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工業系YouTuber【なんとか重工とんこつ】 
自宅で出来るローレット加工(切削)

投稿日時
2026/05/15 14:19
更新日時
2026/05/15 14:22

ファザーマシン2/Chapter71

みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。今回は、「ローレット加工編」をお送りします。

ねじの頭、カメラのつまみ、バーのグリップなど、身の回りには細かいギザギザが付いた部品がたくさんあります。あの滑り止めのような模様が、ローレット加工です。

別名ナーリングとも呼ばれるこの加工。見たことがある方は多いと思いますが、実際にどうやって作られているかご存じでしょうか?

QUICKの切削ローレットです

ローレット加工には、主に転造と切削があります。機械加工で行う場合は、どちらも基本的には旋盤で加工します。図面でローレットの指示を見ると、少し身構える方もいるのではないでしょうか。私は身構えます(笑)。

まず転造ローレットは、ローレット工具を刃物台に取り付け、ワークを芯押しし、低速で回転させながら油をつけて、ゆっくり工具を押し付けていきます。材料を押しつぶして盛り上げ、変形させながら形を作る加工です。

加工中は切粉というより、黒いカスのようなものが出てきます。転造のメリットは、工具寿命が長いこと。そして材料を押しつぶすことで表面が加工硬化し、強くなることでしょうか。

ただし、材料を変形させる加工なので、材料を選びますし、機械の剛性も必要になります。ワークもたわみやすいため、長尺物や剛性の低いものはなかなか難しいです。特に私の持っている卓上旋盤では、転造で綺麗なローレット目を作ることはできませんでした。

そこで登場するのが、切削ローレットです。名前の通り、こちらは切削によってローレット目を作るため、きちんと切粉が出ます。材料を無理に押しつぶさないので機械への負担が少なく、樹脂などの柔らかい材料にも加工できます。

さらに、小径にも対応しやすく、仕上がり寸法を狙いやすいのも大きなメリットです。

もちろん良いことばかりではなく、工具が高価なことと、刃物が摩耗しやすいことはデメリットです。良い工具ほど値段が高い(泣)。

■山田マシンツールさんとコラボ

会社員時代から切削ローレットの使いやすさは知っていたので、MECT2021で山田マシンツールさんのブースにあったQUICKの切削ローレットを見つけた時は、テンションが上がりました。

卓上旋盤でも使用できるサイズがラインナップされていて、しかも見た目もかっこいい。工具は性能が大事なのはもちろんですが、かっこいい工具にはやはり惹かれます。展示会後、私はすぐにメールを送り、動画でのコラボ提案をしました。

山田マシンツールさんとしては、YouTubeコラボは初めてとのことだったので、オンラインミーティングで流れや疑問点を確認し、無事に承認をいただくことができました。

後日送られてきたのは、工具よりも大きな青い箱。ドイツ製のその工具は、箱を開けた瞬間から高級感が漂っていました。部品一つ一つにもこだわりが感じられ、なんとφ350まで1本でローレット加工ができるという優れものです。

ローレット工具は高さ合わせが難しい印象がありましたが、この工具はとても扱いやすく、すぐに使うことができました。そして仕上がったローレット目は本当に綺麗で、卓上機で加工したとは思えない仕上がりでした。

やっぱり綺麗なローレット目を見ると、加工屋としては気持ちがいいです。地味な加工かもしれませんが、あの均一に並んだギザギザには独特の魅力があります。

そして何より、この動画はかなり多くの方に見ていただけました。再生数はなんと35万回。ローレット加工という、決して一般向けとは言えないテーマでも、ここまで興味を持ってもらえるのかと驚きました。

きさげと同じように、ローレットも世界中に好きな人がいる加工なのだと思います。こうした少しニッチな加工の面白さを伝えられることも、工業系YouTubeの魅力のひとつだと感じました。ものづくりの世界には、まだまだ動画にしたくなるテーマがたくさんありますね。次回もお楽しみに!



(日本物流新聞2026515日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ

工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は13.8万人(2026年5月15日現在)