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ミツトヨ、高さ測定機が独iFデザイン賞

 ミツトヨの「高精度高さ測定機 リニヤハイトLH?600FG」(=写真)が世界的に知名度の高いドイツのiF DESIGN AWARD 2024(iF International Forum Design GmbH主催)を受賞した。同社のこの賞の受賞は初めて。測定機の操作性・機能性が特に高く評価された。 LH?600FGは直感的に操作できるクラス最高の指示精度±(1.1+0.6L/600)μmをもつ。ノギスなどの測定工具と3次元測定機などの測定機器との間の測定ソリューションをカバーし、様々な生産現場で使える。 iF DESIGN AWARDは1954年以来世界的に知名度が高く、国際的に権威がある。今回は72カ国・地域から1万1千件の応募があり、その約3割の商品が受賞した。すべての受賞デザインは公式サイト(https://ifdesign.com)で公開されている。 (2024年4月10日号原稿)

(株)ミツトヨ

2024年04月12日

ダイキンとSIRCが協業、防爆対応の角度センサユニット開発

 ダイキン工業と大阪市の技術ベンチャー・SIRCは、協業により「防爆対応 IoT角度センサユニット」を開発。3月にSIRCが販売を開始した。防爆エリアに設置された各種計器の針の角度を読み取り、PLCやPIMSに数値を自動で送信するもの。本質安全防爆のため耐圧防爆より小型軽量で特別な設置工事も不要。アナログメータへ後付けで設置し、化学プラントなどの点検業務の効率化や安定操業につなげる。 SIRCは大阪市立大学発の技術ベンチャー。コア技術は磁性薄膜とそれを用いたセンシングで、電力・電流・角度を計測して出力したり周波数を抽出できる磁性薄膜を微小チップに仕立て、これを活用した各種センサを開発する。化学業界では労働力不足により点検効率の向上が課題だが、防爆エリアでは防爆用の工事が必要で計器やセンサの設置コストが高いという問題があった。ダイキン工業も同じ課題を抱えていたことからSIRCと協業。淀川製作所の化学プラント内で検証作業を進めてきた。 これまで淀川製作所の約320カ所にセンサを導入し、年間で4千時間以上の点検関連業務を効率化できたという。異常停止などを防ぎ安定操業にもつながった。なお、同センサの電池寿命は高頻度データ更新(10秒)で5年。 (2024年4月10日号原稿)

2024年04月11日

赤松電機製作所、インバータユニット

 赤松電機製作所は3月21日、オニカゼミストコレクター用「インバータユニット」を発売。後付可能で、電気代が最大約5分の1になる、とあって発売2週間で50件以上の問い合わせがあるなど大きな反響を呼んでいる。 濱部光広営業部副部長は「設備を入れ替えるという大きな投資なしに、エコや電気代削減に貢献したいと開発が始まった」とする。 三つの運転設定で試算しており、アイドリングで消費電力約66%削減、ON/OFF切り替えで同78%削減。低速運転だけでも同46%削減などを例示する。「条件にもよるが早ければ1年程度で、購入額を回収できる」(同)とし「西日本の60Hzを54Hzにするだけで大きく削減できる。西日本でのメリットがより大きいので来る大阪と中部のどてらい市(5、6月に開かれる展示商談会)で積極アピールしたい」と笑う。 後付するためのコンパクト化には苦労した。採用したインバーターの排熱のため本来、広いスペースが必要だが「送風機メーカーならではのノウハウで排熱口とファンを設置してクリアした」(同)という。 赤松竜太郎社長は「ユーザーはカーボンニュートラル、省エネに敏感だ。既存製品に設置すればコストメリットが出るだけでなく脱炭素という社会課題解決に貢献できる。設備更新に比べ手軽であり販売者にとっても提案しやすい商材だ」とコメントした。 (2024年4月10日号原稿)

