連載
工業系YouTuber【なんとか重工とんこつ】
射出成形でレゴブロックを作る
- 投稿日時
- 2026/05/25 15:06
- 更新日時
- 2026/05/25 15:10
ファザーマシン2/Chapter71
みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。今回は、「LEGO編」をお送りします!
以前、オリジナルマインドさんの卓上手動式射出成形機「INARI」をレビューさせていただいたことがあります。結果としてはちゃんとコマも作れましたし、レビューとしてもINARIがどういう機械なのかは伝えられたと思います。

金型は卓上フライス盤で製作しました
それから1年後、今度は進化した「INARI M12」をレビューしてほしいというご依頼をいただきました。ありがたい! ただ、このINARI M12は射出できる容量が6ccから12ccに増え、大型化したモデルで、特別な新機能が追加されたわけではありません。つまり、前回と同じようなことをしても動画として面白くない。
ここから企画に悩む日々が始まります。私の場合、やることが決まっていても「何を作るか」でいつもすごく悩みます。オリジナルマインドさんにも喜んでもらえて、視聴者さんにも楽しんでもらえる内容とは何か。そんなことを考えながら日々が過ぎていきました。
そんなある日、息抜きに子供と遊んでいるとLEGOが目に入りました。ふと「これってどうやって作られているんだ?」と思い、製造方法を調べてみると、もちろん射出成形。
これだ‼
しかもLEGOはただのおもちゃではありません。
完璧に近い品質管理と徹底された量産体制。製造時の加工精度は2ミクロンとも言われています。もはや玩具というより、子供向けの精密工業製品です。
今回は、LEGOブロックがついたナンバープレートボルトを作ることにしました。
しかも、ねじを後入れするのではなく一体成形で作ります。
まずは金型の準備です。金型は、同じくオリジナルマインドさんの卓上CNCフライス盤「KitMill CL100」で製作します。
単純にLEGOの形を彫り込むと、エンドミルの都合で隅にRが残ってしまいます。そこで金型をいくつかのパーツに分けて製作することにしました。実際のLEGOの金型は、おそらく型彫り放電加工などで作られていると思います。
■射出後の「ひけ」対策に
動画のメインは射出成形なので、金型製作にあまり時間をかけられないと思い、ワーク固定を両面テープだけで横着した結果、見事にワークが動きました。結局、余計に手間がかかるといういつものパターン…。
LEGOには「LEGO」の刻印がありますが、今回はなんとか重工の「N」だけ刻印しました。こういう小さいこだわりが入ると、一気にそれっぽくなります。
INARI M12は組み立てから行いましたが、マニュアルが親切で楽しく組み立てられました。本体はかなり大きく重たくなっていましたが、その分レバーも長く、射出操作もしやすい!
そしていよいよ成形。ねじを金型にセットし、ペレットを溶かして勢いよくレバーを倒します。初回からかなり良い感じに一体成形できました。
しかし側面に少し「ひけ(成形品の表面にくぼみができる成形不良)」が出ていました。射出後に圧を維持したまま時間を置いたりしましたが、なかなか改善しません。
そこで、以前「産業用の金型には冷却用の穴が通っている」と聞いたことを思い出し、成形後すぐに型ごと水につけてみました。かなり力技です。
しかし、これがうまくいきました。ひけのない綺麗な成形品ができました。手元にある設備で考えて試す。上手くいったときはものづくりの面白さを実感します。
3回目の射出成形企画でしたが、じっくり悩んで作った甲斐もあり、たくさんの方に見ていただけました。海外からも多くの賞賛のコメントもあり、大変でしたが頑張った甲斐がありました。
こういった機械は、興味があってもなかなか気軽に試せるものではありません。だからこそ、企業さんにとっては宣伝になり、視聴者さんにとっては知るきっかけになり、私たちも楽しく撮影できる。三方良しの良い動画になったのではないかと、自画自賛しています。(笑)
次回もお楽しみに!
(日本物流新聞2026年5月25日号掲載)
工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ
工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は13.8万人(2026年5月25日現在)