
高精度加工の自動化・生産性UP中心に
安田工業は5月13、14日にかけてプライベートショーを岡山県の本社工場で開催した。2年ぶりとなる自社展に2日間で約430人が来場し、昨年のJIMTOF出展機をメインに、組立工場や部品加工エリアを見学コースとして披露した。
高精度金型加工向けの「YBM Vi40」からワークサイズの最大径を1.3倍、最大重量を2.5倍にした「YBM Vi50」は、EROWA製のAWCと共に展示。チャックシステムで2ミクロンの精度を保証し、外段取りによる高精度加工の自動化を訴求。夜間や休日も効率的に加工ができる。「5軸ジグボーラーとして高精度部品の加工も行える。機械が大型化してもキサゲ加工により高い真直度を確保し精度をしっかり作り込んでいる」(同社・以下同)
「YMC430」では砥石を上下させるジグ研削のデモと、リニアモーター駆動による高面品位の鏡面加工デモとサンプルを並べた。「この一台でマシニングセンタとジグ研削の加工を行える。技術継承が困難な中、機械に置き換えて標準化していくことが重要。キーワードは工程集約だ」。
このほか「YBM950V」によるベベルギヤの実加工や、大容量ATCとAPCを標準搭載した5軸MC「PX30i」、高精度歯車加工に最適なCNC歯車成形研削盤「GT30」、「3Dプリンターの切削加工機版」と表現する新たな切削ソリューション「Labonos」なども展示された。
工場見学では同社の立形最大モデルの高精度加工機「YBM1218V」や横形MC「YBM15T」(=写真)を紹介。機械精度を左右するキサゲの体験コーナーでは多くの来場者がスクレーパーを手に緻密な作業に挑戦した。「ガイドウェイなど大きい摺動面だけでなく小さな部品の調整にも使えるのがキサゲの利点。また真直度を高めることで経年変化を抑え、精度の長期間の維持にもつながる」。
(日本物流新聞2025年6月10日号掲載)