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山善「ゲンバト」、SaaSプラットフォームに日報管理などデジタル化してデータ集計

 山善は今年2月にリリースしたモノづくり企業向け複合型SaaSプラットフォーム「ゲンバト」(https://genbato.jp/)の新サービス「日報管理」「QC文書管理」の提供を9月に始めた。 「日報管理」は日報をデジタル化してデータ集計ができるので、「設備稼働率や製品ごとの原価構成(素材単価、電気代、各種チャージなど)を可視化でき、原価低減の取り組みにもご活用いただける」と言う。普段の日報業務をフォーマットに沿って入力するだけで集計作業を自動化できる。「QC文書管理」は作業手順書の作成をサポートし、品質関連書類をクラウドで一元管理することで、中小製造業の文書管理の品質を向上させる。 ゲンバトはこれまでの「図面管理」「不良記録」「設備管理」「エンムスビ」を合わせて計6つのオリジナルサービスで構成。サービス同士を連携させることができ、各サービスは月々1万~2万円で始められるサブスクリプション(定期課金)で提供する。10月には設備稼働率や製品ごとの原価、原価構成がグラフで閲覧できる「ダッシュボード機能」をローンチ予定。 (日本物流新聞10月10日号掲載)

2024年10月18日

たまゆら、コシノジュンコ氏がワークウエア初デザイン

 世界的デザイナーのコシノジュンコ氏がワークウエアを初デザインした「たまゆら」の「Mr.JUNKO WORK WEAR」が9月中旬に発売された。同氏らしいモードなデザインでスマートなカラーコンビネーションが特徴。また現場作業の高い機能性を備え、「働く人の個性を豊かにする新しいワークウエア」(同社)とアピールする。カンデオホテルズ大阪枚方で9月12日に開催された、秋冬新作発表会「TAMAYURA NEXT 2024」でお披露目が行われ、同氏も登場しファッションショーが行われた。 ファッションショーでは作業服メーカーの秋冬新商品の紹介に続き、「Mr.JUNKO WORK WEAR」を着用した男女モデルが舞台を颯爽と歩いた。環境に配慮した軽くて丈夫なストレッチ素材を使用し、動きやすさを追求した「MJWW-01」。スタンドジャケットはシャープな着こなしを実現し、右側のフラップが特徴だ。多様なワークウエア以外に軽量安全靴「MJWW-09」も登場。FREELOCKダイヤルで簡単調整出来る点をアピールしていた。 Mr.JUNKO WORK WEARを着用したモデルによるファッションショー ■きれい、着心地がいい、気持ちいいの新3K  同氏は「作業着というと3K(きつい・汚い・危険)のイメージを持たれやすいが、ワークウエアという言葉と共にきれい、着心地がいい、気持ちがいいの新3Kにし仕事に『気』が入るようにデザインした」とした。 ほかにも同社が一部を手掛け大阪・関西万博で使用される運営スタッフユニフォームも展示された。二酸化炭素を閉じ込める性質のあるヨシ(滋賀県高島市で採取)を利用した素材で作られた。この素材は同氏のメンズスーツブランドにも採用されている。 たまゆらの岡本哲社長は「働く人がいかに、格好よく働けるか、が重要だ。もちろん機能性は重要だがファッション性を重視して『働く喜びを感じられる服』を作りたかった。私の青春そのもののコシノ氏が、この想いをデザインとして具現化してくれた」と語った。 コシノジュンコ氏に聞く ワークウエアデザイン  だんじりが原点 世界的デザイナーのコシノジュンコ氏がワークウエアを初デザイン。「たまゆら」から「Mr.JUNKO WORK WEAR」として発売された。同氏にコンセプトやこだわりを聞いた。 ――人手不足が叫ばれる業界だが、ワークウエアが果たす役割は。 「学校の制服に憧れて、入学するということがある。かっこいいワークウエアを着れば責任とプライドを持って仕事が出来る。そういう姿を見れば、『あの仕事がしたい』と思ってもらえるようになる」 ――初めてワークウエアをデザインされたが。 「たまゆらとの出会いが大きかった。街でも格好よく着用できるスポーツカジュアルを目指した。作業着というと3Kをイメージする人もいる。きれい、着心地がいい、気持ちがいい、の新3Kにしたい。仕事が出来る人は格好いいし、着るものも違ってパッと目を引く。服は人生において大切なものだ」 ――だんじりがお好きだが。 「高校2年生の時から法被(はっぴ)を着てだんじりを引いていた。法被を着ると心が一つになったし、自分自身もパーンと力が出た。凄味が出た。それがユニフォームの『ユニ』の部分だ。法被を現代的なワークウエアに落とし込んだ」 ――ワークウエアの選び方は。 「一人で着るより、チームや仲間で揃えると良い。スポーツの様に目標をもって挑める。スポーツなら『優勝するぞ』が目標だが、ビジネスなら『売り上げ』に向けて頑張れる。お洒落な服は、いい仕事が出来る一種の作戦だ」 (日本物流新聞10月10日号掲載)

