ニデックがデータセンター向け冷却装置
- 投稿日時
- 2026/06/23 17:28
- 更新日時
- 2026/06/23 17:30
AIの発熱・電力課題に液冷で攻勢
ニデックは6月12日まで幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2026」に、最大300㌔ワットの冷却能力を持つ「In―Rack タイプ」CDU(冷媒分配装置)の新型プロトタイプを初公開した。同社はデータセンター向け液冷装置で世界シェア首位級を誇り、In―Rack タイプの累計出荷は1万台を超える。生成AIの高度化でサーバーの発熱量が急増するなか、業界トップクラスの冷却性能で需要を取り込む。
同製品はサーバーラック下段に搭載し、1ラックごとに液冷するシステム。漏水センサーや温度・圧力・流量・液位のリアルタイム監視機能を備え、OCP ORV3規格をはじめ業界標準の各種ラックに対応する。会場で披露した最新のGPUに対応する新製品は、2027年第1四半期の量産開始を目指す。
今回の展示会にはサーバーラック複数台をまとめて冷却する「In-Row タイプ」大型CDU(最大2㍋ワット)も出展した。In―Rack タイプが1ラックあたり最大300㌔ワットを冷却するのに対し、In-Row タイプは複数ラックをデータホール単位でまとめて冷やす大型装置で、流量は毎分2000㍑に達する。これは、「NVIDIA GB200 NVL72」のAIサーバーラックを最大12台まとめて冷却でき、高さ2㍍以下のコンパクト設計で大型からコンテナ型まで幅広いデータセンターに対応する。
In-Row タイプが求められる背景について、同社 フェロー 中央開発技術研究所長で、小型モータ事業本部CTOの宮本栄治氏は「空冷で冷却できる限界が約20㌔ワット、In-Rack タイプの水冷が100〜300㌔ワット。それもAIサーバー向けでは限界に来ている。大きい装置でまとめて冷やしていくしかない形になってきている」と説明。液冷方式はデータセンターの電力使用効率(PUE)を空冷時に比べ改善できる。膨大な電力と水を消費することから環境対応が最優先課題の一つとなっているハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)への拡販を目指す考えだ。
(日本物流新聞2026年6月25日号掲載)