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エフライズ、設備工事のオフサイト化を加速へ

投稿日時
2026/06/10 09:22
更新日時
2026/06/10 10:13
モジュール化した配管。配管以外もフレームに収めたより大規模なモジュールも製作する

現場施工の最小化で若手が集う業界に変革

エフライズ(福岡市博多区)が配管類を中心とした設備工事のオフサイト化(工場内製作)で注目を集めている。フレーム内に配管やその他設備を高密度に納め、現場に運んで施工を最小化。プラント工事等に比べオフサイト生産が遅れていた設備工事に新風を吹き込む。


「そんなやりにくい現場なら、もう引き揚げるよ」

前職のサブコンで25年働いた岡本創一朗氏(現エフライズ社長)の耳に、職人のそんな言葉が残っている。当時すでに建設現場は完全な売り手市場だった。安全帯の着用を促す声かけすら職人を遠ざけるリスクになる。無理もない。仕事は他にいくらでもあった。

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岡本創一朗社長

この業界がダメになる。強い危機感から2020年にエフライズを旗揚げした。専門は設備工事のオフサイト化。職人は減少の一途で20代の割合はもう1桁台だ。「若い子を呼び戻したい。でも『3K』の印象がへばりついているから来ない。だったら現状を根底からぶっ壊してやろうと思ったんです」

当時設備工事のオフサイト化ははほぼ進んでおらず、顧客の反応も冷たかった。話も聞いてもらえない。だが深刻化する人手不足が追い風になる。業者が入り乱れ、天候に左右される従来の現場施工は作業効率が本来の7割に落ちるとされる。対して同社は配管類をフレーム内に高密度に収めた「モジュール」を環境の整った工場で作り込む。現場で1カ月かかる施工が1日で済む場合もあり「現場ではほぼ置くだけ」という。

この体制を支えるのが設計力だ。23年に設計会社を買収。BIMで細かく仕様を詰めて品質を上げ、手戻りを無くした。さらに工場(宮若ベース)では屋内に現場を丸ごと完全再現。製作した全モジュールを一度組み上げ、分割して現場へ送り出すのだ。

「正直、過剰なアプローチ。我々が現地施工するなら一度組まなくてもピタッと合わせる自信がある。ただ業界にはまだ懐疑的な目もある。施工業者に責任を丸投げせず『工場で組めたから現場でも組める』という確証が欲しかった」

ある大手機械メーカーの案件では10㌧車数十台分のモジュールを納品。他業者が施工を急ぐ中、同社の範疇だけ早々に工事を終えた。こうした実績でゼネコンから引き合いが急増している。

■若手が集う

人手不足の建設業界にあって同社の平均年齢は34歳。工場に限ればさらに若い。年間休日100日未満が珍しくない世界で同社は120日以上休む。社屋は岡本社長が若い世代に魅力的に映るデザインを考案。若手が自然と集まる好循環を生んだ。「当初は人がこんなに集まると思わず。配管の自動溶接ロボットも開発しましたが、嬉しい誤算でした」と笑う。

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工場では若手社員が流行りの音楽を聴きながら、和気あいあいと作業していた。大半は溶接の未経験者だがモチベーションが高く自主練に励んだりと、短期間で技能を身につけていくという。岡本社長は「ゼネコンからは設備を供給する『メーカー』と見なされており、それに見合う品質に仕上げている」と語る

設備工事のオフサイト化はまだ緒についたばかりだ。配管以外にどこまで領域を広げられるのだろうか。

「理屈の上ではすべての設備がモジュール化できるはず。ただどこまでの工程でメリットが出るのかは別。今は少しずつ領域を広げて限界を探っている最中です」

直近の案件では配管に加え電気設備やダクトまでをモジュール化した。宮若ベース内には現在、配管以外をオフサイト化するための新工場を建設中だ。

米国では既に設備工事もオフサイト化が進行し、「米国の今が日本の10年後の姿。日本でもいずれ標準になる」と見る。目標は先駆者として標準仕様を作ってしまうこと。「そして一気に逃げ切りたい。『建設業界を思いっきり変える』が我々の合言葉です」と結んだ。

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6軸ロボットによる配管の自動溶接システムを独自開発。配管のような円周の溶接は角度や電圧を細かに調節する必要があり、市販品では品質が不足。そこで溶接による歪みを追従しながら自律的補正するロボットを開発した



(日本物流新聞2026年6月10日号掲載)