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【設立50周年】ソディック、新たな時代の中でさらなる成長へ

投稿日時
2026/08/28 09:00
更新日時
2026/09/10 14:53

Grow Forward in the Next Era 

8月に50周年を迎えたソディック。1976年に放電加工機メーカーとして設立し、以降も射出成形機や食品機械へと領域を広げてきた。足元は生成AIに沸くデータセンター需要を追い風に業績を大幅に上方修正するなど好調だ。今年策定した中期経営計画で2029年12月期の売上高1000億円を掲げる。創造力とイノベーションでモノづくりの未来を切り拓き、次の50年に挑む。




代表取締役  CEO  社長執行役員 圷  祐次 氏

データセンター需要追い風に1000億円挑戦挑戦


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――設立50周年を迎えられました。

まずは、お客様や販売会社、協力会社の皆様など、この50年を支えていただいた皆様に感謝を申し上げたいです。

私が入社した1987年当時は、まだベンチャー気質が色濃く残る放電加工機メーカーでした。以降、射出成形機、食品機械へと領域を広げ、お客様の課題に応え続けてきました。社名の由来でもある「創造(So)」「実行(di)」「苦労・克服(ck)」を実直に積み重ねる、これが私たちのDNAです。

現在は、このDNAを大切にしながら、次の50年、100年を見据えた成長基盤の強化を進めています。

――第一歩として、新中計では2029年12月期の「売上高1000億円」を掲げました。

当社はこれまで売上高800億円前後で推移してきましたが、次の50年に向けてさらなる成長を目指すため「売上高1000億円」という明確な数字を打ち出しました。全社一丸となって前進するための目標です。

■DC向け〝三種の神器〟好調

――目標達成の鍵が、データセンター(DC)向けを中心に好調な工作機械事業ですね。

当社の売上の約7割を占める工作機械事業の成長は、全体目標の達成にとって最も重要です。現在、世界的なDC需要の高まりを受け、当社の細穴放電加工機「K3BL」、超精密ワイヤ放電加工機「EXC100L+」の引き合いが急増しています。複数の光ファイバーを束ねるMPOコネクタの基幹部品「MTフェルール」の生産においては、射出成形機「LP20EH4」と併せて〝三種の神器〟と称されるほどです。

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超精密ワイヤ放電加工機「EXC100L+」

――具体的な需要状況は。

旺盛な需要が続いています。実際、8月には2026年12月期の売上高見通しを885億円から970億円へ、営業利益も55億円から92億円へと大きく上方修正しました。

――高まるDC需要にバブルを懸念する声もあります。

もはやAIやDCは不可欠な社会インフラで、今の高需要は少なくとも3年以上続くと考えています。とはいえ、技術の進化は非常に速い。現在の状態が未来永劫続くとは考えていません。我々の最大の強みである「超精密・高精度領域」を軸に、航空宇宙、医療など、さらなる多様な産業での事業展開も積極的に進めています。

■多様な人材、世界へ広げる

――なかでも、注目している分野は。

ヒューマノイドには注目しています。ロボットの指一本にもベアリングや細かな部品が驚くほど詰め込まれており、全体で使われる部品点数は相当数に上ります。超精密領域を得意とする当社にとって、大きな可能性を秘めた市場です。例えば、関節のモーター減速機部品の精密加工には当社のワイヤ放電加工機が対応できます。こうした先端分野で選ばれ続けるには、お客様のモノづくりの課題や最新のアプリケーションを理解し、多様なソリューションを提供し続けていく必要があります。

――だから、ソリューションビジネスに力を入れている。

ミクロン以下のニッチな超精密の領域で必要になるのは、超高度の技術力です。ソリューションの提供が求められるのは、より需要の高い市場です。熟練工が減るなか、複数の工程の自動化や、機械自体も簡単に扱えるようにしていくことが重要になってきます。最先端分野は技術力、需要の高い市場にはソリューションと、2方向で取り組んでいきます。

――改めて、次の50年に向けてひと言お願いします。

人材とグローバル化が鍵になります。当社はメーカーですから、開発だけでなく生産技術や調達など、モノづくりを担う人材が要になる。国籍、性別、年齢問わず、多様な人材がグローバル市場で力を発揮できるグローバル企業を目指します。また、全世界の様々な国にある多様な産業で事業を展開し、世界のモノづくりの進化に貢献することで、次の50年もさらなる成長を続けていきます。






産業機械事業部 事業部長 谷口 一芳 氏

精密・高付加価値の成形市場を深耕


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――産業機械事業部も昨年度からの好業績を支える一角をなしています。

データセンター(DC)の高性能化を支える光コネクタ部品「MTフェルール」では多芯化かつ寸法精度の要求が高まっています。射出成形機にはより精緻な成形が求められており、当社の「LP20EH4」の需要が急速に高まっています。

