業が不要になる。また従来の抵抗スポット溶接に比べ最大50%消費電力を抑制し、CO2排出量削減にも貢献する」(同社)。 また接合機器以外は既存の抵抗スポット溶接の設備が流用可能で、置換えも容易に行える。 (2022年11月25日号掲載)

(株)ダイヘン

2022年11月30日

パーパス、狭小地でも設置できる業務用ハイブリッド給湯

 コロナ禍がいくぶん落ち着いた現在も様々な課題が残る飲食店。その一つに燃料価格上昇を起因とする光熱費の高騰が挙げられる。 厨房を持つ飲食店などの省エネ化に役立つのが、パーパス(静岡県富士市)の業務用ハイブリッド給湯システム。利用状況に合わせてヒートポンプ給湯機とガス給湯器を効率的に運用するため、一次エネルギー消費量を35%削減、42℃のお湯を1日3千?g使用した場合、年間約47%のランニングコストを低減できる。営業時間や定休日なども設定可能。予定に合わせた沸き上げで手間や無駄なく節電できる。 民生用の2~3倍の能力を持つ6.0kWヒートポンプは短時間でお湯を沸き上げることが可能なため、貯湯ユニットを従来に比べ3分の1(容量90?g)にコンパクト化。設置には奥行きを約400mm確保すればよく、高低差5m、配管長10mまで取ることができる。そのため、都心に多い狭小や2階の物件でも設置できる。また、80℃の高温出湯による殺菌機能で、貯湯タンク内を常に清潔に保てるのも嬉しい。 (2022年11月25日号掲載)

パーパス(株)

2022年11月30日

エンジニア、あらゆる場所に届くネジ外しの最終兵器

「製造業のコメ」とも言われ、多くの工業製品に使用されているネジ。だが、長年の使用による劣化や腐食で、ネジ山がダメージを受けてしまい、普通の工具では外せなくなってしまうことも珍しくない。 こうした「外せないネジ」に対し、著名商標としても登録された看板商品の「ネジザウルス」をはじめ、多彩なネジ外しソリューションを展開するエンジニア。そんな同社が新たに提案するのがDXならぬNX(ネジタル・トランスフォーメーション)。「合体工具」による狭所部分や作業しづらい場所のネジトラブル解決だ。 ベースとなる持ち手部分の「GTドライブ」は、人間工学(エルゴノミクス)に基づいた設計で、握った力や回す力を的確に先端へと伝える。本体内部はφ10?_の鉄芯が内蔵されており、座金をハンマーで叩いて衝撃を加えることができる。さらに、本体先端部にはボルスターが付いており、レンチを併用すればさらに高いトルクを伝達できる。 ビット差込み深さは32.5?_で、全長50?_以上のドライバービットが使える。差し込み口は高精度加工されており、ビットとの隙間が少なく作業時のブレを抑制する。 この「GTドライブ」と合体するのが「貫通エクステンション」。通常のドライバーでは届かない奥まった場所のネジ外し、締結に威力を発揮する。「GTドライブ」と繋ぎ、叩いての使用も可能。また電動18Vのインバクトドライバーの延長バーとしても使える。全長100ミリ、150ミリ、190ミリの3タイプをラインナップしている。 さらに壁際やコーナーなど、ドライバーを垂直に保持しながら回すことが不可能な場所で大活躍する合体アイテムが「ユニバーサルジョイント」だ。スリーブをスライドさせることで最大15度まで「首振り」状態にできる。これにより、ネジに対し持ち手は斜めでもドライバービット部分は垂直に保持したままアクセスできるので、無理なくラクにネジ外し、締結作業が行える。 また狭所部分のネジ外しでありがちなのが、「外したネジ」の落下。こうしたトラブルを未然に防ぐのが「ネジキャッチ」だ。ドライバービットの先端部分に付けるだけで、強力マグネットがネジをしっかりと保持。可変式でトーションビットや段付きビットにも装着できる。 これらを同社の専用ビットと組み合わせることで、場所やネジの状態を問わず、誰でもネジ外しが簡単に行える。「なめた六角穴付きボルトには『ネジザウルスモグラ』セット、なめたプラスネジやキャップボルトには『ネジザウルスバズーカ』セットを組み合わせての使用をお勧めします」(同社)。 (2022年11月25日号掲載)