2024年10月17日

ダイヘン、米ロボットSIer買収

 ダイヘンは9月30日、米国のロボットSIerのForce Design,Inc.(オハイオ州トロイ・フォースデザイン社)を完全子会社化すると発表、10月10日に株式譲渡を実行した。買収額は非公表。 「米国におけるロボットシステム提案力の強化と標準ロボットセルパッケージの充実を図り、23年の売上高50億円から、現中計最終年度の2026年に売上高100億円達成を目指す」(FAロボット事業部・門田晋典企画部長)。 同社は米国に1979年に現地法人DAIHEN,Inc.を設立、今後の事業拡大のために溶接治具やハンドリング用途での高い技術力とシステム提案力を持つフォースデザイン社を買収した。自動車や輸送機器など大手顧客のニーズに応えるカスタムシステム対応力を高めるとともに、中小顧客向け標準ロボットセルパッケージの販売拡大につなげる。 また、自動車産業の集積地であるアメリカ中西部(ミシガン、オハイオ、インディアナ州など)で接点のなかった米系自動車関連企業を始めとする顧客への販売機会の獲得も狙う。 フォースデザイン社の工場活用により標準ロボットセルパッケージの生産補完や、分業が可能になり生産能力が大幅に向上する。 FAロボット事業部長の神品泰宏執行役員は「アーク溶接以外の用途での産業ロボットシェア拡大を目指す上でSIerとの協業は不可欠。M&Aにより海外での体制をより強固に構築する。今回の買収はその一歩目。さらに2社目、3社目のSIerのグループ化を進めていく」と意欲を語った。 (日本物流新聞10月10日号掲載)

(株)ダイヘン

2024年10月16日

スター精機、ロボットパレタイザーの積み付け設定が簡単に

 スター精機は10月1日、直交ロボットを用いたロボットパレタイザー(PXT、PXL、PXW シリーズ)の積み付け設定作業を簡易化し、大幅に作業時間を短縮する支援ソフト「パレタイザーエディター」の提供をはじめた。製品情報と積み付けパターン(荷姿)の入力で、パレタイザ―本体にセットする設定データが自動で生成される。同じタイプのパレタイザ―では「他社も含め初のリリース」(同社)といい、今後出荷されるロボットパレタイザー全機種(PXT、PXL、PXW シリーズ)に無償で同ソフトが添付される。なお既出荷のロボットパレタイザーで同ソフトを使うことも可能だ(出荷時期により作業が異なるため要問い合わせ)。 段ボール箱を自動で積み付けるロボットパレタイザーには従来、煩雑なティーチング作業が必要だった。パレタイザーエディターはインターネットブラウザ上で動作するオフラインティーチングソフトで、視覚を使いながら直感的にマウスで操作できる。使用方法は「1段に何個並べる?」「何段積む?」「製品サイズは?」「積み付けパターンは?」などの情報を入力し、マウスで箱の積み付けを編集するだけ。作業時間が従来比で3分の1~10分の1に短縮され、特に設定内容が煩雑な場合ほど大きな効果が期待できる。 スター精機は主に射出成形機からの取り出しロボットを手がける直交ロボットメーカー。成形直後の金型は熱いため人手による成形品の取り出し作業は危険が伴うが、当時主流だった500~1000万円クラスの大型産業用ロボットより大幅に安い約20万円の「自動払い落し機」を開発し、現在の直交ロボットの原型になった。近年では直交ロボットを用いた導入しやすいロボットパレタイザーを物流業界などにも提供。導入や運用の敷居を下げる取り組みを継続している。 (2024年10月16日掲載)  

