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【特別座談会】日系工作機械メーカーの現場が明かす日中製造業のリアル

投稿日時
2026/08/05 12:00
更新日時
2026/08/07 15:41

質・量・スピードの過酷な要求にどう勝つか

AI、EV、そしてヒューマノイドロボット――。最先端分野で爆走を続ける中国の製造現場では今、従来の常識を覆す地殻変動が起きている。日本企業がコスト高を抑えるために品質の「適正化」を進める一方、中国現場では人件費高騰と後からの手直しによるタイムロスを強烈に嫌い、豊富な投資力を武器に「超高品質・絶対的安定性(過剰品質)」をショートカットして獲得しようとする動きが加速しているのだ。また、中国特有の爆速スピードも単なる「計画性の欠如」ではなく、「今シェアを握らなければ来月会社が消える」という壮絶な生存本能の裏返しである。 今回、大隈機械(上海)の陳強副総経理、西鉄城(中国)精密機械の鄭文哲営業本部長、兄弟機械商業(上海)の徐建新副事業部長の3氏に加え、オブザーバーとして山善(上海)貿易の庄震氏を招聘。日系メーカー・商社の現場で指揮を執る中国人ビジネスパーソンらが一堂に会し、中国市場の熱狂と裏側にある課題、そして日系工作機械が果たすべき真の役割について徹底的に語り合った。 (司会・進行:本紙記者 服部泰平/※可読性を考慮し本文中の社名は日本表記に統一)

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ポテンシャル市場

半導体、AIサーバー液冷、そして「量産化」へ突き進むヒューマノイド


──まずは各社のご紹介も兼ね、現在中国国内で注力している製品や市場カテゴリー、現場の手応えをお聞かせください。

徐(ブラザー工業) 当社は自動車、特に急速にシフトが進むEV領域を中心に据えつつ、幅広いカテゴリーで高度な加工ソリューションを提案しています。当社の主軸30番コンパクトマシニングセンタ「SPEEDIO(スピーディオ)」シリーズは、圧倒的な生産性、省スペース性と高い省エネ性能を武器に、アルミ部品加工の世界で確固たる優位性を築いてきました。 現在は非自動車領域における「4つのポテンシャル業界(半導体、ヒューマノイド、AIデータセンターの液冷、医療)」の開拓に全力を挙げており、実際に出荷実績も著しく伸びています。

鄭(シチズンマシナリー) 当社もブラザーさんと同様ですが、ここ3年はIoT関連やAIサーバー、およびその冷却装置(液冷)に使われるステンレス関連精密部品からの引き合いが急増しています。約40点に及ぶ対象部品に対して、当社の12番クラス、25/32番クラス、さらにその上の42番クラスの自動旋盤が非常に順調に売れていますね。 特に半導体検査用に不可欠な「プローブピン」などの加工が象徴的です。直径0.5㍉以下、精度にして数十ミクロンという極小・超精密加工の世界では、中国ローカルメーカーの機械では対応が極めて困難です。結果として当社のマシンが「指名買い」されるケースが相次ぎ、需要は従来の10倍近くにまで跳ね上がりました。

また、当社独自の「LFV(低周波振動切削)」技術が決定的な差別化要素になっています。AIサーバー向けの精密部品は、表面のわずかな微細傷も許されないほど極めて高い「面粗度」が要求されます。切削加工時に長く伸びる切粉がワーク(製品)を傷つけるのが最大の天敵ですが、当社のLFV技術であれば刃物を振動させて切粉をパチパチと細かく分断できる。後工程の研磨なしで完璧な面粗度を叩き出せるため、AIサーバー特需の現場では「LFVがなければ端から話にならない」というレベルで必須の絶対技術になっています。将来的には人型ロボットや、今中国で話題の「低空経済(ドローン・空飛ぶクルマ)」といった新領域へも攻め込んでいきます。

陳(オークマ) 当社は半導体、産業機械、空圧機器、EV、そしてヒューマノイドに注力しています。3軸の汎用マシニングセンタに関しては、中国ローカルメーカーの機械性能向上と圧倒的な価格優位性によって、日系を含めた外資系全体が押されているのが現実です。根強いファンによる指名買いはあるものの、壮絶な価格競争(内巻=ネイジュエン)に巻き込まれ、通常の汎用旋盤を含めてなかなか苦戦を強いられていますね。 そこで当社は、5軸制御マシニングセンタ、複合加工機、横型MC、大型門型MCなど、ローカル機では到達できないハイエンド機に自動化システムを組み合わせた高付加価値提案へと明確にシフトしています。

