オーバーホール対応が増加
三井精機工業は2月16・17日の2日間、埼玉県比企郡の本社工場で工場見学会を開いた。感染対策のため、各日とも午前、午後に分けた予約制とし、約130人が訪れた。
例年通り機械の加工・組付けを行う精機棟の一部を使用して、最新機種であるプレシジョンセンタ「PJ303X」やプレシジョンプロファイルセンタ「PJ812」をはじめ、ジグ研削盤「J350G」、5軸制御立形マシニングセンタ「Vertex」シリーズ、ねじ研削盤「GSH200A」などを加工ワークとともに披露した。2021年に初披露したPJ303Xは全軸にリニアモータを採用したことで高速・高精度な加工を実現した機体。現在、精密微細分野での5軸加工の要求は多くないが、今後、EV化やIoT化、自動運転技術などの普及が進むにつれて小型部品においても高度な加工が求められるようになるとみる。同社・精機営業部正規販売推進室の湯田朗氏は「精密微細加工分野の5軸は三井と認識してもらえるよう提案を進めている」と話す。
精機棟は冬場20℃、夏場23℃各±0.4℃の徹底した温度管理がなされ、独自の空調システムは天井の多孔板から空気を吹き出し、壁横のリターン・ダクトから回収することで、上下方向の温度差のばらつきや床付近の風の発生を抑え、大型機の熱変形やレーザーの揺らぎが起きないよう徹底している。組付けやテスト中の最新鋭機が多数並ぶ中、オーバーホールのために上物を外された同社最大のねじ研削盤もあった。湯田氏は「部品不足や物価高の影響もあり、オーバーホールの問い合わせが増えている。当社にとっては手放しで喜べる状況ではないが、新品だと納期が1年以上になることもあり、要望があれば応えるようにしている」と話し、「新たな機械の提案や社内教育にも役立っている」とメリットについても説明した。
(2023年3月10日号掲載)