(株)赤松電機製作所

2024年04月11日

ゴイク電池、瞬時にEVバッテリーの残存価値評価

 電気自動車(EV)の更なる発展のためには、リセールバリュ(残価率)の明確化による中古市場の確立が重要だ。「EVには乗ってみたいが、売るとき二束三文だからなー」と二の足を踏む向きは多い。 EVの価値の3分の1を電池が占めるが現在、電池の残存価値を素早く正確に判定できていない。そこで電池の価値をゼロ円にして査定している場合が多く、格安での売却や、電池の劣化状況があいまいなままの中古販売が行われている。 EVバッテリーなどあらゆる蓄電池の残存価値を瞬時に診断する独自のDIR(Dynamic Internal Resistance:動的内部抵抗)法を用いた「EV診断装置」を開発したのがゴイク電池だ。田畑章CEOは「現在の充放電法では一旦、満充電にして、放電し、放電電流積分により容量を測定するが、EV一台で丸一日かかる。当社の技術は、CHAdeMOの充電口に差し込むと30秒ほどで残存価値を判断する。中古車市場が活性化すれば新車もより売れやすくなっていく」と話す。 同社のシステムは瞬間的に充電した際の電圧変動からDIRを測定し、電極の反応面積を求め容量を算出する方法を取る。開発者の高岡浩実テクニカルフェローは「『電池が電気エネルギーをどのように蓄えるのか』のメカニズムの研究は19世紀後半から飛躍的に進展し、電気化学という学問ジャンルが定着しつつある。その履歴をたどり、高度に進化した現在のデジタル計測技術を適応し、(セル ・ モジュール診断では)わずか1秒内で電池性能の全様を透けて視える如くに性能定量化を可能に導いた」と説明する。 元々は効率のいい充電方法の研究がベースにある。田畑CEOがわかりやすくビールに例えた。「ビールを一気に注ぐと泡が立って溢れてしまう。なので、ドッと注いで一瞬止めて泡が収まったら再びドッと注いでを繰り返すと溢れることなく満タンに出来る。同様に、瞬間的に充電し止めた際の『泡』に当たる変動を測定し電池の残存価値を瞬時に判定している」という。 ■量産で価格を抑える  大手リサイクルメーカーとの共同開発(共同特許出願)、バッテリー関係のコンソーシアムでのEV診断の実証実験、大手自動車メーカーと廃電池によるV2Hの実証実験などを進めている。 現在は試作機を自社生産しており、価格は1000万円ほど。引き合いは多く、海外の大手電池メーカーとのコラボも決まった。 今後は、量産化、小型化、充電器との機能統合、データ分析のクラウド化を経て最終的には一台数十万円?数百万円にしたい考え。また電池の容量や大きさなどの細密なデータをベースにして診断するため、診断できる車種が限られる。対応車種の拡大も急がねばならない。 量産が叶えば、中古車販売店、ディーラー、中古車買取センター、リース会社などに納入が見込まれる。また電動バイク、電動自転車、電動キックボードなどにも応用が可能だ。 車載バッテリーは、2030年頃から大量に廃棄される見込みだ。その廃バッテリーの処置はいま以上に大きな社会課題になってくる。再利用を可能にするためにも、同社のバッテリーの性能や容量、劣化の判定に一役買いそうだ。 【写真左】高岡浩実テクニカルフェロー、【写真右】田畑章CEO (2024年4月10日号原稿)

2024年04月11日

THK、鉄道・物流業界向けユーティリティスライド

 THK(東京都港区芝浦2-12-10、TEL.03-5730-3911)は転動部にホイールを採用した鉄道業界、物流業界向けユーティリティスライド「Advanced Wheel Guide」の受注を始める。このスライドは同社がこれまでLMガイドで培ってきた調心機能をもち、ラフな取付でも誤差を吸収して長期間安定したスムーズな案内を実現するという。 アウタメンバとホイールが2点で接触するサーキュラーアーク構造を採用。取付面の精度が低い場合でもスムーズなスライドが可能になる。独自開発したグリースタンク構造によりグリースを転動面に適切な量を塗布できるため、余分なグリース排出を低減する。鉄道車両用ドアや自動倉庫ラック、工作機械の扉開閉部などへの需要を見込む。 (2024年4月10日号原稿)

THK(株)

2024年04月10日

日進工具、独自の大きな底刃Rで高能率加工

 日進工具がこのほど上市した高能率レンズ形3枚刃エンドミル「MLFH330」は、5軸加工で主に用いられるボールエンドミルよりもピックフィード(切込み間隔)を大きく設定できる独自刃形状をもつ。 一般的にボールエンドミルの形状は「ボールR=外径/2」という制限がある。そのため小径サイズの工具ではピックフィードを大きく設定できず、効率的に加工できない課題があった。MLFH330はレンズ形の「底刃R≧外径」を実現。外径に対しRを大きくすることでピックフィードをボールエンドミルより大きく設定できるようにした。 例えば、φ6の2枚刃ボールエンドミルの場合R3であるが、MLFH330の場合、同じくφ6であってもR8。つまり、φ16の工具と同じRサイズを確保できる。大きな底刃Rでピックフィードを大きくとることで高い加工能率を実現する。 一方で、大きく削れるということは切りくずも大きくなり、排出性が悪いと切りくずが詰まってしまう。本製品は切りくずの大きさに対して十分な排出空間を設けた独自の工具形状をしており加工を阻害しない。 また、本製品は3枚刃を採用しているため、一般的な2枚刃ボールエンドミルよりも送り速度も高められ、Rサイズの拡大と併せて高い加工能率を寄与する。ヘッドアップディスプレイ向け金型など加工面積の広い緩斜面や平面の加工に向き、同社が行った加工デモでは加工時間を約56%削減。加工時間短縮による工具寿命の向上など、生産性とコスト両面でメリットを発揮する。 (2024年3月25日号掲載)

日進工具(株)