庄(山善) 3軸汎用機にも日本製を愛用するファンは数多く存在しますが、オークマさんだけでなく日系工作機械メーカー全体がこの価格帯では苦しんでいますね。だからこそ日本のメーカーは、ハイエンド機でしか参入できない高度な成長産業を狙い撃ちしているわけです。

 当社で言えば、例えば半導体製造装置の「チャンバー(真空容器)」加工において大型門型MCの需要が非常に高く、これを起点としてダイボンディング(マウントベース)やリングなどの精密加工では、台湾オークマの3軸機が高い精度と安定性を認められて導入事例が相次いでいます。EV関連では、駆動モーターケースやシリンダーヘッドの精密加工に深く喰い込んでいます。また中国のEVはモデルチェンジのサイクルが恐ろしく早いため、それに伴う金型製造用の機械需要も非常に高い水準を維持しています。




品質意識の逆転構造

手直しを嫌う中国現場と、精度上限を決める「母性原理」


──現在の中国市場は、かつてのように「質より量」へと傾斜しているのでしょうか。

 相変わらず「量」の規模感は圧倒的ですよ(笑)。その上で、日本の皆さんの固定観念とは違うかもしれませんが、今の中国現場では日本以上に“過剰品質”が求められているんです。超高品質で大量生産できる抜群の安定性、高い機械剛性、そして精密な精度があるからこそ、当社の旋盤、ひいては日本の工作機械が選ばれている状況があります。 もし精度や安定性が悪ければ、後から人手で手直しや修正作業を行わなければならず、ライン全体の生産性が落ちることを中国企業は極端に嫌いますからね。逆に今の日本は、高騰するコストを抑えるために過剰品質を見直して「適正化」を進めている。まさに日中で品質に対する意識の“逆転構造”が起きています。

 中国ローカルの工作機械メーカーも非常に精度を上げてきており、価格優位性は相変わらず脅威です。となると、我々日系はさらなる安定性と高剛性を追求していかなければ生き残れません。当社で言えば、自社開発のNC装置と独自構造による高い生産性を発揮する「機電一体」の総合力が強みです。特に5軸機や複合加工機などが、高付加価値を追求する中国企業から強く求められています。また、当社は中国国内に専用工場を保有しているため、納期面でもローカルメーカーに十分対抗できています。さらにテクノロジーセンターを中国国内6カ所(上海、東莞、重慶、寧波、南京、天津)に開設しており、顧客のすぐ近くで最新技術や実機の提案を行っています。導入前に実際のワークでテスト加工を行い、納得と安心を得てから購入していただいていますね。

ブラザー 横型マシンリングセンター.jpg

ブラザー工業の「SPEEDIO」シリーズ

 ローカルメーカーの進化によって、日本メーカーも決して安泰とは言えません。しかし、長期的な安定性と高精度という点では負けません。当社の機械は、重切削加工でもビビりが発生しない高剛性構造に加え、「サーモフレンドリーコンセプト」によって機械の熱変位を正確に制御し、抜群の寸法安定性を実現しています。これは20年以上かけて積み上げた膨大なデータベースと機電一体の技術的完成度によって成し得たものであり、ローカルメーカーがすぐには追いつけない領域です。昔の中国ユーザーは機械の構造や切削性能ばかりを気にし、温度変化による影響までは意識していませんでした。しかしここ5年間で、温度変化まで厳格に管理しなければ出ないミクロン単位の精度領域へ加工レベルが高度化しています。また、将来的にAIを製造現場へ導入する際も、機械の制御装置や各種センサーを通じてAIと双方向に情報をやり取りできる点は、決定的な優位性になります。