(株)エンジニア

2022年11月30日

ソディック、リニアモーター駆動のワイヤ放電

 ソディックはリニアモーター駆動ワイヤ放電加工機ALシリーズの新製品として「AL i Groove+Edition」シリーズを12月に発売する。ターゲットはEVの走行用モーター性能に直結するモーターコア用プレス金型製作や精密部品加工など。 新開発の「Digital HF制御」で放電回路と制御の大幅な改善に取り組み、加工速度20%向上とコーナー部を含めた加工精度向上の両立を実現した。ソディック独自の「ワイヤ回転機構」はワイヤを緩やかに回転させることで電極消耗が加工に及ぼす影響を排除する。消費電力の約7割を占める加工液処理系にも目を向け、加工液の噴流・循環・送液ポンプをフルインバータ化し、加工液の流量をモニターして加工状態に応じてそれぞれの動作を最適に制御することで消費電力量を従来機比で20%削減した。 最大加工物寸法は幅600×奥行470×高さ240?_または幅800×奥行570×高さ340?_で計8タイプを用意した。価格は税別1800万~2500万円。 (2022年11月25日号掲載)

(株)ソディック

2022年11月28日

牧野フライス製作所、5軸MCやワイヤ放電

 牧野フライス製作所は11月13日まで東京で開かれたJIMTOFに「Promise of Performance」をテーマに出展し、マシニングセンタ(MC)や手軽な自動化、ワイヤ放電加工機などを展示した。横形5軸MC「a900Z」(最大ワーク径1250×1000?_)はa500Z、a800Zに続くaZシリーズ最大の一般部品加工向け。一般的なトラニオンテーブルより接近性が高く、ワーク重心の移動が少ないスイベル構造のテーブルを採用した。スラントタイプ主軸搭載の立形5軸MC「V100S」(2000×2500×1050?_)は金型の仕上げ加工に特化。クレーンで大物ワークを載せやすいよう天井のない仕様を用意した。同社は将来的にこうした高性能MCにユーザーの声を聞きながら旋削や研削機能を付加していく考えも示した。 外観が曲面形状のワイヤ放電加工機「UPX600」(1030×800×300?_)はプレス金型や精密電子部品などで高い生産性をもち、「水加工液仕様で油仕様なみの表面粗さを実現した」とする。上ヘッド(Z・U・V軸)と下ヘッド(X・Y軸)を独立して動かせる構造にしたことで応答性を向上。同社は「上下を独立構造にしたのは駆動部を小さくして軽くしたかったから。加工ワークの真円度は径40?_のSKD-11(鋼材)で0・67ミクロンになった」と言う。 世界初公開となったこれら3機種を含めJIMTOFに出展した計10のマシン・提案は特設サイトで動画を交えて公開している。 (2022年11月25日号掲載)

(株)牧野フライス製作所

2022年11月28日

トクラス、携帯しやすい浄水パック

 トクラスは12月13日より、水道水を手軽に浄水できる「NaTiO(ナティオ)浄水パック」を販売する。2018年に信州大学と共同で開発した浄水材料「三チタン酸ナトリウム」を使用し、コンパクトながら高い浄水能力をもつ浄水パックを実現した。携帯性の高さと省スペースで長期保管(未使用時5年)可能な点から、アウトドアユースや災害への備えなど様々なシーンでの活用が期待できる。 三チタン酸ナトリウムは、活性炭と混ぜることで、古い水道管から溶出した鉛や、におい・雑味の原因となる物質を水中から除去しながらも、カルシウムなどのおいしさ成分は残すことができる。容器に水とパックを入れて30秒ほど上下に軽く振り、約10分置くだけで安心・おいしい水を得られる。容器の種類を選ばないのもメリットだ。 1パックで1.5?g浄水可能で、1袋(10パック入り)で2?gペットボトル約8本分に相当する。税込価格は1364円。同社のオンラインショップなどから購入できる。 (2022年11月25日号掲載)