2024年04月09日

岡本工作機械製作所、機上計測ユニット提案強化

 岡本工作機械製作所は精密平面研削盤「PSG-SA1」シリーズのオプション機能である機上計測ユニット「Quick Touch」の提案を加速している。 PSG-SA1は2017年の発売以降、国内シェアNo.1の汎用平面研削盤。累計5000台超の製造を記録したPSF-DXシリーズの後継機にあたり、操作盤に大型タッチパネルを採用するなど、従来からの操作性の良さに熟練作業者以外でも使いやすい工夫を施した。 機上計測ユニットQuick Touchは専用プログラム不要で、直感的にチャック上のワークに測定器を当てるだけで数値が反映される自動化システム。 「精密測定の前に機上測定を行うことで次工程をスムーズにし、不良品を大幅に削減する。また、砥石径を計測可能なエアセンサによって自動サイクルにも対応できる」(同社担当者) PSG-SA1は従来通りの手動研削だけでなく、ドレスを含んだ粗・仕上げ・スパークアウトといった連続した研削サイクルを自動で行える。そこに機上計測を組み合わせる事で、ワークを機械から取り外さずに寸法計測できるだけでなく、計測した寸法を基に砥石の当て込みの自動化・簡略化や加工後測定による追い込み加工にも活用できる。 生産現場からの要望で開発した経緯もあり、手動でレバーとボタンを操作するだけで測定可能。汎用研削盤らしい人の感覚に沿った形で、機上測定による省力化の恩恵を得られる。 (2024年3月25日号掲載)

(株)岡本工作機械製作所

2024年04月08日

ベッセル、電工アジャストナイフ

 ベッセルは3月4日、「電工アジャストナイフ」のほか「専用替刃」「電工アジャストナイフホルダー」を発売した。電線の被覆剥き、PF管の切断、ボード開口部の加工・削りなどに向く。 電工アジャストナイフ(合金工具鋼刃)「DAK-1」と同(ステンレス刃)「DAK-2」(写真)は、刃研ぎがしやすい合金工具鋼刃、錆に強いステンレス刃というそれぞれの特徴がある。作業に合わせて刃の出代を調整可能(0~63?_/スライドピッチ5?_)で刃は収納できるので安全だ。しかも携帯時や保管時にコンパクトになった。 スライドはオートロック式で、裏面のダイヤルで刃の振れを抑えられる。 電工アジャストナイフホルダーは電工アジャストナイフがスムーズに出し入れできる広い差込口としっかり保持する専用形状。落下防止コードやカラビナが取り付けできるDリングがついている。 電気工事の現場においてカッターナイフの使用によるケガが多いことや、折れた刃が製造品に混入するなど事故が発生し、カッターナイフの使用を禁止している流れがある。現場での電工ナイフの需要が高まっている。 同社は「電気工事士などにヒアリングをおこない、より使いやすい製品を開発した」とした。 (2024年3月25日号掲載)

(株)ベッセル

2024年04月05日

キャディ、図面活用クラウドに見積アプリ追加

 キャディは図面データ活用クラウド「CADDi Drawer」に新アプリケーションを追加。AI見積クラウド「CADDi Quote(キャディ クオート)」を4月より提供開始する。AI類似解析技術により調達におけるサプライヤー選定を自動化し、見積りの送付・管理・査定を高度に効率化、調達活動の工数とコストを削減する。 「多品種少量生産のメーカーでは、見積先の選定プロセスや図面の仕分け作業において、属人性や一元管理ができていないといった課題があった。CADDi Quoteで見積りの進捗管理や相見積比較、見積情報の一元管理までプロセスを一気通貫でき、効率化・標準化を促す。価格査定とサプライヤー選定の最適化により原価低減にも寄与する」と同社は話す。 提供予定の機能は次の通り。(1)CADDi Drawerで保存している図面群から見積手配する図面を選択し、CADDi Quoteに一括で取り込む。(2)AI自動選定機能が、過去の類似画面の発注実績をもとにして見積りする図面ごとに見積依頼先サプライヤーを自動選定。(3)CADDi Quoteから見積依頼を受領した各サプライヤーが見積回答、即時にバイヤー側の画面上へ反映され、品目ごとに横並びで一覧化し、簡単に比較が行なえる。 (2024年3月25日号掲載)