 当社の中国工場では、製造ラインに導入しているマザーマシン(工作機械を製造するための工作機械)をすべて、最も信頼性の高い日本製で統一しています。これらは最先端の日本技術を用いて運用され、厳格な管理プロセスのもとで徹底した品質保証を行っています。 製造の世界には、加工機械の運動精度が作られる製品の精度上限を決定づけるという「母性原理」が存在します。言うまでもなく、最初に用いるマザーマシンの精度を超えた製品を生み出すことは物理的に不可能です。つまり、マザーマシンの品質そのものが最終製品本体のクオリティを左右する絶対的な決定要素となります。私たちはこの強みを、ソリューションセンターや各支店を通じた適切なご提案として定期的にお伝えしています。「日本製マザーマシンで、最高品質の日本製品を作る」という確固たる思想こそが、海外をはじめとするローカルメーカーに対する当社の圧倒的な競争優位性です。




現場の景況感と裏のリアル

過熱するヒューマノイド量産化と「利益削り」の構造


──中国現場の景況感や、ヒューマノイドをはじめとする先端分野のリアルな手応えはいかがですか。

 市況全体で言えば景況感は非常に良いですね。競合他社の工作機械メーカーも販売業績はかなり良好です。これは中国のものづくり全体が成長している動かぬ証拠でもあります。当社で言えばアルミ加工やダイカスト業界の需要が増えており、自動車(EV)関係では海外輸出が急増しており、そこに当社の機械が数多く使われています。

 「今年下期は大丈夫ですか?」と日本本社や周囲から心配されることが多いですが、下期も大丈夫ですよ(笑)。全く心配する必要はありません。データセンターもAIも一時的な一発屋のブームではないからです。 例えば冷却装置で言えば、欧米向けの輸出で5年、今後の中国国内におけるインフラ整備で5年と、少なくともあと10年は高水準な需要が続くと見込んでいます。半導体についても、中国が自前で開発生産を進めるために設備投資を強力に推進していますから、あと数年は確実な投資が続きます。短期的な変動を心配しすぎて在庫を絞ってしまうと、かえって大きな商機を逃してしまうのではないでしょうか。 将来的には、現在のスマートフォンのように「1人1台ロボットを持つ時代」が来ると言われています。そうなった時、一体どれだけのロボットを作らなければいけないのか、そしてどれだけの工作機械が必要になるのか……。日本のサプライヤーさんにお願いしたいのは、「どうか怯まず、しっかり在庫を持って供給してください」ということですね(笑)。

 私からは慎重意見を。対外的に見せる「表の経済」が好調なのは我々の共通認識ですが、少し「裏の経済」についても目を向ける必要があります。中国企業は抱えている従業員数が非常に多く、彼らを食べさせていかなければならないため、ラインを止めることができません。コストダウンを重ねて設備投資を行い、どんどん生産していくことで景気の見た目は好循環になっていますが、過酷な競合によって水面下で静かに利益は削られているわけです。決して楽観的にばかりは考えられない厳しさがありますね。

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オークマ 5軸制御立形マシニングセンタ「MU-6300V」

 確かに中国全土のどこでも景気が良いかと言えば、決してそうではありません。上海周辺などの沿海部は超多忙ですが、少し離れて山東や華北、東北エリアでは仕事が激減しているという声も耳にします。良いエリア・ジャンルと悪いところがマダラ模様になっているのが現実です。また、好景気なジャンルには一斉にプレイヤーが殺到するため、価格競争で利益が極めて取りにくくなる。設備自体は売れているので我々商社から見れば景気が良く見えますが、買ってくれたユーザー様が本当に儲かっているかと言えば、非常に厳しいケースも多いわけです。ユーザー様にしっかり儲けていただくために最適なソリューションを提供するのが我々商社の役目です。

陳 発展が見込まれる産業へ一斉に殺到するのは中国の顕著な特徴ですね。もともとEVを手掛けていなかった企業も一斉にEVへ参入し、今度はヒューマノイドへ雪崩れ込む。アメリカの大学と同じで、産業自体が「入学しやすく、卒業しにくい(退出できない)」状態に陥っているわけです。

 当社でもヒューマノイド関連の商談は明確に増えていますね。今までは試作向けが中心でしたが、明確に「量産フェーズ」に入ってきたと感じています。自動車部品であれば3軸加工メインで十分対応できましたが、ヒューマノイドになると複雑な関節の加工や曲面加工が急増するため、5軸加工のニーズが間違いなく高まってきます。 複合機や5軸機になればなるほど、安定した製品を作り続けるために日本クオリティが求められます。