2022年11月28日

TONE、刷新で『TONE』らしさ前面に

 質実剛健という言葉を辞書で引くと「飾り気がなく、真面目で強くたくましいこと」とある。これを地で行く工具でプロの信頼を得てきたのがTONEだが、「飾り気がなく」の部分はいまや余計かもしれない。同社の手工具は昨今、ハウスマークやコーポレートカラーの赤をあしらうなど「一目でTONEとわかるデザイン」へと続々生まれ変わっているからだ。 そうした変化をまさに象徴する製品がハンマーだ。昨年からはじまったシリーズ全体の刷新により、ラインアップは新旧合わせて29種(2022年11月時点)に。従来は黒一色だったデザインを赤と黒の鮮やかな見た目に変え、グリップ中央のブランドロゴでTONEらしさも前面に出した。 直線的だったグリップは、緩やかにラウンドした力を入れやすく滑りにくい仕様に進化。先端材質も真鍮や軟鉄、樹脂やゴムなど幅広く取り揃え、叩く相手を傷つけない程良い硬さのものを選択できるようになった。「総合工具メーカーとして手広くラインアップすることで、すべての作業工具に対して指名買いのニーズに応えたい」(担当者)。今後も新商品の追加とリニューアルを並行するという。 装いを新たにした同社の工具は他にもある。例えばモンキレンチがそうで、数年かけたリニューアルがこのほど完了。「MWRシリーズ」として生まれ変わった。ラウンド形状の手に馴染むグリップにハウスマークを配し、肉抜きによる軽量化と握りやすい厚みを両立。見た目にも中身にも妥協しない1本に仕上げている。 MWRシリーズ最大の特長はガタの少なさにある。ウォームギアを多段かつ分割構造とし、ウォーム角度を絶妙に設計することで、ワイドな口開きながらガタを可能な限り低減しつつ、しっかり抑え込むことを可能にした。「抑え込む力とガタの少なさによる食いつき感が一味違う。スパナのように安定してナットに掛けられ、力を入れて作業ができる」という。 その言葉を裏付けるパフォーマンスを、同社のショールームで目にした。シリーズ最大サイズの「MWR-450」でA4の紙1枚を咥え、紙のほうを持って手を放す。すると重さ1.77?`のMWR-450が宙に浮いてしまった。そのまま左右に振るとモンキの重さに耐えられず紙のほうが破れたが、これは裏返すと「紙を食いちぎるほどガタが少ない」という証でもある。 デザインも「垢抜けた」と好評のMWRシリーズのサイズラインアップは全長100?_?450?_と様々な用途に合わせて最適なサイズを選ぶことが可能。また、口開きに対して全長が短い長さ110・140?_のショートタイプも取り揃え、プロの現場でも幅広く使われている。 (2022年11月25日号掲載)

TONE(株)

2022年11月28日

MOLDINO、ブレーカ付きインサート追加

 MOLDINO(東京都墨田区両国4-31-11、TEL.03-6890-5101)はアルファ高送りラジアスミル「TR4F 5000形」にブレーカ付きインサート(片面4コーナー仕様)を追加し、10月20日に発売した。このラジアスミルは独自設計により一刃送り2mm以上の高送り加工を実現し、ダイカスト金型・樹脂金型・プレス金型の荒加工に向く。ただ機械主軸への負荷が増すため、発売したブレーカ付きインサートは切削抵抗低減を狙う。 新製品は切込み量2mmでも1刃当りの送り量2mmを超える高能率荒加工が可能。切りくず排出性を高めたボディ形状と不等分割方式を採用し、切りくず詰まりやビビり振動を抑える。4材種(1アイテム)を用意し、希望小売価格は1960円。 (2022年11月10日号掲載)

(株)MOLDINO

2022年11月25日

ブラザー工業、中国・西安で小型MCの生産開始

 ブラザー工業は9月、中国・西安市の製造子会社(以下西安工場)でコンパクト立形マシニングセンタ「SPEEDIO W1000Xd1」の生産を開始した。同機種は中国での引き合いが増加しており、日本だけでなく現地で生産を行うことでリードタイム短縮につなげる。 SPEEDIO W1000Xd1は30番の立形マシニングセンタとしては最大クラスの広い加工エリアを持ち、大型部品の加工に対応する機種。これまではすべて愛知県の刈谷工場で生産し、中国向けに出荷していた。中国ではEV向けなどで大型の部品加工需要が増えており、加工エリアの大きい同機種の引き合いが増えている。「今まで以上に短納期での納品が可能になることで、中国の顧客に対する営業活動の強化につなげる」(同社)という。 (2022年11月10日号掲載)

ブラザー工業(株)