2024年10月16日

川崎重工業が6軸協働ロボット

 協働ロボットとしては双腕のスカラタイプ(duAro)に特化してきた川崎重工業が6軸仕様を手がける。9月20日まで東京で開かれたJapan Robot Weekで参考出品した。3、5、8、10㌔グラム可搬の4機種を来年発売する予定。 披露した「CLシリーズ」(リーチ590~1000㍉、IP66等級)は動作速度(最大で毎秒200度)と精度の高さ(位置繰返し精度±0.02㍉)をウリにする。同社は「duAroだけではやりたい仕事とマッチしないお客様が見られるようになった。duAroと並行して、多く寄せられる単腕のニーズにも応える」と言う。用途としてはアーク溶接やねじ締めを想定する。 (日本物流新聞10月10日号掲載)

2024年10月15日

オークマ、長時間安定稼働の横形MC

 オークマは「長時間安定した自動運転(止まらない機械)」と共に「生産性の向上」「脱炭素・省エネ」を追求した横形マシニングセンタ(MC)「MA-4000H」(=写真)を開発。安定生産による稼働率向上、実加工時間と非加工時間の短縮、加工可能な領域の拡大と省スペースの両立により、生産加工のスループットを最大化した。 機械が自律的に機械状態を判断し、高精度・高生産性を維持したまま脱炭素・省エネを実現する知能化工作機械として進化・成長を進めている同社。高まる自動化需要に対応するために「人がいなくても整然と生産ができるスマートマシン」を実現。その上で自動化にも柔軟に対応可能な機械とし、近年、ますます深刻化する社会課題(人手不足、技能伝承問題、脱炭素、エネルギー価格の高騰)の解決を支援する「Green-Smart Machine」としている。 AIを用いた動作軸の機械診断とドリル・タップの加工診断により予防保全を実現したほか、切粉をスムーズに処理できる機内カバー構造とクーラントタンクの清掃周期を革新的に延長する「スラッジレスタンク」により、切粉に伴う生産ロスを最小化。 加工能力を格段に増強した高剛性テーブルにより、高能率加工を実現。鋼材の最大加工能力は毎分483立方㌢メートル(従来機比72%向上)、加工時間12%短縮(サンプルワークでの実測値)などを実現。主軸冷却装置の消費電力は40%削減(従来機比)する。  (日本物流新聞10月10日号掲載)

オークマ(株)

2024年10月14日

DMG森精機、第5世代のターニングセンタ

 DMG森精機は9月中旬、高い精度と40番マシニングセンタ(MC)と同等のミーリング能力を備えた第5世代のターニングセンタ「NLX 2500 | 700 2nd Generation」を発売した。EV、医療、半導体、産業機器など幅広い市場で需要を見込む。 設計段階からFEM解析やデジタルツイン技術によるシミュレーションを用いて性能予測と熱解析を行い、機械構造を最適化。長時間加工でも安定した精度を実現する。またX/Y/Z軸のすべり案内は、摺動面幅を従来機比10%拡大したことにより、振動減衰性と動剛性を向上させた。 内製主軸「turnMASTER」を搭載し、従来機と比べて切削能力を1.25倍アップ。左主軸は10・12インチ、オプションとなる右主軸は6・8・10インチチャックを選択可能で左右両面を連続で加工できる。 刃物台はBMT(ビルトインモータ・タレット)の搭載により、ミーリング能力は40番MCと同等の1.4倍まで向上した。従来MCとターニングセンタの2台で加工していたギヤ加工や、専用機で加工していたギヤ加工の工程集約ができる。 操作盤にはタッチパネル式の「ERGOline X with CELOS X」を搭載し操作性をアップ、チャックの把握力を操作盤から簡単に指令できる「NC―CLAMP」も標準搭載する。 11月5~10日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2024」にて実機を展示する。 (日本物流新聞10月10日号掲載)

