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オークマ、工作機械が自ら「健康診断」

投稿日時
2026/05/20 09:00
更新日時
2026/05/20 09:00

旋削主軸のAIセンサーレス診断を初実用化

オークマは、工作機械の主要構成要素の状態をAIで自動診断する「AI機械診断機能」を強化した。従来の送り軸診断や振動センサーを用いたミーリング主軸診断に加え、新たに旋削主軸軸受のセンサーレス診断機能を開発。4月より販売を開始しており、7月の国内受注分から主力機種へ順次標準適用する。追加センサーを必要とせず、CNC装置内部の制御情報のみを活用して主軸状態を診断するAI技術の実用化は、同社によると世界初。

今回拡充した機能は、旋盤の心臓部である旋削主軸を対象とする。従来の主軸診断では、保全担当者が外部センサーを取り付け、専用測定器でデータ収集・解析を行う必要があり、準備を含め約1時間を要していた。新機能では、工作機械の設計・制御データとCNC内部情報を融合した「エッジAI」が、電流値などのサーボデータから異常予兆を抽出。計測・解析・判断までをCNC装置内で完結させることで、診断時間を約3分へ短縮した。ミクロンオーダーの微細な状態変化も高い確度で捉え、OSP画面上で直感的に可視化できる。

同社は、工作機械本体とCNC制御装置を一体で自社開発する強みを生かし、機械構造・駆動系の特性と制御系情報を高度に融合した診断技術を構築した。AIの信頼性確保に向け、自社工場や検査工程などで蓄積した55000件以上の実機データを学習・検証に活用。機械個体差や環境ノイズの影響を抑えた高精度診断を実現した。

同社はこれまでにも、工作機械の稼働状況を分析する「AI稼働分析」や、加工中の異常を検知する「AI加工診断機能」を展開してきた。今回の旋削主軸対応により、送り軸・主軸といった工作機械の主要要素を広くカバーする診断体制を整える。

 

(日本物流新聞2026515日号掲載)