2022年11月25日

ロボット工業会、創立50周年記念式典

 創立50周年を迎えた(一社)日本ロボット工業会は10月13日、記念式典および祝賀会を東京・有明の東京ビッグサイトで開いた。山口賢治会長は「産業用ロボットは3Kの改善、生産性向上、国際競争力強化に貢献してきた。受注額は2021年に1兆円を超え、日本は世界トップを維持している。地政学的リスクやエネルギー問題に直面しているが、課題解決型技術をもつロボットは今後もいっそう広がる」と式辞を述べた。 業界の貢献者への表彰状授与も行った。出席した経済産業省の山下隆一製造産業局長から経済産業大臣表彰を受けたファナックの稲葉善治会長は「製造現場の生産性と品質向上にお役立ていただいていると自負しているが、身に余る光栄です」と話した。経済産業省製造産業局長表彰状は6人に、会長特別表彰および会長感謝状は10人にそれぞれ贈呈された。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月25日

機械工具工業会が秋季総会

 (一社)日本機械工具工業会(会長=田中徹也・三菱マテリアル執行役常務)は10月20日、2022年度秋季総会を都内のホテルで開催し、会員企業から約100人が出席した(ウェブ参加を合わせると約160人が参加)。田中会長は工業会が設立から74年を経て10月3日付で法人化したことに触れたあと、「工業会の今年度の生産額見通しは前年度比5・9%増の4986億7500万円と6月見通し〈同1.3%増の4770億7600万円〉を上回る。ウクライナ侵攻やエネルギー価格の高騰、円安などに注視する必要があるが、半導体の供給不足は回復基調にあると聞き、コロナ禍が落ち着きを見せこのまま経済が上向くことを期待する」とあいさつした。 総会は2022年度の各賞の発表や各委員会報告、懇親会などを行い閉会した。 (2022年11月10日号掲載)

2022年11月25日

中村留精密工業、8インチクラスの複合加工機

 中村留精密工業は11月8日、1スピンドル1タレットの精密CNC複合加工機「SC-200?U」を発売。同日から開かれたJIMTOF2022で披露した。8インチクラスのマシンながら、広い加工エリアを確保し10インチチャックの搭載も可能。標準仕様の価格は1880万円(税抜)からで、月30台の販売を目指す。 SC-200?Uは、「ワンランク上の加工へ」をコンセプトに従来機(SC-200)の各性能を向上。機体はコンパクトながら最大加工径φ390、カバー上のワークの振りはφ700と広い加工エリアを実現した。主軸モータの出力も15/11?`ワットと向上させ、バー能力やY軸のストロークも性能アップ。新型フレームの採用により剛性や加工精度の向上にもつなげる。 JIMTOF会場ではテールストック(オプション)を付けた機体を披露。重切削でもビビりの発生しない加工デモを見せ、「小さいが重切削にも10インチサイズのワークにも対応する。まさに1ランク上の加工を実現する機種」(同社)と語った。 (2022年11月25日号掲載)

中村留精密工業(株)

2022年11月25日

三菱マテリアル、3枚刃の面取りカッタ

 三菱マテリアル(加工事業カンパニー=東京都千代田区丸の内3-2-3、TEL.03-5252-5200)は「MS plusエンドミルシリーズ」に3枚刃面取りカッタ「MP3C」を追加し、11月1日に発売した。横送り面取り加工で優れた工具寿命と高能率加工を実現する。 最適なねじれ角によりバリの発生を抑制(面取り角度は45°)。3枚刃により汎用性と切りくず排出性のバランスに優れ、高送り加工と工具寿命延長を実現した。小径底刃付きでV溝加工にも対応する。刃径2?12mmの計6アイテムで、代表型番の標準価格は税込1万2980?3万6410円。 (2022年11月25日号掲載)

三菱マテリアル(株)加工事業カンパニー

2022年11月25日

山善、物流拠点に再エネ導入

 山善はグループ会社のヤマゼンロジスティクスの物流拠点「ロジス大阪」(=写真、大阪府大東市)の購入電力を、11月4日から再生可能エネルギー100%の電気に切り替えた。再エネ電気は、昨年10月に基本業務提携契約を締結した大阪ガス100%子会社のDaigasエナジーを代理店とし、大阪ガスの「D-Green RE100」を通じて調達する。 山善はプライム市場への移行に伴い、今年7月からScope2(他社から供給されたエネルギー使用による間接排出)におけるCO2排出量削減のため、まず大阪本社の電力を「D-Green RE100」に切り替えた。今回のロジス大阪への再エネ電気の導入により、ロジス大阪として年間で約167?dのCO2を削減できる見込み。今後、名古屋・広島・九州・ロジス新東京といった自社物件の拠点に順次再エネ電気の導入を進めていく考え。 (2022年11月25日号掲載)

