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気候変動時代の水害対策【洪水・渇水】両極化する水リスクに対処せよ

投稿日時
2026/09/28 09:00
更新日時
2026/10/09 15:40

都市部を襲う局地的な豪雨被害が相次ぐ一方、少雨による取水制限や渇水調整に直面する地域もある。世界気象機関(WMO)の報告によると、地球規模で水循環の不規則化が進み、洪水と干ばつという「過剰と不足」の二極化リスクは今後一層深刻化するという。 工場などの産業現場にとって、水は多すぎても絶えても現場を止める繊細な経営リソース。冠水による設備損傷やライン停止はもとより、渇水や断水による給水制限もまた、操業を直接的に脅かす危機となる。今求められるのは、インフラ途絶下でも稼働でき、突発的な気候の変化に耐えうる水リスク管理の構築だ。本コーナーでは、断水時の水備蓄ソリューションをはじめ、浸水防止策、強風雨に耐える保安用品までを網羅。豪雨に耐え、渇水・断水に備える取り組みは、自社の現場のみならず地域の安全と供給責任を守る柱となる。




カナメ「屋根・樋からの浸水」に備える


豪雨対策樋データ.jpg

豪雨対策樋の活用イメージ

この夏、豪雨が各地の生産現場を直撃した。7月上旬には九州北部で線状降水帯による記録的大雨が発生し、8月には今も被害が続く千葉豪雨が、同月下旬には北陸の石川・富山・福井でも大雨特別警報が発表された。生産設備が冠水し稼働停止に追い込まれた例もあるなど、地域産業は大きな打撃を受けた。

こうした豪雨災害を前にすると、河川の氾濫や内水氾濫といった下からの浸水に目を向けがちだが、「危険は足元だけではない」と警鐘を鳴らすのが「豪雨対策樋」を手掛けるカナメだ。

「工場や倉庫の切妻屋根が連続する建物の多くで、排水用の樋は谷部にのみ設けられている。これまでは建設当時の想定雨量に基づいて設置したものだけで問題なく排水できていたが、近年の豪雨はその想定を大きく超える」

想定雨量を超えると、処理しきれなかった雨水が樋と屋根の隙間から工場内へあふれ出す「オーバーフロー」が発生。天井から降り注ぐ雨水に工場内製品・設備が被害を受ける。

同社が用意する豪雨対策樋は、既存の谷樋に加えて屋根面の途中にもう一つ別系統の樋を設け、雨水を効率よく分散処理する工法だ。これにより一本あたりの負担を軽くし、あふれを防ぐ。カナメは認定施工代理店として、設計から施工、保守までを一貫して担う。

同工法の要は、感覚に頼らない数値設計にある。現地調査で谷樋や竪樋の形状・勾配・本数を確認。雨量データをもとに想定最大雨量に耐えるか検証し、排水計画を導く。また、同社なら、カバー工法や遮熱対策との同時施工も可能で、老朽化対策や暑さ対策と、豪雨対策を両立できる点も特徴となっている。




カーボーイ、穴あきコーンが水害現場で活躍中


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台風の直撃や豪雨が続く千葉県。繰り返し報じられている印旛沼をはじめ、各所で河川の氾濫や道路の冠水、土砂崩れなどが相次いでいる。そうした危険な現場で今も活躍しているのが千葉県東金市に本社を置くカーボーイの「穴あきコーン」(=写真)だ。

「当社の周りでも土砂崩れが多数起こっている。土砂が流れ出しているだけではなく、山がせり出してしまっているような場所もあり、非常に危険な状況。そうした現場の注意喚起ツールとして穴あきコーンが使われている」(同社 営業部 部長の鶴岡円氏)

一般的なカラーコーンは強い風雨にさらされると倒れたり、流されたりしやすく、台風が相次ぎ雨も降り続く今年は使用が難しい場面がある。一方、穴あきコーンは、同社の送風実験で風速31・3㍍もの風への耐性が確認されている。2023年9月に千葉県を襲った台風13号の冠水被害現場でも、他社製コーンが流される中、設置状態を保った実績があり、活用が広がっている。

今年2月に国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)に登録されたこともあり、県内で土木工事を行う企業からは通常よりも多い注文や追加注文が入っている。県外でも、展示会などに出展すると冠水に強いことに足を止める人が増えており、鶴岡氏は「水害対応への関心や意識の高まりを感じる」とコメントする。

サイズは高さ450㍉と700㍉の2種。カラーは全7色を展開し、頭頂部の切り欠き加工によりライトなどオプションの取り付けにも対応する。来年には新商品を投入する予定だ。




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(日本物流新聞2026年10月10日号掲載)




執筆:モノクエ編集部
本記事は、創刊70年超のモノづくり専門紙「日本物流新聞」の編集部が制作しています。製造業に精通した専門記者が、現場取材に基づいた正確で鮮度の高い情報をお届けします。