愛知産業 (相模原事業所)、7年ぶりのプライベートショーに500人
- 投稿日時
- 2025/04/08 09:00
- 更新日時
- 2025/04/08 09:00

金属加工の全方向の技術発信拠点にリニューアル
愛知産業は3月6、7の両日、7年ぶりの開催となる自社展「第7回ASテクノフェア」を相模原事業所で行った。主に自動機やロボットシステムの設計・製作・試運転などを行ってきた同事務所をリニューアルしたことに合わせ開催した。「AI」「AM」「自動化」「カーボンニュートラル」をテーマに、海外の学術機関や業界のトップランナーなどによる各種セミナーや実機によるデモンストレーションなどを行った。ユーザーや取引先などから500人超が訪れた。
展示会の冒頭、同社・代表取締役社長の井上博貴氏は「当社は1927年の創業以来98年間、世界の最先端技術をソリューションとして提供してきた。この度、相模原事業所をリニューアルし、『金属加工の全方位の最先端技術をモノづくりのお客様にご紹介する場』と位置付け、ロボットオートメーション、接合技術、研削研磨技術、搬送システム、金属3Dプリンター、工作機械などの実演・試験・トレーニングなどを行っていきたい。また、講習会、勉強会などにも活用できる環境を整え、技術の発信拠点として充実したい」と挨拶した。
冒頭挨拶に登壇した愛知産業・代表取締役社長の井上博貴氏
1階のデモ会場では、ハームレ社製の5軸マシニングセンタやフロニウス社製の溶接電源などを展示。他にも、金属3DプリンターやAI技術を使ったロボットティーチングを簡便化するシステム、自動倣い制御機能付き研削研磨装置、風力発電のタワー建設向けの製造システムなど、コロナ禍に技術革新や普及が進んだ最先端技術やニーズを取り込んだ製品も広く展示・実演した。
「この1年ほどで世界的に引き合いが高まっている」(溶接電源メーカー担当者)というアーク造形方式(WAAM方式)3Dプリンターでは、WAAM3D社製の「roboWAAM Advanced」を実機で展示。アルゴンチャンバーとプラズマ造形により品質の高い造形を可能にする。また、航空宇宙関連企業による直径2㍍にもなるワークの実造形の様子も披露した。
航空宇宙関連企業に依頼を受けてWAAM方式3Dプリンターで造形した燃料タンク。性能試験は突破しており実使用にも耐えると見られている
セミナーに登壇したWAAM研究の第一人者であるクランフィールド大学のStewart Williams教授は、WAAM技術がサプライチェーンの確立やより高速・高精度な造形を可能にする新たな技術が生まれてきたことで、技術成熟度レベルの最終段階であるTRL9に近いところまで来ていることを説明。人工衛星用の推進剤タンクの事例では、「コストを50%削減するだけでなく、リードタイムを年単位から週単位へ短縮した」と有用性を紹介した。
(日本物流新聞2025年3月25日号掲載)