――なぜLP20EH4が求められている。

ひと言でいえば、「成形精度」と「歩留まり」を同時に満たせるからです。極限まで精度を追い込める機械でも、不良率が高ければ製品の安定供給は実現できません。特に光ファイバー関連部品では、伝達損失を抑えるために極めて高い寸法精度と安定した成形品質が求められます。当社の成形機で成形した製品は、こうした厳しい品質要求に対応しながら高い歩留まりで安定した生産を実現できる点が評価されており、指名買いいただくケースが増えています。

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射出成形機「LP20EH4」

――なぜ両立できる。

「V―LINE」という独自の成形方式にあります。一般的なインライン方式は、1本のスクリューで樹脂を溶かし、計量し、射出まで行います。ただ、この方式は流路を閉じるチェックリングが樹脂の逆流によって作動するため、金型への射出量にばらつきが生じます。V―LINEは、樹脂を溶かす可塑化部(スクリュー)と金型に樹脂を流し込む射出部(プランジャ)を分けています。設定した量を射出部にて計量した後に流路を閉じて、逆流の無い状態で樹脂を金型に射出するので、毎回同じ樹脂量が金型に入り品質の安定化に繋がります。当社成形機に切替えたことで最終の検査工程が不要になった現場もあるようです。

――次の50年に向けてDC以外の領域はどうしますか。

DC需要は高いですが、それ以外の領域にも積極的に取り組んでいます。当社製品の高精度・高信頼性といった特徴を生かせる医療機器や精密電子部品など、「高付加価値でニッチな分野」をグローバルで開拓していきます。その施策の一つとして、7月に山善と共同で新会社Plustech Europe GmbH(ドイツ・シュツットガルト)を設立しました。2004年に同社と合弁で設立した米国のPlustech Inc. で築いた実績とノウハウを欧州に展開し、29年までに年40台の販売を目指しています。

さらに、使用済み樹脂を原料として同じ製品を成形する「ダイレクト水平リサイクル成形」を通じて社会課題の解決にも寄与していきます。欧州での環境規制の厳格化やナフサ危機などにより、市場の関心もますます高まっています。再生材100%でも良品を成形できるのが強みです。複数の柱で環境変化に強い事業を築き、次の50年も成長を続けていきます。






食品機械事業部 事業部長 中村 卓弘 氏

総合食品機械メーカーへ飛躍


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――食品機械事業部は、製麺メーカーがルーツだそうですね。

はい。製麺メーカー・トムを2007年にソディックが引き継ぎ、製麺機で培った技術を土台に、無菌包装米飯製造システム、真空冷却装置へと領域を広げてきました。

――工作機械のソディックが、なぜ食品機械を手掛けることに。

きっかけは、1995年の阪神淡路大震災でした。被災したトムの代表と旧知の仲だった当社創業者の古川利彦が工場の一部を提供したことが始まりです。もちろん経営戦略上の理由もあります。工作機械と産業機械は景気の波を受けやすい。一方、食品機械は波が比較的小さく、リスク分散の一手として取り込みました。

――近年は製麺機や米飯装置を強みとしてきましたが、「総合食品機械メーカー」への進化を目指しているそうですね。

製麺機、米飯装置については、国内市場の相応のシェアを占めています。しかし、次の50年を戦うには、第三の柱を打ち立て飛躍することが必要だと考えています。

――第三の柱とは。

中心となる技術が「真空冷却」です。FOOMAアワード2026で優秀賞を受賞した「連続式真空冷却装置」は、パンや菓子、惣菜など幅広い市場で活用いただける製品です。既にコンビニ向けベンダーで採用が決まっています。投入から排出まで全自動で、従来のバッチ式と比べて人手を大幅に削減できます。冷却も速く、製品によっては80℃から20℃までわずか1分ほどで冷却可能です。真空状態で冷却するので浮遊菌が付着するリスクも少なく、賞味期限の延長にもつながる。人手不足にもフードロスにも効く技術です。

――どう事業を広げていく。

当社の強みは1台の機械ではなく、工程まるごと設計・構築できるエンジニアリング力です。菓子やパンのような新領域は当社製品だけでのライン構築は難しい。そこで、製麺や米飯で鍛えた技術力に加えて、他社との協業も検討しながら全体提案を進めていきます。

――次の50年に向けて、どんな事業部を目指しますか。

既に韓国や中国からの引き合いも増えており、さらなるグローバル展開を視野に入れています。政府も食品機械の海外展開を後押ししていますが、納入後の検収までをグローバルに対応できる企業は限られます。その点、当社はサービススタッフだけで約30人という体制を整えており、これは他の食品機械メーカーにはない強みです。中計で掲げる食品機械事業の売上100億円の達成は簡単ではありませんが、米飯装置の立ち上げ時も時間をかけて困難を一つずつ解消してきましたので、次の柱も同じように育てていきます。

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食品機械事業の第三の柱の鍵となる「連続式真空冷却装置」





(日本物流新聞2026年9月10日号掲載)