Japan Droneに1.7万人
- 投稿日時
- 2022/07/18 09:00
- 更新日時
- 2024/08/19 13:19
福島産ドローン多数出展、レベル4対応機や長距離型も
6月23日までの3日間、幕張メッセで開催された「第7回 Japan Drone 2022」(〈一社〉日本UAS産業振興協議会主催)は、来場者数1万7021人(昨年は約1万2千人)を記録した。会場では本年度中の制度改正で飛行が認められる見通しのレベル4飛行「有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行」に向けた提案や「FUKUSHIMA DRONE 2022」に参画する福島県に拠点を持つ企業による提案が印象に残った。
(公社)福島相双復興推進機構は福島県内で製造されたドローン5機を展示。その1機、水中ドローン「ラドほたる?U」を提案したのがタカワ精密。地元の高専や企業と連携して開発した同製品は、福島第一原子力発電所内の原子炉格納容器内部の調査やデブリサンプリングの補助など、放射能極限環境下でも活動可能な超小型半自律の耐放射線性ロボット。「廃炉に向けた動きはまだ道半ば、(水中ドローンが)必要になる時に迅速に動けるよう開発に取り組んでいる」と言う。
上記ブースにもドローンを出展したイームズロボティクスは、自社ブースにレベル4対応を目指す物流向けドローン「E6150FL」を初出展。山間部や離島などのラストワンマイル解消を目的として、航続距離を確保するために流線形のボディデザインを採用。最大積載量は10キロ。
■固定翼型ドローンの活用も
ドローンは回転翼型だけではない。固定翼型は使用目的がはっきりとしていて、早期に導入されそうだ。会場入ってすぐにブースを設けたスペースエンターテイメントラボラトリーは飛行艇型ドローン「HAMADORI」を提案。固定翼型なため速度が出やすく、長時間・長距離飛行できることに加え、同社によれば「水上発着できるのが最大の特長。外海の過酷な環境下でも活動できる耐久性はもちろん、船上に発着場所を設ける必要がないため、小・中型の船舶で運用ができることが強み」とのこと。上空からのセンシングだけでなく、水面からの海中・海底調査にも活用が期待される。2023年の事業化に向け実証実験が進む「HAMADORI3000」(翼幅3・1?b、航続2時間)に加え、航続距離を伸ばした「同6000」(同6?b、8時間)も24年度の実用化を目指す。
スペースエンターテイメントラボラトリーの「HAMADORI3000」
会場でひときわ目立っていたのがテラ・ラボのブース。様々な企業と共同で開発した固定翼機「テラ・ドルフィン4300」(全幅4.3メートル、航続距離1000キロ、航続時間10時間)を4モデル(ジェットエンジン機や垂直離陸型など)、「同8000」(同8メートル、2000キロ、20時間)を1機、車両型地上支援システムをずらりと並べた。同社は無人機の販売ではなく、無人航空機と災害対策DXを掛け合わせた「広域災害対策システム」の構築を目指して無人航空機の開発を進めている。松浦孝英代表は「災害時には迅速な情報収集が大切」とし、「有人機ではリスクとなる状況でも無人機ならば運用できる場面が多い」と述べる。現在は有人航空機なども活用しながらシステムを運用しているが、25年ごろまでに無人航空機を本格的に活用した運用を目指すとのこと。
テラ・ラボブースにはテラ・ドルフィンの全シリーズが並んだ
(2022年7月10日号掲載)