DMG森精機(株)

2024年10月11日

山善、2連と3連のカーボンヒーター

 山善(大阪市西区立売堀2-3-16、TEL.06-6534-3095)は広範囲を常時暖める「ワイドレンジカーボンヒーター“Shareheats”」を同社が運営するインターネット通販サイト「山善ビズコム」やECモールの「くらしのeショップ」、全国の家電量販店やホームセンターで9月中旬から順次発売している。SNS投稿やインターネットレビューの分析をヒントに開発した。 複数のヒーターを横に連ねたことで最大90度の広範囲を常時暖める。ヒーターが3連タイプの「DC-ZT12」(消費電力400−1200W)と2連タイプの「DC-ZW08」(400、800W)があり、どちらも左右4段階で角度設定が可能。価格はオープン(参考価格はそれぞれ1万8000円、1万3000円)。世界のトップ100 デザインスタジオに選定されたカロッツェリア・カワイと初めて協業して開発した。 (日本物流新聞10月10日号掲載)

2024年10月11日

津田駒工業、100V駆動の小型加工機

 津田駒工業は、100V駆動の小型加工機「MDP-0002」を発売する。フロア面積は1129㍉×899㍉と省スペースで、キャスター付きのため移動・設置とも容易。最高毎分3万回転の高速主軸仕様と同7500回転の高トルク仕様があり、アルミや樹脂に留まらずステンレスや鋼材、耐熱合金も加工できる。試作品加工や治具製作、金属3Dプリンターで造形したワークの後加工を想定する。 同社は2022年から同機を展示会に参考出品しており、改良を重ねて発売に至った。油空圧やクーラントが不要で、無負荷運転時50dB程度と静かなため研究室などオフィス環境にも導入できる。工具選定や加工条件は標準設定されており、加工前後の3Dモデルで簡単に加工プログラムを作れる。ストロークはX・Y軸260㍉、Z軸160㍉だがオプションでストローク変更やATCの追加が可能。YouTubeで同機が硬脆材のジルコニアを加工する動画が公開されている。 (日本物流新聞10月10日号掲載)

津田駒工業(株)

2024年10月10日

コロナ「OUTFIELD」ブランド石油暖房

 コロナは暮らしを「楽」から「楽しい」へをコンセプトに掲げた「OUTFIELD」ブランドに、2024年モデルの小型対流形石油ストーブ「SZ-F32A」と対流形石油ストーブ「SL-F510A」を追加した。また好評を受け、今年4月に発売し販売分が終了した同ブランドのポータブル電源対応石油ファンヒーター「FH-CPF25A」の追加販売を行う。3製品は9月3日から公式オンラインストアで先行予約を受け付け、同24日に販売を始めた。 2024年モデルはブランドの象徴である「F」をモチーフにしたロゴを新たに製品正面に印字した。ランタンをイメージしたデザインのSZ-F32Aは、持ち運びしやすい小型で暖房能力3.19㌔ワットを実現。同社定番のSLシリーズに大型の黒いつまみなどを追加してギア感を表現したSL-F510Aは、暖房能力5.14㌔ワットで暖気の自然対流により広い空間を暖められる。FH-CPF25Aは点火時に必要な電力を抑えたことで、低出力のポータブル電源でも運転可能。 同社は11月には暖房能力の高い3.3㌔ワットのポータブル電源対応石油ファンヒーター「FH-CPF33」の発売を予定している。 (日本物流新聞10月10日号掲載)

