設備から見た働き方改革 <2>
【画像1】「DXF-TE」は、トラックのあおり部分に取り付けて、昇降をサポートする
【画像2】大型作業台「DXL」は、2台連結すれば、約4.5mの足場を確保できる
【画像3】メカニカルシャー「AST-1013H」
荷役作業を安全に
広い天場で効率アップ
現場の数だけ危険が潜んでいる。慎重を要する作業よりも、「慣れている」「当たり前」な行動にこそ、意外な落とし穴がある。労働災害(休業4日以上)のうち、墜落・転落が約2割を占めているのは、その理由を示す事象といっていいだろう。
トラックの荷役作業も事故が起こりやすい典型の一つだ。重量物の搬送、限られた時間での入出荷、無理な姿勢、不安定な足場などが原因として考えられる。やや古いデータにはなるが、荷役作業における労働災害の現状は、厚生労働省が2013年5月に発表した「荷役作業安全ガイドライン」に詳しい。
調査対象は陸運業。無作為に抽出した労働災害1000件の75.5%が荷役作業中に発生した事故だ。そのうち墜落・転落事故は約3割。その大部分は荷台で起こっている。
ガイドラインは、合わせて荷主、配送先、元請事業者などに対して、陸運事業者の荷役作業の安全確保に協力することを求めている。その点に着目して、13年から作業台を中心にトラック関連製品を揃えたのがピカコーポレイションだ。【画像1】商品部の島田勉チーフは「荷主側だけではなく、荷受側である物流センターや工場からも引き合いが増えている」と話す。
搬入口付近にキャスター付作業台や昇降ステップを常設し、トラックが到着次第、荷台に横付けさせるケースが多いそうだ。広い天場を確保することで、安全性だけでなく作業効率も高める。そういった相乗効果は、荷台の「あおり」に立って不安定な姿勢のまま作業することが当たり前になっていたことも関係している。
「荷台は微妙な高さなので、飛び乗ったり、飛び降りたり、足をかけたりといったことができてしまう。しかし、狭い足場と不安定な姿勢は、怪我だけでなく、荷を潰すことにもなりかねない。あおりに立ってシートを付け外しするのは、最も危険な作業といえる」(島田チーフ)
切断中の事故防止
機械前後にセンサ搭載
労働災害では、転倒、墜落・転落、動作の反動・無理な動作に次いで、「はさまれ・巻き込まれ」による事故も毎年1万人以上発生している。不用意な動作、誤った操作などが原因とあって、工作機械メーカーも安全対策に余念がない。シャーリングブレーキとプレスブレーキの専業メーカーである相澤鐵工所もそうだ。
安全を意識したシステムを具現化した製品として、メカニカルシャー「AST-1013H」【画像3】がある。実際に作業する前面部にセーフティガードを設置。切断部分に作業者の身体が入らないようにした。光カーテンも装備させ、作業者が誤って手などを入れてしまったときに、電磁ロックが作動する仕様とした。
後部には安全柵を設けた。こちらにもセンサが取り付けられており、機械後部に人が入ったときには、アラートが点灯し、電磁ロックが作動する。
作業者ファーストを重視しながら、自動車の軽量化に伴う材料の進化に対応するため、加工能力も大幅に高めた。厚板10mm、13mm向けの切断機では従来にない高速化を可能にしたほか、SPMは同社機比170%、バックゲージの移動速度は500%を実現している。そのほかにも、リターン機能、短冊切断時に発生する製品の反りやねじれを軽減する機構も搭載した。
設備から見た働き方改革 <了>