2024年04月04日

DMG森精機、伊賀事業所の木質バイオマス発電

 DMG森精機は2月末、設備メーカーのGLOCK ecotech GmbH(オーストリア 以下GLOCK社)、エンジニアリング担当のテス・エンジニアリング(大阪市淀川区)との3社共同の取り組みにより、木質バイオマス発電のガス化炉メンテナンスフリーで連続稼働2000時間の達成を発表した。 同社は2022年5月から、CO2排出量が実質ゼロとなるGLOCK社製の木質バイオマスガス化熱電併給設備を伊賀事業所に導入し、運転開始している。同設備は木質チップ原料を蒸し焼き(ガス化)し可燃性ガスを取り出し、電気と温水を生み出すもので「発電施設に隣接した塗装工場の動力・空調・照明用電力の約25%をまかなっており、温水は同工場の洗浄液の温度管理などに使っている」(同社) 木質バイオマスガス化熱電併給設備は、ガス化炉内に付着物が堆積し、閉塞トラブルが発生するため安定稼働のためには適切な予防メンテナンスが不可欠だ。同社は約500時間ごとにガス化炉内のメンテナンスを実施していたが、メンテナンスフリーの時間拡大のため3社共同で、木質チップの品質改善やチップ微粉を除去するふるい装置の追加、ガスフィルタの目詰まり解消機能を改良。一般的な目安とされる500時間を上回る連続稼働2000時間を達成し、年間稼働率を65%から80%以上にまで高めた。 (2024年3月25日号掲載)

DMG森精機(株)

2024年04月03日

サトー、製造業に特化したRFID管理システム

 サトーはこのほど、製造業における生産ラインの消耗品や高額予備品等を一元管理するRFID管理システム「IritoDe(イリトデ) 設備予備品管理」の提供をはじめた。一括読み取り可能なRFIDを使って工場内の様々な設備予備品を管理し、効率化や在庫の適正化につなげる。部品ごとのタグの付け方などの知見も提供し、金属部品のRFID管理も可能になる。 設備予備品は生産ラインなどの設備保守のために備蓄される部品だ。大規模な工場では1万点以上、中小規模の工場でも数千点の在庫が保有されている。バーコード読み取りによる管理では1点ずつスキャンが必要で人手を要するが、RFIDは複数のタグ情報を離れた場所から一度に読み取ることが可能。昨今は材料不足の影響で予備品の供給タイミングや量が変動して在庫管理が難しいとされるが、管理の工数と時間を大幅に低減できる。 イリトデ 設備予備品管理は工場内のあらゆる設備予備品を一元管理可能。機械や電気・電子、食品など様々な製造業に対応できる仕様だ。一般的に金属部品はRFIDによる読み取り感度が低下しやすいが、同社の知見を反映した保管方法などを提案することで金属部品の管理にも対応する。在庫適正化による維持コストの低減、予備品を探す時間の短縮、棚卸作業の工数削減などの効果があるという。 (2024年3月25日号掲載)

2024年04月02日

LIXIL、トイレ自動洗浄機能を強化

 LIXILはINAXブランドのフラグシップモデルとなるタンクレストイレの新製品「SATIS X」を発表。6月3日より販売する。 現代人の悩みの一つとされる「家事ストレス」。なかでもトイレ掃除は、LIXILが行った家事に関する調査でも、風呂掃除に次ぐ面倒な家事として挙げられている。このような背景から同社は、トイレ掃除の負荷を軽減する新たなトイレを開発した。 「トイレ掃除でユーザーが最も大変だと感じているのが便器の内側。そこには汚物などの目に見える汚れと、微生物やハウスダストなどの見えない汚れが存在する。SATIS Xは、いずれの汚れも自動で落としキレイがつづく」(同社・大西博之執行役員) 目に見える汚れは3方向からの水流「極みトリプル水流」で、使うたびに便器鉢内の全面を強力に洗浄する。目に見えない汚れは、毎日たっぷりの泡で自動で掃除をする「泡クリーン」により清潔を保つ。 加えて、汚れが付きやすい場所であるおしり・ビデのノズルまわりにおいても、ノズル本体を従来の2倍以上の強さで洗浄する「ノズルオートクリーニング」と、使用後にノズルシャッターを洗浄する「シャッタークリーニング」を搭載。トイレ自らが普段の掃除をしてくれるのでタイムパフォーマンス向上にも繋がる。 カラーは、インテリア空間と美しく調和するブラック、グレー、トープ、ピュアホワイトの合計4色展開。価格は49万7000円から。 (2024年3月25日号掲載)

2024年04月02日

ブルーイノベーション、ロボットが巡回して点検・保守

 ブルーイノベーション(東京都文京区、熊田貴之社長)は発電所や石油化学プラント、工場などのインフラ施設内を自動走行ロボットが定期的に巡回し、点検・保守業務を効率化・無人化するロボット自動巡回ソリューション「BEPサーベイランス」の正式サービス提供を2月21日に始めた。購入とサブスクリプションのプランを用意する。 点検・保守の多くは人の巡回による目視と紙による記録で行われ、膨大な手間と時間を要していた。BEPサーベイランスは高画質カメラやサーモカメラ、マイクなどを搭載した自走ロボット(幅458×奥行501×高さ1210?_)が施設内を定期的に自動巡回し、データ収集する。巡回後は充電ポートに帰還する(充電および連続稼働時間はともに4時間)。同社は「時間や手間を減らすだけでなく、作業内容の標準化や点検データの蓄積・定量化による予兆保全に貢献する。また遠隔からのリアルタイム監視も可能なため、施設状況を即時に把握したい緊急時にも活用可能」と言う。 (2024年3月25日号掲載)