(株)コロナ

2024年10月10日

マックス、ハンディコンプレッサー刷新

 マックスは9月12日から、ハンディコンプレッサーをフルモデルチェンジした「AK-1301E(8L)シリーズ」3機種を、全国の金物店やプロショップなどを通じて販売している。 従来機に比べ設置面積を約12%削減。狭い現場にも持ち運びや設置を容易にした。グリップは可倒式で、ショルダーベルトは着脱可能な肩パッド付き。 使いやすさだけでなく機械性能も追求した。新モーターを採用することで、静音性はすべての圧力レンジで従来機よりも向上、吐出量も高圧域が従来機よりも約13%向上し、釘打機の実打可能本数が約1・5倍アップした。 価格(税抜)は常圧ワンタッチ式の「AK-LL1301E(8L)」で18万円~。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月09日

三菱電機のワイヤ放電、未来技術遺産に登録

 三菱電機が1972年に発売した日本初のワイヤ放電加工機「DWC-50」(=写真)が国立科学博物館が選定する「2024年度重要科学技術史資料(愛称・未来技術遺産、2008年度に登録開始)」に9月10日に登録された。登録証授与は同日、博物館で行われた。 1970年代には機能と価格が見合うNC装置がなかった。三菱電機は米国で開発された比較的安価な光学式図面倣い装置をワイヤ放電加工機の制御部分に採用した。国内におけるワイヤ放電加工機のいち早い市場投入が製造業の技術力を押し上げ、主要販売先である金型産業の発展に大きく寄与したことが評価されたという。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月09日

イグス、クリーン向け狭小対応のケーブル保護管

 イグスは、微粒子を嫌うクリーンルーム向けの耐摩耗性に優れたフラット型ケーブル保護管「e-skin flat single pods」に3つの新形状を追加した。従来はケーブル交換が容易な開閉式1サイズ(内高さ12㍉)、粒子の発生をより抑える非開閉式2サイズ(同12、15㍉)、の3種類だったが、精密機器製造装置内での使用を見込み、従来より細いサイズを中心に6種類へ拡充。従来最も細いサイズの同12㍉を下回る同10㍉をラインナップに加え、設計の小型化に応える。 同シリーズは半導体製造装置など摩耗による微粒子の発生を嫌う環境で使用するために開発されたケーブル保護管。同社の試験では、空気清浄度が最も高いクラス1での使用に適合していることを確認している。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月08日

育良精機、特別高圧ケーブル対応の中間送り機

 育良精機はこのほど、径の太いケーブルにも対応したケーブル中間送り機「パワーボール ISK-PB500」を上市した。 ケーブルの敷設作業は未だにウインチによる牽引や人による手引きが主流だが、ケーブルの許容張力内での施工の難しさや引っ張り過ぎによる事故の危険、人手不足などを理由として、ケーブル中間送り機の採用が増えている。 育良精機のパワーボールは専用のインバーターボックスと組み合わせることで、最大7台のパワーボールを連動してケーブルを送り出すことができるため、一定の力と速度で敷設が可能。ケーブルやラックに過剰な負荷をかけることなく効率的に作業ができる。作業員は機器や敷設状況を監視するだけでよく安全性も高く、人員配置の見直しや効率的な現場運営にも役立つ。 ISK-PB500は最大通過物径160㍉と特別高圧ケーブルにも対応し、ブレーキ付きモーターを採用しているため、停止時もケーブルが戻ることなく安全に作業できる。ケーブルの浮き上がりや落下を防止するローラーアタッチメントも標準で搭載。上下ローラーは高さを3段階で調整でき、ケーブル径などに合わせて適切な運用が可能。 (2024年9月25日号掲載)