 ヒューマノイドで言えば、波動歯車減速機(ハーモニックドライブ)の需要が極めて旺盛に出ています。当社の台湾オークマの精密旋盤が、カシフジさんのギア加工機とペアになってコア部品の加工に使われています。ヒューマノイド用のハーモニックドライブは小型化が進み、極めて高精度な旋盤が求められます。ロボット1台あたりの関節数が多いため、ユーザーが一気に多くの台数をまとめて購入されるケースが多いのも特徴ですね。

 精度や安定性で言えば、中国ローカルメーカーも最初の3年目くらいまではそれなりの精度を出せるのですが、そこから維持するのが難しい。中国ローカルメーカーも欧米製や日本製マザーマシンを混ぜて生産していますが、ノウハウや経験がまだまだ浅い。精度、耐久性、タクトタイム、そしてアフター支援を含めた総合力では、日本製に依然として圧倒的な優位性があります。




組織とスピードの摩擦

10年後を計算する日本、「来月会社がない」中国の生存本能


──日本企業で働く中国人ビジネスパーソンとして、日本本社とのギャップを感じることはありますか。

 個社の話ではなく一般論として言えば、日本の素晴らしい点でもあるのですが、時間をかけてしっかりと稟議を行い、短絡的な結論を出さない慎重さがあります。ただ現場サイドとしては、中国市場の案件速度に対してタイムラグが生じていると感じる現地スタッフが多いのは事実です。

 中国のサプライチェーン構造を見ると、Tier1がTier2に注文を出す期間は長くて3カ月。量が多いから今度はTier3へ分散して振り分けるが、Tier3の納期は2カ月。そしてTier4はわずか1カ月です。このTier4の中小企業が当社の機械を購入する際、「販売稟議に1ヶ月かかります」と言ったら、いくら機械の性能や安定性が優れていても、その場でローカルメーカーに案件を奪われてしまいます。我々の主力エンドユーザーの多くはこうしたTier3、Tier4の中小企業ですから、この極小の納期スパンに対応していかなければなりません。 ただ、最終的には日本の慎重な意思決定にも強い合理性があります。ですから現場としては、確実な「戦略安全在庫」をしっかり確保して即納対応していくという方向性になります。

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シチズンマシナリー製の工作機械が並ぶ工場の様子

 中国と日本ではスピード感が違う。納期の要求でも意思決定でも圧倒的な速度が求められています。当社も同様に戦略在庫という方向性で考えています。中国のサプライヤーが求めてくる納期はますます短くなっており、加速の一途をたどっていますからね。

 また、市場の「先読み」という視点も極めて重要になります。これからどういう業種が発展し、どこが衰退するかをいち早く見極めて供給準備を進めなければ、スピードについていけません。

 そうした先読みのための情報を泥臭く現場で収集し、メーカー様にタイムリーに提供して日中のカルチャーギャップを埋めることこそが日系商社の役割です。EVでもAIでもヒューマノイドでも、「今投資しなければすぐ淘汰される」という猛烈な危機感で中国現場は動いています。日本は10年後、15年後の未来から逆算して計画を立てますが、中国では「今作っておかないと10年後には会社が存在しないかもしれない」という世界なんです。

 EVの黎明期には中国国内に1000社近くのプレイヤーが存在しました。それが凄まじい淘汰を経て、現在の数社へと集約されたわけです。早く開発し、早く作って、早く市場シェアを取った企業だけが生き残る。 日本のメーカーは「10万元で作れるものを開発して、20万元で販売する」「20万元で作れるものを開発して30万元で売る」という積算思考ですが、中国は全く逆です。「100万元のコストがかかるものを、莫大な大量生産によって10万元で販売し、赤字を掘ってでも長期的なシェア拡大で元を取る。後から利益が追いつく構造へ持っていく」という思想です。発想が根本から逆なんですよね。

