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産業潮流

UBEマシナリー、4500・7300トンのギガキャスト機2機種追加 

投稿日時
2025/06/09 15:58
更新日時
2025/06/09 16:01

販売済みの6500トン・9000トンと合わせてフルラインナップ

UBEマシナリーがギガキャストに対応する大型ダイカストマシン2機種を同時に上市した。型締力はそれぞれ7300トン・4500トンで、すでに販売している6500トン・9000トンと合わせて「フルラインナップが揃った」とする。販売目標は4500トン以上で年間10台。ギガキャストをめぐっては芝浦機械が韓国・ソジンシステムから同社初の超大型ダイカストマシン(型締力1万2000トン)2台の受注を発表しており、国産ギガキャスト対応機がにわかに活気づいてきた。

ギガキャスト対応大型ダイカストマシン「UH7300」のイメージ(UBEマシナリー提供)

UBEマシナリーが新たに追加したギガキャスト対応大型ダイカストマシンは「UH7300」と「UH4500」の2機種。いずれも2024年8月に上市した型締力9000㌧の「UH9000」と同様の機能を備え、超高速射出と高い充填力を持つ射出ユニットを搭載。型締ユニットには2枚プラテン方式を採用し、電動式型開閉による高い位置精度を特徴としている。

同社はUH7300/UH4500の開発背景を「お客様からの要望もあり検討を進めてきた結果、ラインアップの拡充に至った」とする。「用途はお客様の判断で色々と適用できる」と限定しないが、導入側には鋳造品のサイズにより最適な型締力のマシンをリーズナブルに選べるようになる利点がある。ギガキャスト機の販売先は国内に限っておらず、追加した2機種については「すでに国内外の企業から話がある」という。

同社は3月に竣工したリョービ菊川工場に、すでにギガキャスト対応大型ダイカストマシン「UB6500iV2」を納入しており、リョービは同機で大型部品の試作サービスを開始する予定。UBEマシナリーはその他の納入実績を明かしていないが、「自動車メーカーを中心に興味を持って頂いており、複数社と商談を進めている」という。

これまでギガキャスト対応大型ダイカストマシンの開発は中国LK社など海外メーカーが先行してきたが、ここにきて国産マシンが相次いで上市され巻き返しが進む。マシンの重量は数百㌧、サイズによっては千㌧以上におよび、海上輸送のコストを考慮すると納入先が国内の場合は国産マシンを選ぶことにメリットは大きい。

(日本物流新聞2025年6月10日号掲載)