育良精機(株)省力機器事業部

2024年10月08日

ATC付けたロボット切削、力分布見る「指」も

 力のかかる加工や掴みにくいモノの把持にロボットが活用できそうだ。ロボットとその関連技術を一堂に集め、9月20日まで東京ビッグサイトで開かれたJapan Robot Week(日刊工業新聞社主催)でそんな提案が見られた。 スギノマシンはロボットマシニングユニット「SELFEEDER DUO」シリーズに切削加工ができる「Robot Edition」を追加し、同展出展を機に受注を始めた。新製品はアームの先端にスピンドル・スライドユニットを取り付けて用いる。シリーズに穴あけやタップの機能はあったが、「2つの直行軸による高精度な切削を行うのは初めて。加工負荷を検知し加工条件を自動で切り替えるAFASと、ATCも用意した。これらがないとロボット切削は成り立たない」と言う。ロボットは姿勢を決めて位置決めまでを行い、高い動剛性と真直度をもつユニットが刃物の動きを担う。加工面の平面度はロボットのみの0.064㍉が0.011㍉に改善した(刃径16㍉エンドミル、毎分6000回転、送り毎分1500㍉)。ユニットは約800万円、ATCは1ステージ30万円前後の予定。 スギノマシン「Robot Edition」のスライドユニットを用いた刃径12㍉の加工面(右)と用いない加工面(左)  3社の連携体、TAFLINKはロボットを内蔵したバリ取りシステム「バリトリガー」を実演した。固定したベルトサンダーや振動ヤスリ、ブラシヘッドなどにアームが掴んだワークを押し当ててバリを取る。TAFLINKは11月14日から横浜市で開かれる日本ダイカスト展では大型のベルトサンダーの利用に特化した新製品を出品する。「ワーク把持型の進化版で、押し当てる力を細かくコントロールするエアーフローティング機構を搭載する」と予告する。 ■力分布みる「指」、まさぐる「指」  「指」がハイテク化している。ロボットSIerのヤナギハラメカックスはスタートアップのFingerVision(東京都江東区)の指を使ってエリンギ茸を計量・整列できることを示した。黒点のついたシリコン製の指がモノを掴んだ際の凹みで力分布を見て柔軟物をやさしく扱う。と同時に3Dビジョンで1つひとつの質量も±5%ほどの精度で把握できる。「指は防水性もあわせ持つので、協働ロボットと組み合わせて給食センターや果物のケース詰めなどに応用できないかと考えている」と言う。 ヤナギハラメカックスは把持する際の凹みで力分布を見てエリンギ茸をやさしく扱って見せた。  大阪大学発のベンチャー、Thinkerはカワダロボティクスのヒト型協働ロボット「NEXTAGE」のアーム先端にカメラ不要のロボットハンド「Think Hand Fシリーズ」を付けた。赤外線とAIを組み合わせた「近接覚センサー」でモノの位置と形を非接触で把握する。ネジが詰まった箱から指先でまさぐりながら1本ずつピッキングし、小袋に入れて見せた。赤外線を使うことで、ロボットが苦手とする鏡面・透明物の取扱いも可能という。 (日本物流新聞10月10日号掲載)

2024年10月08日

東日製作所、トルクドライバーの校正を簡単に

 東日製作所はこのほどトルクドライバーの校正用機器「DLCシリーズ」を新たに上市した。 同社はこれまでにもトルクドライバーの校正を行うテスターを用意していたが、測定誤差を廃するローディング機構などを有しているため日常使いには向かなかった。DLCシリーズはドライバーの先を機械に当てるだけで約10秒でトルク値を測定可能。始業点検などの日常チェックに向く仕様となっている。 上下限値を登録しておけば合否判定もできる。設定した閾値を超えるとデジタル表示が赤く切り替わり、NG判定をわかりやすく作業者に提示する。 ラインナップは2~60cN・mに対応した「DLC60CN」と20~600cN・m「DLC600CN」の2機種。電源ポートと通信ポートどちらもUSB Type-Cに対応しているため導入・設置も容易。 (2024年9月25日号掲載)

