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ロボット加工技術研究会 会長 岡 丈晴 氏 
ロボット加工の汎用性 × 工作機械の高速・精度

投稿日時
2026/05/26 09:35
更新日時
2026/05/26 09:42

会員数 2倍の16者に

多関節ロボットを使ってワークを切削・バリ取り・摩擦接合・積層造形するロボット加工が実用性を増している。それを究めようとするのがロボット・工具・測定機メーカーやSIerでつくる「ロボット加工技術研究会」(2024年7月発足)だ。岡丈晴会長に研究会の進展やRTJ出展内容について聞いた。

ロボット加工技術研究会 会長 岡 丈晴 氏(トライエンジニアリング専務取締役)

――ロボット加工技術研究会は7月に発足して2年を迎えます。変化はありますか。

「設立当初はどちらかというと、ロボットで加工することそのものの認知度アップを進めてきました。次第に活動の方向性が見えてきて、昨年12月に新規会員の募集を始めました。今年2月から毎月2者ほどの入会申込みをいただき、会員は当初の8者から16者に2倍になりました。多くの方に興味を持っていただけていることを感じています。会員には正会員と準会員があり、正会員はすでにロボット加工に関する研究開発や製品化ができている会員で、準会員はロボット加工にこれから取り組みたい会員です。当会は研究会なので民間企業だけでなく、同志社大学(理工学部機械システム工学科)さんや沖縄工業高等専門学校(機械システム工学科)さんにも入っていただけました」

――まじめに活動されてきた成果ですね。

「実は同志社大学の廣垣俊樹教授(工学博士)の研究室を正会員企業で訪問して、研究内容を教えていただいたりする勉強会を実施する運びにあります」

――研究成果は出てきましたか。

「会員各社が取り組んでいる内容の情報共有を引き続き進めているところです。それとは別に、これはまだ企画中ではありますが、ワーキンググループを立ち上げていこうと考えています。たとえば切削工具や加工条件と密接に関わる『機械加工』。『安全規格』はロボット加工は工作機械での加工と異なり、また一般的な産業用ロボットの規格だけでは足りない部分があるから必要です。『アプリケーション』はロボットならではCAMやAI、DXなどを対象にし、どんなソフトがロボットに適するのかを研究しようと考えています。これらのワーキンググループごとに関係する会員でチームを組んでもらい、技術的なディスカッションをしてもらうつもりです」

――RTJで何を披露されますか。

「研究会としては1小間だけの出展なので、基本的には会員の紹介と、それぞれがロボット加工についてどんなふうに取り組んでいるのかを動画などを使って紹介できればと考えています。それを通して、ロボットによる加工がこんな用途で使われている、ここまで浸透してきた、ということを訴え、ロボット加工の認知度をいっそう広げたいと思います」

――正会員であるトライエンジニアリングさん、イワタツールさんもRTJに出展しています。

「両社のブースでロボット加工を実演するほか、ロボットアームに掴んだワークを位置を固定したドリル、タップ、ベルトサンダーなどに押し当てて加工する『ロボットマルチプロセッシング』の進化版をファナックさんブースで披露します。ロボットマルチプロセッシングの工程のなかにロボドリルを組み込むものです。ロボット加工と工作機械加工のコラボレーションになります。ファナックさんにとってもロボット部門とロボドリル部門がコラボして加工実演するのは初めてだと思います」

7面RTJ特集・インタビュー・ロボット加工技術研究会岡会長P2.jpg

ナカニシの高剛性主軸にイワタツールの低抵抗切削工具を付けた多関節ロボット

「実はこのコラボは導入事例もあります。ロボットによる荒加工と工作機械による仕上げ加工は、ロボット加工の汎用性の高さと工作機械の高精度・スピードを両立させたものになります」

――課題はありますか。

「研究会のメンバーは割とみなさん忙しく、会合のスケジュール調整が難しいことがあります。各メーカーの戦略を立てる技術部門のトップクラスの方々に参加していただいているので。いったん集まると議論は盛り上がるのですが、タイミングを合わせるのがなかなか難しい。そこで先ほど申し上げたワーキンググループをつくり、実務者で研究を進めていければと考えています」

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(日本物流新聞2026年5月25日号掲載)