1. トップページ
  2. ニュース
  3. Kobot、不定形ネギをロボで定量盛付

Kobot、不定形ネギをロボで定量盛付

投稿日時
2026/06/03 13:48
更新日時
2026/06/03 13:52
ネギ盛付けロボット「NEGIX(ネギックス)」。1時間に約1200個の処理能力がある

日本の製造業において、最も多くの人材を抱える食料品製造業界。惣菜分野は市場規模が117千億円を超えるなど、世界からも評価が高い「日本の食」を支えている。一方で、その現場はほぼすべて人手に依存し、中でも「盛り付け工程」は要求品質や技術的難易度が高く、自動化やロボット化は足踏みしてきた。

しかし近年、深刻化する慢性的な人手不足や人件費の高騰、さらにはこれまで現場を支えてきた外国人労働者の確保が難しくなりつつあり、食品産業全体でロボット導入や自動化の機運が急速に高まっている。政府も経済産業省を中心に惣菜盛付領域で「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」(ロボフレ)の実施や、「フードテックビジネス実証事業」を推進するなど、国を挙げて最新のテクノロジーの導入を後押しする構えだ。

安川電機などが位置しモノづくりの街と知られる北九州市に拠点を置くKobotは、ロボフレ事業においてネギ盛付けロボット「NEGIX(ネギックス)」や高速弁当盛付ロボットシステムを手掛けた。創業者の今坂幸介CEOは、ロボフレ事業の初年度からプロダクトマネージャーを務めるなど、惣菜の盛付ロボットの開発を主導した経験を持つ。

「食品製造の現場は、多品種に対応するため頻繁にレイアウトが変更される。急速な現場変化に対応できるロボットは現状存在しない。まずは、ロボットが得意とする動作を見極め、そのパフォーマンスが最大化するポイントを狙ってシステムアップする必要がある。そのため、運用時にはロボットを外す場面も出てくる。そうした中で、少しでも多くの時間現場で使ってもらえるよう、小さなことから一つ一つ解決していく積み重ねが大事だと思っています」(今坂CEO

■食品業界にあったコスト感追求

FOOMA JAPAN 2026に出展するネギックスは、ネギや佃煮などの惣菜のカップへの供給・整列・搬送・盛り付けを一体で自動化する。最初の事例であった刻みネギは、形状が不揃いで粘り気があり、定量で扱うことが極めて難しい。ロボットアームで直接つかむアプローチでは供給量の安定化ができず、業界全体が自動化を諦めてきた工程だった。ネギックスはロボットや計量機を使わない独自の統計的排出機構によって定量化を実現した。

「計量機やロボットを使うとコストが高くなり、お客さんが買えなくなってしまう。導入しやすい価格帯に抑えるため、メカ的に解決することにこだわりました」

納入した麺惣菜製造のデリモ(埼玉県草加市)では、複数SIerが参加した麺惣菜盛付工程統合ロボットシステムの一翼を担い、10人必要だったラインを5人に削減。年間約2000万円のコスト低減を達成した。

会場には実機を持ち込み盛り付けデモを行う予定。「まずは製品をたくさんの方に見にいただくことが目標です。引き合いをいただける会社さんが1社でも2社でも増えれば本当に嬉しい」と今坂氏は話す。

Kobot_写真1.jpg

今坂幸介CEO。トヨタ自動車やジェイテクトでのステアリングやモーター制御の技術開発からキャリアをスタートし、協働ロボット開発スタートアップのライフロボティクスに転じた。同社で吉野家やロイヤルホストなどへのロボット導入に携わった後、同社をM&Aしたファナックで協働ロボットの開発に従事。独立後はJAXAでの月面ロボット開発や米国スタートアップでの物流ロボット開発の経験を経て、2022年にKobotを創業した。今年度中にフィジカルAIを搭載した他社にはない独自設計のアーム型ロボットを発表予定。



(日本物流新聞2026610日号掲載)