(株)東日製作所

2024年10月07日

ベッセル、電動スリムラチェット

 ベッセルは9月17日、新製品「電動スリムラチェット」「電動スリムラチェットセット」(=写真)を発売した。ボルトナットを電動で早回し、本締めやゆるめは手動で行う。送り角6度で狭所でも回せ、同社は「電動×手動で、整備作業は新次元に」とアピールしている。 自動車整備において、エンジンルームなどの電動工具が入らない狭い箇所では手動工具でネジ締め・緩めをおこなう必要があり、時間がかかっていた。 また「市場にある薄型電動ネジ締め工具は本体サイズが大きいことで狭い箇所に入らず、また取り回し性も悪いためユーザーのニーズに応えておらず、あまり普及していない」(同社)と分析。樹脂製アンダーカバーの取付作業などでは、トルクが強い電動工具またはエアー工具を使用すると締めつけすぎて割れてしまうことも。 「こうしたニーズに応えるため、ハンドラチェット感覚で使える小型の電動ラチェットレンチを開発した」(同社)という。 電動とスリムヘッドでどうしても時間がかかっていた狭い箇所でのネジ締め・緩めがスピーディに行える。樹脂ワークを痛めない、トルクを抑えた仕様も特徴で、小さいネジから大きなボルトまで、これ一台で対応可能だ。USB Type︱Cに対応する。 (2024年9月25日号掲載)

(株)ベッセル

2024年10月07日

ヤマハ発動機、アーム長1200㍉のスカラロボット

 ヤマハ発動機は完全ベルトレス構造のスカラロボット「YK-XG」シリーズに「YK1200XG」(アーム長1200㍉、X・Y軸の繰り返し位置決め精度±0・05㍉)を追加し、専用コントローラー「RCX341」とあわせて10月に発売する。9月13日まで東京で開かれた国際物流総合展に出品した。 先端回転軸が減速機に直結したこのシリーズは、完全ベルトレス構造によりロストモーションを大幅に削減し、高精度を長期間維持できる。YK1200XGは大型物・重量物の組立や搬送に適し、最大可搬質量50㌔。同アーム長のスカラロボットで業界最速レベルのサイクルタイム(40㌔搬送で標準0.92秒)をもつ。専用コントローラーRCX341は従来機同等のコンパクト設計ながら最大出力電流を増やした。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月07日

eve autonomy、羽田に新オフィス開設

 屋外対応の無人搬送システム「eve auto」を手掛けるeve autonomyは9月6日、羽田イノベーションシティ(HIC、東京都大田区)内に羽田オフィスを設けた。静岡県磐田市にある本社に次いで国内2拠点目。開発・商談スペースだけでなく、eve autoを実機で展示。オフィス前の空間を使った簡単なデモ走行にも対応する。羽田空港隣接地にオフィスを構えることで、認知度の向上や体験機会の増加、人材獲得につなげたい考え。 同日行われた開所式では、オフィス前のコンコースを使用してeve autoによる1周約100㍍の周回コースのデモ走行を実施。車両と連携した電動ゲートの通貨や歩行者などを検知して安全に停止する動作などを披露した。 開所式で同社・代表取締役の星野亮介CEOは「eve autoは新規性の高い製品のため、実車を見てみたいや挙動を見てみたいというお声を非常に多くいただく。これまでは本社かヤマハ発動機の浜北工場しか手軽に実機を見られる施設がない状態だった。HICは簡単なデモ走行も行える。屋外搬送の自動化が当たり前の時代に向けて、さらなる認知度向上と首都圏の優秀な人材を確保していきたい」と設置の理由を説明。 同社に出資をするヤマハ発動機・新規事業開発本部長の青田元氏は「eve autoは買ったらすぐに使えるような製品ではない。お客様と一緒になって作って行くソリューションだと思っている。しかし、日本を支えている現場の人たちに我々の取り組みを伝えるのは本当に大変。色々な人の目に触れやすい場所に新たな拠点を設置することで、お客様と一緒に新しい仕事ができればと思っている」と述べた。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月04日

ABB、EV充電器を国内実証向けに提供

 ABBは9月3日、三井物産が開始したEV充電・エネルギーマネジメントシステムChargePilot(チャージパイロット)の国内実証試験に、EV用普通充電器Terra AC Wallboxを提供したと発表した。三井物産は今年4月、WILLER EXPRESSの東京本社で充電器3台と充電・エネマネシステムを設置して実証を開始。同時にここを商用車電動化を進める顧客への製品紹介の場としても活用している。 高出力6㌔ワットのこの充電器は世界で100万台以上、国内で1千台以上の販売実績があり、国際標準規格であるOCPP(Open Charge Point Protocol)に則り、充電器の保守・運用などを専用の端末や特別なネットワークを介さずに容易に行うことができるという。  EV普通充電器Terra AC Wallbox (2024年9月25日号掲載)