2024年04月01日

クリナップ、移動式キッチンを初披露

 クリナップは3月7日、武蔵野美術大学の市ヶ谷キャンパスで「未来キッチンプロジェクト」産学共同発表会を開いた。プロジェクト内で研究を進める「次世代キッチン」のひとつとして、未来のライフシフト対応や災害支援に貢献できる移動式キッチン「モビリティキッチン」のプロトタイプを発表した。 モビリティキッチンは、シンク・コンロ・調理台の機能を持った3つの箱型ユニット(600×480×200?_)からなる。それぞれがメインキッチンとして使用できる性能を有していながら、女性一人でも簡単に移動できるサイズで生活シーンや暮らしの移り変わりに合わせて柔軟に変化できる。 同社は2019年より武蔵野美術大学と産学共同で「キッチンの未来ビジョンづくり」をスタートさせ、社会課題に対しキッチンが貢献する可能性を模索してきた。23年に発足した未来キッチンプロジェクトでは「脱LDK」をテーマに研究開発を進めており、モビリティキッチンもその一環。取り組みを主導してきた同学・ソーシャルクリエイティブ研究所の山?ア和彦特別研究員は「社会課題に貢献するには、家の中だけでなく社会の中で料理を食べることが大切。特に日常的な『いつも』と災害時などの『もしも』をいかに両立するか」とモビリティキッチンの開発背景を語った。 キッチンのモビリティ化にあたり最も大きな課題が給排水だ。工業用フィルターなどを手掛ける三美製作所の協力を得ながら開発した独自のろ過装置は、シンクユニットの大きさを変えることなく小型化に成功。バッテリー駆動かつフィルターの衛生性を保つ逆洗浄機能を搭載しているため、もしもの際の長期間の独立稼働にも向く。開発の中心を担った同社・開発戦略部商品戦略課の近岡咲主任は「給排水を家から切り離すことで場所を選ばない自由で新たなライフスタイルを提案する。実証実験では自由に使える水があることで、野外でも自然と日常の調理と同等頻度で手や物を洗うことができた。気兼ねなく水を使えことに大きな可能性を感じた」と話す。 同プロジェクトのリーダも務める同社の竹内宏社長は「ライフスタイルが多様化・自由になる中で、キッチンがLDKに固定されたままでよいかに強く疑問を持つようになった」とし、「山?ア先生の豊かな見識、学生からのフレッシュな意見によって当社は良い刺激を受けた。プロジェクトは確実に前進している」と手ごたえを話し、2030年までに次世代キッチンを事業化していく考えを改めえて示した。 (写真=ホンダアクセスの協力でN-BOXからの取り出しデモも行われた ) (2024年3月25日号掲載)

2024年04月01日

日動工業、車載ガジェットセット発売

 日動工業は3月4日、高圧洗浄機やハンディクリーナー、ワイヤレス充電台を一まとめにした車載ガジェットセット「サンデークリーナー(GG-SET01)」を発売した。 それぞれのアタッチメントを大容量バッテリーに付け替えることで、1台で多様な使い方が可能となる。またバッテリーはUSB出力付きで、スマートフォンなどの充電にも対応している。 「車やバイクのお掃除」「海や川で遊んだ後の簡易シャワー」「現場での道具洗浄」などのシーンを想定しており、「ハンディクリーナーと、高圧洗浄機と携帯充電器がとってもコンパクトに収まるので玄関や物置のどこに置いてもシンデレラフィットすること間違いなし」(同社)とアピールしている。標準価格は税別4万5000円、初回生産数500台となる。 (2024年3月25日号掲載)

2024年03月29日

YKK AP、2024年問題に向け省施工商品拡充

 YKKグループは3月5日、都内で2023年度の連結業績(推定)と24年度の経営方針を発表した。AP事業を担うYKK APは売上が前年比106・2%の5399億円、営業利益が同140.4%の250億円と増収増益を見込む。売上、営業利益ともに計画には届かなかったが、売上は3年連続で過去最高を更新するとみる。 同社の魚津彰社長は「昨年12月に公表した業績予測時よりも国内外ともに市場が低迷した。特に着工件数が住宅もビルも思った以上に悪かった。3省の補助金に向けた動きも昨年ほどではなく、2月3月の立ち上がりが遅い」と状況を分析。 24年度の市況感については、物流・建築業界での2024年問題の影響が深刻で、97億円のコストアップの主要因がロジスティクス費用の上昇であると明かした。魚津社長は「10%以上の価格転嫁の要請をいただいている。加えて、荷待ち・荷役作業時間を2時間以内に収めるための補助作業員の配置などもコストアップ要因」とし、製品価格への転嫁の可能性も視野に入れる。 建材メーカーとして製品の省施工化にも積極姿勢だ。住宅窓やリノベーション分野だけでなく、ビル向けでも省施工商品を拡充する。4月30日発売予定の「SYSTEMA81u」はこれまで高層建築物で採用されてきたユニット工法を中層建築物でも導入できるようにしたもの。足場設置が不要な上、工場で加工から組立て・ガラス施工までを一貫して行うため、「現場では従来の3分の1程度の施工時間で設置でき、工期がタイトな現場での採用が期待できる。美観やデザイン面でも評価を受け、既に標準採用を決めているゼネコンも出てきている」(魚津社長)と好調な滑りだしだ。魚津社長は「全体の流れの中での省施工を全ての商品で追求していく」と話し、建設現場の課題解消に向けた取り組みを加速する考えを示した。 (2024年3月25日号掲載)

