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フジ矢、頼れる作業工具とヨコの助け合いで現場繋ぐ

投稿日時
2024/12/11 13:18
更新日時
2024/12/11 13:23
KUROKINの「掴めるモンキー」

人の手による作業がほとんどの電設現場は、職人の経験やスキルの差が如実に表れる現場でもある。しかし他の業界と同じく慢性的な人手不足に悩み、とりわけ資格職の電気工事士は将来的に不足すると見られている。作業の効率化や負担軽減のため作業工具に求められる期待は大きい。フジ矢は、「プロ電工」という公式スポンサード契約で活躍する職人をサポート。現場で求められる作業工具はなにか。プロ電工の増田優喜氏(イトウ)、小谷忠司氏(小谷電気商会)、谷川文啓氏(F.T WORK'S)の3人に現場の肌感覚をまじえて自由に語ってもらった。 


――どのような現場を手がけられてますか。

増田氏 私は大手ゼネコンなどの大型建築物メインで、商業施設や病院のいわゆるA工事と言われる電気工事が主です。アース打ちや電源設備から電気を引き込んだり、最後は照明器具を付けたり…。

小谷氏 私は幅広く、工場や店舗、住宅など、メインは屋内配線です。キュービクル設置も手掛けます。

谷川氏 住宅やテナント、工場やゼネコンやサブコン、通信系だとオフィスの情報設備や光ファイバーなど、私も幅広くやってます。

――人材不足はどの業界も深刻ですが、電設現場の肌感覚は。

谷川氏 36歳の私が若手と言われる位、とにかく20代がいない。私が行く現場では76歳で現役です、とかありますよ。

小谷氏 78歳の職人も知っています。出たくないよ(苦笑)というけれど、頼み込んで来てもらう。

谷川氏 私達みたいに工具を持って作業をするのでなく、指揮を取るための図面を読む人として、70代の方に残ってもらえないと現場が回らない状況です。

――若い新人が入っても、資格職でもある電気工事士は即戦力とはなりませんよね。

増田氏 一人前になるまでやる気があっても5年はかかります。

谷川氏 最近は現場の工期や使える材料が結構シビアで、余分なものがない。新人さんが失敗した分は誰が補填するのかとなると、通常の現場ではなかなか経験を積ませてやれません。

――慢性的な労働力不足の中、どのように現場を回すのでしょうか。

小谷氏 どれだけヨコの繋がりがあるかになってきますね。他社の電気工事士さんに来てもらったり、逆に声がかかったり。

谷川氏 助け合う意識が高い現場なので、比較的独立はしやすいという面はありますね。

増田氏 最近は「助太刀アプリ」を使っている人が多いですよ。職人が募集できるマッチングアプリのようなもので、利用者の話はよく聞きます。ただ、応募者の人となりが全然わからないので、現場に見合うスキルと乖離した人材が来ることも。

プロ電工_フジ矢様02.jpg

(左から)増田優喜氏(イトウ)、小谷忠司氏(小谷電気商会)、谷川文啓氏(F.T WORK'S)

――仕事量に対して人が少なすぎる。

小谷氏 仕事が通年フラットにあるのは電設現場の特徴ですね。ただ、景気の影響を受けやすいので、年によっては少ないことも。一方、炎上している現場もあります(笑)。

増田氏 3、4日後に消防検査だというのに配線が全く終わってないとか…。

谷川氏 火が着きますよね。

増田氏 電設作業は工期の中でも後ろに組まれるので、しわ寄せが来やすいですね。

■効率性上げる作業工具が人気

――工期がタイトになりがちな現場で、役立つ作業工具は。

増田氏 まず浮かぶのはVA線ストリッパー。昔はナイフで電線を剝いてましたが、これなら数秒で済みます。

谷川氏 1時間かかる作業を30分で終わらせられれば、短縮した分、次の作業に取り掛かれる。効率性は重要です。

小谷氏 KUROKINの「掴めるモンキー」もめっちゃ便利ですね。モンキーレンチの微調整が要らず、早回しで連続作業ができます。

谷川氏 掴み面にギザがないので掴んだものを傷つけにくいのも嬉しい。商品を掴む時はこれまで手袋やテープで保護したりしてましたから。握るだけでしっかりくわえれるので力を入れやすいです。

増田氏 最終目的は、いかに楽をするか。毎日使う工具ですから肉体的な負担を減らせるかが大切ですね。

谷川氏 工具好きの職人さんは多いです。新製品を見たら試したくなって、それが口コミで拡がっていく。

――作業工具に求めるものは?

増田氏 一番は耐久性ですね。どれだけ良いモノでも作業途中でつぶれてしまうと仕事ができなくなってしまう。何年も使えるくらいの耐久性はあってほしい。耐久性と値段は比例しますから、職人も納得して払います。

谷川氏 工具は同じメーカーにこだわる職人や、積極的に新製品を試す職人など様々です。分かりやすく例えるなら、ボールペン。求める使い心地や手に馴染む形状は人それぞれで、ハンドツールも同じです。

(日本物流新聞2024年12月10日号掲載)