（公財）大澤科学技術振興財団は11月12日、愛知県豊川市のオーエスジーアカデミーで研究助成費贈呈式を行った。
　24年度は一般研究開発助成が33件、国際交流助成が5件で助成費は合計8423万円と、単年度としては過去最高の助成額となった。財団設立以来、研究開発助成は531件、国際交流助成は297件に達し、助成の累計額は約11億5800万円に上る。
　大澤伸朗理事長は挨拶で「先週、盛況を博していたJIMTOFでは、五感に訴える提案の重要性を実感した。切削工具からは環境配慮型製品など、お客様に提供できる効果の研究開発を進めていきたい。産業発展のために技術革新と研究開発に財団を通して貢献していく」と話し、「近年の中国の需要鈍化により、あふれた供給量がデフレ圧力として様々な産業にネガティブな作用を及ぼしている。とりわけ国内の自動車産業は大きな嵐に巻き込まれており、価格競争ではなく基礎技術を磨き、画期的な製品開発に繋げていくことを地道に取り組んでいかねばならない」と技術支援の重要性を説いた。
　大澤科学技術振興財団は1991年7月に設立され、金属類の機械加工に関する生産工学や基礎となる理工学を重点分野とし、研究開発や国際交流活動への助成活動を行っている。

（2024年11月25日号掲載）