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ロボット切削、前進へ

投稿日時
2024/07/29 18:00
更新日時
2024/07/29 18:00
左から岩田昌尚イワタツール社長、岡丈晴トライエンジニアリング専務取締役

SIer・メーカーなど8社が研究会発足

 産業用ロボットによる切削加工がにわかに広がりそうだ。ロボットSIerや切削工具メーカーなど8社は74日、「ロボット加工技術研究会」を発足すると発表した。ロボットを用いた切削加工などの用途および市場の拡大を目指す。
 この研究会の参画企業はトライエンジニアリング、イワタツール、ファナック、安川電機、田野井製作所、フジBC技研、レニショー、ジェービーエムエンジニアリング。同日愛知県内で開いた会見で、発足人であるトライエンジニアリングの岡丈晴専務取締役は「産業用ロボットによる切削加工は30年以上前から大学などで研究されてきたが、なかなか実用化に至らなかった。一方で欧州では航空機、船舶の分野で活用されている」と設立の背景を話した。同社は10年ほど前からロボット切削に取り組み、削り・穴あけのほかFSW(摩擦撹拌接合)などで成果を上げてきた。「参加企業の知見をもち寄って社会的な地位を確立し、導入コストを含めてより良い市場をつくりたい」とした。
 研究会はまずは切削加工から取り組み、バリ取り・研削・研磨なども見据える。もう一人の発足人であるイワタツールの岩田昌尚社長は「ロボット切削では剛性の低さが指摘されるが、ギガキャストに関してはワーク剛性の低さがあり、互いの知見をうまくフィードバックでき得る。研究は一方方向ではない」と見る。参画企業からは「欧州もロボット切削についてはそれほど成功しているとは思っていない。世界でもう一段上のレベルを目指したい」(ファナックの安部健一郎常務執行役員)との意気込みも。今後は大学、研究機関、代理店などの参加も検討していくという。

2024725日号掲載)