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岩崎電気、グリーン水素生成技術の実証成功

投稿日時
2025/04/14 09:00
更新日時
2025/04/14 09:00
給電のイメージ

岩崎電気は41日、安価な半導体成膜方法であるミストCVD法を用いて金属酸化物膜の作製に成功するとともに、水素生成の水電解に使用される既存のセパレーターに対する有用性を世界で初めて示したと発表した。立命館大学総合化学技術研究機構の金子健太郎教授と同大学大学院理工学研究科の荒木努教授、服部太政さんらの研究グループ、アイテックとの共同で開発した。

同社は、再生可能エネルギーを利用した地域自立分散型エネルギーシステムや、直流機器デバイスを直流で繋ぐ直流給電システムなど、地域エネルギーの効率的利用に向けた開発に取り組んでいる。

開発した金属酸化物膜は、エネルギー効率が良く水素生成速度が速いため注目を集めている固体高分子(PEM)型水電解での活用を目指す。PEM型水電解は高い電位にさらした酸性環境下での電気化学反応となるため、セパレーターに高い耐腐食性と導電性が求められる。現状はチタンセパレーターの上にプラチナをコーティングする手法が一般的だが、作製コストが課題になっていた。

今回、安価な成膜方法であるミストCVD法を用い、SnOInOのコーティングをチタンセパレーターに成膜した。結果、金やプラチナをコーティングした際の接触抵抗値に匹敵する値を示すことがわかった。これによって同社は、「セパレーターの低コスト化、水電解の低コスト化への有用性を示すことができた」とし、「低コストで高効率な水の電気分解によるグリーン水素製造が可能となり、再生可能エネルギーを電源として水電解技術の普及に大きく貢献する」との期待を示した。



(2025年4月10日掲載)