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熱中症対策、義務化2年目の夏へ加速

投稿日時
2026/06/16 09:00
更新日時
2026/06/16 09:00
山善の簡易休憩スペース「熱中対策シェルター」

山善の簡易休憩スペース「熱中対策シェルター」

職場での熱中症対策を事業者に義務付けた改正労働安全衛生規則の施行から1年が経過し、暑熱対策製品の需要がさらなる広がりを見せている。熱中症は死亡災害に至る割合が他の労働災害の約5~6倍ともいわれ、昨年6月、厚生労働省が事業者に体制整備・手順作成・関係者への周知を罰則つきで義務付けた。

昨夏は駆け込み需要が集中し、暑熱対策商材が全国的に品薄となった。水冷服のパイオニアである山真製鋸の山本剛社長は「昨年は用意していた20万セットが早々に完売した。今年はさらに20%上乗せし準備をしてきた」と話す。義務化2年目の今夏も気象庁の予報では全国的に気温が高い見通しで、各社は需要拡大を見据えた製品強化に動いている。

水冷服市場を開拓してきた山善は、これまでのチューブ式の冷却システムを改め、面で身体を冷やす水路式構造へと進化させた水冷服「DIRECT COOL ProPLUS 水路式」を5月に発売した。冷却性能と通気性を両立したことに加え、頭や首を冷やすアタッチメントなども用意し、作業環境に応じた冷却部位の拡張も可能だ。

一方、レインウェアメーカーのマックはファン付きウェアを雨天時でも使えるようにするレインウェアシリーズ「AirRain+」を追加した。専用パーツ「ウィンドプロテクター」がファンへの十分な吸気口を確保する。造船や建設現場などからすでに引き合いがあり、三井克介専務は「熱中症対策品の枠組みに入れられるので予算もつけやすい」と手ごたえを話す。

■休憩スペースや応急用品にも広がり

熱中症対策の定番であるスポットクーラーでは、ナカトミが環境負荷の低い冷媒「R32」採用の「プレミアムシリーズ」を今夏24アイテムに拡充した。目玉は業界でも珍しい4ダクト仕様の「SPC-88」で、冷房能力も8.8㌔ワット(60Hz)へと引き上げ、1台でより広範囲かつ複数の作業スポットへ効率的に冷風を届けられる。大風量・ドレンレス・強冷却など多彩な機種を揃え、現場環境に応じた選定を提案する。

こうした従来型の対策に加え、義務化を機にこれまでにない製品も登場しつつある。山善が4月に発売した簡易休憩スペース「熱中対策シェルター」は、建設現場や屋外イベントでの使用を想定し、遮光率9999%の高遮光素材を採用した屋外向けを用意した。スポットクーラーとの併用で現場に手軽に涼しい空間を確保できる。工具不要で設営・撤収でき、付属のキャリーバッグに収納すれば様々な現場に持ち運ぶことも可能だ。さらに、熱中症が疑われる際に体表面を水で素早く冷やす応急用「エマージェンシープール」も同時展開し、万が一の対応体制づくりにも応える。



(日本物流新聞2026610日号掲載)