新製品や自社設備 披露
ナガセインテグレックスは12月18日までの3週間、6年ぶりとなる内覧会を岐阜県関市の本社工場で来場者を制限して開催している。長瀬幸泰社長は「創業70年で最も画期的な開発ができた。ナガセの機械は昔は(一般的な機械の)2倍の価格だったが今は少し高い程度。それで工程戻りがなく、かつてない高い生産性を発揮できる」と自信を見せる。
同社の内覧会は例年、3日間で約1千人が来場した。今回はJIMTOF後の3週間と期間を大幅に拡大したが、コロナ禍の対策をして1日6組(1組3人まで)の予約制とし、計300人弱の来場者を予定する。工場の見学コースではJIMTOFでアピールした新製品をカバーを付ける前の状態で見せるほか、カタログにも載せていない機種(レンズ金型の加工に向く、4軸仕様と5軸仕様のナノグラインディングマシン)や超精密加工したワーク、自社大型設備(テーブル寸法10×2・5?bの研削盤など)、出荷前の製品(5×2.5?bの研削盤など)を紹介する。
目玉となった超精密成形平面研削盤「SGi-520α」(有効加工範囲500×200?_)は、同機に搭載できる砥石成形用のスマートドレッサシリーズの開発により多彩なユニット構成を実現。細溝加工や形状加工、成形加工、機上測定にも対応する。ミーリング機能(オプション)も用意し、営業本部の長尾昌浩副本部長は「工具を16本搭載でき、位置決め精度は±0・2ミクロン」と切削加工も精密に行えることを訴える。超精密門形成形平面研削盤SGDシリーズに新たに加えた「SGD?206」は、2260×7130?_と同一加工面積比で業界最小の設置スペースを誇る。モーターコアなどの大型金型や大型部品の加工に向く。
開発中の研削加工支援アプリも紹介する。研削業界初の試みで、ワーク寸法・材質、研削・ドレッシング条件、求める品質などを設定すれば、その加工に最も適したマシンを提示してくれる。長瀬社長は「最適な機械をスコアで示すことで、お客様に考えてもらえる材料をお出しできる」と言う。来年3月、幕張メッセで開かれるGrinding Technology Japan 2021で完成品を披露する。
(2020年12月10日号掲載)