家の価値を握る「現場力」を競う住宅建築の施工品質にスポットライト
- 投稿日時
- 2026/07/06 08:00
- 更新日時
- 2026/07/06 08:00
住宅建築の品質向上を支援するNEXT STAGE(大阪市、社長=小村直克氏)は、建物の施工品質を評価する「Japan Housing Quality Award 2025」の表彰式を6月に大阪で行った。第三回目となる同アワードは、デザインや仕様スペックといった目に見える設計品質ではなく、現場でいかに図面通りの性能を具現化しているかという「製造品質(現場力)」にスポットライトを当てた。全国約70社150棟の建物を対象に、評価に「後戻りできない全10工程」を選び、同社が認定する現場監査士が施工不備、改善対応の項目で減点方式評価を実施。会社部門の最優秀賞では全5社、建物部門の最優秀賞では全32棟を表彰した。
小村直克社長は「テーマは業界を挙げた『製造力』の競い合い。『再現性の高い仕組み』を持つことが住宅建築業界における製造力の高さでもある。表彰される高いスコアを出した会社は、決してスーパー職人やベテランの監督ばかりがいるわけではない。半年に及ぶ工期の中で30近くの職人が関わるからこそ、いかに製造プロセスをコントロールできるか『再現性の高い仕組み』の大切さを訴えたい」と話す。
本アワードの開催意義については、次のように熱く語る。「家を『つくる工程』はなかなか日の目を浴びてこなかった。しかし工務店本来の価値は、『つくる』という技術価値にこそある。ここに光を当て、どんな人がどのように取り組んでいるかを公表し、業界全体で賛同の輪を広げていく必要がある。これからは『製造プロセスの質』で選ばれる体制をつくらなければならない」。
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実際に「Japan Housing Quality Award」の会社部門で最優秀賞に選ばれた会社からも、現場のリアルな声が上がった。アーキホームライフ(京都府福知山市)の品質管理グループGM 藤井忍氏は、「どんなに優秀な職人であっても、人間である以上ミスはゼロにできない。会社側がマニュアルを配って内容を可視化し、管理側がミスを早い段階で見つけて改善できる体制構築が重要」と語る。
同じく受賞したトーリンホーム(愛知県豊橋市)の白井孝直社長は、大手のハウスメーカーや地元のパワービルダーが群雄割拠する愛知県で、「現場の監査をきっかけに、ミスをなくすためのチェックを徹底している。施工管理アプリ『ANDPAD(アンドパッド)』を使い、当日の仕事の成果をすぐに報告してもらい、現場の見える化を進めた。大手には真似できないきめ細かな品質管理こそが、地元での信頼につながっている」と胸を張る。
このアワードの注目点は、「職人の腕」に頼り切るのではなく、会社全体で「ミスが起きない仕組み」をつくり、業界全体でそのノウハウを公開し、モチベーションを高めようとしようと動き出した点にある。これからの工務店が生き残り、施主に選ばれるための新しい基準が示されたと言えそうだ。
(日本物流新聞2026年6月25日号掲載)