2024年10月04日

エプソン、スカラロボに新コントローラーなど追加

 産業用スカラロボットの世界出荷数首位のエプソン販売はその新製品として、GXシリーズに対応したコントローラー「RC800-A」、ティーチペンダント「TP4」と、T・LS・GXシリーズの食品グリス仕様の3モデルを追加し、9月17日に受注を始めた。 新しいコントローラーはユーザーニーズの高い「コンベヤートラッキング」の精度向上や力覚センサーボードを標準搭載することでより自由度の高いシステム構築ができる。質量を1・2㌔に2割軽量化したティーチペンダントは、8月に提供を始めた同社のロボット統合ソフトウェア「Epson RC+8・0」を内蔵し、パソコンなしでもプログラム開発が可能。食品グリス仕様モデル(最大可搬質量3~10㌔、アーム長400~800㍉)はさまざまな食品製造工程における自動化を支援する。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月04日

ササキコーポレーション、5秒で1箱処理可能な段ボール潰し機

 農業機械や環境システム機器などを手掛けるササキコーポレーションは、9月13日までの4日間開催された国際物流総合展で段ボール潰し機「DUNK HPD600」を出展した。 物流倉庫などでは日々大量の空段ボール箱が発生するが、多くの現場が手作業で空段ボール箱を潰している。人手不足が深刻化する中、段ボールを潰す作業のためだけに人手を確保することが難しくなっていることから、「昨年市場投入して以降、導入数が徐々に増え現在では月10台ほどコンスタントに売れている。特にドラッグストアやアパレル向けの物流センターで採用いただくケースが多い」(同社担当者)という。 最大幅600×高さ600㍉の段ボールに対応し、機械に段ボール箱を投入するだけで1箱約5秒で潰すことができる。手作業と比較すると1箱あたりの作業時間を約6分の1に短縮でき、カッターやハサミを使う必要がないため安全性も高い。潰れたときの厚みも約50㍉と従来機よりも減容効果を約3倍高めており、ホチキス付きの段ボールなどにも対応する。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月03日

花岡車輌がインテリア用かご台車

 花岡車輌は9月13日までの4日間、東京で開かれた国際物流総合展にインテリア向けかご台車「DANDY POTER KAKU CROSS」を出品した。芝浦工業大学と共同開発したもので、かご台車っぽさがない。 ホテルや商業施設での利用を想定し、本体カラーは艶消し黒とした。「クロスさせた天井フレームに取り付けた16個のエビナットを使い、商品やパネル、自転車も吊るせる。クッションを置けばちょっとしたプライベート空間にもなる」と言う。40万円前後の価格で来年4月以降に発売する。 同社が芝浦工業大学で講義をした際、学生から20ほどの製品化のアイデアが発表された。その1つを具現化したという。 (2024年9月25日号掲載)

2024年10月03日

スギノマシン、AM付きマシニングセンタ開発に着手

 スギノマシンは9月11日、金属積層造形(AM)機能を搭載したマシニングセンタ(MC)の開発に着手したと発表した。大陽日酸が開発した溶接トーチ「3DPro Roto TIG」を搭載することで金属AMと切削加工が1台で行える装置。2025年度の販売を目指す。 3DPro Roto TIGはアークプラズマを用いて金属ワイヤーを溶融・凝固させて積層造形を行うワイヤーアークDED方式を採用しており、造形速度と原材料コストに強みがある。また、TIG溶接の技術を応用しているためスパッタの発生が少なく、高品質な造形が可能。中心軸に溶加材となるワイヤを送給し、ワイヤの周りを電極が回転する構造となっているため全方向への積層パスに対応可能。電極やワイヤの供給方向が制限されるTIGトーチが抱える課題を解消し、自由度の高い造形が実現できるようになる。 大陽日酸が開発した溶接トーチ   (2024年9月25日号掲載)

2024年10月03日