 その猛烈なスピードと量に対してサプライヤーが即座に対応しなければ、他の競合がもっと安く素早く作ってしまうわけです。




激浪を乗り越える開発力

「疲れるよ(笑)」の先にある成熟への期待


──この凄まじい市場環境に対し、メーカー・商社としてどう立ち向かっていきますか。

 私も同じ中国人ですが、「なんでそんなに早いの。疲れるよ(笑)」と思うのが本音です。しかし、この激しい波に乗るしかありません。毎日残業を重ね、莫大なコストをかけて過剰な競争を繰り広げる構造も、10年後には落ち着いてもっと緩やかになり、不毛な価格破壊競争から適正利益を取って開発へ再投資するような成熟社会へ向かっていくかもしれません。ただ、現在の中国はまだその手前の激動期にあるわけです。現地の人々も、今のあり方が永久的な正解だとは思っていません。

 結局のところ、我々は中国市場が求めてくる質・量・スピードという一見理不尽とも思える過酷な要求に応え続けていくしかありません。そしてそれを裏から支えるのが「開発力」です。現場の真のニーズを的確に吸い上げ、それを反映した新しい機能や新機種をタイムリーに提供していく。圧倒的なスピードと量に対応できる「そもそものジャパンクオリティー」という強固なベースがあってこそです。ローカルメーカーが他社製のCNC装置や要素部品を組み合わせるアセンブリ手法で追従できない領域として、自社開発の制御装置と機械構造体を高度に融合させる「機電一体」の優位性をさらに研ぎ澄ます必要があるわけです。ただ、その開発のスピード感こそが最大のキーポイントになります。その意味では、山善さんのように豊富な情報を持つ機械商社様と密に協力し、顧客がどんな機械や機能を求めているかという情報を開発へスピーディーに生かしていきたいですね。

 ぜひ情報交換の密度と速度を限界まで上げていきたいですね。現在、現場では単なる汎用機ではなく5軸機による工程集約など、高付加価値な設備開発が強く求められています。絶対的な安定性という最大の強みを維持しながら、高付加価値な提案を強めていきたいです。




共存への提言

現場主義の復活と「東アジア協力」の未来


──最後に、日中が共に製造業として発展していくためのメッセージをお願いします。

 我々は日本の優れた工作機械を中国市場へ数多く提供し、中国の「質と量」双方の成長に貢献していくことが何より重要であると考えています。

 中国現場の生の声を真摯に受け止め、より良い機械を開発し続けることです。新聞記者さんだけでなく、日本の商社の方々、サプライヤーやメーカーの経営層の方々にも、ぜひ中国の製造現場へ足を運び、本当の姿と圧倒的なスピード感を肌で体験してほしいですね。ニュースなどで報道されている内容も一面の真実でしょうが、現場の生の声を聴くことこそがすべての原点です。

 中国は日本以上に徹頭徹尾「現場主義」の国です。日本と中国がモノづくりにおいて良好な関係を構築しながら相互に発展していく、それこそが何より重要だと確信しています。

 隣同士の国が争って得られるメリットなど一つもありません。友人との茶飲み話で「中国、日本、韓国など東アジアが心から協力し合えば、世界で無敵の産業基盤ができるよね」とよく話しています。中国の製造業に携わる人々は、日本に対して深い親近感を抱いていますし、製品品質やアフターサービス、信頼性においても最も信用を置いています。欧米製に比べて価格や納期面で融通が利く点も高く評価されています。 現在、様々な状況や経費削減の影響で、日本から中国へ、中国から日本への人の往来が減ってしまっています。今こそコミュニケーションを意識的に増やさなければなりません。どの会社も経費が厳しく海外出張を削りがちですが、現場へ足を運ぶことこそが未来を拓きます(笑)。

 メーカー様とユーザー様の懸け橋となる日系商社の役割は今後さらに重要になります。現場に泥臭く足を運んで「先読み」の情報をしっかりと掴み、グローバル展開する山善が調達や海外進出のハブになっていきたいですね。これから激動の変化の時代を迎えますが、メーカー様とともにしっかり利益を上げられる明るい未来を切り拓いていきたいと考えています。

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執筆:モノクエ編集部
本記事は、創刊70年超のモノづくり専門紙「日本物流新聞」の編集部が制作しています。製造業に精通した専門記者が、現場取材に基づいた正確で鮮度の高い情報をお届けします。




(日本物流新聞2026810日号掲載)