中部圏製造業、不透明な外需に「資源・人財」の防壁
- 投稿日時
- 2026/04/30 09:00
- 更新日時
- 2026/04/30 09:00
(一社)中部経済連合会による「中部圏の景況感の現状(1~3月期)と見通し(7~9月期まで)」(3月9日発表)によれば、中部圏の景況判断は産業統計で20.9P(前回比+6.4P)と2期連続の改善となり、前回予測を上回る堅調な数字を示したが、現場の声からは供給網とコスト増への強い危機感が浮かび上がってきた。
輸送機械は、為替の円安推移や北米・世界市場の回復を背景に景況感を牽引している。しかし、サプライチェーンの一端では深刻な声が聞かれた。特に超硬工具の主原料であるタングステンの価格急騰と入手難が中小企業の操業を脅かしており、材料メーカーへの在庫確認に追われるなど、物理的な制約が顕在化している。
工作機械業では、米国の関税政策や中国経済の停滞といった「外部不経済」への警戒から、ユーザーの設備投資に様子見姿勢が目立つ。加えて、日中関係の悪化に伴うレアアースの供給懸念が浮上しており、「仕入先を含めたBCP(事業継続計画)の見直しが急務」としている。慢性的な電気・電子系人材の不足も、次世代機開発のボトルネックとして深刻さを増している。
■取引適正化が再浮上の鍵
こうした中、静岡県などを中心に下請法改正に伴う受注単価の改善や、金型保管費用の交渉が進展し始めた。外需の不透明感や資源高を、商慣習の是正と価格転嫁でいかに相殺できるか。中部モノづくりは、資源リスクと人材難を構造的に克服する「強靭化」のフェーズに立っている。
(日本物流新聞2026年4月25日号掲載)