(株)コロナ

2024年03月29日

ユニバーサルロボ、ニューエラーの2爪ハンドをUR+に

 デンマークのユニバーサルロボット(日本支社は東京都港区)は3月12日、ニューエラー(大阪市生野区)の2爪電動ハンド「ELCT1-100-20-NEWR」(可搬1.5?`グラム)を、ユニバーサルロボット製協働ロボット(URロボット)の周辺機器プラットフォーム「UR+」製品として認証したと発表した。  この電動ハンドは把持力を3段階(60N、80N、100N)、レバースピードは3段階(0.9、1.2、1.8秒)に調整可能。開閉毎に動作ストロークを記憶し前回の停止位置の手前で減速するソフト把持機能も備え、ワークを傷つけにくい。動作状態を確認できるインジケータランプ、電源が落ちてもワークを把持する落下防止機能、意図しない挟み込みが起こった際のフィンガーリリース機能など、リスクアセスメントの際に活用できる安全機能を搭載する。ハンドの開閉や把持力の制御をURロボットのティーチペンダントから行える。 (2024年3月25日号掲載)

2024年03月28日

中村留、速さに特化の3タレット複合加工機

 中村留精密工業は5月16日に複合精密CNC旋盤「NT3Y-100V」を発売する。Y軸が標準の上下3タレットと対向型の2スピンドルを搭載。昨年7月に発売したスピードに特化したVシリーズの第2弾で、加工中のアイドルタイムを短縮する機能の搭載により、ブロック形状のサンプルワークで加工サイクルタイムを従来機比30%短縮する。 NT3Y-100Vは同社が3タレット機のフラッグシップモデルに位置付ける機械だ。加工条件を変えずにアイドルタイムを削減する機能「クロノカット」を標準搭載し、精度に影響を及ぼすことなくサイクルタイムを短縮する。L・R同時加工や上下同時加工も可能。最大で72ステーションへ工具の取り付けが可能で、ワークの切替時にも工具段取りを変える必要がなく段取り時間の短縮も図れる。 中村匠吾社長は「近年は複合旋盤で素材から完成品までを1台にまとめる要望が非常に多く、精度の高いワークを自動で流し生産量も確保したいお客様も多い。NT3Y-100Vのサイクルタイム短縮と段取り時間短縮という明快な価値を届けたいという思いで開発した」とする。価格は標準で税抜4240万円。 (2024年3月25日号掲載)

中村留精密工業(株)

2024年03月28日

TONE、金属板や線材に対応の万能ハサミ

 TONEはこのほど、紙や布、金属板、線材など様々な物の切断に対応する「万能ハサミ」を発売した。錆に強いステンレス製のギザ刃がワークをしっかりとらえる。不意の開閉を防ぐロックレバーや、連続作業時に有効なスプリングも搭載した。 標準価格は4330円。切断能力(目安)はアルミニウム/銅線がφ2・5まで、銅より線導体がφ3芯×2?_、アルミ板1?_まで、銅板0.5?_まで、亜鉛めっき、ブリキ板0・4?_まで。他に5?_までの革やゴムシート、φ5.5の電線ケーブルなどの切断にも対応する。 (2024年3月25日号掲載)

TONE(株)

