オピニオン
全国建築コンクリートブロック工業会 事務局長 塚原 博 氏
安全安心の「見える化」で施工品質の担保と差別化を
- 投稿日時
- 2026/06/23 15:38
- 更新日時
- 2026/07/01 15:42
6月に開催された「第19回関西エクステリアフェア2026」では、施工の合理化や環境対応が注目を集める一方で、基礎となる施工品質の担保やコンプライアンスの徹底についても活発な啓発活動が行われた。全国建築コンクリートブロック工業会は、構造基準に則った適切な施工の普及と、それを証明する国家資格「ブロック建築技能士」の重要性を訴求。自然災害リスクへの備えや安全安心の「見える化」、そして元請け企業・施工業者における信頼性の獲得について、同工業会の塚原博事務局長に話を聞いた。

――貴工業会の概要と「ブロック建築技能士検定」の普及に取り組む狙いは。
当工業会は、コンクリートブロックを製造するメーカーで組織された団体です。現場でブロックを積まれる職人の方々は日々の鍛錬により高い技術を持っていますが、我々が今最も注力しているのは、構造基準に則った「正しい知識と施工基準」の再徹底です。その一環として、国家資格である「ブロック建築技能士検定」の認知拡大と取得推奨のPRに努めています。
――資格の重要性に対し、業界内の認知にはまだ課題があるようですが。
同検定自体は昭和の時代から存在する歴史ある資格です。しかし、ブロック施工に関わる業種はエクステリア業、造園業、左官業と非常に多岐にわたり、かつ資格がなくても業務自体は行えるため、現場への浸透が十分とは言えない現状があります。
しかし現在、エンドユーザーはネットやSNSを通じて施工知識を豊富に持っています。だからこそ、元請け企業や施工業者にとって「ブロック建築技能士が施工している」という事実は、他社との大きな差別化要素になるべきだと考えています。
――実際の現場において、有資格者と無資格者でどのような差が生じるのでしょうか。
ブロック塀には建築基準法による厳しい構造基準が適用されますが、残念ながら、基礎との定着や鉄筋の配筋基準を満たさない不適切な施工が散見されます。普段ブロック施工を専門としない業者が「他工事のついで」に施工するようなケースでは、基準法自体を認識していない例すらあります。
ブロック塀は一度積み上がってしまうと、内部の鉄筋や基礎の有無など、手抜きや知識不足による施工不良が目視では判別できません。地震などの自然災害時に倒壊して初めて発覚するのがこの問題の恐ろしい点です。
「ブロック建築技能士」の資格は、施工品質を担保し、発注者や施主に対して安全安心を「見える化」するための強力なツールです。当資格の保有者が現場に従事することが、企業の信頼性を示すスタンダードとなるよう、今後も啓発を続けてまいります。
(日本物流新聞2026年6月25日号掲載)