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アルトリスト、人手不足に後工程の自動化提案

橋田浩一社長に相模原技術センターで話を聞いた

ロボで多品種少量ニーズに柔軟対応

 食品工場の自動化対応が急務になっている。今まで人頼りになってきた後工程は労働人口の減少などを理由に特に自動化ニーズが高い。今回展でも数多くの提案を見ることができそうだ。そんな食品業界の困りごと解消に長年取り組むシステムメーカーでありインテグレーターのアルトリスト(東京都調布市)の創業者である橋田浩一氏の元を訪れた。
 「独立する以前(1985年ごろ)から食品工場のエンジニアリングに取り組んできた。なので、近年問い合わせの多いロボットによる自動化以外の機械化・省力化からワンストップで提案できるのが強み」
 アルトリスト・社長の橋田浩一氏は同社・相模原技術センターでそう話す。リーマン・ショック直後の200810月に創業して以来、一貫して食品工場の自動化・省力化・生産性向上に寄与してきた。

 「外部環境の良くない時期に創業したが、4年目以降はコンスタントに売上10億円を実現してきた。つまり、業界には底堅いニーズがあるということ。その際、大手メーカーと取引できたことが、川上から川下まで一貫してサービス提供できる体制を築くことができた理由の一つ」

 そうした中で現在さらなる追い風が吹いている。人手不足と物流問題だ。特に、外国人材の不足は、コロナ禍前にビザを取得した人の多くが昨年でビザが切れていることや為替の影響などから新しい人材が流入しづらい状況があり、自動化への強い後押しとなっている。
 「これまでほとんどなかった中堅中小からの問い合わせも増えて来ている。人手がとにかく足りないからコスト度外視で何とかしたいという声も聞かれるようになってきた」

■大量生産から多品種少量時代へ

 FOOMAでも「ダンボール開函ロボットシステム」や「被せケーサー」など人手不足に対応するシステムを多く出展する。ダンボール開函ロボットシステムは、ファナック製の10?`可搬の協働ロボットに金属片を持たせたハンドでクラフトテープのみを切断・開函するもの。一般的なダンボール開函システムは、箱の垂直面上部をカッターで切断するシステムが多いが、内容物を傷つける可能性や段ボールの紙粉が出たり、刃物を使用するため防護柵が必要であったり、食品工場には適さないことが多い。処理能力はそうしたシステムにかなわないものの(1分間に2ケース程度)、容器供給用途であれば11箱程度でミートする現場がありニーズはあるという。
 「人と同じ形で開函できるため、従来の工程を見直す必要がない。昨年はデパレタイジングと開函の2工程を披露したが、今年は内容物のピッキング工程も含めて提案する」
 被せケーサーも多品種小ロット生産に対応できる梱包の自動化システムであり、橋田氏は「専用機よりも型替えが容易なロボットに注目が集まっている。柔軟なシステム構築に商機がある」と話し、将来的な株式公開も視野に入れ提案を加速する。
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(写真=昨年に引き続き出展予定のダンボール開梱ロボット。昨年よりも繊細な作業ができるようになっている)



2024525日号掲載)