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ライオンパワー、制御盤内のハーネス製造を全自動で

投稿日時
2026/07/14 09:09
更新日時
2026/07/14 09:12
5月下旬に東京ビッグサイトで開催された「JECA FAIR~第74回電設工業展~」に出展した様子。中央の機械が全自動電線加工機「HI-3000」。制御盤メーカーや工作機械の部品サプライヤーが足を止めた

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2026年受注2兆円超えが予想されるなど、日本の工作機械産業が活況を呈している。あらゆるモノづくりの母体となることから「マザーマシン」とも称されるその存在もまた、それを支える無数の製品や技術、人々によって成り立っている。本連載では、旺盛な受注を陰で支える企業や技術に光を当てる。第一回は石川県小松市のライオンパワー。全自動電線加工機「HI-3000」が、手作業が当たり前だった制御盤製造に自動化の風を吹き込む。

5軸制御でワークを複雑に削り出し、時にはナノオーダーの精度を叩き出す。人手不足や環境負荷低減など社会課題への対応も求められる現代の工作機械は、複雑かつ正確な制御が求められている。この精緻な動きを支配するのが制御盤であり、工作機械の高度化と共に内部の機器や配線は増加・複雑化する傾向にある。

高品質・高信頼性がウリの日本の工作機械にとって、精緻な制御は生命線であり、国際競争力の源泉ともいえる。しかし、世界のモノづくりの効率化を支える存在の配線作業は、今も多くが人の手に委ねられている。

石川県小松市に本社を置くライオンパワーは、手作業が当たり前の制御盤製造の世界に自動化の風を吹き込む。同社の主力事業は分析装置などに使用される精密機器の受託製造だが、自社製品として開発した全自動電線加工機「HI-3000」が、工作機械産業の成長を裏側で支えている。

「制御盤内の配線処理だけでなく、その前工程のハーネスを作る作業も多くが人手による。配線箇所ごとに使用するハーネスやコネクタの種類は異なるため、必要になる仕様や個数を確認しながら正確に作業する必要がある。このハーネス製造が制御盤づくりのボトルネックになっているケースも多くある」(同社 執行役員 次長の和佐田進氏)

HI-3000が一本のハーネスを仕上げるのにかかる時間はわずか15秒。電線の測長・切断からマークチューブへの印字・挿入、両端の端子圧着まで、すべてを自動でこなす。「強みは多品種少量への対応」(和佐田氏)と言うように、最大10種類の電線を段取り替えなしで供給でき、端子ユニットを継ぎ足せばシステムの拡張も可能。電気CADのデータを読み込んで、設計から製造への工程をシームレスにつなぐこともできる。

同様の機能を持つ装置は国内に2社程度、海外でも数社にとどまり、市場はまだ黎明期にある。受注が伸びる一方で、工作機械業界でも人手不足は深刻だ。そうした現場課題を解消するため、「制御盤メーカーに加え、産業機械・生産設備メーカーの制御盤・電装部門からの引き合いが増えてきている」という。導入実績は国内で10数社。表舞台には出ないが、日本のモノづくりを足元支える技術が、小松の地から花開きつつある。

ライオンパワー_写真2.jpg

HI-3000は少量多品種のハーネス製造を自動化できるのが特徴。電線の種類だけでなく、両端に接続するコネクタにも複数の種類があり、その組み合わせの数は膨大になる

(日本物流新聞2026年7月10日号掲載)