2024年03月27日

広島どてらい市、地元企業出展などご当地色濃厚

 展示商談会「広島どてらい市」(主催店=21社/出品メーカー157社)が3月8日~9日、広島市中小企業会館(広島県広島市)で開催された。2日で計2654人(計画2800人)が来場。受注額は18億9659万円(計画18億5000万円)となった。 (写真=左から山善の岸田貢司社長、やまびこジャパンの水嶋伸介社長、シージーケーの下河内一成社長)  開会式で主催店を代表してシージーケーの下河内一成社長は「広島では半導体の供給不足が回復し自動車関連の生産が回復している。また人手不足が深刻化し自動化や省力化ニーズが高い。多くのお客様は3月決算で『何かいいものがないか』と来場されている」と購入意欲の高まりを指摘して鼓舞した。続いてメーカー代表のやまびこジャパン水嶋伸介社長が「山善のパーパスは『ともに、未来を切拓く』であり、ステートメントには『現場』『課題解決力』『人間力』というワードが出てくるが、それがすべて求められるのが広島どてらい市だ」とした。山善の岸田貢司社長は「株価はバブル期を超えたが、もう一つモノづくりに元気が欲しい。バブル期は、日本は筆頭を走り、中国や韓国のモノづくりを支援していた。今日はそうした国が力をつけライバルとなっている。その中でも日本の製造業者は技術を磨き続けている。我々はしっかりサポートしていきたい」と事務局本部を代表して話した。 ■脱炭素、物流問題に注力  地元企業のキャステム(広島県福山市)が「デジタルキャスト」で作った実物大ロビンマスクを展示して注目を集めていた。古くからある鋳造技法の「ロストワックス製法」の工程に3Dプリンタを活用し進化させたデジタルキャスト。樹脂素材模型を製作することで金型レス(型費不要)で鋳造品を製造する。同社の岩井駿佑副主任は「金型を使用しないので、一つから対応できる。開発段階の試作であれば、形状変更なども多いので、柔軟に対応できる技術だ」とした。ステンレス鋼で作ったロビンマスクを商品化しているが重量7?`と装着が難しかった。今回は展示会で実際に被れるように軽いアルミで制作した。 (写真=デジタルキャストで製造したロビンマスクをかぶるキャステムスタッフ)  同じく地元企業のホーコス(広島県福山市)は自動切りくず圧縮機「チップイーター」をアピール。かさばる金属切りくずを圧縮し固形(ブリケット)化。無圧縮に比べ、運搬回数を最大75%削減できるなど「2024年問題」にも対応する。担当者は「小型でより高い圧縮を可能にした。ラインに一つといった小回りの利く使い方ができる」とする。また「スラッジに関して、水を絞るという用途で使っているユーザーさんも多い」(同)とする。チップイーターの大処理タイプも発売した。 広島市場を狙って初出展したのがフアクトだ。「中部や関東では導入実績が多いが広島ではまだまだ。自動車関連産業が多いという点は中部と共通しており、十分狙っていける市場」と前田将寿さん。CAD/CAMソフト「Fusion」で作成したデータを用いブラザー工業・5軸マシニングセンタ「U500Xd1」で加工提案を行った。「Fusionはサブスクリプションで使っていただける。購入だと、一気に代金がかかるが、バーションアップ対応も含めて一定の金額で利用できる」(同)と利点を説明した。 広島地区初お披露目の工作機械、ファナック「α?D28LiB5 ADV Plus Y500」の前にも人だかりができていた。EV部品などの大型ワークに対応するためY軸ストロークが100?_拡張され500?_に。Y軸5段テレスコピックカバーの採用などにより、機械全長は従来仕様+65?_に抑えた。隣では北川鉄工所がファナックとコラボし、BT30MCに搭載できるコンパクト設計のローラギヤカム構造NC円テーブル「RKT500」を展示。担当者は「40番の機械でないと取り付けられなかった直径500?_、高さ270?_の円テーブルを30番に取り付け可能にした。ユーザーはトータルコストを抑えられる」と説明した。 2024年問題が目前に迫る中、物流に関するソリューションが多く見られたほか、脱炭素を目指す製品も百花繚乱だった。 (写真=広島では初お披露目となるファナック「α-D28LiB5 ADV Plus Y500」)  鈴木製機は垂直自動搬送機「AKS-100」の実機を展示し、迫力のある提案となった。コンパクト設計で、狭い建物でも設置しやすいのが特徴だ。奥山恵治マネージャーは「コンベヤに荷物を載せて運び入れる機械だ。直接人が搬入しないので昇降機に該当しなくなる。今新たに昇降機を設置するためには建築基準法の確認申請などが必要で設置できないことも多い」と話した。確認申請や完了審査が不要な垂直自動搬送機で、違法リフト問題の解消を目指していく。 脱炭素ではユキワ精工が「グリーンG1チャック」を提案。ホルダ内部に振動減衰構造を設け、高速・重切削での振動を減衰。エンドミル加工時、今までのツールホルダーよりも高送りが可能となり、サイクルタイムを短縮し生産性が向上する。「一つのワークに対する稼働時間が減れば消費電力がカットできる。また工具寿命が延びる。20%伸びたというユーザーが多い」(佐川昌平所長)とエコ性能を訴えた。同チャックが一本売れるごとに同社が「緑の募金」に寄付する「Go Green Challenge」も実施している。 (2024年3月25日号掲載)

2024年03月27日

サンドビック、低抵抗の肩削りカッタ

 サンドビック・コロマントは3月1日に低抵抗直角肩削りカッタ「Coromill MS60」を発売した。肩削りフライスからランピングによる穴あけのポケット加工までカバーする高い汎用性と、低抵抗加工による加工安定性の高さが特長。カッタ径φ50~100の8種、チップは汎用型と刃先強化型の2種類のチップブレーカで各被削材用の材種9種を取り揃えている。 カッタボディに高剛性のチップシートを採用。鋳肌や鍛造肌など切削抵抗が安定しない場面でも高い信頼性を発揮する。内部クーラントホールもありタグタイル鋳鉄等の切りくず排出にも効果的。チップはダイレクトプレス両面6コーナ仕様でコーナ単価を低減。両面使いのネガティブチップだが逃げ面に逃げ角を設けたことでランピング加工時も切削抵抗が少なく安全に加工できる。 鋼や鋳鉄の荒~中仕上げで最もパフォーマンスを発揮するほか、ステンレスや耐熱合金の加工にも対応する。 (2024年3月25日号掲載)

