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ORIST、和泉センターに「IAQ技術開発センター」を開設

投稿日時
2026/05/18 09:09
更新日時
2026/05/18 09:12
ORIST 和泉センター外観

大型チャンバーと流体解析を融合、室内空気質の精密評価・可視化で製品開発を支援

大阪産業技術研究所(ORIST)は、和泉センター(大阪府和泉市)に室内空気質に関する製品や材料などの開発を支援する「IAQ技術開発センター」を開設した。においや清浄度、空気の流れといった目に見えない室内空気質(IAQ:Indoor Air Quality)を精密に測定・評価・可視化し、快適な室内空間の創出に向けた企業の技術力向上や製品開発を積極的に支援する。


人は1日の90%を室内で過ごし、1日に18kgもの空気を体内に取り入れていることから、健康で快適な暮らしにおいてIAQの向上は極めて重要とされる。近年は「におい」が集中力やストレスに及ぼす影響などが注目され、関連の技術開発が活発化している。同研究所はこれまで「におい」「触媒・吸着材」「多孔質材料」をキーワードに技術支援を行ってきたが、これら3つの基盤技術とコンピューターシミュレーション技術を融合させ、2026年4月に同センターを開設した。


センターの中核装置となるのが、容積30立方メートルの「空気質評価用大型チャンバー」である。実際の生活空間と同等のサイズを持つことが最大の特徴であり、消臭・脱臭剤や空気清浄機、エアコンなどの効果を実空間に近い環境で評価できる。また、家具などの大型試料から放散される化学物質の測定も可能である。他公設試にはない大きさであり、限られた大企業しか保有できない高性能な大型装置を広く開放することで、中小ものづくり企業の製品開発を後押しする。


このほか、目に見えない空気の動き(方向・速さ)や温度をコンピューター上で予測・可視化する「空気環境用流体解析ソフトウエア」も導入した。これにより、実際に測定が困難な巨大空間や特殊環境における現象を事前に予測できる。さらに、炭やシリカゲルなどの多孔質材料の孔の大きさや表面積を測定する「高精度ガス/蒸気吸着測定装置」、空気清浄機用フィルターなどシート状多孔質材料の孔径を測定する「貫通孔径測定装置」といった主要機器を揃えている。


ターゲットとする業界は、消臭・脱臭・芳香剤をはじめ、空気清浄機やエアコン、フィルター、カーテンや壁紙などの家庭用品、住宅、鉄道・バス・飛行機などのモビリティ、空気質計測用センサなど多岐にわたる。


主要業務として、大型チャンバーを用いた実測と流体解析シミュレーションを両輪に、場所や時間による空気質の不均一性を可視化するORIST独自の評価手法を確立する研究開発を行う。企業に対しては、これらの手法を基にした受託研究や共同研究を通じ、製品の性能評価や室内空間の快適性評価に関する支援を展開していく方針だ。
なお、同センターは施設見学が可能である。2026年8月にはオープン記念イベントの開催を予定しており、詳細は後日発表される。

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IAQセンターの中核装置 ORIST 和泉センター(和泉市)「空気質評価用大型チャンバー」



(2026年5月18日MonoQue掲載)