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100万円切る外資協働ロボット

投稿日時
2024/01/23 18:00
更新日時
2024/01/23 18:00
20万円台のDOBOTの小型4軸協働ロボット「MG400」

ねじ締め・FSWも難なく【国際ロボット展から】

東京で122日までの4日間開かれた第25回国際ロボット展は昨今の人手不足ニーズに応える数々のソリューションが発表された。海外ロボットメーカーの台頭を印象づけた(出展社数は中国50、ドイツ16、韓国12、台湾9、米国9)一方で、こんなことまで自動化できるのかという実演に目を奪われた。

圧倒的なコストパフォーマンスで日本市場を狙う外資系メーカーが数多く見られた。協働ロボットを3?`可搬モデルで476000円、5?`可搬モデルで496000円という衝撃的な価格を掲げていたのが、中国のロボットメーカー・FAIRINOだ。同社の「FR」シリーズは3~20?`可搬モデルをラインナップ。すでに200社以上に計5千台の納入実績があるという。

小型4軸協働ロボットを20万円台で提案したのはDOBOT。「MG400」は設置面が19?a四方の卓上サイズで、衝突検出機能など協働ロボットに必要な基本機能をしっかり備えている。また商業施設などでの軽作業やサービス用途向けに開発した6軸協働ロボット「Nova」は軽量かつコンパクト。価格は「100万円を切る」(メーカー)と言う。

イグスはドイツ製ながらわずか100万円の協働ロボット「ReBeL(リベル)」を展示。樹脂パーツで構成された本体は、独自の潤滑性樹脂により可動部をメンテナンスフリーとした。「ギア部分は大手ギアメーカーの設計データを提供頂き、エンプラで忠実に再現した。繰り返しの使用で摩耗した場合もモジュール単位で交換可能」(イグス)と長く使えそうだ。

■センサー使い職人作業も

反力のかかる動作や細かな作業も難なくこなす。協働ロボットによるねじ締めはファナックやユニバーサルロボット、KUKA Japanが実演。ファナックは25?`可搬機でM20300Nm相当)を許容値を定めることでエラーを回避するのに対し、ユニバーサルロボットは締めの瞬間に反力を逃がすステディモード(すべての機種に搭載)を使い、16?`可搬機でエンジン部品を想定したM8を締めて見せた。

FSW(摩擦撹拌接合)システムを国内外の自動車メーカーに納入実績をもつトライエンジニアリングは、安川電機が近日発売予定の250?`可搬の「GG250」を用い、ロボットの可搬質量が比較的小さくても接合できることを示した。FSWは発生する熱をどう扱うかが課題の1つで、三菱マテリアルトレーディングと共同開発中の空冷ホルダがその解決策となりそうだ。

国際ロボット展から〈後編〉P2トライエンジニアリング.jpg

(写真=トライエンジニアリングは安川電機の250?`可搬ロボットと空冷ホルダを用いたFSWシステムを披露)

エプソン販売は装置に微小ゲーブルを挿入して見せた。

「人の感覚を与えることで難作業も可能になる」と訴えたのはエプソン販売。水晶を用いて自社生産する力覚センサーを搭載することで微細な力加減を要する作業をこなす。熟練者が小型ピンセットで行っていた、装置への微小ゲーブルの挿入(力にすると0.01N0.1N)を4?`可搬の6軸ロボットで行った。

国際ロボット展から〈後編〉P3エプソン販売.jpg

(写真=エプソン販売は装置に微小ゲーブルを挿入して見せた。)

高丸工業は安川電機製とダイヘン製の異なる2つの溶接システムを遠隔で操作して見せた。高丸正社長は「ティーチペンダントを使わず画面上のドラッグ&ドロップで簡単に操作できる。各メーカーの独特の操作を覚える必要がない」と胸を張る。溶接経験のない同社社員がデモンストレーターとして挑戦したところ、「半日もあれば習得できる」と笑顔を見せた。

2024110日号掲載)