サンドビック(株)

2024年03月26日

Exotec、Skypodシステム

 GTP(Goods To Person)方式の自動倉庫などを手掛けるExotec Nihonは3月13日、仏・Exotecが全世界のSkypodシステムの累計売上が10億?j(約1500億円)を突破したと発表した。マテリアルハンドリング企業として、最も早くこのマイルストーンへ到達した企業の一つとなった。 ロマン・ムーランCEO兼共同創立者は10億?j達成に当たり、「倉庫自動化に対する当社のアプローチが唯一無二で、お客様から強い共感をいただいたことを示している。当社はビジネスのニーズに追従できない、保守が難しくシステム統合に多額のコストがかかるといった従来型の自動化システムに依存してきた業界に、革新をもたらしている。当社の継続的な成長は、柔軟性と信頼性の高いパフォーマンスが、あらゆるサプライチェーンリーダーにとって最重要であることを証明している」と述べている。 (2024年3月25日号掲載)

2024年03月26日

ソディック、8年ぶり自社展に630人

 ソディックは3月12、13の両日、神奈川県横浜市の本社/技術・研修センターで各種金属加工機の紹介やセミナーで構成するプライベートショーを開き、機械ユーザーや流通業者ら630人が訪れた。 コロナ禍の影響を受け、同社が本社でプライベートショーを開くのは8年ぶり。「自動化&省エネ」をテーマに放電加工機や細穴加工機、マシニングセンタ(MC)、金属3Dプリンター、射出成形機など20台ほどを実演を交えて紹介した。自動化の提案ではMC「UX450L」で加工した銅電極を自動ワーク交換機に保管。保管された銅電極をミツトヨ製3次元測定機でCADと比較して測定し、それをロボットで形彫放電加工機「AL40G」にセットして加工する様子を見せた。同社は「このようなシステムに対してユーザーさんは以前は価格高から避けられる傾向があったが、採用実績が増えてきた。自動化すれば稼働時間を大幅に増やすことができ、1人のオペレーターで複数の機械を操作できる」(広報室)とメリットを話す。 このほか自社開発の金属3Dプリンター用の粉末材料「SVM」も紹介し、「これを使えば大物造形物が割れにくく、ギガキャスト用金型向けにも提案していく」とする。今後同社はこのようなショーを毎年開催する予定。 (2024年3月25日号掲載)

2024年03月25日

AMでのスキャナ活用体験会、リバースエンジニアリングの重要性学ぶ

 「デジタルモノづくり(AM)におけるスキャナ活用体験会」が2月27日に開催され、参加者はハンディースキャナArtec社の「Spider」や「Leo」を用い、持ち込んだワークでスキャニングを体験した。 製造現場のDXが普及し、「データからモノへの変換装置」である3Dプリンタの需要が高まると同時に、「モノからデータへの変換装置」である3Dスキャナも重要度が増してきた。 講師を務めた松野恭子氏は「対象物をスキャニングして、編集を経てCADに起こして3Dプリンタで造形するのが一般的な流れ」と説明する。スキャナの原理としてはブルーレーザーや赤外線など各種光源を対象物にあて、跳ね返りによって形状情報などを読み取りデータ化する。 「スキャナはどんなものでも読み取れるわけではない。光を反射しない黒いもの、透明なもの、光沢のあるものや鏡面状のものは取得した点群が抜けるためうまくスキャニングできない」(松野氏)とする。ただし、表面にマットな膜を作るスキャナ用昇華スプレーによる対応策がある。また解像度と正確性は比例し、性能が良ければよいほど精度は上がるが、点群のバラつきまで再現し、精度の誤差を生じさせる問題があるという。 ■3DCADへ変換の難しさ  スキャニングするとSTLデータになる。「STLから3Dプリンタで造形することもできるし、テクスチャーをつければCGなどにすることも、CAE流体解析にも比較的容易に出来る。ただし3DCADデータにするには形状のゆがみや反り返りなど誤差が多く含まれるため自動判別で変換できない。そこでリバースエンジニアリングが必要になる」(松野氏)とする。リバースエンジニアリングでは3DCAD上で一つ一つ形状を読み取り、トレースするような形でモデリングすることになる。 松野氏は編集ソフト「Artec Studio」の操作説明を行った。その後、参加者は持参したワークを用い「spider」や「Leo」でスキャニング体験をした。 (2024年3月25日号掲載)

2024年03月25日