2022年11月25日

ロブテックス、溶接の手を止めずにスパッタ清掃

 ややニッチと言えなくもないが、特定の業界には間違いなく深く刺さる工具。わずかな時間のロスがコストアップに直結するプロの仕事では、そんな一芸に秀でた工具こそ重宝される。そしてロブテックスが12月1日に発売する「溶接ノズルクリーナー」は、まさにそんな1本だ。ノズルに固着した溶接スパッタをゴリゴリと削り取るための工具で、アーク溶接を日常的に行う職人ならおそらく、一度手に取るだけで「欲しい」と思うのではないか。 溶接ノズルクリーナーが生まれたきっかけはある鉄工所が抱える悩み事だった。ガスシールド溶接を行っていると、トーチ先端のノズルに溶接スパッタが固着していく。その状態を放置すると溶接品質が低下するため定期的な清掃やノズルの交換が必要になるが、従来から市場にある「溶接用ペンチ」では掃除のためにノズルを取り外さねばならないという煩わしさがある。つまり効率を下げてでも溶接の手を一度止める必要があり、そのジレンマの解消が長年の課題だったそうだ。 溶接ノズルクリーナーは手持ちのラチェットハンドルに接続できるアタッチメントだ。よく見ると先端に穴が開いた構造をしており、この穴が溶接ワイヤをかわす役目を果たす。これにより清掃のためにノズルをトーチから外さずとも、工具をノズルの内径に差し込んで回すだけでスパッタをこそぎ取れる。先端部は、試行錯誤でたどり着いたスピーディにスパッタをこそぎ取れる理想的な形状。溶接の片手間にサッと清掃でき、溶接の効率と品質を一挙に上げられる一石二鳥の工具といえる。 面倒だったスパッタ掃除が簡単になれば、ノズルも長持ちするため廃棄物を減らせるという副次的な効果もある。すでに山善経由で先行発売を行っており、「これがないと作業ができない」というほど重宝する鉄工所もあるという。 「鉄工所は元々、我々にとってなじみ深いユーザーです」と担当者。「エビ印工具も広く認知いただいており、溶接ペンチも後発でしたが非常に好評をいただきました。溶接ノズルクリーナーはこれまで世の中になかった製品で、そうした新しい工具を親和性の高い業界にお届けできる。我々としても期待をしています」 (2022年11月25日号掲載)

(株)ロブテックス

2022年11月25日

オーエッチ工業「中空バール」

 産業用ハンマーにおいて国内トップシェアを誇るオーエッチ工業。そんな同社が今年相次いで「軽量化」に拘った作業工具を上市している。  そのひとつが「中空バール」だ。バールは本来、釘を抜く工具ではあるが重量物や硬いものをテコの原理で抉ったり持ち上げたりする用途でも使われる。それゆえ、本体部分には相当の負荷がかかるだけに、中空でも強度が確保されているかが気になるところだ。  「中空バールには機械構造用炭素鋼S53Cを使用しており、全体を完全熱処理していますので、曲げ折れに対し非常に強く耐久力に優れているのが特長です。また、先端部と柄の部分は溶接とカシメのダブル接合となっていますので、ガタつきや緩みの心配もありません」(同社)。  450?_サイズの平バールで重量はわずか490?c。中空バラシバールの750?_サイズで1.3?`グラム、中空カナテコバール1500?_サイズでも2・8?`グラムと従来品に比べておよそ30%の軽量化を実現している。  トラックやバス、設備のナット緩み点検や橋梁、トンネルのコンクリート点検に使われるテストハンマー。従来品は木製の柄が主流だったが、同社はアルミパイプを柄に採用した「アルミテストハンマー」を提案している。ミパイプ柄は軽量ですので手首への負担が約10%低減します。また打撃時の打音が聞き取りやすいので、点検作業に最適です」(同社)。 (2022年11月25日号掲載)

オーエッチ工業(株)

2022年11月25日