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工業系YouTuber【なんとか重工とんこつ】 
ボロボロのボール盤を復活させる

投稿日時
2026/10/09 13:37
更新日時
2026/10/09 13:40

みなさん、こんにちは。工業系YouYubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。今回は、「ボール盤購入編」をお送りします。

ものづくりをする上で最初に買うべき機械。それはボール盤です! 同時に一番危険で怪我をしやすい機械とも認識しています。

実用までにかなり時間がかかりました

以前勤めていた工場では、その危険性から、ボール盤がありませんでした。ドリルはもちろんワーク(材料)が回されてしまい、怪我につながる可能性があります。安全面を考えれば納得なのですが、ちょっとした穴あけ加工のたびに「やっぱりボール盤欲しいなぁ」と思っていました。

そんなある日、ヤフオクで見つけたのがKIRA(吉良興業)製の「KRT-420P」。卓上型のかわいいボール盤ではありません。本格的な業務用機です。

これは欲しい! ということで落札し、自ら愛知県豊川市まで引き取りに行くことになりました。

「……思ってたよりボロい。」

いや、写真では分かっていたんです。分かっていたつもりでした。

しかし、実物はなかなかの状態。緑色の塗装は剥がれ、あちこちサビだらけ。起動ランプは点灯せず、Vベルトもいつから使われているのか分からないほど劣化しています。

さらに油カスやヘドロのような汚れまで固着しています。

まずは古いVベルトを外し、機械全体を清掃。剥離剤を使い、古い塗装も浮かせて少しずつ削り落としていきます。

これが、とにかく大変。それでも地道に作業を続け、ようやく鉄の地肌が見えてきました。

そして塗装。ボディは鮮やかな青色に、モーター周辺はツヤ消しブラック。さらにスピンドルやターンテーブル部分には黒染め処理を施しました。あれだけボロボロだった機械が、少しずつ「使いたくなる機械」に変わっていきます。

ただ、中古機械は見た目だけ綺麗にすれば終わりではありません。特に確認したかったのが、ドリルを保持するスピンドル内部です。

このボール盤はモールステーパー、いわゆるMT2を使用しています。テーパー同士を密着させてドリルを保持する構造なので、内部に大きな傷や打痕があると、ドリルを正常に保持できない可能性があります。

そこで登場するのがデジタルマイクロスコープ! ディノライトをスピンドルの奥まで入れて、肉眼では見えない部分を確認します。

画面に映し出された内部には多少の擦り傷はあるものの、致命的な傷はありませんでした。ひとまず安堵。ここがダメになっているとお手上げです。

せっかく業務用のボール盤を手に入れたので中古ドリルも買いました。中古のモールステーパー付きドリルは、テーパー部分だけでなく、回転力を伝える「タング」の状態も重要です。

また、ドリルは研磨すれば何度でも使えるように思えますが、実はそう単純でもありません。ドリルには先端から根元に向かって少しずつ細くなる「バックテーパー」があるため、研磨されすぎた中古ドリルでは、表示サイズより小さい穴が開いてしまうことがあります。中古工具は「安いからお得」だけではなく、状態を見極めることが大切です。

そしていよいよ実加工。MT2の19.7㍉ドリルを装着し、厚さ約8㍉の鉄板に穴を開けます。しかも切削油なしのドライ加工。

そこそこ太いドリルなので、送りにもそれなりのパワーが必要です。スイッチを入れると200Vモーターが力強く回転し、ドリルを送り込んでいきます。

熱々の切り粉を排出しながら、見事に鉄板を貫通!

ボロボロのボール盤が、見た目も機械としての性能も見違えるようになりました。こうして念願だった業務用ボール盤を手に入れたことで、できる加工もまた一つ増えました。

そしてまた、工房が狭くなりました(笑)。

次回も、お楽しみに!



(日本物流新聞2026年10月10日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ

工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は14.1万人(2026年10月9日現在)