26年3月期造船に好決算続く 名村造船手持ち工事3.5年、阪神内燃機は中計目標を上方修正
- 投稿日時
- 2026/05/27 10:27
- 更新日時
- 2026/05/27 10:32
【写真右】阪神内燃機工業・木下和彦社長
リプレイス需要が牽引、中東情勢「現状は調達に影響なし」
円安や船舶需要の高まりを受け造船業界が活気づいている。名村造船所が5月14日発表した2026年3月期決算は、売上高が1590億円と前期比0.1%減、経常利益は同0.1%増の295億円。経常利益は過去最高だった前年度とほぼ同水準だった。主力のハンディ型バラ積み運搬船の連続建造から大型船も建造する体制への移行初年度だったが、原価削減や円安がプラスに。27年3月期は売上高1700億円、経常利益300億円を見込む。
“造船ブーム”を受け11年ごろに大量に建造された大型船が足元で船齢15年を迎え、リプレイス需要が活発化している。名村建介社長は「需給が引き締まっている状況」と表現。直近の手持ち工事量はおおむね3.5年とし「引き合いは非常に強い」と語った。環境対応船の建造効率を高める設備投資も計画する。
15日発表の阪神内燃機工業の26年3月期決算は、経常利益が9.5億円と前期比で39.8%増えた。売上高も同5・2%増の140億円と好調に推移。これを受け、中期経営計画の売上目標を27年3月期に従来計画比プラス32億円の172億円、28年3月期に同プラス35億円の185億円へ大幅に上方修正する。アジア向け船舶用エンジンの輸出が大きく伸びたことが、中計目標見直しの主因とした。
現状の生産体制を木下和彦社長は「フル稼働だ」とする。公表している40億円規模の投資額に変更はないが「増産投資は柔軟に考えたい。増産には工作機械や組立の能力アップが必要になる。人は急に増やせず、自動化やロボット化など工場全体の最適生産に向けた投資を進める」とした。
造船業界の追い風は今後も続きそうだ。なお業界ではホルムズ海峡を巡る中東情勢の悪化に伴うシンナーなどの不足が懸念されているが、両社とも「現状は問題なく調達できている」とした。
(日本物流新聞2026年5月25日号掲載)